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殿様の試写室

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小さいおうち -2-

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©2014「小さいおうち」製作委員会


《女中》という言葉はあまりよろしくないということで
《お手伝い》という言葉を使うようになったと150歳のとのは記憶していますが、
戦争前の時代は中流家庭以上のおたくには普通に女中さんがいたのだとか。
今のように家電なんて便利なものがない時代には家事労働というのはとても大変。
主婦一人でこなせるようなものじゃなかったということもあるのでしょうね。

ある年代以上の方だと、女中さんに勉強を教えてもらったとか、
いつも遊んでもらったとか、
その頃の日々を懐かしそうに語ったりなさいます。

この映画の主人公ともいうべき布宮タキは東北の農村出身です。
尋常小学校を卒業して東京に女中奉公に出て、奉公先の坊やを親身になってお世話しました。

時代は戦争前の古き良き時代と平成の現在を行ったりきたりしながら進行するのですが、
さあ、一体どんなお話かというと――


ストーリー
平成
布宮タキは鉛筆の芯をなめなめ自分史を書いている。
大学生の健史は大伯母で一人暮らしの彼女を訪れる際に
その原稿を読むのを楽しみにしていた。
そこには健史の知らない昭和初期の日本が描かれているのだ。

昭和
布宮タキは東京郊外の平井家に奉公する女中である。
タキが働くのは平井家。おもちゃ会社に勤める雅樹と妻の時子、一人息子・恭一の三人家族。
彼らは赤い三角屋根のモダンな家に住んでいた。
若く美しい時子は気さくで優しく、タキは彼女に憧れ、懸命に平井家のために尽くすのだった。

新年、平井家に雅樹の会社の社長や社員が集まり、日中戦争と金儲けの話で大いに盛り上がる。
その中で一人、話の輪に入れないのが新入社員・板倉だった。
彼は酒席を抜けだし、恭一の部屋で眠ってしまう。
客たちが帰り、雅樹も寝た後にめざめた板倉はタキのつくった雑煮を食べながら、
時子と音楽や映画の話で意気投合する。
それ以後、彼は平井家を訪れ、レコードを聴いたり、時子と談笑するようになっていった。

ある台風の夜、雅樹は出張、女ばかりで心細い思いをしている平井家を板倉が訪れ、
雨戸を打ち付けるなどしてくれた。
風は強く、とうとう停電。板倉は泊っていくことに。
深夜、扉が風で煽られる音にめざめた時子はソファで眠る板倉を起こす。
扉を押さえながら、暗闇の中で寄り添う二人。

しばらくして、社長は身体が弱く徴兵の心配がない板倉に商売がらみの縁談を持ち込む。
時子は雅樹から縁談の取りもちを頼まれるが、板倉は頑ななまでに拒む。
見合写真を板倉の下宿に持参する時子。
だが、帰宅した時子の後ろ姿を見て、タキは息を呑んだ。
帯の模様が朝出かけた時と逆になっていたのだ――

時子と板倉の噂が広がり始める。
戦況は悪化し、ついに板倉にも召集令状が届いた。別れを告げるため平井家を訪れる板倉。
翌朝、タキは慌ただしく出かける時子を見て、板倉に会いに行くのだと直感。
必死に時子を説得する。
「奥様がいらしてはいけません。板倉さんに来ていただきましょう」
タキは、板倉に来訪を請う手紙を、時子に書かせ、宛名のないその手紙を胸に板倉の下宿に向った。
その日、暗くなるまで板倉を待ち続ける時子だったが、板倉が訪れることはなかった・・・・・

平成
原稿用紙の上で泣き伏すタキ。
そこには『小さなおうちの恋愛事件は幕を閉じました』と書かれている。
健史が訊ねても何も答えず、タキは泣くばかり。

なぜ、そんなに泣いたのか、訊きたくてもタキはもういない。
遺品の中にあった茶色く変色した宛名のない未開封の手紙。

数年後、社会人になった健史は偶然「イタクラ・ショージ原画展」のポスターを
みつける。
そして、宛名のない手紙に導かれるまま、秘密を探る旅に出る……

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戦争のさなかにありながら、市民はまだまだ穏やかに暮らしています。
山田洋次監督作品におなじみの俳優さんたちが
戦時とはいえのんびりした東京郊外の小市民の暮らしをくすくす笑いと共に演じました。

それが一変するのが小さな赤い屋根のおうちが焼夷弾に直撃されて炎上するシーンです。
古き良き時代が燃え上がる場面では思わず声をあげてしまいました。

ラストにもうひとつの「ちいさいおうち」が登場します。
バージニア・リー・バートンの絵本です。
草原に一軒ポツンと建った小さなおうち。
その周囲に家が建ち、草原は町になり、家々はビルになり、町は都会になっていきます。
でも、高いビルの谷間にはあの小さな家が年老いた姿で残っている・・・・・
そんな内容だったような記憶があります。
幼少の頃に読んだきりなのではっきりは覚えていません。

しかし、ラストにこの絵本が登場することで
この映画がただの不倫映画ではないことがわかります。
戦争は知らず知らずの内にわたしたちの生活に入り込んできて、
気づいたときにはすべて失われるのだということも思い知らされました。

山田洋次監督の82本目の作品、良かったです。





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☆2014年1月19日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

小さいおうち
監督/山田洋次、原作/中島京子(文春文庫刊)、脚本/山田洋次、平松恵美子、音楽/久石譲、
撮影/近森眞史
出演
松たか子/平井時子、黒木華/布宮タキ、片岡孝太郎/平井雅樹、吉岡秀隆/板倉正治、妻夫木聡/荒井健史、倍賞千恵子/布宮タキ
2014年1月25日(土)ロードショー
日本、2時間16分、企画協力/文芸春秋、制作・配給/松竹株式会社
http://www.chiisai-ouchi.jp/

by Mtonosama | 2014-01-19 04:57 | 映画 | Comments(19)
小さいおうち -1-

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©2014「小さいおうち」製作委員会


試写室の前から2列目中央というまあまあお気に入りの席に座って悦にいっていると隣に女性が座りました。
すると、そのまた隣に女性の顔見知りとおぼしき方が「あらぁ、こういうの観るんだぁ」
と言いながら、入ってきました。
パンフレットに目を落としながら、2人の会話を聞いていると
「○○さんが良かったって言ってたの」と最初に隣に座った女性が答えます。
「あら~、そうなの」
と応えつつ、お二人は近況報告にうつっていきました。

「山田洋次監督作品だから観ておこっと」くらいの軽い気持ちで試写に来たとのは
それを聞いて期待が高まりました。

根が素直なとのはさりげなく聞こえてくる褒め言葉に影響されやすいのであります。

寅さんシリーズや学校シリーズ、藤沢周平シリーズ・・・
山田洋次作品はどれも皆見ごたえがありますが、
人情やらほのぼのした家族愛がその根底にあるような気がします。

今年84歳を迎える山田洋次監督の82本目となる本作ですが、
これまでと違うのは、家族の秘密を描き出したこと。

原作は中島京子の「小さいおうち」。
2010年に第143回直木賞を受賞したベストセラー小説です。


中島京子
1964年、東京都出身。出版社勤務、フリーライターを経て「FUTON」(‘03)でデビュー。06年「イトウの恋」、07年「均ちゃんの失踪」、08年「冠・婚・葬・祭」がそれぞれ吉川英治文学新人賞候補に。10年「小さなおうち」で第143回直木賞を受賞。著書に「平成大家族」「女中譚」「エルニーニョ」「花桃実桃」「東京観光」「眺望絶佳」「のろのろ歩け」など。ほかエッセイ集に「ココ・マッカリーナの机」、訳書に「地図集」(董啓章・著、藤井省三・共訳)がある。


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昭和の初め、東京山の手の赤い屋根の小さなおうちに女中奉公していた布宮タキが
自身の回想録を元に、かつて働いていた平井家の中で起こった密やかな恋愛について回顧する物語。
昭和初期から次第に戦況が悪化していく中での東京の中流家庭の庶民の生活が描かれます。

この物語を読んだ山田洋次監督、
「ぜひとも自分の手で映画にしたい」と作者に手紙を出し、映画化が実現したといいます。
山田洋次監督の描く恋愛ものというのも珍しい気がするのですが、
女中さんの目を通してみた奥様の恋愛。
それが監督の手にかかるとどんな風になるのか、かなり興味深いと思いませんか?

時代は戦争前の穏やかな時代。
女中さんといい、トトロに出てくるような赤い屋根の小さなおうちといい、
なつかしいような悲しいような不思議な気持になります。

映画って、映画そのものの時代背景だけではなく、
観客である自分自身がどのような時代に生きているか、ということも、
その感じ方に大きな影響を与えると思います。
きっと、とのの気持の奥には時代への不安もあったのかもしれません。

さあ、いったいどんなお話なのでしょう。続きは次回まで乞うご期待でございます。


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☆2014年1月16日に更新しました。いつも応援してくださり、ありがとうございます☆

小さいおうち
監督/山田洋次、原作/中島京子(文春文庫刊)、脚本/山田洋次、平松恵美子、音楽/久石譲、撮影/近森眞史
出演
松たか子/平井時子、黒木華/布宮タキ、片岡孝太郎/平井雅樹、吉岡秀隆/板倉正治、妻夫木聡/荒井健史、倍賞千恵子/布宮タキ
2014年1月25日(土)ロードショー
日本、2時間16分、企画協力/文芸春秋、制作・配給/松竹株式会社
http://www.chiisai-ouchi.jp/

by Mtonosama | 2014-01-16 07:13 | 映画 | Comments(5)