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タグ:必死剣鳥刺し ( 2 ) タグの人気記事

必死剣鳥刺し -2-

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              (C)2010「必死剣鳥刺し」製作委員会

さて、藤沢周平ファン、時代劇ファン待望の東映時代劇映画「必死剣鳥刺し」です。

「鳥刺し」と聞いて、モーツァルト「魔笛」の鳥刺し男パパゲーノを思い出してしまった方、
すいません、それは忘れてください。

ストーリー
海阪藩の近習頭取・兼見三左エ門(豊川悦司)には或る過去があります。
3年前のこと、藩主・右京太夫(村上淳)の愛妾・連子(関めぐみ)を城中で殺したのです。
連子は類まれなる美貌の持ち主で藩主の寵愛を一身に浴び、藩政にも口を出し、
自分の意に染まない臣下を切腹にまで追い詰める悪女。
そのことを藩主に注進できるものはおらず、
唯一、藩主を諫めることのできるのが藩主の従弟・帯屋隼人正(吉川晃司)でした。
しかし、藩主は隼人正の意見も聞き入れようとはしません。
城内の空気は次第に重苦しさを増してゆきます。

三左エ門が連子を刺したのは、そんな時期でした。
最愛の妻・睦江(戸田菜穂)を亡くし、
生きる意欲も失っていた三左エ門にとって、
悪政の張本人である連子の殺害は死に場所を求めるための行動でもありました。

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ところが、予想に反する寛大な処置。
「一年の閉門後は再び藩主に仕えよ」という沙汰が下されます。
不審感と無力感を抱きながらも、閉門の処置に従う三左エ門。
物置小屋にむしろ一枚を敷き、冬の寒さ、夏の猛暑を耐える
彼の身の周りの世話をしたのは亡妻の姪・里尾(池脇千鶴)でした

閉門を解かれ、美しい庄内平野の田園地帯を歩きながら、
生きる力を次第に取り戻してゆく三左エ門。
ですが、連子亡き後も藩の抱える問題は何一つ変わってはいませんでした。
ある日のこと、三左エ門は中老・津田民部(岸辺一徳)から呼び出されます。
それは彼を天心独名流の遣い手と知っての相談。
その腕で、或る者を討ち取れというのです。
討ち取る相手は、別家の帯屋隼人正。
藩主の悪政を歯に衣着せず批判する彼もまた直心流の達人です。
三左エ門にとってはできれば闘いたくはない相手。
しかし、彼は藩命に従うことを決意します。

その決着の日、三左エ門は思いもよらなかった運命に流されていくのでした…


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いやぁ、剣戟シーンでは力が入りました。
自動車学校で思わず補助ブレーキを踏む指導教官のごとく、
足をつっぱっていました。

やはりお家芸。東映チャンバラの真髄であります。
〈必死剣鳥刺し〉なる秘剣の〈必死〉の本来の意味が
これでもかとばかりに描かれます。

映画を観ながら「なんで標準語をしゃべってるんだ?」とか
「なんで笹野高史みたいな俳優さんが出てきて笑わせてくれないんだ?」と
知らず知らず、山田洋次監督の隠し剣シリーズと比較しながら、
観ていた殿ですが、ラストのチャンバラですべて吹っ飛びました。

お家のため、とおのれの信念を曲げ、苦悩する藩士。
隠し剣シリーズの人物は侍や武士というより会社員と呼びたくなります。
それだけにラストの渾身の闘いが
思い通りにならない日々を過ごす人々の胸を打つのでしょう。

水戸黄門の印籠のように、隠し剣シリーズのチャンバラは日本人にとって
永遠のカタルシスなんだと思った殿でした。



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必死剣鳥刺し
監督/平山秀幸、脚本/伊東秀裕、江良至、原作/藤沢周平「必死剣鳥刺し」(文春文庫「隠し剣孤影抄」所収)
出演
豊川悦司/兼見三佐エ門、池脇千鶴/里尾、吉川晃司/帯屋隼人正、岸部一徳/津田民部、小日向文世/保科十内、戸田菜穂/兼見睦江、村上淳/右京大夫、関めぐみ/連子
7月10日(土)全国ロードショー
2010年、114分、公式HP http://www.torisashi.com/

by mtonosama | 2010-05-25 07:26 | 映画 | Comments(7)
必死剣鳥刺し -1-

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                 (C)2010「必死剣鳥刺し」製作委員会

なんかものすごくバラバラなラインナップの当試写室です。

前回のアルゼンチンタンゴから、今回は江戸時代へ飛び、
舞台は東北・海阪藩。
海阪藩(うなさかはん)と言ったら―――
そうです。ご存知、藤沢周平です。

これまでに
藤沢作品は「たそがれ清兵衛」(‘02)、「隠し剣 鬼の爪」(‘04)、「蝉しぐれ」(‘05)、
「武士の一分」(‘06)、「山桜」(‘08)、「花のあと」(‘10)
6本が映画化されています。

そのうち4本が山田洋次監督作品。
藤沢周平「隠し剣シリーズ」イコール山田洋次という公式を勝手に
作っていましたが、今回は違いました。
「レディ・ジョーカー」(‘05)、「しゃべれどもしゃべれども」(‘07)などを
監督した平山秀幸さん。
東映作品です。

そして、
東映といえばチャンバラ。
幼いころ、毎週土曜日には家族で東映映画をかけている映画館へ
チャンバラ映画を観にいきました。
今回、久々に、岩にぶつかるあの波がしらと三角形の東映ロゴの
オープニングシーンを観たとき、子どもの頃の興奮を思い出しました。

     あのシーンには「荒磯に波」という名前がついており、
     犬吠埼灯台の近くで撮影されたんですって。

映画といえば東映、東映といえばチャンバラでしたものねぇ。
(と、同意を求められて困りますよね。すいません)

最近のチャンバラ映画といえば藤沢周平「隠し剣シリーズ」。
今までのどの「隠し剣シリーズ」を観ても(「蝉しぐれ」「花のあと」は観ていませんが)、
ラストの剣戟が圧巻!
真田広之、永瀬正敏、木村拓哉、東山紀之など
最高の俳優陣が渾身の闘いぶりを見せてくれました。

でも、藤沢周平自身は
「名もない普通の人をえらいと思う」と言っていたように、
その作品の主人公は下級武士です。
現代にあてはめれば、日がな一日机に向かう人の良い公務員って感じですか。

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江戸時代、父の仕事はその息子が継ぎ、息子の仕事はそのまた息子が継いで、
ひたすら代々コツコツと机に向かって筆を走らせる下級武士たち。
忠義と人情の板挟みになりながらも愚直なまでにまじめに生きる彼らが
その人生でただ一回爆発するのがラストの剣戟というわけです。

「隠し剣シリーズ」の場合、あまり知られてはいないけれど、
どの主人公も最強の剣の遣い手である、というところが味噌です。
同僚たちは誰一人彼らの剣の腕を知りません。
〈隠し剣〉という言葉には秘技とか秘剣の意味もあるのでしょうが、
本当は、その腕を人の目から隠し、普通の人間を装う、という意味なのかも。

最後の最後にその技をさらし、丁々発止と斬り結ぶ―――
花はあるけれど、そこはかとない悲しさが漂います。
そうなんですねぇ。「葉隠」です。
「武士道と云ふは死ぬことと見つけたり」です。
「葉隠」(はがくれ)は、江戸時代中期(1716年ごろ)に出された肥前国鍋島藩藩士、山本常朝の武士としての心得について見解を「武士道」という用語で説明した言葉を田代陣基が筆録した記録である。全11巻。葉可久礼とも書く。(Wikipediaより)

さあ、今回の剣の使い手は豊川悦司です。
長身から繰り出す剣の技はさすがであります。
以前、「丹下左膳」ではがっかりさせられましたが、今度は魅せてくれましたよ。

というわけで、続きは次回までのお楽しみ。

続く

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必死剣鳥刺し
監督/平山秀幸、脚本/伊東秀裕、江良至、原作/藤沢周平「必死剣鳥刺し」(文春文庫「隠し剣孤影抄」所収)
出演
豊川悦司/兼見三佐エ門、池脇千鶴/里尾、吉川晃司/帯屋隼人正、岸部一徳/津田民部、小日向文世/保科十内、戸田菜穂/兼見睦江、村上淳/右京大夫、関めぐみ/連子
7月10日(土)全国ロードショー
2010年、114分、公式HP http://www.torisashi.com/

by mtonosama | 2010-05-22 06:12 | Comments(6)