ブログトップ | ログイン

殿様の試写室

mtonosama.exblog.jp

殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

タグ:星の旅人たち ( 2 ) タグの人気記事

星の旅人たち -2-
The Way

f0165567_682781.jpg

© The Way Productions LLC 2010

最近、日本人の巡礼者も多いというサンティアゴ・デ・コンポステーラ。
本作の主人公は60歳を過ぎたアメリカ人ですが、
巡礼を続ける内にオランダ人、カナダ人、アイルランド人の道連れができ、
なにやらインターナショナルで愉快な様子ではあります。

四国のお遍路で「同行二人」ということを言いますよね。
とのはまだお遍路さんをしたことはありませんが、
この二人という意味は、例え1人でお遍路していても
いつも弘法大師が一緒に歩いていてくださる、
つまり、弘法さんと二人の道中ということなのだそうです。
なるほど、だから「同行二人」なんですね。

エミリオ・エステベス監督が「同行二人」の意味を知っていたかどうかはわかりませんが、
実は、本作も「同行二人」がキーポイントになっています。
さあ、どんなお話かというと―――


f0165567_635795.jpg

ストーリー
カリフォルニアの眼科医トム・エイヴリーがゴルフを楽しんでいるところに
ショッキングな知らせが届きます。
1人息子のダニエルがピレネー山脈で嵐に巻き込まれ、不慮の死を遂げたというのです。
なぜまたピレネーに?
実は、ダニエルはスペイン北西部サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の旅にでかけたのです。
トムは、つい先日空港へ送っていったばかりでした。

その時の会話が彼の胸に蘇ります。
「お前と生き方は違うが、私は今の人生を選んだ」と説教口調で言うトムに
「人は人生を選べない。ただ生きるだけなんだ」と答えるダニエル。
二人は決して仲の良い父子ではありませんでした。

フランスとスペインの国境にあるサン=ジャン警察のセバスチャン警部を訪ねたトムは
ダニエルの遺品である大きなリュックを受け取ります。
最初、トムは息子の亡きがらと遺品と共にすぐに帰国するつもりでいました。
ところが、トムはダニエルを現地で荼毘に付し、その遺灰をリュックに収めました。
トムはダニエルの巡礼の旅を引き継ぐ決心をしたのです。
800キロに及ぶ旅は60歳を超すトムにとって決して生易しいものではないはず――

f0165567_6134160.jpg

ダイエットのために巡礼に出たと語る陽気なオランダ人のヨスト。
なにやら秘密を抱えたヘビースモーカーのカナダ人女性サラ。
なんとなく同行者となったこの2人。
しかし、トムは彼らに心を開こうとはしないまま、ダニエルの遺灰を撒きながら旅を続けます。

サンティアゴ・デ・コンポステーラへの旅は出会いと別れの繰り返し。
言葉を交わし、同じテーブルを囲んでいても、それぞれの体調に合わせて旅をするので、そのまま別れたり、また、ばったり出会ったり。

次に出会ったのはアイルランド人のジャック。
現在スランプ中の旅行ライターです。
このジャック、オランダ人のヨストから、トムが息子の遺灰を撒きながら巡礼していることを聞き、作家魂がメラメラと燃えてきました。

おしゃべりジャックが、サラにトムの巡礼の理由をしゃべってしまったり、
本を書かせてくれ、とせがんだり――
イライラしたトムはついついワインを飲み過ぎ、留置場に入れられてしまいます。

でも、そんなトムを救ってくれるのも同行者たちでした。
そして、トムは自分が巡礼の旅に出ることになった真相と
1人息子ダニエルとのやりとりを本にする許可を与え、ジャックに話し始めるのでした……

f0165567_662817.jpg

トムと「同行二人」だったのは亡き1人息子ダニエル。
巡礼地のそこここに佇むダニエル。息子と肩を並べ、あるいは、息子の背中を見ながら旅を続ける父親トム。

いいですねぇ。ロードムービーの魅力満載です。
風景の変化、人との出会い、自分をみつめること、そして、光明を見ること――
もうロードムービーの良いとこどりです。

f0165567_557461.jpg

こんなつらいことを人には言えない、これを話すことができる相手は神様だけ、
と思いつめながら深刻な顔をして歩き続けている内に、
ポツリポツリと語り始めているトムを始めとする同行者たち。
まさに「同行二人」なんですね。
1人息子であれ、弘法大師であれ、神様であれ、仏様であれ、
大切な存在と共にあり、守られていると感じられることは大きな救いです。

あ、巡礼映画ではありますが、相容れない父子の融和が美しいラストシーンと共に
胸に迫る作品でもあります。

ああ、旅に行きたいなぁ。





今日もポチッとしていただけたら嬉しゅーございます。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ
にほんブログ村
☆5月25日に更新しました。いつも応援ありがとうございます☆

星の旅人たち
監督・脚本・製作/エミリオ・エステヴェス、製作/フリオ・フェルナンデス、デヴィッド・アレクザニアン、撮影/ラウル・ダバロス、A.C.E.、音楽/タイラー・ベイツ
出演
マーティン・シーン/トム、エミリオ・エステヴェス/ダニエル、デボラ・カーラ・アンガー/サラ、ヨリック・ヴァン・ヴァーへニンゲン/ヨスト、ジェームス・ネスピット
6月2日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
2010年、アメリカ・スペイン合作、英語、128分、後援/スペイン政府観光局、NPO法人日本カミーノ・デ・サンチアゴ友の会、提供/ニューセレクト、配給/アルバトロス・フィルム、字幕翻訳/寺尾次郎、http://www.hoshino-tabibito.com/

by Mtonosama | 2012-05-25 06:19 | 映画 | Comments(9)
星の旅人たち -1-
The Way

f0165567_6162319.jpg

© The Way Productions LLC 2010

なぜか切なくなるほどに好きなんです。
いえ、恋人ではありません。犬でも猫でもありません。

ロードムービーが好きなんです。
A地点からB地点へ移動するというだけのことなのに、なぜこんなに好きなのか、
自分でもわかりません。

例えば、「ローマの休日」(‘53 ウィリアム・ワイラー監督)も、
とのの基準ではロードムービーなので、
「ローマの休日」は物心がついて一番最初に観たロードムービーかもしれません。

「ローマの休日」をロードムービーのジャンルに入れる理由ですか?
それはもちろんオードリーがヴェスパに乗ってローマ市内を移動するからです。
あのシーンがなければ、ただの恋愛映画です。
ま、ただの、っていうのはちょっと言い過ぎですが。

「バニシング・ポイント」(‘71 リチャード・C・サラフィアン監督)などという映画も
破滅へと向かうロードムービーでした。
「イージーライダー」(‘70 デニス・ホッパー監督)も忘れてはいけません。
破滅志向が満ち溢れていたあの時代はタイトルにもひかれて観にいったものです。
ああ、そうそう。
とのの大好きな「サウンド・オブ・ミュージック」(‘65 ロバート・ワイズ監督)だって
ものすごいロードムービーだと思います。

f0165567_6221857.jpg

A地点からB地点への移動。
ロードムービーには地理的な旅もありますし、心の旅もありますし、人生の旅もあります。
でも、比喩や隠喩ではなく、徒歩にせよ、自転車にせよ、スクーターにせよ、バイクにせよ、車にせよ、
列車にせよ、飛行機にせよ、必ず、なんらかの移動を伴うことが必須条件。

と、やかましくわめいているのはなぜか。
はい、今回、上映する「星の旅人たち」というのがロードムービーなんですね。
移動手段は徒歩。目的地はサンティアゴ・デ・コンポステーラ。

サンティアゴは、フランス語でサン・ジャック、英語ではセント・ジェイムス、日本語では聖ヤコブ。
つまり、キリストの12使徒の1人ヤコブを意味するスペイン語です。

コンポステーラとは、ラテン語のCampus stellae<星の野>、
あるいはCompositum<墓場>を由来として名づけられたと、いろいろな説があります。
本作邦題は響きのきれいな<星の野>を採用して「星の旅人」としたのでしょうね。

そう、目的地はキリストの12使徒の1人、聖ヤコブの遺骸が祀られているスペイン北部
ガリシア地方のサンティアゴ大聖堂です。

f0165567_6283993.jpg

巡礼ロードムービーである本作。
このサンティアゴ巡礼を描いた映画としてはルイス・ブニュエル監督「銀河」(‘68)や、
コリーヌ・セロー監督の「サン・ジャックへの道」(‘05)が既にあります。
おばかなとのは本作パンフレットの写真が「サン・ジャックへの道」に似ているし、
監督がエミリオ・エステベスなので、「こりゃ、パクリに違いない」などと失礼なことを思ってしまいました。
エミリオ・エステベスさん、ごめんなさい。
知らない間に監督としても大成していらしたんですね。
「サン・ジャックへの道」にも劣らない素晴らしい映画でした。

巡礼と一言で言いますが、800キロにも及ぶ長い旅を続けるためには、
単に物好きというだけではつとまりません。何か理由が必要な筈です。
重たい理由や、エヘへと笑ってしまうような理由。
さまざまな理由を抱えた巡礼者が理由の軽重にかかわらず、歩き続ける姿。
それには無条件でカタルシスを感じてしまいます。

なぜ人は聖地をめざすのでしょうか?
巡礼こそ究極の心の旅、人生の旅だからでしょうか?

さあ、どんなお話なのでしょうね
乞うご期待でございますよ。

f0165567_6243389.jpg



今日もポチッとお願いいたします。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ
にほんブログ村
☆5月22日に更新しました。いつも応援ありがとうございます☆

星の旅人たち
監督・脚本・製作/エミリオ・エステヴェス、製作/フリオ・フェルナンデス、デヴィッド・アレクザニアン、撮影/ラウル・ダバロス、A.C.E.、音楽/タイラー・ベイツ
出演
マーティン・シーン/トム、エミリオ・エステヴェス/ダニエル、デボラ・カーラ・アンガー/サラ、ヨリック・ヴァン・ヴァーへニンゲン/ヨスト、ジェームス・ネスピット
6月2日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
2010年、アメリカ・スペイン合作、英語、128分、後援/スペイン政府観光局、NPO法人日本カミーノ・デ・サンチアゴ友の会、提供/ニューセレクト、配給/アルバトロス・フィルム、字幕翻訳/寺尾次郎、http://www.hoshino-tabibito.com/

by Mtonosama | 2012-05-22 06:37 | 映画 | Comments(8)