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殿様の試写室

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未来を花束にして
-2-

Suffragette

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(C)Pathe Productions Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2015. All rights reserved.


女性たちが連帯して立ち上がるというと
ヒステリーのおばさんたちというステレオタイプのイメージをあてはめてきた世間。
映画だって同じでした。

サラ・ガヴロン監督が語っています。
「こんなパワフルな物語をどうしてこれまで映画化しなかったんだろう」

男性はもちろんですが、女性自身も女性活動家というと
怖いおばさんというレッテルを張り付けていたんではないでしょうかねえ。

でも、本作はちょっと違います。
女性参政権が背景となってはいますが、
主人公は7歳から洗濯工場で働き続ける24歳の若い女性です。
まるで奴隷のように過酷な環境で働き、
男よりも長時間働きながら、賃金は男より少なく、
家に帰れば、家事も育児も一人でこなさなければなりません。

キャリー・マリガンが、けなげに生きる洗濯女モード・ワッツを
泣きたくなるほどに好演します。
さあ、彼女はどんな風にしてめざめていくのでしょう。

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ストーリー
1912年ロンドンの洗濯工場で働くモードは、
同じ工場で働く夫と幼い息子の3人で暮らしている。
貧しい暮らしながら夫は優しく、息子の存在は彼女の支えだった。

ある日、モードが洗濯物を届けに行く途中、
洋品店のショーウィンドウをのぞき込んでいると、ガラスに石が投げ込まれる。
女性参政権運動を展開するWSPUの「行動」現場にぶつかったのだ。
それが彼女とサフラジェットとの出会いだった。

モードは洗濯工場の同僚ヴァイオレットの紹介で
薬剤師のイーディスを知る。
彼女は9回の逮捕歴を持ち、協力的な夫と共に
自分たちの薬局をサフラジェットの集会所として提供していた。

その頃、警察は女性参政権運動への取り締りを強化し、
世界初のカメラによる市民監視システムを導入。
モードは偶然そこに写ってしまい、
サフラジェットとは無関係だったにもかかわらず、
捜査対象として認識されてしまう。

やがて、モードに大きな変化が――
下院の公聴会でヴァイオレットに代わって証言をすることになったのだ。
「7歳でパート、12歳から社員で、今は24歳です。洗濯女は短命です。
体は痛み、咳がひどく、指は曲がり、工場内のガスで頭痛がひどい」
彼女は証言を通じて「違う生き方を望む自分」を発見する。
だが、法律改正は叶わず、
デモに参加した大勢の女性が警官に殴打され、逮捕される。
モードも例外ではなかった……


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夫によって家を追い出され、愛する息子も奪われながら、闘い続けるモード。
しつこいようですが、キャリー・マリガンが素晴らしいんです。
女性運動映画のイメージを変えました。

教育もなく、貧乏な若い女性が
次第に行動主義に走り始めた女性参政権運動に入り込んでいく姿が
他人事とは思えず、ひきこまれます。

行動のきっかけって偶然なんですよね。
行動を通じて自分の信念が浮き上がってくる―――っていうか。
モードの心の動きとその変化に
「そうだよね、そうだよね」と頻りに頷いてしまいました。
そんなモードの自然な心の動きから
大きなムーブメントになっていく女性たちの行動までが
描きこまれた映画でした。感動しました。

その後、イギリスでは
1918年、30歳以上の女性に制限選挙権が与えられ、
1925年、母親の親権が認められ、
そして
1928年、男女平等による普通選挙が行われました。


歴史は女が作ります。






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☆2017年1月14日に更新しました。いつも応援して下さってありがとうございます☆

未来を花束にして
監督/サラ・ガヴロン、脚本/アビ・モーガン、製作/フェイ・ウォード、アリソン・オーウェン、製作総指揮/キャメロン・マクラッケン、テッサ・ロス、ローズ・ガーネット、ニック・バウアー、ジェームス・シェイマス、テレサ・モネオ、撮影/エドゥアルド・グラウ
出演
キャリー・マリガン/モード・ワッツ、ヘレナ・ボナム=カーター/イーディス・エリン、ブレンダン・グリーソン/アーサー・スティード警部、アンヌ=マリー・ダフ/バイオレット・ミラー、ベン・ウィショー/サニー・ワッツ、ロモーラ・ガライ/アリス・ホートン、メリル・ストリープ/エメリン・パンクハースト、フィンバー・リンチ/ヒュー・エリン、ナタリー・プレス/エミリー・ワイルディング・デイビソン、サミュエル・ウェスト/ベネディクト・ホートン、ジェフ・ベル/ノーマン・テイラー
2017年1月27日(金)TOHOシネマズ・シャンテほか全国ロードショー
2015年、イギリス、英語、1時間46分、シネマスコープ、日本語字幕/寺尾次郎
http://mirai-hanataba.com/

by Mtonosama | 2017-01-14 06:35 | 映画 | Comments(4)

未来を花束にして
-1-
Suffragette


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(C)Pathe Productions Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2015. All rights reserved.


『未来を花束にして』
これは女性参政権獲得運動のお話です。
でも、タイトルの意味がよくわかりません。

オリジナルタイトルの“Suffragette”という言葉もわかりません。
まず、どう読むのでしょう?
いや、知らないことだらけで・・・

だけど、本作に主演したキャリー・マリガンもSuffregette(=サフラジェット)を
知らなかったんですって。
この運動が起こった国イギリスに生まれた女優すら知らなかったのだから、
150歳とはいえ日本人のとのが知らないのも当然。
(と、開き直るか?)


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実は
少し前に観た映画なんですが、
ある主人公が英国の港で
サフラジェットの一団に取り囲まれました。
女癖が悪い彼は彼女たちに追及され、
ホテルまでつきまとわれます……

すいません。タイトルも何もまったく覚えていません。
ただ、サフラジェットがヒステリックな女たちの集団のように描かれていたので、
本作を観て「ええっ?全然違うじゃん」と思い出した次第です。

Suffragetteという言葉は女性の参政権を求める活動家の蔑称として
イギリスの「デイリー・メイル」紙が作った造語で、
その後、女性運動を指す言葉として定着したのだとか。

とのがタイトルを忘れてしまった映画のように、
男はいつだって口当たりのいいことをいいながら、
本音では女性は自分たちに都合のよい存在であってほしいと
思っているんじゃないですかねえ。

ねえ、安倍さん。

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本作の舞台となった1912年のロンドン。
女性の参政権を要求する運動が先鋭化し始めた時代です。
それまで50年にわたり女性たちは平和的に参政権を求めてきましたが、
ずっと黙殺され続けてきました。
1912年は
カリスマ的リーダーのエメリン・パンクハースト率いるWSPU(女性社会政治同盟)が
「言葉より行動を」と過激な抗争を呼びかけ始めた時代です。

エメリン・パークハースト
1903年にマンチェスターで女性社会政治同盟を立ち上げる。
彼女自身は中流階級出身だが、同盟設立当初から
本作の主人公モード・ワッツのような労働者階級の女性も
メンバーにしていた。

つまり、女性社会政治同盟は、階級を超え、
女性として連帯する組織だったんですね。

モードを演じたキャリー・マリガンの素晴らしさといったら!
いやあ、女が女に惚れました。

デモの際に身に着けたコサージュや帽子の花がまた可愛いんですよ。
この組織のシンボルカラーである紫・白・緑の花々なんですけど。
多分ここから邦題が決まったのでしょうね。

組織のモットーは「言葉より行動」。
もしかして年末BS3「映像の世紀プレミアム」でご覧になった方もおいででしょうか。
ダービー競馬でジョージ5世の持ち馬が疾走するところに飛び込んで
壮絶な死を遂げたエミリー・ワイルディング・デイビソンも
行動でその意志を貫いた一人でした。

監督サラ・ガヴロン、製作フェイ・ウォード、アリソン・オーウェン、
脚本アビ・モーガン
女性たちの手による女性たちのための映画です。

エメリン・パンクハーストを演じたメリル・ストリープは
「すべての娘たちはこの歴史を知るべきであり、
すべての息子たちはこの歴史を心に刻むべきである」
と言っています。

さあ、いったいどんなお話でしょうか。
次回まで乞うご期待でございます。



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☆2017年1月11日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

未来を花束にして
監督/サラ・ガヴロン、脚本/アビ・モーガン、製作/フェイ・ウォード、アリソン・オーウェン、製作総指揮/キャメロン・マクラッケン、テッサ・ロス、ローズ・ガーネット、ニック・バウアー、ジェームス・シェイマス、テレサ・モネオ、撮影/エドゥアルド・グラウ
出演
キャリー・マリガン/モード・ワッツ、ヘレナ・ボナム=カーター/イーディス・エリン、ブレンダン・グリーソン/アーサー・スティード警部、アンヌ=マリー・ダフ/バイオレット・ミラー、ベン・ウィショー/サニー・ワッツ、ロモーラ・ガライ/アリス・ホートン、メリル・ストリープ/エメリン・パンクハースト、フィンバー・リンチ/ヒュー・エリン、ナタリー・プレス/エミリー・ワイルディング・デイビソン、サミュエル・ウェスト/ベネディクト・ホートン、ジェフ・ベル/ノーマン・テイラー
2017年1月27日(金)TOHOシネマズ・シャンテほか全国ロードショー
2015年、イギリス、英語、1時間46分、シネマスコープ、日本語字幕/寺尾次郎
http://mirai-hanataba.com/

by Mtonosama | 2017-01-11 06:05 | 映画 | Comments(4)