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殺されたミンジュ
-2-
One on One

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(C)2014 KIM Ki-duk Film. All Rights Reserved.


まさに唐辛子パワー。

え、なんなの?
なんで?
と問いを発するひまもあればこそ、
どんどん引きずり込まれていってしまう映画です。

韓国の市場の中を女子高生が
何ものかの気配を感じて必死に逃げています。
なんなんだ?

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ストーリー
ある5月の夜。
ソウル市内の市場の中を必死に逃げる女子高生。
そして、彼女を追う男たち。
女子高生の名前はミンジュ。
彼女は追い詰められ、路地の片隅で顔にガムテープを巻かれ、
声を上げることもできないまま殺されてしまった。

新聞の片隅にすら載ることもなく、
その事件は誰にも知られることなく消し去られた。
・・・・・
事件から1年経った。
なにごともなく日常生活が営まれるこの街で
ミンジュの死の真相を追いかける謎の集団が蠢き始めた。

ミンジュ殺害に関わったのは7人の男たち。
謎の集団はそのうちの1人を拉致し、拷問を加える。
「去年の5月9日、お前は何をした?」
と執拗に問い詰めながら。
恐怖と自責の念に駆られた容疑者は全てを話して許しを乞うのだった。

謎の集団は、ある時は兵士に、また、ある時は、ヤクザに
さまざまに変装しながら1人また1人と誘拐・拉致して
拷問を加えながら自白を迫る。

やがて、謎の集団は彼らの背後に巨大な国家権力の影を感じ、
結束と平静さを失い、崩壊に向かう。

誘拐、拉致が最後の1人に至った時、
その男が顔の見えない誰かの命令で動いたに過ぎないことを知らされる。

誰がミンジュを殺したのか。

今や仲間を失った謎の集団のリーダーは
美しいソウルの街を見下ろす丘で慟哭するのだった。

そして、そこへ……

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ミンジュは漢字で表わせば“民主”。
ミンジュを殺した男たちは会社員であったり、軍関係者であったり、
拉致が回を重ねるごとに
次第に強大な権力の一員になっていきます。
しかし、結局本当の責任者はわからないままです。

わからないといえば謎の集団のリーダーとミンジュの関係もよくわかりません。
リーダーとミンジュと2ショットの写真があることから
とても大事な存在だったのでしょう。
娘だったのかもしれません。
謎の集団を構成する人々もこれという根拠があって
ミンジュ殺し犯人を追及しているわけではありません。
みな現状に不安や不満を抱く人間です。

ここから単純に思いつくのは殺されたのがミンジュ=民主
民主主義ではないかということです。

会社員は会社に忠誠を誓い、
罪もないミンジュ=民主を殺すことになんの疑問も感じません。
軍関係者もか弱いミンジュ=民主をおしつぶすことに痛痒を覚えません。
民主主義よりも大切なのは身の保身なのでしょう。

そして、順繰りに責任逃れをしていく内に
ミンジュ=民主主義を圧殺する犯人は
最も強大な権力、あるいは体制なのではないかということが見えてくる・・・

単純な読み解きです。
もっと違った読み解きをなさる方もおいででしょう。

なんたってキム・ギドク監督です。
観る人それぞれの観方と解釈が許されるのではないでしょうか。





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☆2016年1月20日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

殺されたミンジュ
監督・脚本・撮影・編集・製作総指揮/キム・ギドク
出演
マ・ドンソク、キム・ヨンミン、イ・イギョン、チョ・ドンイン、テオ、アン・ジヘ、チョ・ジェリョン、キム・ジュンギ
2016年1月16日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル梅田ほか全国順次公開
2014年、韓国、122分、カラー、R18、字幕翻訳/根本理恵、提供/キングレコード、太秦、配給/太秦、http://www.u-picc.com/one-on-one/

by Mtonosama | 2016-01-20 13:23 | 映画 | Comments(4)

殺されたミンジュ
-1-
One on One

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(C)2014 KIM Ki-duk Film. All Rights Reserved.


韓国の鬼才でありながら、
自国よりむしろ海外で評判の高いキム・ギドク監督。

カンヌ・ベルリン・ヴェネチアの世界三大映画祭を制した監督が贈る
本作『殺されたミンジュ』は長編第20作目となります。

以前、当試写室でご紹介した『アリラン』
http://mtonosama.exblog.jp/17268231/  http://mtonosama.exblog.jp/17280223/
では、脚本・監督・製作・撮影・録音・編集・音響・美術・出演を全て
キム・ギドク監督一人でこなしていました。

『アリラン』の生まれた背景には
自身が監督した『悲夢』に出演した女優が首つり自殺のシーンで
本当に首が締まって、病院に運び込まれるという事件がありました。
これにショックを受け、映画を撮れなくなってしまったギドク監督。
『アリラン』は事件後、山にこもって隠遁生活を送る日々を
自身で撮影し、編集し、製作したドキュメンタリーでした。

そして
第20作目となる本作はある殺人事件をめぐる群像劇。
これまた監督・脚本・撮影・編集・製作総指揮をしたのはキム・ギドク監督一人です。

ま、実際大勢のスタッフを使えばお金もかかりますからね。
って・・・

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なんといっても奇才、そして鬼才。
彼の送りだす作品には毎回びっくりすることばかりです。

キム・ギドク監督
1960年生まれ。
パリでアートを学んだ後、韓国に戻り、脚本家としてキャリアをスタート。
1996年『鰐~ワニ~』で監督デビュー。
2004年第54回ベルリン国際映画祭で『サマリヤ』が銀熊賞受賞。
同年第61回ヴェネチア国際映画祭で『うつせみ』銀獅子賞受賞。
2011年カンヌ国際映画祭で『アリラン』が〈ある視点部門賞〉受賞。
2012年第69回ヴェネチア国際映画祭で『歎きのピエタ』金獅子賞受賞。
http://mtonosama.exblog.jp/19794903/  http://mtonosama.exblog.jp/19818003/

うわあーーーっ!と悲鳴を上げて目を覆いたくなるシーンもあれば、
キャラクターの個性に目を奪われることもあり、
映画の背景が心象風景として目と心を支配することもあり、
「おっと、この展開はなんなんだ!」と目を瞠ることもあり、
キム・ギドク監督には驚かされることばかりです。

本作を観るとき、ちょっとイヤなことがあったのですが、
怖くて痛そうなシーンになると、
タオルハンカチを握りしめ、体全体に力を入れて観ている内に
イヤなことなどどこかへ行ってしまいました。

拷問や痛い場面を見入る自分が特殊なのか、
映画の持つエネルギーなのか。

断固、
作品の持つエネルギー、力強さだと思います。

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監督からのメッセージがあります。

「映画の冒頭で殺される女子高生オ・ミンジュとは誰なのか?
観客それぞれの“殺されたオ・ミンジュ”が存在するだろう。
それがどんな人物であれ、観客はこの映画を見終えるために
自分自身のオ・ミンジュを存在させなければならない。
それから結末を受け入れるか、あるいは、否定することになるだろう。
もし殺された者の気持を知っているなら、この映画を観る必要はない。
きっと理解してくれる人がいるだろうと信じて、この映画を撮った。
理解してもらえなくてもどうすることもできない。
これが現状で、現在の私たちの姿なのだから」


なんか・・・
こんなメッセージを送られると構えてしまいますよね。
そう、本作は十二分に構えてご覧ください。

そしてミンジュとはなにか・・・

続きは次回で。
乞うご期待でございます。



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☆2016年1月17日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆


殺されたミンジュ
監督・脚本・撮影・編集・製作総指揮/キム・ギドク
出演
マ・ドンソク、キム・ヨンミン、イ・イギョン、チョ・ドンイン、テオ、アン・ジヘ、チョ・ジェリョン、キム・ジュンギ
2016年1月16日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル梅田ほか全国順次公開
2014年、韓国、122分、カラー、R18、字幕翻訳/根本理恵、提供/キングレコード、太秦、配給/太秦、http://www.u-picc.com/one-on-one/

by Mtonosama | 2016-01-17 06:57 | 映画 | Comments(6)