ブログトップ | ログイン

殿様の試写室

mtonosama.exblog.jp

殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

タグ:河瀬直美 ( 1 ) タグの人気記事

七夜待(ななよまち)
f0165567_5365271.jpg
(c)2008『七夜待』製作委員会

     河瀬直美という監督名に惹かれて「七夜待」を観にいきました。
     昨年「殯(もがり)の森」でカンヌ映画祭グランプリを受賞したあの監督です。
     授賞式の様子をテレビで見ましたが、
     ドレスも素敵で外国人たちの中でも臆することなく堂々としていて
     進化する日本女性を感じました。

          「七夜待」。なんとなく艶めいたタイトルのこの映画
          主役は長谷川京子、舞台はタイです。
          カンヌで新人監督賞を受賞した「萌の朱雀」(‘96)でも
          「沙羅双樹」(‘03)でも
          その舞台は河瀬監督の故郷である奈良だったのですが。

          それがなぜタイ?そして、なぜ、あの超美系の長谷川京子?
          腑に落ちないながらも
          スクリーンに広がるタイのむせかえるようなジャングルと
          肌にまとわりつく感じの湿気に圧倒されて見入ってしまいました。

      

      彩子30歳はひとりタイに来た。雑踏にもまれながら観光案内所を探し
      その職員が話すわかりにくい英語を必死に聞き取ろうとする。
      駅前に止まっているタクシーに乗り、宿泊予定のホテル名を運転手に告げた後
      疲労から寝入ってしまう。
      目を覚ました時、車は山道を走っていた。
      とっさに身の危険を感じ、荷物も持たず、彩子は車から逃げ出す。
       辿りついたのはジャングルにぽつんと建った一軒の民家。
      テラスも屋内も緑陰に蔽われたその家では
      アマリとトイのタイ人母子とフランス人が彩子を出迎えるが、言葉はまるで通じない。 
      ただ、アマリが施してくれるマッサージが
      ささくれ立った彩子の心と身体を優しくほぐしていくのだった…

           って、タイ古式マッサージの映画ですか。

      ジャングルと泥色の河の流れという亜熱帯特有の景色の中に
      時折挿まれる見慣れた日本の風景=奈良。
      ジャングルと奈良の寺が交錯し、彩子がタイにやってきた理由が暗示されますが
      はっきりとはわかりません。

           タイ語、フランス語。映画の中で彩子が遭遇する言葉の壁。
           これは俳優だけではなく、
           撮影現場でスタッフたちも体験したカオス状態だったということです。
           長谷川京子もフランス人俳優もタクシードライバーを演じたタイ人俳優も皆、
           監督から知らされるのはその日の行動だけ。
           セリフもなく、互いの関係も、物語の展開も知らされない中で
           演じなればならなかったといいますから、
           これはまさに筋書きのない人生といったものです。
           自分が俳優ではないことを心から感謝してしまいました。

     言葉も通じず、先行きのわからない人生を生きる人間たちの緊張を
     ゆるくほどいてくれるのがタイ古式マッサージということなのでしょうか?

     だとしたら、古式マッサージ。観るだけでなく、体験した方が良さそうです。

監督/河瀬直美、脚本/狗飼恭子 河瀬直美、撮影監督/キャロリーヌ・シャンプティエ

キャスト
長谷川京子/彩子、グレゴワール・コラン/グレッグ
キッティポット・マンカン/タクシー運転手、轟ネーッサイ/アマリ、轟ヨウヘイ/トイ

11月1日、シネマライズ、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
www.nanayomachi.com
by mtonosama | 2008-10-13 06:11 | 映画 | Comments(8)