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そして父になる -2-
LIKE FATHER,LIKE SON

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©「そして父になる」製作委員会

『そして父になる』
英語タイトルは”LIKE FATHER ,LIKE SON”。
「父のように、息子のように」って意味ですかねぇ。

かなり映画の真意を伝えてくれるタイトルです。

男にとって子どもを持つということは、
女とは違って産みだす作業がないだけに、
まずは父親であらねば、
と思いこむことから始まるのかもしれませんね。
父性というのは最初からあるものではなく、
その獲得には、母性以上に努力が必要なのかもしれません。

さあ、どんなお話なのでしょうか。


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ストーリー
野々宮良太は一流大学を出て、大手建設会社に勤務。
都心の高級マンションに暮らすバリバリの勝ち組である。
それらは全て自分の努力と能力で獲得したと思っている。順風満帆な人生。
気になることといえば6歳になった一人息子慶多が優しすぎる性格であることくらいか。

だが、一本の電話が彼の順調な人生に小石を投げこむ。
そして、その波紋は次第に大きく拡がっていった。
11月のある日、妻のみどりが慶多を産んだ群馬の病院で
子どもの取り違えがあったことが判明したのだ。
DHA鑑定の結果、慶多は他人の子だった。

病院側の仲介でまずは親だけで面会。
野々宮良太は群馬で小さな電気店を営む斎木雄大とその妻ゆかりに会う。
野々宮夫婦とはまったくタイプの違う夫婦である。

病院側は一般的にはほぼ全員が血のつながりを選ぶものだと説明し、
できるだけ早く決断することを提案する。

翌月、子どもを連れて会うことになった二家族。
ショッピングモールのカフェで良太とみどりは実の子である琉晴をみつめる。

年が明け、二家族は実の子を家に一泊させることに。
みどりとゆかりは同郷ということもあり、母親同士心を開き、子どもたちの情報を交換。
初めての宿泊の日、慶多を送り届けた良太は斎木家のみすぼらしさにとまどった。
だが、斎木家ではゆかりの父も加わり、6人の賑やかな食卓で餃子を囲み、
食後は雄大が子どもたちと一緒に狭い風呂に入る。
一方、野々宮家は都会的な高層マンションのダイニングテーブルですき焼き。
3人だけの静かな食事。良太は琉晴の箸遣いを正す。

小学校の入学式が終わっても結論を出せない二家族……

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血のつながりか、6年間の歳月か。
病院側の言うように、世間は血のつながりを選ぶものなのでしょう。
だが、6年間の歳月は決して短いものではありません。
でも・・・
やっぱり・・・
簡単に結論の出る問題ではありません。
映画を観ながら、みどりやゆかりの立場に立ちながら、一緒になって迷ってしまいます。

5年前に自身も子を持つ親となり、
自分と子どもを繋ぐものについて考えるようになった是枝監督もそうだったのでしょう。

群馬の電気屋から都心の高層マンションに連れてこられた琉晴の小さな背中が
窓外に拡がる都会の風景を眺めながら自分の置かれた状況を全身で拒絶しています。
父を忘れることで血のつながらない父との絆を守り抜こうとするかのような慶多のこわばった肩。
是枝監督は子どもを撮らせたら天下一品です。

監督は参考文献として「ねじれた絆―赤ちゃん取り違え事件の十七年」(奥野修司著、文春文庫刊)を読み、
ほとんどのケースが「血」を選んで、お互いの子どもを交換する中、
子どもを交換しないという選択をした家族もいたということに刺激を受けたそうです。

これはもちろん家族の映画ではありますが、
《父になること》を描いた男の映画なんだと思います。

正直言って、野々宮良太の上から目線はいやらしい。
いくら福山さんでもちょっと・・・
こんな男が連れあいだったらぶっ飛ばしてしまいます。
挫折を知らない会社人間が子どもの取り違え事件をきっかけにして変わっていく――
確かに知人が言うようにベタな展開かもしれません。

とはいえ、野々宮良太が慶多や琉晴のどちらかを選ぶということではなく、
父になっていく、父であることに気づくシーンは感動的です。

《父帰る》でも、《父性の復権》でもなく、「父になる」以外のなにものでもありません。
男というのは不器用でやっかいな生きものなのですね。





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☆9月21日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

そして父になる
監督、脚本、編集/是枝裕和、撮影監督/瀧本幹也、製作/亀山千広、畑中達郎、依田巽、参考文献:奥野修司著「ねじれた絆―赤ちゃん取り違え事件の十七年」(文春文庫刊)
出演
福山雅治/野々宮良太、尾野真千子/野々宮みどり、真木よう子/斎木ゆかり、リリー・フランキー/斎木雄大、二宮慶多/野々宮慶多、黄升炫/斎木琉晴、中村ゆり/宮崎祥子、高橋和也/野々宮大輔、田中哲司/鈴木悟、井浦新/山辺真一、風吹ジュン/野々宮のぶ子、國村隼/上山一至、樹木希林/石関里子、夏八木勲/野々宮良輔
9月28日(土)ロードショー
2013年、日本、120分、配給/ギャガ、http://soshitechichininaru.gaga.ne.jp/

by Mtonosama | 2013-09-21 06:34 | 映画 | Comments(8)
そして父になる -1-
LIKE FATHER,LIKE SON

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©「そして父になる」製作委員会

知人が、是枝監督もベタな映画を作るなぁ、と言いました。
今更なんで赤ちゃん取り違えなんだ? と。

ああ、それって男の人の考え方かなぁ、と思いました。

『そして父になる』がカンヌ国際映画祭審査員賞を受賞し、
映画の内容を報道で知ったときから、
150歳とはいえ、一応、女であるとのは
「えーっ、6年間も自分の子だとばかり思って育てていた子が他人の子だったら、どうすればいいんだろう」
と友人とも話し、真剣に悩んでしまったからです。
だって、口で言うほど簡単な問題じゃないですよねぇ。

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と、父を演じた福山雅治さんも思ったでしょうか?
いえ、思わなかったと思います。
福山さんは独身ですし、子どももいないし、歌に、演技に、カメラに――
一生懸命になれる対象はいっぱいありますものね。

だから、『そして父になる』なのです。
産み、育てることによって最初から母である女性と違って、
男性は生まれてきた子どもと日々を重ねることによって《父になる》のです。
「人は女に生まれるのではない。女になるのだ」と同じく
「男は父に生まれるのではない。父になるのだ」なんですよね。
福山さんもこの映画で父親になりました。

本作では福山さんが父になっていく様子を観るのが課題です。
などと勝手に課題決定するとのです。

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突然ですが、

こんな夢を見た――
(と冒頭だけ漱石先生の「夢十夜」を借ります)

「福山雅治が父親かぁ」と考えていたら、その夜、夢を見てしまいました。

なぜか、ひかちゃんを連れて福山雅治と横浜MM21を一緒に歩いていました。
お外が嫌いで暴れるひかちゃんを力一杯抱き締めながら、福山さんの後を小走りについていくのです。
『夏の終り』のシーンもごちゃ混ぜになったようなちょっと幸せな夢でした。

すいません。
映画とはなんも関係ないことを。

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今回は第66回カンヌ国際映画祭審査員賞受賞の記憶も新しい福山雅治主演、是枝裕和監督作品
『そして父になる』を上映するものですから、ちょっと舞い上がっております。

いけない、いけない。冷静にならねば・・・・・

すーっ・ふーっ(深呼吸)。

『そして父になる』は、福山雅治が「一緒に何かできませんか?」と
是枝監督に声をかけたことから映画作りがスタート。
福山さんと会った是枝監督は未だ見たことのない彼を撮ってみたいと考えて
彼のためにシナリオを書き下ろしたのだそうです。

是枝監督も福山雅治も好きなとのにとってはもうたまりません。

すーっ・ふーっ(もう一度深呼吸)。

キャスティングも魅力的です。
福山雅治の妻には尾野真千子。
取り違えられたもうひと組の夫婦はリリー・フランキーと真木よう子。
子役たちも『誰も知らない』同様、自然な演技を見せてくれました。
監督はホントに子どもを使うのがうまいです。
他には是枝作品にはこの人ありの樹木希林(『歩いても歩いても』)、
井浦新(『空気人形』)が出演。
井浦さんはどこか象徴的なアイコンのような役割で登場するのでお楽しみに。

ああ、なんかメロメロです。
次回はもっと冷静に上映したいと存じます。
どうぞ、これに懲りず、またご来室くださいませ。



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そして父になる
監督、脚本、編集/是枝裕和、撮影監督/瀧本幹也、製作/亀山千広、畑中達郎、依田巽、参考文献:奥野修司著「ねじれた絆―赤ちゃん取り違え事件の十七年」(文春文庫刊)
出演
福山雅治/野々宮良太、尾野真千子/野々宮みどり、真木よう子/斎木ゆかり、リリー・フランキー/斎木雄大、二宮慶多/野々宮慶多、黄升炫/斎木琉晴、中村ゆり/宮崎祥子、高橋和也/野々宮大輔、田中哲司/鈴木悟、井浦新/山辺真一、風吹ジュン/野々宮のぶ子、國村隼/上山一至、樹木希林/石関里子、夏八木勲/野々宮良輔
9月28日(土)ロードショー
2013年、日本、120分、配給/ギャガ、http://soshitechichininaru.gaga.ne.jp/

by Mtonosama | 2013-09-18 07:09 | 映画 | Comments(6)