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草原の椅子 -2-

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©2013「草原の椅子」製作委員会


佐藤浩市演ずる遠間憲太郎は50歳。カメラメーカーの営業局次長。
妻とは離婚し、大学生の娘と2人で暮らしています。
ま、よくいる仕事一途の会社人間です。
上から無理難題を言われ、部下に対して心にもないことを言わなければいけなかったり。

男50歳、仕事にかこつけ、好き勝手なことをした時期もあります。
妻とはそんなこともあって離婚したのですけどね。
自分は浮気をしたこともあるのですが、
娘の周囲に男の影がちらつくと気になって仕方ありません――

そんなどこにでもいる日本のオヤジです。

それのどこが大人のおとぎ話なんでしょうね?

原作者の宮本輝氏は「草原の椅子」を書き始める前、
本当の意味での「大人」が少なくなったと感じていたそうです。
ですが、小説を書き進める内、「大人」とは何かわかってきたといいます。

一、大人は感情をむきだしにしない。
ニ、大人は人間として大切な教養を持っている。
三、大人は忍耐を知っている。
四、大人とは、勇気は絞り出すものであり、行動を伴うことであることを知っている。
五、大人は健康に留意しなければならない。


うわっ、耳が痛い。

そんな「大人」観もちょうど50歳になった2人の男たちの生き方を通じて、
フンザの風景を背景に描かれるわけですが・・・・・


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ストーリー
遠間憲太郎は、大阪に本社を置く取引先「カメラのトガシ」の社長・富樫重蔵の窮地を救う。
「親友になってくれ」と懇願され、渋々の了承だったが、同い年とあって次第に打ち解けてゆく。

そんな頃、タクシーの中から偶然見かけた焼き物店の女主人・篠原貴志子に惹き付けられ、
10万円の黄瀬戸の器を購入してしまう。その後も高価な器を買い続ける遠間。
貴志子に恋をしてしまったのだ――

数日後、一人娘の弥生がアルバイト先の上司・喜多川を自宅に連れてくる。
彼が出張の間、4歳の息子・圭輔を預かってあげたいという。
圭輔は、家出した喜多川の妻の連れ子だった。
母親に育児放棄されたことが原因で口もきけず、心を閉ざしている。
そんな圭輔を、遠間は休みの間だけ面倒をみることにした。
話を聞いた親友の富樫は2人を実家のある瀬戸内海へ招待する。
その地で初めて遠間に心を許し、言葉を発する圭輔。

ある日、遠間の会社が主催する写真コンテストで受賞したことのある青年・鍵山が
パキスタンのフンザで撮影した写真集を彼に贈呈した。
雄大なヒマラヤの風景や人々の表情に魅了される遠間。

一方、圭輔をめぐる環境に変化が。
喜多川が転職を機に圭輔の育児を辞めたいと言い出し、
ネグレクトの母親も一旦は圭輔を引き取ることにしながら、結局、拒絶。
途方にくれた遠間は圭輔を養子にすることも考える。
だが、悩み抜いた末、施設に預けることに。
そして、圭輔との思い出作りの旅として、フンザ行きを決意する。
圭輔も「行きたい」と意思を告げる。
旅には、仕事の悩みを抱える富樫も同行。
貴志子も辛い過去を打ち明け、旅への同行を願うのだった。

遠間、富樫、貴志子、圭輔の4人はこれまでの人生を見つめなおし、
新しい生き方を探し求めるため、フンザへと旅立つ……

7000メートルを超えるヒマラヤの山々。カトパナ砂漠の神秘的なまでに白い砂。
それぞれの抱える悩みは雄大な自然に吸い込まれていくようであり、
人間の小ささを思い知らされる光景でした。

大きな自然を前にすると言葉を失い、思わず涙が出てきたりもします。

50歳と言えば仕事盛り。なかなかこんな旅には出られないというところが
大人のおとぎ話たる所以かもしれませんが、
節目節目に人生を見つめなおしてみることは必要ですよね。
30歳でも、150歳でも、折に触れて新しい生き方を考えてみたいものです。

秘境への想いがまたムクムクと湧いてきてしまいました。
ああ、旅に出たいです。





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草原の椅子
監督/成島出、原作/宮本輝「草原の椅子」(幻冬舎文庫、新潮文庫刊)、脚本/加藤正人、奥寺佐渡子、真辺克人、多和田久美、成島出、撮影監督/永沼六男、エグゼクティブ・プロデューサー/原正人、企画・設計/原オフィス、製作プロダクション/東映東京撮影所、配給/東映
出演
佐藤浩市/遠間憲太郎、西村雅彦/富樫重蔵、吉瀬美智子/篠原貴志子、小池栄子/喜多川祐未、中村靖日/喜多川秋春、貞光奏風/喜多川圭輔、AKIRA/鍵山、黒木舞/遠間弥生、若村麻由美/道代、井川比佐志/富樫茂雄
2013年2月23日(土)全国ロードショー、http://www.sougennoisu.jp/

by Mtonosama | 2013-02-24 06:15 | 映画 | Comments(8)
草原の椅子 -1-

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©2013「草原の椅子」製作委員会

とのは150歳です。
織田信長は「人間五十年、下天のうちを比ぶれば」と謡いながら舞いました。

同じ“との”つながりということで唐突なことを申し上げてしまいました。

50歳という歳は、人生において節目といえるときかもしれません。
本作は50歳を迎えたひとりの男が迎えた思いもよらない人生の変わり目を描いた映画です。
実生活でも共に1960年生まれで今年53歳になる佐藤浩市と西村雅彦が良い味を見せる
大人のためのおとぎ話といったらいいでしょうか。

昔は人生50年などと申しましたが、
今では50歳という年齢は、おとなのとば口。
デンと構えるにはまだまだ早すぎる歳なのでしょう。きっと。

本作「草原の椅子」は、
阪神大震災で自宅が全壊した半年後、シルクロード6700キロを踏破した体験を基に
作家・宮本輝が喪失と再生をテーマに著した小説「草原の椅子」(幻冬舎文庫・新潮文庫)
を原作としています。

監督は「八日目の蝉」(‘11 )で
http://mtonosama.exblog.jp/15856973/ http://mtonosama.exblog.jp/15872227/
日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞した成島出監督。
そうそう、この人も佐藤浩市さん、西村雅彦さんとひとつ違いの1961年生まれです。

「八日目の蝉」に登場した子役の女の子に思わず知らず感情移入してしまったとのですが、
本作に出演する男の子にも感心しました。
成島監督の子役選びには脱帽であります。
もちろん子どもの演技力も、周囲の盛り上げも、重要だとは思いますが――

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今回、本作「草原の椅子」で重要な役割を演じた貞光奏風くんは2007年生まれ。
6歳です。
2000人もの子役オーディションで、集中力の高さが認められ、圭輔役に選ばれました。
母親にネグレクトされ、心を閉ざした4歳の子どもという難しい役どころです。
後姿のうなじの細さが、虐げられた子どものか弱さを表わしていて胸が痛くなるほどでした。
この圭輔くんも先月当試写室で上映した「明日の空の向こうに」のペチャくんみたいに
おばさんキラーであります。

あ、この圭輔くんと並び、本作にはもうひとつ大きな見どころがあります。
それがフンザ。
フンザというのはガイドブックには桃源郷と表現されているパキスタンの小さな農村です。


フンザ
北は中華人民共和国、北西はアフガニスタンとの国境と接し、面積10,101平方キロメートル。中国のカシュガルへ向かうカラコルム・ハイウェイ沿いに、観光ホテルや安宿の集まるカリーマーバード、ゴジャールにあるパスー村、グルミット村などの集落が点在している。現地ではブルシャスキー語が使われているが、英語やウルドゥー語も解されている。ゴジャール地域では ワヒー語が話されている。シーア派イスラームのイスマーイール派信者が多く、パキスタン他地域のイスラム教徒と比べると、風習や服装はかなり異なる。
パキスタンと中国新疆ウイグル自治区を結ぶアジア横断ルートの途中にある上に、7000m級のパミール高原の山々が迫る辺境にあるため、外国人観光客や登山目的の旅行者が多い。アジアを旅するバックパッカーから「伝説の地」、「桃源郷」と呼ばれるほど、景色がすばらしい。自然豊かな村や谷は、4月になると杏の花でピンク色に埋め尽くされる。また、酒類の入手が困難なパキスタンにおいては珍しく、フンザワインと呼ばれる飲料が旅行者の間の隠れた名物となっている。そうした風土を愛して長期逗留する旅行者が少なくない。以前は日本の旅行会社のツアー客も多数訪れていた。ただ、アメリカ同時多発テロ事件以降、訪問する観光客は減少傾向にある。
日本人旅行者の間では「風の谷のナウシカ」の「風の谷」のモデルとなったと言われてきたが、宮崎駿自身は「(風の谷のイメージは)中央アジアの乾燥地帯なんです」と雑誌の対談で明言している。
(Wikipediaより)

本作は8月の撮影ということで、Wikipediaにあるような杏の花で染められた桃源郷
というよりは土色、砂漠色の世界でしたが、
秘境好きにはたまらない光景が拡がっていました。

さあ、一体どんなお話でしょうか。続きは次回まで乞うご期待でございます。



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☆2月21日に更新しました。いつも応援をありがとうございます☆

草原の椅子
監督/成島出、原作/宮本輝「草原の椅子」(幻冬舎文庫、新潮文庫刊)、脚本/加藤正人、奥寺佐渡子、真辺克人、多和田久美、成島出、撮影監督/永沼六男、エグゼクティブ・プロデューサー/原正人、企画・設計/原オフィス、製作プロダクション/東映東京撮影所、配給/東映
出演
佐藤浩市/遠間憲太郎、西村雅彦/富樫重蔵、吉瀬美智子/篠原貴志子、小池栄子/喜多川祐未、中村靖日/喜多川秋春、貞光奏風/喜多川圭輔、AKIRA/鍵山、黒木舞/遠間弥生、若村麻由美/道代、井川比佐志/富樫茂雄
2013年2月23日(土)全国ロードショー、http://www.sougennoisu.jp/

by Mtonosama | 2013-02-21 06:28 | 映画 | Comments(4)