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裸足の季節
-2-
MUSTANG

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© 2015 CG CINEMA – VISTAMAR Filmproduktion – UHLANDFILM- Bam Film – KINOLOGY


トルコ人の名前は難しいので、最初に登場人物をご紹介しますね。
しっかり者で要領も良い長女ソナイ。
次女セルマは活発だけれど、間が悪かったためにイヤな思いをさせられます。
花が咲きそめたばかりのように初々しい三女エジェは運命を受け入れ――
まだまだ子どもの四女ヌル。
幼な顔ながらなかなか行動派の末っ子ラーレ13歳。

三女エジェ以外は演技未経験。
でも、皆さまざまな困難や屈辱的な状況に立ち向かう姉妹を
ふざけあう仔犬のように、
あるいは、酸いも甘いも噛み分けたおばさんのように
あるいは、等身大の思春期の少女のように
いきいきと演じています。

ストーリー
学期末、ラーレの大好きなディレッキ先生がイスタンブールの学校に異動になった。
4人の姉達はしょげかえるラーレを励ましながら下校。
帰り路、浜辺で男子生徒達と騎馬戦をして遊ぶ。
男子生徒の肩に乗り、キャーキャーとはじける五人姉妹。

ところが、帰宅後、恐ろしい顔をして待ち構えていた祖母から激しい折檻を受ける。
「男達の首にまたがるなんて、ふしだらなことをするからよ!」
隣家の主婦が祖母に告げ口をしていたのだ。

その晩、帰宅した叔父のエロルは怒り狂い、
既に姉妹は「キズもの」にされたのではないかと疑う。
そして、姉妹を病院に連れていき、処女膜検査を受けさせるのだった。
純潔が証明され、帰宅した姉妹に祖母がいう。
「少しでも疑わしければ結婚できないんだからね!」
女の価値は純潔にこそあるのだという。

この日以来、外出を禁じられ、家に閉じ込められる姉妹達。
いまどきの洋服や化粧品はすべて捨てられ、
携帯電話やパソコンは没収、戸棚へ入れて施錠された。
そんな彼女達を待ち受けていたのは
地味な洋服、料理や掃除の花嫁修業。
花嫁としての必須事項を村の女達が毎日教えにくる。
なんと憂鬱な日々。

大のサッカーファンである五女のラーレはスーパーリーグに行きたい。
叔父に頼んではみたが、
「男だらけのサッカー場に女が行くだと?」と一刀両断。
だが、リーグが目前に迫ったある日のこと。
ファンの暴動により、男性客の試合会場への入場が禁止され、
女性客のみ入場できることに。
それでも叔父は許してくれない。

どうしてもサッカーを観たいラーレ。そして、とにかく外へ出たい姉達。
祖母の目を盗んでこっそり家を抜け出す。
通りかかったトラックに乗せてもらい、無事サッカー観戦。
ところが、この日を境に姉妹達の運命は急展開――

祖母は姉妹達を花嫁候補として村人達に品定めをさせ、
家には二度と表に出られないよう厳重な柵が取り付けられた……

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なんでもかんでも性に結びつけて曲解する祖母、叔父、村人達のいやらしさ。
そのくせ、女にだけ純潔を押しつける頑迷さ。

天真爛漫に少女時代を送っていた姉妹達がある日を境に
二百年前に戻ったかのような籠の鳥に。

ボーヴォワール女史の言う如く
周囲によって無理矢理旧来の女性像へと造り変えられてしまうのか――

確かに、情況に抗いきれず三女は死を選び、
次女は初夜の床で処女の証が認められなかったからと
病院で検査を受けさせられます。
義父などは銃持参で病院についてくるんですよ。
長女はうまく立ち回り、叔父の決めた見合い相手ではなく
自分の彼氏との結婚を果たしますが。

大きい姉達の運命を目の当りにし、
知恵と勇気をしぼり、未来を求めて
1000km先のイスタンブールへ旅立つ四女と末っ子。

痛快なテンポで繰り広げられるガールズアドベンチャーです。

フフ・・・
旧態然たる祖母、叔父、村人たちよ。
あんたたちの思い通りにはさせないよ。

ああ、面白かった!





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裸足の季節
監督/デニゼ・ガムゼ・エルギュヴェン、脚本/デニゼ・ガムゼ・エルギュヴェン、アリス・ウィノクール、撮影/ダーヴィッド・シザレ、エルシン・ギョク、音楽/ウォーレン・エリス、製作/シャルル・ジリベール、共同製作/フランク・ヘンチキ、アンニャ・ウーラント、ミネ・ヴァルグ
出演
ギュネシ・シェンソイ/ラーレ、ドア・ドゥウシル/ヌル、トゥーバ・スングルオウル/セルマ、エリット・イシジャン/エジェ、イライダ・アクドアン/ソナイ、ニハル・コルダシュ/祖母、アイベルク・ペキジャン/エロル
6月11日(土)より、シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMA他全国順次ロードショー!
2015年、フランス=トルコ=ドイツ、94分、提供/ビターズ・エンド、サードストリート、配給/ビターズ・エンド、日本語字幕/大西公子、字幕監修/野中恵子
http://www.bitters.co.jp/hadashi/

by Mtonosama | 2016-06-07 05:53 | 映画 | Comments(12)

裸足の季節
-1-
MUSTANG

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© 2015 CG CINEMA – VISTAMAR Filmproduktion – UHLANDFILM- Bam Film – KINOLOGY


いまさらではありますが、
「人は女に生まれるのではない。女になるのだ」
という言葉をイヤというほど実感させられた映画であります。
ボーヴォワール先生も本作をご覧になれば
「わたしってすごかったのね!」とお思いになったことでありましょう。

『裸足の季節』
トルコの5人姉妹の物語です。

監督は本作がデビュー作となる
トルコ出身のデニゼ・ガムゼ・エルギュヴェン。

デニゼ・ガムゼ・エルギュヴェン監督
1978年トルコ・アンカラ出身。フランス、トルコ、アメリカで都会的に育った。
ヨハネスブルグ大学で文学、同大学修士課程でアフリカの歴史を専攻。
その後、フランス国立映画学校の監督専攻を修める。
卒業制作の「Bir Damla Su(Une goutte d’ eau)」はカンヌ国際映画祭の
オフィシャル・セレクションで上映され、
ロカルノ映画祭のレオパーズ・オブ・トゥモロー賞を受賞。

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自身の体験も織り込んだ本作『裸足の季節』は2015年のカンヌ国際映画祭で
ヨーロッパ・シネマ・レーベル賞を受賞。
その後、世界中の映画祭で観客賞、主演女優賞を中心に様々な賞を獲得しました。

トルコ出身女性監督によるトルコ語作品でありながら、
アカデミー賞フランス映画代表に選ばれ、同外国語映画賞にノミネート。
フランス語以外の作品がフランス代表になったのは
『黒いオルフェ』(‘59)以来なんと56年ぶり2度目の快挙です。

米バラエティ誌が選ぶ「注目すべき映画監督10人」に選ばれた
38歳の美しい女性監督です。

彼女の卒業制作は解放をテーマにした作品でしたが、
本作もトルコの片田舎に生きる思春期の少女たちの
自己解放を描いた鮮烈な印象の作品です。

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もともと現代トルコの女性問題に関心を持っていた監督。
トルコでは最近、女性の地位が社会的な問題にもなっており、
普段はフランス在住の監督、帰国の度に閉塞感を感じていたといいます。

例えば、
男女生徒が同じ階段を使うのを禁じる学校があったり、
女性は家事に専従し、子どもを生んでいればいい、
というような風潮が出てきたり。

トルコは既に1930年代という早い時期に
女性が参政権を獲得した国だったというのに、です。

主人公はイスタンブールから1000kmも離れた小さな村に住む5人姉妹。
10年前に事故で両親を亡くし、
現在は祖母、叔父夫婦と暮らしています。
とはいえ、親はいなくても姉妹5人、
学校生活を楽しみ、日々生き生きと暮らしていたのですが――

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この5人姉妹、オーディションやスカウトによって見出された新人。
三女エジェを演じたエリット・イシジャン以外はすべて演技初体験です。
でも、この子たちの輝かしさといったらありません。

原題の”Mustang”は車の名前ではなく
「野生の馬」という意味。
彼女達の躍動感はまさに野を駆ける野生の馬そのもの。
駆け回る駿馬を、狭い小屋に閉じ込めることなどできませんよねえ。

そんな彼女達の演技に対し、
第21回リュミエール新人女優賞、
第21回サラエヴォ映画祭主演女優賞、
第5回サハリン国際映画祭審査員特別賞(主演女優)
第46回インド国際映画祭主演女優賞が
5人全員に贈られています。

さあ、いったいどんなお話でしょうか。
続きは次回で。
乞うご期待でございますよ。



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裸足の季節
監督/デニゼ・ガムゼ・エルギュヴェン、脚本/デニゼ・ガムゼ・エルギュヴェン、アリス・ウィノクール、撮影/ダーヴィッド・シザレ、エルシン・ギョク、音楽/ウォーレン・エリス、製作/シャルル・ジリベール、共同製作/フランク・ヘンチキ、アンニャ・ウーラント、ミネ・ヴァルグ
出演
ギュネシ・シェンソイ/ラーレ、ドア・ドゥウシル/ヌル、トゥーバ・スングルオウル/セルマ、エリット・イシジャン/エジェ、イライダ・アクドアン/ソナイ、ニハル・コルダシュ/祖母、アイベルク・ペキジャン/エロル
6月11日(土)より、シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMA他全国順次ロードショー!
2015年、フランス=トルコ=ドイツ、94分、提供/ビターズ・エンド、サードストリート、配給/ビターズ・エンド、日本語字幕/大西公子、字幕監修/野中恵子
http://www.bitters.co.jp/hadashi/

by Mtonosama | 2016-06-04 05:44 | 映画 | Comments(8)