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殿様の試写室

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タグ:闇の列車、光の旅 ( 3 ) タグの人気記事

        2010 BEST 10 OF
   殿様の試写室
 -1-

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                        蘇州・拙政園

                早いもので今年もあと2週間をきりました。
             この1年、皆さまにとってはどんな年でしたでしょうか。
              イヤなことがあった方は来年こそは―――の思いで、
               良いことがあった方はそれが来年も続くように、
            とそれぞれに自分に都合よく祈りつつ、新しい年を迎えましょう。

                   ということで、今年も恒例の
                   (って、まだ2回目ですが)
                  殿様の試写室BEST10を発表します。
                相変わらず館主の独断と偏見で選んでおります。

                   皆さまのBEST10はいかがでしょうか?

                    10位 「闇の列車、光の旅」  
                          Sin Nombre

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                http://mtonosama.exblog.jp/13321965/
                http://mtonosama.exblog.jp/13357299/


                中南米の貧困を思い知らされた映画でした。
              日系人監督キャリー・ジョージ・フクナガの作品です。
               監督本人の取材と体験に基づいたガツンとくる映画。
                  当試写室では4月に上映しました。

 
                  9位 「フローズン・リバー」
                       FROZEN RIVER

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                http://mtonosama.exblog.jp/12509768

              貧困、難民、インディアン、男の身勝手、女のけなげ。
       アメリカとカナダ国境の凍った河を舞台に繰り広げられた感動的な映画でした。
           しかし、貧困と移民・難民の映画が続いてしまいましたね。
                当試写室では2009年12月に上映しました。

                    まずは10位、9位でした。

                        

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♪12月18日に更新しました。いつも応援ありがとうございます♪
by mtonosama | 2010-12-18 05:42 | 映画 | Comments(4)
     闇の列車、光の旅 -2-
                     Sin Nombre

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             c2008 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

東南アジアは貧しくとも、雨や湿気に包まれて生い茂る木々や植物の
もたらす恵みによって本質的には豊かな地域である

というようなことを作家・写真家の藤原新也がなにかに書いていました。

その伝でいけば、強烈な陽光と石と砂の大地は、そこに暮らす人々にとって
不毛と貧しさ以外のなにものでもないのでしょうか。
加えて、内戦や社会制度の不備などで生きるすべを失い
法の網からこぼれおちた人々は生きるために
〈豊かな北〉をめざすしかないのでしょうか。

ストーリー
サイラはホンジュラスに祖母と暮らしています。
ある日、父がアメリカから強制送還されて戻ってきました。
父の望みはサイラを連れて、再度アメリカに渡り
向こうに残してきた家族と一緒に暮らすこと。
サイラにとっては気乗りのしない提案でしたが
このままホンジュラスにとどまっていても、先行きは見えないまま。
彼女は父と叔父の3人でグアテマラ、メキシコを経由して
アメリカ・ニュージャージーをめざす長く危険な旅に出ることを決意しました。

カスペルはメキシコ・チアパス州でギャングの一員として暮らしています。
彼にはリーダーのリルマゴに知られたくない秘密がありました。
それは恋人のマルタ。
カスペルにとって、彼女との逢瀬だけが生きがいでした。
しかし、そんな甘い日々はあっという間に終わりを告げます。
リルマゴに犯されそうになったマルタは激しく抵抗した挙句
そのはずみで岩に頭をぶつけて死んでしまったのです。
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一方、チアパス州までようやく辿りついたサイラたち
彼女たちと同じようにアメリカを目指す移民たちでひしめきあう貨物列車の屋根に
乗り込みました。
鈴なりの移民を乗せて列車が動き始めたとき、人々の間から悲鳴が!

リルマゴとカスぺル、そして、カスぺルが仲間に引き入れた12歳のスマイリー
3人のギャングが、移民たちからなけなしの金品を奪うため
列車の屋根に上がってきたのです。

そして、リルマゴはサイラをみつけ、銃をつきつけて強姦しようと―――
それを見たカスぺルの脳裏には愛するマルタの姿が。
リルマゴから同じようなことをされ、死んでいったマルタの姿が浮かびます。
瞬間、リルマゴは手にしていた鉈(なた)をリルマゴに振り下ろしていました。

命より重い組織との絆――
越えてはいけない線を踏み越えてしまったカスぺル
この瞬間からカスぺルは組織を敵に回し、追われる身に。

スマイリーを列車から降ろし、カスペルは一人列車の屋根の上で膝を抱えます。
組織を裏切った彼はこのまま旅を続け、逃げていくしかありません。
ところが、サイラはそんな彼に幼く淡い恋心をいだくように。
そして…

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貧困からの逃亡と組織からの逃亡
2つの逃亡のドラマが狭い列車の屋根の上で展開されます。
邦題の「闇の列車、光の旅」にあるように光への旅になるのかどうか。
カスペルとサイラの旅はそれぞれの軌跡を描きます。

移民たちが命をかけて得ようとするもの
ギャングの少年たちが血の結束を固める理由。

それは安心して食べていけるだけの最低限の生活であり、家族です。

貧しさゆえに親に捨てられた子どもたちが
濃密な血の掟で成り立つギャング集団を家族の代わりとする。
そこで人を殺すことを覚え、貧しい人からも金品を奪う。
そして親や兄弟を殺された子はさらなる貧困に陥っていく――

カスペルの悲しい目がお気楽な殿の頭をガツンとぶちのめしてくれました。


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闇の列車、光の旅
脚本・監督/キャリー・ジョージ・フクナガ、撮影/アドリアーノ・ゴールドマン、音楽/マーセロ・サーヴォス、製作総指揮/ガエル・ガルシア・ベルナル、ディエゴ・ルナ、パブロ・クルス
出演
パウリーナ・ガイタン/サイラ、エドガー・フロレス/カスペル(ウィリー)、クリスティアン・フェレール/スマイリー、テノック・ウェルタ・メヒア/リルマゴ、ディアナ・マルシア/マルタ
6月上旬 TOHOシネマズ シャンテほか 全国ロードショー
2009年、アメリカ・メキシコ、スぺイン語、96分、配給・宣伝/日活、
http://www.yami-hikari.com/

by mtonosama | 2010-04-09 06:13 | Comments(8)
      闇の列車、光の旅 -1-
                    Sin Nombre

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c2008 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

昔の話をしてごめんなさい。

タイトルも内容もすべて忘れてしまったのですが
あるワンシーンだけが今も鮮明に蘇ってくる映画があります。

町の広場とおぼしき場所に井戸がひとつ。
容赦ない陽光にさらされ、すべてが砂埃にまみれ、乾ききっています。
〈これが貧しさだ!〉とつきつけてくるシーンでした。
なにも覚えていないのに、その貧しい場所がメキシコだったということだけが
強く印象に残っています。

そのシーンが殿の頭に〈メキシコ=貧困〉を刷り込んでしまっていましたが
この映画によって、さらに貧しい中南米の現実を知りました。
「闇の列車、光の旅」というタイトルから
心躍るロードムービーを期待した自分の不明を恥じています。

原題の“Sin Nombre”はスペイン語。
“without a name”(名前がない) あるいは”nameless”(名無し) という意味、だそうです。

メキシコからの移民問題は「正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官」
(http://mtonosama.exblog.jp/11735083)でも、扱われていましたが
「闇の列車、光の旅」はメキシコよりもさらに南のホンジュラスから
グアテマラ、メキシコを経て、列車の屋根に乗って、アメリカを目指す移民たちと
どうしようもない貧困の中でギャングに身を落とし、短い命を散らせていく少年たちの物語です。

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映画はフィクションですが
監督自ら、映画の主人公たちと同じように、27時間列車の屋根に乗って
旅をしたときの体験が、作中の列車でのできごとの下敷きになっています。

監督・脚本はキャリー・ジョージ・フクナガ。
日系3世の父とスウェーデン系アメリカ人の母を両親に持つ1977年生まれ
32歳の若手新人監督です。
2005年フクナガ監督が脚本・監督をつとめたショートフィルム
Victoria para Chino”がサンダンス映画祭で上映され
その後、世界中で24個以上もの賞を受けました。
それがきっかけとなって生まれたのが本作「闇の列車、光の旅」です。

”Victoria para Chino”
テキサス州にあるヴィクトリアという町で
トラックに乗せられた移民たちが放置され、その中で窒息死していた事件を
題材にした作品です。

フクナガ監督はメキシコでこの作品を撮るための取材をしたとき
中南米の移民たちのことを知ったのだそうです。

移民といえばメキシコからアメリカへ国境を越えてくる人たちが思い浮かびます。
「正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官」でもそうでした。
しかし、ホンジュラス人、グアテマラ人、ニカラグア人たちは
まずメキシコを目指して北上し、そこから更にアメリカへ向かいます。
通過する国が多ければ多いほど、苦難も多いわけです。

フクナガ監督はメキシコの刑務所で不法に移民を運ぶギャングに会い
グアテマラ・メキシコ国境で、川を渡ろうと筏に乗る人たちを見ました。
事故でけがをした移民たちのシェルターで多くの人にも会いました。
シェルターにいる人たちは少しでも良い生活を求めて北を目指したものの
途中で負傷し、国境を越えられなかった人たちです。

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「闇の列車、光の旅」はフィクションです。
しかし、若いフクナガ監督がすべて自分の目と耳と足で体験したできごとが
元になっています。だから、訴えてくるものはとても強いのです。

製作総指揮に「モーターサイクルダイアリーズ」で青年ゲバラを演じたガエル・ガルシア・ベルナルがあたっているところも、興味をそそります(すいません。彼のファンなもので)。

ゲバラは中南米全体の革命をめざし、志半ばに斃れましたが
この映画に描かれている現実を知ったら、怒髪天を衝かぬばかりに怒り狂うことでしょう。

ゲバラの髪はいつも逆立っているって?
それは、きっと、人々のおかれた理不尽な現状を憂え
いつも怒っていたからに違いありませぬ。

というわけで、ストーリーは次回に。乞ご期待!

to be continued.

闇の列車、光の旅
脚本・監督/キャリー・ジョージ・フクナガ、撮影/アドリアーノ・ゴールドマン、音楽/マーセロ・サーヴォス、製作総指揮/ガエル・ガルシア・ベルナル、ディエゴ・ルナ、パブロ・クルス
出演
パウリーナ・ガイタン/サイラ、エドガー・フロレス/カスペル(ウィリー)、クリスティアン・フェレール/スマイリー、テノック・ウェルタ・メヒア/リルマゴ、ディアナ・マルシア/マルタ
6月上旬 TOHOシネマズ シャンテほか 全国ロードショー
2009年、アメリカ・メキシコ、スぺイン語、96分、配給・宣伝/日活
http://www.yami-hikari.com/


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by mtonosama | 2010-04-06 06:37 | Comments(8)