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北のカナリアたち -2-

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(C)2012「北のカナリアたち」製作委員会

クランクインは2011年12月2日。
体感温度がマイナス30℃まで下がる過酷な真冬の北海道。
北海道は北海道でも、最北の地の稚内。さらにサロベツ、利尻島、礼文島。
北方四島が見えそうな土地が舞台です。

確かにこれは寒そうだ、と思いながら、
観客の気楽さで座席に沈みこんで画面に見入っていました。
それが、ガバッと身を起こしました。冬の海上を進む船の甲板のシーンです。
身を切るような強風が吉永小百合さんの髪も顔の皮膚も後方に引っ張り、
美しい彼女の顔をすさまじいまでの形相に変えてしまっていたのです。
俳優にもカメラクルーにも命がけの撮影だったことでしょう。
さあ、一体どんな展開なのでしょう。


ストーリー
北海道の離島に新しい小学校教諭が降り立ちました。川島はる。
夫・行夫とやってきた彼女が受け持つことになったのは島の分校の6人の生徒たちでした。

6人の中で最年少の信人は吃音があり、ガキ大将の勇にちょっかいを出されては大泣き。
一旦泣きだすと手に負えない信人の甲高い鳴き声に合わせて、はる先生はオルガンを奏でます。
と、その泣き声がいつかロシア民謡カリンカのメロディに変わり――

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子どもたちの歌の才能に気づいたはる先生は合唱を通じて、彼らの学校生活を明るいものに変えていきました。島の住民たちも優しく見守ります。




ある日、心に傷を負った警察官の阿部がこの島に赴任してきました。
実は、夫の病のことで大きな悩みを抱えていたはる。
そんな彼女はいつか阿部に心を動かされてゆきます。

美しく晴れ上がった夏の一日。
はると夫、子どもたちが出かけたバーべキューで思いがけない事故が起こりました。

子どもたちはその事故を自分の責任と考え幼い胸をいため、それぞれに深い痛みを抱くのでした。
はるもまた父をひとり残し、島を去っていきます。

それから20年。
東京で図書館司書として生活し、定年を迎えたはるのもとに2人の刑事がやってきました。
彼らは分校の生徒だった信人が起こした事件について
彼の担任だったはるに事情を訊きに来たのでした。
「なぜ信ちゃんが!?」

はるは6人の生徒たちとの再会を果たすため、20年ぶりに北海道へ向かいます。

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真奈美、直樹、結花、七重、勇、そして、信人。
ひとりひとりが明かしていくそれぞれの心の傷。
はるは生徒たちの痛みを受け止め、自らも心に閉じ込めていた想いを告げるのでした……

感動のラスト。ここで思わず嗚咽であります。
信人を演じた森山未来の真に迫ったシーンにタオルハンカチが濡れました。

ひとりひとりの生徒がそれぞれに抱えていた心の傷。
20年間誰にも言えず、子ども達が歌を忘れたカナリアになって秘め続けていた痛み。
現在と20年前を挟み込みながら展開される事件と、
20年分身体は大きくなりながら子ども時代の傷を封印し続けてきた生徒たち。
そして、はる。

ひとりひとりの傷を明らかにしながら、視点を変えて事件の真相に迫る手法は
「告白」を思わせるものがありました。
例えは一般的ではありませんが、メガネ屋さんや眼医者さんで検眼をするとき、
レンズを一枚一枚入れ替えながら調整しますよね。
え?例えが特殊過ぎてわからない?
すいません。
でも、あんな感じにひとりひとりの生徒がはる先生と話すたびに新しい局面が見えてくるんです。

そして、圧巻のラストには滂沱の涙。
子役たちの歌のうまさはさすが3,100人の応募者の中から歌声の良さで選ばれただけのことはあります。
まさにカナリアです。

映画が与えてくれる快感に安心して身を委ねていられる作品でした。

東映さん、還暦おめでとうございます。





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☆11月3日に更新しました。寒くなりました。皆さまお風邪など召しませんように☆

北のカナリアたち
監督/阪本順治、撮影/木村大作、原案/湊かなえ(「往復書簡」幻冬舎文庫)、脚本/那須真知子、音楽/川井郁子
出演
吉永小百合/川島はる、柴田恭平/川島行夫、仲村トオル/阿部英輔、里見浩太郎/堀田久、森山未来/鈴木信人、小笠原弘晃/20年前の信人、満島ひかり/戸田真奈美、渡辺真帆/20年前の真奈美、勝地涼/生島直樹、相良飛鷹/20年前の直樹、宮崎あおい/安藤結花、飯田汐音/20年前の結花、小池栄子/藤本七重、佐藤純美音/20年前の七重、松田龍平/松田勇、菊池銀河/20年前の勇
11月3日(土・祝)全国ロードショー
配給/東映
http://www.kitanocanaria.jp/

by Mtonosama | 2012-11-03 06:33 | 映画 | Comments(6)