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殿様の試写室

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             ジャライノール -2-
                       JALAINUR
                   ZHA LAI NUO ER 
                   紮賚諾爾/扎賚諾爾

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唐突ですが、エベレスト登頂のドキュメンタリー番組をご覧になったこと、ありますか?
8千メートル以上の山から空を見ると、
それは空というより、もう宇宙、蒼さの中に闇黒をほのかに感じさせます。
地球でありながら、そこは宇宙というか、どこか知らない世界というか、
不思議な感覚にめまいを覚えそうな光景です。

このジャライノールもそんな土地です。
大きく穿たれた石炭露天掘りの穴。
白煙を吐いて行き交う巨大な生物のような蒸気機関車の群。
あとは見渡す限り、何もない大地。闇をはらんだように蒼い空。
内モンゴル自治区ジャライノール

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100年以上にわたって石炭が掘られ続け、その石炭を運び続けてきた蒸気機関車も
昨年をもってすべて廃止されてしまいました。
期せずして、2008年製作の本作はその最後の姿をとらえた映画になったわけです。

ストーリー
見渡す限り、荒涼とした大地と蒼い空が拡がるジャライノール炭鉱。
石炭を運搬する蒸気機関車の鉄道機関士・朱老(ジュー・ヨウシアン)と、
後輩の李治中(リー・ジーチョン)。

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親子ほど年は離れていますが、機関車の運転席でお酒を飲んだり、
仕事が終わった後も一緒に過ごしたり、長年共に働き続けた気の合う2人です。
(運転席で飲んだことは労働者集会でばれてしまいますが)
石炭とSLしかないような極寒のジャライノールの町でも、
人々は犬とじゃれたり、トラックから脱走した豚を追っかけたり、
楽しげに暮らしています。
でも、逆らわないのが一番の上策という庶民の知恵が身についているからでしょう。
党の方針にはまじめそうな顔を装いながら、従っています。

そんなある日、李治中(リー・ジーチョン)は、
朱老(ジュー・ヨウシアン)が機関士を辞め、30年間働き続けた炭鉱から去ることを知りました。彼はロシア国境の近くに住む娘夫婦のもとで生活するというのです。

朱(ジュー)がジャライノールを去る日。李(リー)はその後を追って旅に出ます。
朱は李に戻ることを勧めますが、結局、最終目的地まで2人は共に旅を続けます。
けれど、朱の娘夫婦が駅に現れたとき、李は静かに朱に背中を向けるのでした……


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「送君千里、終須一別」
「君を千里送るとも、終(つい)には須(すべから)く別すべし」

蒼い空とSLの白い蒸気がいつまでも脳裏を離れないロードムービーです。

心の浸透圧現象とでもいいますか―――
想像を超える世界を前にすると、自分の心のなかに抱えたものが
その世界へと浸み出し、雲みたいに漂い出していくような気持になります。

正月を飾るにふさわしい良い映画でした。

                             

ジャライノール
脚本・監督・編集/趙曄(チャオ・イエ)、エグゼクティブ・プロデューサー/崔紅、製作/崔紅、趙曄、撮影監督/張乙
主演
劉遠生、李治中
1月15日(土)より ポレポレ東中野にてロードショー
2008年、中国、中国語、カラー、92分、配給/シネマトリックス
http://www.cinematrix.jp/jalainur/


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♪1月13日に更新しました。いつも応援をありがとうございます♪
by mtonosama | 2011-01-13 05:58 | 映画 | Comments(8)