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殿様の試写室

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首相官邸の前で
-2-
Tell the Prime Minister

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さて、映画未体験の小熊監督。
映画づくりにあたって監督はまず毎週金曜日に行われている官邸前抗議の主催者に相談。
協力を約束してくれた彼らが撮影と編集の石崎俊一さんを紹介してくれました。

そして、2014年5月、映画づくりは決まりました。
スタッフは2名、企画決定は30分。
監督と出資は小熊英二、撮影と編集は石崎俊一。

『首相官邸の前で』を構成するのはネット上で探し当てた自主撮影映像。
それは撮影者の賛同と協力に基づいて使用された映像です。

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だからこそ、
既存メディアでは困難なカメラ位置で撮影されたシーンが随所に。

あ、そうそう。
カンパで調達したヘリコプターから撮った画像もまるで知らなかったものでした。
迫力があります。
官邸前で、あるいは新宿でスピーチする人々からは深刻で悲痛な訴えがあがります。

それにしても、本作の中で吉田理佐さんが
「記者クラブが目の前にあるのに、誰も取材に出てこないこの日本という国はおかしい」
と語っていますが、その通りだと思います。

原発事故に抗議する人々をここまで報せない日本の報道とは一体なんでしょう。

私も本作に出てくる高円寺に集まった原発事故に抗議する大勢の人々の集まりを知りませんでした。
新宿アルタ前のデモも知りません。

高円寺やアルタ前、経産省前に集まった人の情報源はインターネットでした。
撮る側も撮られる側もインターネットによってつながれていたんですね。

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映画は世代も国籍も地位も立場もまったく異なる8人へのインタビューを挿みつつ、
運動が高円寺から新宿アルタ前、そして、経産省前から首相官邸の前へと、
場所を変え、そこに人が集まり、語る経緯を粛々と映し出します。

福島第一原発1.5kmの自宅から玄関にあった3000円をひっつかんだだけで
避難した家庭の主婦である亀屋さんも官邸前でスピーチします。
吉田さんも仕事の合間をぬっては官邸前にやってきてスピーチするようになりました。
「こういう運動は自分には合わない」と言っていた育児用品会社を経営する服部さんも
変わってきます。
「日本人は声をあげないと思っていた」と語るヤシンタ・ヒンさんも
事故後本国へも帰らず、官邸前にやってきました。
そして、日本人への見方も変わりました。

「私たちがめざすのは暴動ではない。この抗議を永く続けることだ」
の声に熱した人々が散会していく様子は深く印象に刻まれました。

警備にあたる警官たちの多くは福島で任務にあたり、被爆しています。
彼らにとってもスピーチで語られることは決して無縁なことではありません。

敵も味方もないはずです。

映画は、政府首脳陣と同じテーブルにつき意見を陳述する人々、
そして2012年夏の20万人が首相官邸前を埋めつくす様子を映し出します。

民主党政権は2030年までに原発をゼロにするエネルギー基本計画を発表しました。

と、これで大団円を迎えた、といけば良かったのですが・・・

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それが「原発は重要なベース電源」ですと。

この映画を記録だけに終わらせてはいけません。

ここまで人々が動く、ということ。
じいさんばあさんだけが主役だった運動に学生や若い母親も入ってきたということ。

これを無視して再稼働を強行し、
安保法案を通すというなら、この国はいったいどうなってしまうのでしょう?






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首相官邸の前で
企画・製作・監督・英語字幕/小熊(おぐま)英二、撮影・編集/石崎俊一、音楽/ジンタらムータ、英語字幕校正/デーモン・ファリー
出演
菅直人、亀屋幸子、ヤシンタ・ヒン、吉田理佐、服部至道、ミサオ・レッドウルフ、木下茅、小田マサノリ
9月2日(水)より隔週水曜日、渋谷アップリンクにて公開
2015年、109分、日本、日本語(英語字幕付き)配給/アップリンク
http://www.uplink.co.jp/kanteimae
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by Mtonosama | 2015-09-04 06:06 | 映画 | Comments(4)

首相官邸の前で
-1-
Tell the Prime Minister

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「安保法案反対 最大デモ」

参院で審議中の安全保障関連法案に反対する市民による抗議行動が30日、
東京・永田町の国会議事堂前や周辺を埋めた。主催者発表によると参加者は12万人で、
安保法案をめぐる抗議行動では最大。参加者が歩道から溢れて、警察側が車道を開放した。
8月31日の朝日新聞朝刊です。

新聞の写真には国会議事堂を斜め後ろから俯瞰し、
2列の装甲車に隔てられた車道を大勢の人の波が埋めている様子が写っています。

中咽頭がん治療のための休養から復帰したばかりの坂本龍一さんも
「現状に絶望していたが、若者たち、主に女性が発言するのを見て、希望があると思った」
と語りました。
(朝日新聞8月31日朝刊より)


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今回は安保法案関連の映画ではありません。
報道こそされませんでしたが、3年前の夏、首相官邸前を約20万人の人々が埋めました。
8月30日と同じ状況が既に2012年に起こっていました。
この人たちは福島第一原発事故後の原発政策に抗議する人達でした。

本作に登場するのはその20万人の他に

菅直人さん
あの震災と原発事故当時の首相

亀屋幸子さん
福島第一原発から1.5キロの場所に住んでいた主婦

ヤシンタ・ヒンさん
日本在住のアメリカ系企業採用担当マネージャー

吉田理佐さん
小売店販売員

服部至道さん
育児用品会社経営者

ミサオ・レッドウルフさん
イラストレーター、アクティヴィスト

木下茅さん
病院事務員

小田マサノリさん
アーティスト、アクティヴィスト

映画はこの8人へのインタビューと
新聞、TVには報道されなかった原発事故に抗議する老若男女の動きを
時系列で追った社会学的なドキュメンタリーです。

菅直人さん以外の人はまったく無名の方々ですし、
原発事故の前はまったく知りあうべくもない立場にいた人たちでした。

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映画をつくったのは
撮影経験もなければ、映画づくりに何の関心も持ったことのない小熊英二さんという
歴史家であり、社会学者です。

小熊英二
1962年東京生まれ。出版社勤務を経て、慶応義塾大学総合政策学部教授。
福島原発事故後、積極的に脱原発運動に関わり、メディア上での発言も多い。
2012年「社会を変えるには」で新書大賞を受賞。
「単一民族神話の起源」(サントリー学芸賞受賞)
「〈民主〉と〈愛国〉」(大仏次郎論壇賞、毎日出版文化賞)
「1968」(角川財団学芸賞)など。映像作品の監督は今回が初めて。
脱原発運動の中で得ていた信用のため、多くの映像提供等の協力を得られた。

昨年、小熊監督はメキシコの大学で講義をしました。
そのとき、福島原発事故後の東京の状況を話しながら
インターネット上の画像を学生たちに見せたそうです。
すると「全然知らなかった」「とても興味深い」という声があがりました。

小熊監督は外国の人が観ることができる作品を作った方がいいな、
と思ったそうです。
そうですとも。
日本の人だって2011年3月以降の動きをきちんと観たいです。

さあ、映画初体験の社会学者はいったいどんな映画を作ったのでしょう。
続きは次回で。
乞うご期待でございますよ。



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首相官邸の前で
企画・製作・監督・英語字幕/小熊(おぐま)英二、撮影・編集/石崎俊一、音楽/ジンタらムータ、英語字幕校正/デーモン・ファリー、配給/アップリンク
出演
菅直人、亀屋幸子、ヤシンタ・ヒン、吉田理佐、服部至道、ミサオ・レッドウルフ、木下茅、小田マサノリ
9月2日(水)より隔週水曜日、渋谷アップリンクにて公開
2015年、109分、日本、日本語(英語字幕付き)配給/アップリンク
http://www.uplink.co.jp/kanteimae/

by Mtonosama | 2015-09-01 05:17 | 映画 | Comments(7)