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殿様の試写室

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2つ目の窓 -2-
STILL THE WATER

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(C) 2014“FUTATSUME NO MADO”JFP, CDC, ARTE FC, LM.


冒頭シーンは猛烈な台風。
普段は穏やかな海がたけり狂い、波涛が風に吹き飛ばされます。

いきなり観客を圧倒するこの光景は
監督の一行が奄美大島に到着してすぐに台風が襲来し、撮影したのだとか。
まさに映画の神様に守られた展開だったようですよ。

さて、登場人物ですが、一人は東京から母とこの島にやってきた高校生・界人。
もう一人は島のユタ神様の娘、同じく高校生の杏子。

この少年少女の初恋と成長を通して描かれる生のつながり。
単なるボーイ・ミーツ・ガールのお話ではないところが
なんとも河瀬直美監督らしいです。
湿気が充満した内陸部の奈良から、強い太陽と潮風の奄美へ。
従来の舞台とは正反対の自然にもひきこまれます。


ストーリー
亜熱帯の島、奄美大島。
マングローブ、ガジュマル、アダンの樹々が茂り、サンゴ礁の海が広がる。
島ではユタ神様が祭祀を司り、人々は自然と神を畏れ敬いながら暮らしている。

島中で行われる八月踊りの晩、界人は海に浮かぶ男の溺死体をみつけた。
その場を走り去った彼を見ていた同級生の杏子に翌朝問いかけられても何も応えない界人。

杏子の母イサはユタ神様として島人たちの心のよりどころだったが、今は死の床にあった。
「わたしがこの世からいなくなっても、わたしの心はここにあるし、
わたしのぬくもりは杏子の心に残るのだから」
母はそう言うが、杏子は母がそこにいなくなるという現実を受け入れることができない。
「わたしの命は杏子につながっているし、いつか杏子が産むだろう子どもともつながってゆく。
だから、おかあさんは死ぬことなど怖くないのよ」
と杏子に言い聞かせるイサ。

一方、界人はいつも男の気配を感じさせる母・岬がイヤでならない。
ある日、幼い頃に別れた父に会うため、上京する。
「岬との出会いは運命だった」と語る父に
「運命だったら別れたりしないはずだろ?」と心を占めていた想いをぶつける界人。

島に戻った界人はお互いの淡い想いを知りながら、杏子に求められても応えることができない。

ある夜、母への不信が爆発し、激しくなじり、罵る界人。
そして、嵐の中、母は姿を消してしまった……

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無名の新人を起用する河瀬監督。
『萌の朱雀』ではまだ中学生だった尾野真千子が登場していました。
今回、界人を演じた村上虹郎は1997年生まれの17歳。
作品中、東京に別れて暮らす父・篤を演じた村上淳の実子なんですよ。

彼が映画の進展につれて役柄だけでなく実際にも成長していく姿が初々しかったです。

ラストで、界人と杏子が2頭の白イルカのように海中を泳ぐシーンは
浮遊感に溢れた幻想的なものでした。

母から子へ、そして、そのまた次の世代へ。
命のつながりは愛だったんだなぁ、と改めて気づかされるようなシーンでありましたねぇ。





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2つ目の窓
監督・脚本/河瀬直美、プロデューサー/青木竹彦、澤田正道、河瀬直美、撮影/山崎裕
出演
村上虹郎/界人、吉永淳/杏子、杉本哲太/徹、松田美由紀/イサ、渡辺満起子/岬、村上淳/篤、
榊秀雄/刺青の男、常田富士男/亀次郎
7月26日(土)全国ロードショー
2014年、日本・フランス・スペイン、カラー、120分、配給/アスミック・エース
http://www.futatsume-no-mado.com/

by Mtonosama | 2014-07-22 05:43 | 映画 | Comments(6)
2つ目の窓 -1-
STILL THE WATER

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(C) 2014“FUTATSUME NO MADO”JFP, CDC, ARTE FC, LM.

河瀬直美さん。
なぜか気になる映画監督です。
たびたびのカンヌ国際映画祭での受賞の折、すてきなドレスをお召しになり、
女性監督の華みたいなオーラを発散させていらっしゃいます。

1997年『萌の朱雀』で第55回カンヌ国際映画祭カメラドール(新人監督賞)を
27歳(史上最年少)で受賞。芸術選奨新人賞も受賞しています。
その後、2003年には『沙羅双樹』がカンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出、
2007年には『殯の森(もがりのもり)』で同グランプリを受賞しました。
さらに、2009年、カンヌ国際映画祭に貢献した監督に贈られる「黄金の馬車」賞受賞。
これは女性としてもアジア人としても初めての快挙です。
2011年には『玄牝 -げんぴん-』で第58回スペイン・サンセバスチャン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。
そして、2013年のカンヌ国際映画祭では日本人監督として初めて審査員を務めました。
公式サイトhttp://www.kawasenaomi.com

その映像からは、故郷の奈良を舞台に、生きるということを問いかけ、死ぬということを考えつつ、
幽遠な森林の精と一体化したような不思議な印象を受けます。
連綿と続く命に想いを馳せることになります。
彼女がカンヌ国際映画祭の常連さんなのは、
古代から延々と引き継がれる精霊と人間が共存しているような世界を描いているところが
ヨーロッパの人々の心をひきつけるからなのでしょうか。

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今回の作品『2つ目の窓』。
本作は彼女のもうひとつのルーツである奄美大島を舞台にした作品です。
河瀬さんの言葉によれば、
「奄美の自然をそこに暮らす人々は『神』とあがめて拝む。
その波の向こうにはネリヤカナヤという豊穣をもたらす国があるという。
そこは魂の還る場所なのだ」
そうです。

奄美大島という海に囲まれた土地と
奈良という山国。
なのに、その土地にはいずれも魂が宿っているのですね。

島にも山にも霊が息づき、魂が住みついています。
古くからそこに暮らす人々はそれらと共存し、大切にしてきました。
霊や魂は古代以前から自然の中で生きてきたご長寿さんではありますが、
長寿だからといって頑健ではないのですよね。
むやみにその地を開発しようものなら、あっと言う間にいなくなってしまいます。

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そんなはかなげな存在と共に生きる島人たち。
島の雄大な自然、強烈な陽光を遮り、大きく枝を拡げるガジュマルの大木。

変わらぬ風景の中で連綿とひきつがれる命そして暮らし。

そこに繰り広げられる自然の営みに、作品のストーリーやテーマとは関わりなく、
ひきずりこまれていくような気分になぜか心安らぐ映画です。

さあ、いったいどんなお話なのでしょうか。
続きは次回まで乞うご期待でございます。



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☆7月19日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

2つ目の窓
監督・脚本/河瀬直美、プロデューサー/青木竹彦、澤田正道、河瀬直美、撮影/山崎裕
出演
村上虹郎/界人、吉永淳/杏子、杉本哲太/徹、松田美由紀/イサ、渡辺満起子/岬、村上淳/篤、榊秀雄/刺青の男、常田富士男/亀次郎
7月26日(土)全国ロードショー
2014年、日本・フランス・スペイン、カラー、120分、配給/アスミック・エース
http://www.futatsume-no-mado.com/

by Mtonosama | 2014-07-19 06:31 | 映画 | Comments(2)