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殿様の試写室

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殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

東ベルリンから来た女 -1-
Barbara

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(C)ChristianSchulz/SchrammFilm(C)HansFromm/SchrammFilm

お隣の国ではいまだ南と北に分断されたままですが、
今から24年前にはドイツも東と西に分かれていました。
とのは150歳ですから、1989年のあの日、ベルリンの壁を人々が越える様子を
TVのニュースで見ています。
でも、あの年に生まれた赤ちゃんにとって壁の崩壊は教科書の中のできごとなのでしょうね。
その赤ちゃんたちも今年は年男、年女。月日の経つのは早いものでございます。

本作「東ベルリンから来た女」は1980年の東独の小さな町が舞台です。
東ベルリンの大病院に勤務していたバルバラという名の美しい女医が、
バルト海沿岸の小さな病院に勤めることになりました。
西独移住の申請を却下され、この小さな町にとばされてしまったのです――
というのがこの映画のオープニング。

バルバラはバスから降りるとベンチに座り、
病院が始まる時間までタバコを吸って過ごします。
その組んだ脚が長くて、とてもきれいです。

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ベルリンの壁が崩壊する9年前。
東ドイツでは、シュタージという機関によって人々は監視されていました。
シュタージStasi。
東ドイツの秘密警察・諜報機関である国家保安庁Ministerium für Staatssicherheitの通称です。
Staatsicherheit。ほらね、下線部分をつなげるとStasiになりますよね。
職場や隣近所はもちろん恋人や夫婦ですら密告しあう陰惨な監視体制でした。

シュタージといえば、第79回アカデミー賞外国語映画賞を受賞した「善き人のためのソナタ」(‘06)があります。
国家保安庁で働く諜報員を主人公にしたフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督の感動作でした。
東ドイツがなくなった後も旧東独人に皮膚感覚として残る監視体制の残渣に
風穴を開けたともいえる映画だったかもしれません。

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「善き人のためのソナタ」から6年目につくられた本作は、
その風穴を更に拡げ、シュタージによって委縮させられていた主人公の心に光を当て、
いかなる体制下にあっても揺るがない人としてのあり方、愛、誇りを浮き上がらせました。

シュタージの捉え方が客観的になり、じっくりと観察できるようになったのでしょうか。
もうあれから20年以上経ちましたからね。
シュタ―ジ映画は第2ステージに上がったのかもしれません。

監督はクリスティアン・ペッツォルトです。

クリスティアン・ペッツォルト
1960年生まれ。壁崩壊時には29歳で、両親は東独からの逃亡者です。デュッセルドルフに近いヒルデンに生まれ、ベルリン自由大学でドイツ語と演劇を学びました。その後、ドイツ映画テレビアカデミーで監督の勉強をしながら、ハルン・ファロッキやハルトムート・ビトムスキーの助監督も務めました。

壁崩壊の前に東ドイツで留学生活を送った人が
「お店がなんにもなくて寂しかった」と言っていたのを覚えています。
ものが溢れ返った東京から行けば、なおさらその寂しさは募ったことでしょう。

お店も映画館もない寂しいバルト海沿岸の小さな田舎町。
実は、そこで展開されるできごとは
ハラハラドキドキの緊張からジワリとした感動へと変わるのですが、
さて、いったいどんなお話なのでしょうか。
続きは次回に。乞うご期待でございます。



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☆2013年1月10日に更新しました。いつも応援ありがとうございます☆

東ベルリンから来た女
監督・脚本/クリスティアン・ペッツォルト、製作/フロリアン・ケルナー・フォン・グストルフ、ミヒャエル・ヴェーバー、撮影/ハンス・フロム
出演
ニーナ・ホス/バルバラ、ロナルト・ツェアフェルト/アンドレ、ライナー・ボック/クラウス・シュッツ、ヤスナ・フリッツィ・バウアー/ステラ、マルク・バシュケ/ヨルク、クリスティーナ・ヘッケ/看護手シュルツェ、ヤニク・シューマン/マリオ、アリツィア・フォン・リットベルク
2013年1月17日(土)Bunkamuraル・シネマ他にて全国順次ロードショー
2012年、ドイツ映画、ドイツ語、105分、日本語字幕/吉川美奈子、協力/東京ドイツ文化センター、配給/アルバトロス・フィルム
http://www.barbara.jp/

by Mtonosama | 2013-01-10 06:38 | 映画 | Comments(8)