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殿様の試写室

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殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

私は、

マリア・カラス

-1-


MARIA BY CALLAS


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(C)2017 - Elephant Doc -Petit Dragon - Unbeldi Productions - France 3 Cinema
(C)Fonds de Dotation Maria Callas



マリア・カラス。

いつこの人のことを知ったのかは

忘れてしまいましたが、

一度その名を聞き、

その顔を見、その歌を聴いたら

決して忘れることはできなくなる人です。


その昔、母が

「イヴェット・ジローのコンサートに行くよ」

と連れていってくれました。

行ってビックリ、見てビックリ。

女の人ではありませんか!

「女の人なのになんで二郎なの?」

とまだ可愛かった頃の管理人は

母に訊いた覚えがあります。


なんといっても

名前を覚えやすいことが一番です。

それには

名前の一部に日本語が入っていること。

かたや(カラス)

かたや二郎(ジロー)ですからね。


マリア・カラスを初めて観たのは

パゾリーニ監督の『王女メディア』(70)でした。

映画はよくわかりませんでしたが、

綺麗な人だなぁと思ったものです。


これだけ綺麗で歌唱も超絶、

カリスマであり、ディーヴァであった

マリア・カラスですから、

その人生は何度も劇映画化され、

ドキュメンタリー映画も公開されてきました。


『永遠のマリア・カラス』(02)

『マリア・カラス 最後の恋』(08)

『マリア・カラスの真実』(09)等々

https://mtonosama.exblog.jp/10590652/


さすがに、もうネタ切れでしょう、

と思っていたら、またも出ました。

『私は、マリア・カラス』。


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なんと没後40年にして

彼女の未完の自叙伝がみつかったのです。


オペラをテーマにした短編映画を手掛けてきた

トム・ヴォルフ監督が

マリア・カラスの歌声に惚れ込み、

3年の月日をかけ真のマリア・カラスを

探し求め、この自叙伝を入手。


更に、彼女の親友たちから信頼を得て、

プライベートな手紙や

秘蔵写真・音源も集めることができました。

そうして生まれたのが本作です。

すごいですね。



マリア・カラスが書き遺した自叙伝の文章と

未公開の手紙を朗読したのは

『永遠のマリア・カラス』で、

カラスを演じたファニー・アルダン。


それらにはゴシップ紙を賑わした

数々のスキャンダルの真相と

カラスの心の叫びが綴られていました。


そう、カラスは

スキャンダルには事欠かない女性でした。


28歳年上の男性との結婚、

大統領やセレブも訪れたローマ歌劇場の舞台を

1幕で幕引きしたことへのバッシング、

カラスにクビを宣告した

メトロポリタン歌劇場の支配人とのバトル、

海運王オナシスとの大恋愛と夫との離婚、

そのオナシスとジャクリーン夫人との結婚を

新聞で知るという衝撃の顛末――

それらがファニー・アルダンの声を通して

語られます。


また、自宅や友人宅でリラックスする素顔や

豪華クルーズを楽しむ姿が収められた

プライベートフィルムも世界初公開ですし、

熱狂的なファンが無許可で撮影したフィルム、

関係者やファンから入手した音声テープ、

TV放映でカットされたインタビュー等々

まさにお宝ものの映像がつまっています。


これを見逃したら大変ですよ。


まさに不世出のディーヴァ

マリア・カラスのこれが最後の

ドキュメンタリーかもしれませんから。


さあ、どんなカラスに会えるでしょうか。

続きは次回まで乞うご期待でございます。



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私は、マリア・カラス

監督/トム・ヴォルフ

出演

マリア・カラス、朗読/ファニー・アルダン、アリストテレス・オナシス、バティスタ・メネギーニ、エルビラ・デ・イダルゴ、ジャクリーン・ケネディ、ヴィットリオ・デ・シーカ、ピエル・パオロ・パゾリーニ、ルキノ・ヴィスコンティ、オマー・シャリフ、ブリジット・バルドー、カトリーヌ・ドヌーヴ、グレース・ケリー、レーニエ3世、エリザベス・テイラー、ウィンストン・チャーチル、エリザベス女王、マーガレット・ローズ、ジャン・コクトー、フランコ・ゼフィレッリ、ジュゼッペ・ディ・ステファノ、ルドルフ・ピング、エドワード8世、ウォリス・シンプソン他

1221()公開

2017年、フランス映画、カラー、114分、字幕翻訳/古田由紀子、配給/ギャガ



# by Mtonosama | 2018-12-14 06:15 | 映画 | Comments(3)

葡萄畑に帰ろう

--


TheChair

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邦題『葡萄畑に帰ろう』は

ジョージアがワインの発祥の地という

ところから来たタイトルです。


ジョージアワインの歴史は8千年。

その醸造法は独特で、醸造蔵の地中に

素焼きの甕を埋めて、そこに葡萄の果実や皮、

さらに種や果梗まで入れて自然発酵させます。


こんな古代からの製法や農薬未使用葡萄で

作った自然派ワインが

世界中で注目されていますよ。


あ、酒の話になると力が入ってしまいます。

すいません。


原題はTHE CHAIRなんですが、

これこそ監督自身の政治家体験を示すタイトル。


椅子とはすなわち地位です。


多くの政治家が地位を望み、

国民ではなく、自分が良い暮らしをするために

争う様子を

政治の現場でずっと見てきた監督は

その体験をそのままタイトルにしたんですね。


ソ連がジョージアになっても

政治家は変わらなかったということですか。


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ストーリー

郵便配達車が『国内避難民追い出し省』と

書かれた建物の前に到着。

荷物の注文主はこの省の大臣ギオルギ。

荷物の中身は椅子。

ひじ掛けについたボタンで

あらゆる操作ができる椅子である。


ギオルギが座り心地を楽しんでいると

首相から「国内避難民を追い出すために

思い切った手をうて!」という命令が。

そこで避難民が暮らす地域へ向かい、

彼らを追い出そうとするが大混乱に。


ギオルギは追い立てられていた女性を

助けようとして、警官に殴られてしまう。

救急車の中で目を覚ました彼は

自分が助けた女性ドナラの美しさに一目惚れ。


ギオルギは行き場所のないドナラを

息子ニカの家庭教師として

住み込みで雇い入れる。


妻を亡くし、独身のギオルギだったが、

同居する義理の姉も息子のニカも

ドナラに冷たくあたる。

彼女は2人と打ち解けることを諦め、

何も言わず去って行く。


必死に行方を探すギオルギ。

すると補佐官のダトが要領よく

居場所を探し出していた。

再び出会うドナラとギオルギ。

ニカも彼女を受け入れる。


が、しかし、好事魔多し。


ギオルギの所属する与党が野党連合に大敗。

大臣を辞めさせられたギオルギは

公にできない文書を持ち帰り、庭で燃やす。

その様子を物陰で見ていた使用人。

彼女はこの書類を持ち出し、

野党連合との取引を画策した。


『国内避難民追い出し省』を去るギオルギ。

その後を嬉しそうに椅子がついてくる。

ギオルギは大臣職を失ったが、ドナラと結婚。

ワインで祝う楽しい祝宴。


それから数日後、財務局からの思わぬ命令。

家を退去しろというのだ。

実は、ギオルギは首相の口利きで

不法に家を入手していた過去を持つ。

ギオルギはかつての補佐官で

いまは大臣となったダトに頼みにいく。

愛想良く請け合ったダトだったが、

ギオルギが帰るや否や態度を一変。

家は差し押さえられることに。

なぜ?

誰かが情報を漏らしているのか?


久しぶりに故郷の母を訪ねるギオルギ。

母は言う。

「お前の家はここ。

畑や葡萄畑で働けばいいよ」

故郷へ帰ろうと決めたギオルグだったが

義姉マグダの猛反対にあい、

過労から倒れてしまう……


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ジョージアという未知の国での

政争やドタバタ。

いずこの国でも地位と欲との絡み合い

はつきものですね。


ローラースケートをはいて

いかにも忙しそうに役所の中を走り回る職員。

政権が変わっても、

やっぱりローラースケートで走っています。

彼らは忙しそうなふりさえしていればいいの?


権力への風刺と皮肉が素朴に描かれ、

思わず笑ってしまいます。


末は博士か大臣か、

と言われ、大臣に登り詰めても

人生は思い通りになりません。


でも、そんなギオルギを待っていたのは

大地に根ざした葡萄作り。


酸いも甘いも経験しつくした巨匠の辿り着いた

先は豊かな大地だったんですね。


なんかほっこりします。




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葡萄畑へ帰ろう

監督/エルダル・シェンゲラヤ、脚本/エルダル・シェンゲラヤ、ギオルギ・ツフヴェディアニ、プロデューサー/ネリ・シャンゲラヤ、ズラブ・マガラシヴィリ、撮影監督/ゴルカ・ゴメス・アンドレウ、撮影/ミンディア・エサゼ

出演

ニカ・タヴァゼ/ギオルギ、ニネリ・チャンクヴェタゼ/マグダ、ナタリア・ジュゲリ/アナ、ズカ・ダルジャニア/ニカ、ケティ・アサティアニ/ドナラ、ナナ・ショニア/レナ、ヴァノ・ゴギティゼ/アルメン、メラブ・ゲゲチコリ/ダト、ヴィタリ・ハザラゼ/バトゥ、アーロン・チャールズ/マルハズ、トリスタン・サラリゼ

1215()より岩波ホールにてロードショー

2017年、ジョージア(グルジア)、ジョージア語、99分、カラー、字幕/児島康宏、配給/クレストインターナショナル、ムヴィオラ



# by Mtonosama | 2018-12-11 06:28 | 映画 | Comments(4)

葡萄畑に帰ろう

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TheChair

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本作はジョージアの映画です。


ジョージア、

2015年まではグルジアと呼ばれていたのは

皆さまもご承知の通り。

しかし、ジョージアと言われると

未だに「わが心のジョージア」が

頭の中に響いてしまう管理人です。


英語表記がGeorgiaだから

ジョージアだというんですが、

ややこしいですよねぇ。


ジョージアは黒海とカスピ海に挟まれた

北海道の80%程の大きさの国で

ロシア、トルコ、アルメニア、

アゼルバイジャンに隣接しています。


この地理関係を見ても

ややこしい国家関係なんだろうな

と思えますよね。


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実際、3000年の歴史を持つこの国は

シルクロードが通る東西交易の要衝だったので

その昔も

ペルシャ、アラブ、モンゴル、トルコ等の

侵略と支配に脅かされていました。

123世紀には南コーカサス全域を統治して

栄華を極めたこともありましたが、

19世紀の帝政ロシア支配を経て

苦難の時代は現代まで続きます。


しかし、今年はジョージア独立100周年。

いつまでも昔の恨みつらみを

言ってばかりはいられません。


ジョージア映画史に残る傑作

『青い山―本当らしくない本当の話』

の名匠エルダル・シャンゲラヤが21年ぶりに

その実体験から生まれた人生讃歌を

送り出しました。


実体験?

そうなんです。

85歳のジョージア映画界最長老が

実際に政界に身を置いていた

自身の経験を基に描いた映画です。


それも

ジョージアの魂ともいえるワインのように

芳醇で楽しい酔いをもたらす

ユーモアと真の幸せを教えてくれる傑作です。


その歴史や90年代の内戦、紛争のため、

明るい作品が少なかったジョージア映画。

そんな映画ばかり観てきた映画人に

「ユーモアが帰ってきた!」

と言わしめた映画が本作。


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エルダル・シェンゲラヤ監督

1933年ジョージアのトビリシに生まれる。

ジョージア映画人に尊敬される最長老。


弟は『放浪の画家 ピロスマニ』監督

ギオルギ・シェンゲラヤ(37)

父は巨匠ニコロズ・シェンゲラヤ(0343

母は大女優ナト・ヴァチナゼ(0453

という映画一家の生まれ。


モスクワ国立映画大学で

セルゲイ・ユトケーヴィチ監督に師事。

『冷たい心の物語』(57)で長編劇映画デビュー。

64年『白いキャラバン』が

カンヌ国際映画祭に出品。

68年『奇妙な展覧会』

74年『奇人たち』 

78年『サマニシュヴリの継母』

83年『青い山―本当らしくない本当の話』は

その風刺精神で官僚社会の愚かさを痛烈に描き

全ソヴィエト映画祭グランプリに輝いた。


映画界での人望が厚く

76年から2012年までの36年間

ジョージア映画人同盟の代表を務める。

ソ連邦離脱後は政界に進み、

ジョージア国会副議長を務めたが、

06年、娘の死をきっかけに

一切の政治活動から退く。


1979年ジョージア人民芸術家賞

1988年ソヴィエト連邦人民芸術家賞



随分偉い監督さんなんですね。

でも、

眉間に皺を寄せてみる映画ではないんですよ。


さあ、どんなお話なのでしょうか。

続きは次回まで乞うご期待でございます。



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葡萄畑へ帰ろう

監督/エルダル・シェンゲラヤ、脚本/エルダル・シェンゲラヤ、ギオルギ・ツフヴェディアニ、プロデューサー/ネリ・シャンゲラヤ、ズラブ・マガラシヴィリ、撮影監督/ゴルカ・ゴメス・アンドレウ、撮影/ミンディア・エサゼ

出演

ニカ・タヴァゼ/ギオルギ、ニネリ・チャンクヴェタゼ/マグダ、ナタリア・ジュゲリ/アナ、ズカ・ダルジャニア/ニカ、ケティ・アサティアニ/ドナラ、ナナ・ショニア/レナ、ヴァノ・ゴギティゼ/アルメン、メラブ・ゲゲチコリ/ダト、ヴィタリ・ハザラゼ/バトゥ、アーロン・チャールズ/マルハズ、トリスタン・サラリゼ

1215()より岩波ホールにてロードショー

2017年、ジョージア(グルジア)、ジョージア語、99分、カラー、字幕/児島康宏、配給/クレストインターナショナル、ムヴィオラ




# by Mtonosama | 2018-12-08 06:11 | 映画 | Comments(6)

マイ・サンシャイン

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KINGS


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(C)2017 CC CINEMA INTERNATIONALSCOPE PICTURESFRANCE 2 CINEMA-AD VITAM-SUFFRAGETTES



ハル・ベリー、ダニエル・クレイグ。

ハリウッドの大物俳優が出ているだけに

ハリウッド映画と思いきや、

製作はフランス、ベルギーです。


黒人暴動を描いた映画は数々あれど

ちょっと違うな、と思ったのは

監督の視点が違うからでしょうか。


監督が本作を撮るきっかけになったのは

2005年のパリ郊外暴動事件でした。


パリ郊外暴動事件

警察に追われた北アフリカ出身の

3人の若者が変電所に逃げ込み、

2人が感電死。

これをきっかけに起きた暴動


この事件の際は、赤ちゃんの時から

フランスに住んでいる監督も

何度も尋問を受けました。


トルコ出身の彼女は

未だフランス人として扱われておらず、

国籍申請も二度却下され、

パスポートも申請の度に

通らないのではないかと

不安になるのだそうです。


監督自身いつも感じた

母国と信じる国から拒絶されている

という寄る辺なさが

パリ郊外暴動事件にも、LA暴動にも

通底しているのです。



ストーリー

LA・サウスセントラルで、

家族と暮らせない幼児から思春期までの

黒人、白人の子どもたちを育てるミリー。

豊かではないけれど、

家には子どもたちの笑顔が溢れていた。

白人の隣人オビーは

いつも騒々しい一家に文句を言いつつ

実は彼らを見守っているのだった。


ある日、

ミリーは帰る家をなくした少年ウィリアムも

迎え入れ、一緒に暮らすようになる。

一家の長男格ジェシーの同級生で

彼が恋心を寄せているニコールも

帰る家が無く街をさまよう少女だった。


1991年、LAで二つの事件が起きた。

ロドニー・キング事件と

15歳の黒人少女が万引きを疑われ、

韓国系の女店主に撃ち殺された事件だ。

この事件で女店主は

保護観察処分と500$の罰金刑を受ける。

少女の命を奪っておきながら

収監も無しという判決に怒るLAの黒人たち。


一方、居場所のないニコールに手を差し伸べ、

眠る場所を紹介するジェシー。

ニコールと心が通じ合ったと

喜ぶジェシーだったが、

ニコールが選んだのはウィリアムだった。


19924月、ロドニー・キング事件の公判で

集団暴行した警官に無罪判決が出る。

黒人が犠牲になった2つの事件に下された

不当な判決に街中が怒りに燃えた――



そして

白人と韓国系商店を標的とした

LA暴動が起こる。


ウィリアムは暴動に加わろうとし、

ジェシーはそれを止めようとする。

暴徒と化した市民が商店から略奪する姿が

TV画面に映し出され、

ミリーの家の子どもたちも飛び出していく。

家には小さな子ども達だけが残されていた。


ミリーとオビーは子どもたちを守ろうと

戦地と見まごう街を走り回る。


一方

ウィリアム、ジェシー、ニコールの三人は……



これはKKK団の闊歩していた時代の話ですか?

いえ、たかだか20数年前のことです。


その後、初の黒人大統領を迎え、

大きく変わったかと思いきや

金髪すだれの大統領がひっくり返しています。


無力感に襲われますが、

人種を超えて子どもたちを受け入れる

ミリーのようなホストマザー。

あるいは

暴徒を説得したファストフード店の店長

実在の人物の小さいけれど

力強い勇気がまずは現場を変えていきます。


何百年かかるかもしれないけど

まずは一歩ずつ。


姿かたち顔の色が異なるものを

排除するって本当に狭小なことなのに、

いつまでこんなことが続くのでしょうかねぇ。


「顔が少しくらい人と違っていても

それってすぐ慣れちゃうのに」

と『ワンダー』という映画の中で

子どもが言ってたのになぁ。



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マイ・サンシャイン

監督・脚本/デニス・ガムゼ・エルギュヴェン、音楽/ニック・ケイヴ&ウォーレン・エリス、撮影/ダーヴィッド・シザレ、製作/シャルル・ジリベール

出演

ハル・ベリー/ミリー、ダニエル・クレイグ/オビー、ラマー・ジョンソン/ジェシー、カーラン・ウォーカー/ウィリアム、レイチェル・ヒルソン/ニコール

1215()ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、渋谷シネクイント他全国ロードショー

2017年、フランス・ベルギー、87分、配給/ビターズ・エンド、パルコ



# by Mtonosama | 2018-12-05 05:33 | 映画 | Comments(4)

マイ・サンシャイン

-1-


KINGS


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(C)2017 CC CINEMAINTERNATIONALSCOPE PICTURESFRANCE 2 CINEMA-ADVITAM-SUFFRAGETTES



前回に引き続き、今回も

アジアに出自を持つ女性監督の映画です。

共通点はもうひとつ

舞台が欧米であること。


本作の舞台はアメリカLAです。


監督はデニズ・ガムゼ・エルギュヴェン

またまた難しい名前ですね。


彼女はトルコ・アンカラ生まれ、

長編デビュー作『裸足の季節』('15)

話題を呼んだ監督です。

https://mtonosama.exblog.jp/25295864/

https://mtonosama.exblog.jp/25306386/

これも痛快な映画でした。



デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン監督


1978年生まれ。

フランス、トルコ、アメリカをまたぎ、

都会的に育った。

ヨハネスブルグ大学で文学、

同大学院でアフリカの歴史を専攻後、

フランス国立映画学校の監督専攻で学ぶ。


長編デビュー作『裸足の季節』は

カンヌ国際映画祭監督週間に出品されると

各国メディアから大絶賛を受け、

ヨーロッパ・シネマ・レーベル賞を受賞。

その後、世界中の映画祭を席捲し、

トルコ語作品ながら、

アカデミー賞フランス代表に選ばれ、

同外国語映画賞にノミネートされる。


自国語以外の作品がフランス代表になったのは

『黒いオルフェ』(‘59 マルセル・カミュ監督)

以来、56年ぶり2度目という快挙である。


本作『マイ・サンシャイン』は

フランス国立映画学校卒業後から

監督が長期にわたって温めていた企画。


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今回、主演に

アカデミー賞主演女優賞受賞のハル・ベリー

007』シリーズの第6代ジェームズ・ボンド

ダニエル・クレイグを迎えての感動作。


1991年のLA暴動を舞台にしています。


ご記憶でしょうか?


199133

26歳のアフリカ系アメリカ人ロドニー・キングが

スピード違反でLA市警から追跡された上、

警官数人にボコボコにされました。

一般市民が撮影した暴行映像は世界中に。

日本でも連日放映されていました。


1991316

15歳のアフリカ系アメリカ人の少女

ラターシャ・ハーリンズがサウスセントラルの

食料品店の韓国系女店主

トゥ・スンジャによって殺害されます。

少女は口論の末、店を出ようとしたところを

背後から頭部を撃たれました。

犯行の様子は

店の監視カメラが捉えていました。


19911115

ラターシャ・ハーリンズ射殺事件裁判の判決。

陪審員の意見を無視して、

裁判官は執行猶予付き5年の懲役、

400時間の社会奉仕、500ドルの罰金という軽い刑。

この判決にサウスセントラル住民の怒りの声が。


19923

ロドニー・キングを暴行し、

「暴力の過剰行使」で告訴された

4人の警官の裁判。

陪審員は10名の白人、1人のアジア系、

1人のラテン系で構成。

一般市民撮影の映像が証拠として提出され、

専門家によって一つずつ検証。


1992429

陪審員による7日間の審議の末、

4人の被告は無罪釈放。


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その報道から2時間後、

サウスセントラルで最初の暴動が発生。


暴徒化した市民が

韓国系店を中心に商店を襲撃。

この動きはLAだけではなく

ラスヴェガス、アトランタ、

サンフランシスコをはじめアメリカ各地で

小規模な暴動や抗議を生みました。


そりゃあ、怒りますよ。

いい加減にしろ、というところです。


司法省がロドニー・キング事件について

公民権法違反容疑でのFBIによる再捜査を

表明することによって

6日間続いた暴動は収束に向かいます。


50名を超える死者、4,000名の逮捕者、

3,600件の火災が発生、

1,100の建物が破壊されました。


これはもう内乱です。


日本でも連日報道されていた警官暴行事件。

これが無罪なんてあり得ないと思いました。


起こるべくして起こった暴動ですよね。


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「社会派ドキュメンタリー?」とお思いでしょう。

これが違うんです。


映画の進行と共に暴動勃発までの残り時間が

刻々と示されますし、主人公の家族が

これに巻き込まれはします。


でも、本作は家族――

家族ですが、『万引き家族』のように

血のつながらない家族です。


本作はそんな家族のつながりを

描いた愛の映画であり、

いまだ抜きがたく存在する黒人への差別を

容赦なく迫ってくる作品でもあります。


さあ、いったいどんなお話なのでしょう。

続きは次回まで乞うご期待でございます。



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マイ・サンシャイン

監督・脚本/デニス・ガムゼ・エルギュヴェン、音楽/ニック・ケイヴ&ウォーレン・エリス、撮影/ダーヴィッド・シザレ、製作/シャルル・ジリベール

出演

ハル・ベリー/ミリー、ダニエル・クレイグ/オビー、ラマー・ジョンソン/ジェシー、カーラン・ウォーカー/ウィリアム、レイチェル・ヒルソン/ニコール

1215()ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、渋谷シネクイント他全国ロードショー

2017年、フランス・ベルギー、87分、配給/ビターズ・エンド、パルコ




# by Mtonosama | 2018-12-02 06:56 | 映画 | Comments(5)