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殿様の試写室

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殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

ローラと

ふたりの兄

--

LOLA et ses frères


ローラとふたりの兄 -2- LOLA et ses frères_f0165567_05392251.jpg

(C)2018 NOLITA CINEMA - LES FILMS DU MONSIEUR - TF1 DROITSAUDIOVISUELS - FRANCE 2 CINEMA



俳優でもある

ジャン・ポール=ルーヴ監督は

本作が監督作品四作目。


彼がこだわるのは

継承、家族、世代間の

関係です。


あらためて

家族といわれると

家族の最小単位ってなにかなぁ

と思ってしまいます。


親子?

夫婦?

きょうだい?


夫婦なのかもしれません。


アダムとイヴがいて

そこから子どもが生まれ

家族が増えていくのですから。


でも、

夫婦仲が悪い場合を思えば

親子なのかなぁと思います。

夫婦は他人同士でも

親子は血がつながってます


あ、血のつながらない親子も

いますけど。


難しい・・・


本作で目立つのは

親子兄妹の関係です。


ブノワとピエールと

ローラの兄妹は

月に一度

両親の墓前に詣でることを

習慣にしています。


そこでいつも

きょうだい喧嘩に

なってしまうんですけどね。


ローラとふたりの兄 -2- LOLA et ses frères_f0165567_05423900.jpg


ストーリー

弁護士のローラには

あれこれ問題を起こす

厄介な兄が二人いる。

眼鏡士のブノワと

解体業者のピエール

が、その二人。


三兄妹は亡くなった

両親の墓前に月に一度

三人で集まる。


でも、なぜかいつも

言い争いになり、

墓参りに来ている

老人から

「あんたたちは喧嘩を

するためにここへ

来てるのかい?」

と言われる始末。


後日、ブノワの三度目の

結婚式に大幅に遅刻してきた

ピエール。


というのも結婚式の前に

古くなったビルを

爆破解体した時に

トラブルが発生したから。


式服を持ってこさせた

息子を車に拾い、

式場に向かったが、

もうドタバタ。


なんとかスピーチには

間に合ったものの

新婦の名前を思い出せず、

兄弟喧嘩になってしまう・・・


ローラとふたりの兄 -2- LOLA et ses frères_f0165567_06012236.jpg


ピエールは

深刻な仕事上のトラブルを

抱えることになり、


ブノワは子どもを

持つか持たないかで

若い妻とすれ違う。


しっかり者のローラも

離婚調停の依頼人だった

ゾエールと恋に落ちた。


やっとパートナーが

見つかり、子どもも産めると

思ったローラ。


だが、

彼女は病院で大変な事実を

つきつけられてしまう……


ローラとふたりの兄 -2- LOLA et ses frères_f0165567_05470488.jpg


家族の単位は

夫婦か、親子か、

はたまたきょうだいか。


でも、

不甲斐ない兄貴たちを

優しくリードする

しっかり者の妹だって

つらくて泣きたくなることが

あります。


そんな時、

妹をしっかり抱きしめて

くれるのはおにいさんたち。


結構

感動するシーンでした。


若い妻との新婚気分を

満喫したいブノワ。

できの良い一人息子や

会社の後輩に

救われるピエール。

恋人と無事結ばれ、

海外から養子を

とることにするローラ。


めでたしめでたしの

ハッピーエンドであります。


しかし、

海外から養子を迎える

ローラの決断には

驚きました。


フランスは

島国根性の日本を

一歩も二歩も超える

多様性国家なんですね。


本作を観て

思い出したのですが、

4週間ほどルームメートだった

スウェーデンの

エーファという女の子は

「私の姉は韓国から来たの」

と言っていました。


そうそう、そういえば

『冬の小鳥』(’09)

という映画は

ウニー・ルコント監督が

韓国から養子として渡仏した

自らの少女時代を映画化した

自伝的な作品でした。

https://mtonosama.exblog.jp/14398672/

https://mtonosama.exblog.jp/14418151/


外国人の養子を迎えることは

ヨーロッパでは

普通のことなのでしょうか。


本作は養子が主題の映画

ではありませんが、

なぜかそこに

目を向けてしまった

管理人であります。


ローラとふたりの兄 -2- LOLA et ses frères_f0165567_05531758.jpg



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ローラとふたりの兄

監督/ジャン・ポール=ルーヴ、脚本/ジャン・ポール=ルーヴ、ダヴィッド・フェンキノス、撮影監督/クリストフ・オッファンスタイン

出演

リュディヴィーヌ・サニエ/ローラ、ジョゼ・ガルシア/ピエール、ジャン・ポール=ルーヴ/ブノワ、ラムジー・ペディア/ゾエール、ポーリーヌ・クレマン/サラ

1210()ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国順次公開

2018年、カラー、フランス、105分、字幕翻訳/手束紀子、配給/サンリスフィルム、ブロードメディア



# by Mtonosama | 2021-12-01 06:07 | 映画 | Comments(0)

ローラと

ふたりの兄

-1-

LOLA et ses frères

ローラとふたりの兄 -1- LOLA et ses frères_f0165567_05581629.jpg

(C)2018 NOLITA CINEMA - LES FILMS DU MONSIEUR - TF1 DROITS AUDIOVISUELS- FRANCE 2 CINEMA



妹と兄弟のお話として

思い出すのは

「白鳥の王子」(アンデルセン作)


悪い魔法使いによって白鳥に

変えられてしまった

11人の兄王子のために

妹が茨でチョッキを

編んであげるお話でした。


茨の棘で手を傷つけながら

チョッキを編み、それを着た

白鳥たちが次々に王子の姿に

戻っていくシーンは

子ども心に感銘を受けました。


本作は11人のきれいな王子も

白鳥も出てこない現代フランスのお話です。


ローラとふたりの兄 -1- LOLA et ses frères_f0165567_06001470.jpg



弁護士をやっている妹ローラと

白鳥の代わりに中年おやじ2人が

出てきます。

眼鏡士の長兄ブノワと

ゼネコンの現場責任者の

次兄ピエール。


管理人は二人姉妹ゆえ

おにいさんがどんな存在なのか

よくわかりませんが、

親戚のおにいさんには

図鑑をもらったり、

映画に連れていってもらったり

可愛がってもらった

記憶はあります。


幼い頃はともかく、

妹が美しい娘に成長すると

物語の世界では

妹は兄たちに無償の愛で

つくします。


成長した妹は

妹を卒業し、

母のように、

姉のように

兄たちを見守るように

なったりします。


それって

ジェンダー論的にいって

どうよッ!

と言いたいところですが、

ここはまず黙って観察すると

しましょう。


ローラとふたりの兄 -1- LOLA et ses frères_f0165567_06015323.jpg



フランスで100万人の観客を

動員した大ヒット作

『美しき人生のつくりかた』

から4年、

ジャン=ポール・ルーヴ監督が

放った最新作が本作

『ローラとふたりの兄』


兄と妹、夫と妻、親と子

それぞれに

それなりの問題を抱えながら

日々を生きる

ちょっとおかしくて

不器用で、ひたむきな

きょうだいたちの姿に

「ある、ある」と

共感できてしまいます。


フランス版ラブコメディ?

それとも

フランス風ホームドラマ?


特別こじゃれている訳ではない

パリ以外の街に住む

フランス人の日々を

のぞいてきましょう。


ジャン=ポール・ルーヴ監督の

長編4作目となる本作は

作家・脚本家の

ダヴィッド・フェンキノス

と共に

人々の日常を

ユーモラスに描いて

観客の共感を誘い、

フランス地方都市の

プチブルたちの

生活を捉えています。


ローラとふたりの兄 -1- LOLA et ses frères_f0165567_06040523.jpg


フランス地方都市の

プチブル中年男女って

あまり知らない方々です。


妹ローラを演じるのは

F・オゾン監督の

ミューズであり、

最近では是枝裕和監督『真実』(19)

にも出演した

リュディヴィーヌ・サニエ。


ロマンチストで離婚・結婚を

繰り返す長男ブノワは

俳優としても活躍する

ジャン=ポール・ルーヴ監督

自身が演じています。


そして、

職人気質で不器用で

年頃の男の子を一人で育てる

次男ピエールを演じるのは

幅広い役柄をこなす人気俳優

ジョゼ・ガルシア。


パリではなく

西フランスの地方都市

アングレームで

繰り広げられる人間ドラマ。


さあ、いったい

どんなお話でしょう。

続きは次回に乞うご期待。



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ローラとふたりの兄

監督/ジャン・ポール=ルーヴ、脚本/ジャン・ポール=ルーヴ、ダヴィッド・フェンキノス、撮影監督/クリストフ・オッファンスタイン

出演

リュディヴィーヌ・サニエ/ローラ、ジョゼ・ガルシア/ピエール、ジャン・ポール=ルーヴ/ブノワ、ラムジー・ペディア/ゾエール、ポーリーヌ・クレマン/サラ

1210()ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国順次公開

2018年、カラー、フランス、105分、字幕翻訳/手束紀子、配給/サンリスフィルム、ブロードメディア




# by Mtonosama | 2021-11-28 06:09 | 映画 | Comments(2)
三毛猫ひかちゃん
-117-


あたし、ひかちゃん。

三毛猫ひかちゃん -117-_f0165567_05395215.jpg

あのね、あたし、
たっくさん
お知らせしたいことがあったの。
でもね、スマホの新しい画像が
突然ブログに取り込めなく
なっちゃったんだって。

三毛猫ひかちゃん -117-_f0165567_05480923.jpg

ごめんなさいね。
(あたしが素直に謝るのって珍しいのよ)

実は、飼い主ったら2週間前に
また手術をしたの。
今回は自分のための手術よ。
白内障の手術なの。

目が悪いのは子どもの時からで
慣れているんだけど、
いよいよ視界が白っぽく
ぼやけてきて
かかりつけの眼医者さんに
「手術した方がいいですよ」
って言われてしまったの。

三毛猫ひかちゃん -117-_f0165567_05580495.jpg


目の手術なんて
死んでもやりたくないって
思っていた飼い主だから
そりゃもう、
ビビったのなんのって。

だって、目の前に
自分の目を切るメスが
見えるんでしょ?

こわい、こわいって
手術の前は
お腹をこわしちゃったの。

三毛猫ひかちゃん -117-_f0165567_06012705.jpg

あたしも心配したけど
ただの三毛猫だもの。
なにもできなかったわ。

三毛猫ひかちゃん -117-_f0165567_06034323.jpg

二泊三日の入院を終えて
帰ってきた飼い主はね、
なんと0.04だった裸眼視力が
0.7になっていたの。

これは小学校4年生の時以来
初めての小数点以下1位の数字。
140年ぶりなんだから!!

三毛猫ひかちゃん -117-_f0165567_06071895.jpg

霧に煙る八海山だって


三毛猫ひかちゃん -117-_f0165567_06081843.jpg

坂の下の海だって
なんでもはっきり
眼鏡を通さず視えるんだって。

三毛猫ひかちゃん -117-_f0165567_06111754.jpg

ただ、思いもよらなかった
事態も起きたの・・・

近くが全然見えないのよ。
パソコンもスマホも新聞も本も
見えないし、読めないの。

これが老眼っていうのかって
嘆いてるわ。

いまは百均で買ってきた
老眼鏡で
しのいでいるみたいよ。

視力が安定してきたら
「こころ旅」の
火野正平さんみたいな
眼鏡を買うんだって。

三毛猫ひかちゃん -117-_f0165567_06160368.jpg

あたしは
この頃も、いまも、
目はよく見えるわ。

飼い主はね、
ガーゼを当てている目や
入院中退屈して撮った
待合室の画像を
載せたかったらしいけど、
できないって嘆いてるわよ。

あ、そんなもの
見たくないからいい?
そうよねぇ。

では、皆さん、
体に気を付けてね。
また、来るわね。

ひかり


今日もポチッとよろしくね。

ひか♪

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いつも応援してくださって
ありがとうございます。

飼い主
















# by Mtonosama | 2021-11-25 06:31 | 映画 | Comments(6)

ユダヤ人の私

--

Ein judisches Leben


ユダヤ人の私 -2- Ein judisches Leben_f0165567_04515079.jpg

(C)2021BLACKBOX FILM & MEDIENPRODUKTION GMBH



『ゲッベルスと私』のポムゼルさん同様、

本作でも薄暗い室内で

100年余に及ぶ皺を克明に

映し出された老人が

ゆっくりと

恩讐を越えた穏やかさで

カメラに向かって語ります。


歴史の影……

老人の額に刻まれた

懊悩の皺は深いのですが。


彼の証言は

反ユダヤ主義が

ホロコーストにつながる瞬間を

明らかにしていきます。



1913年生まれのファインゴルトさんは

撮影時106歳。

それでも精力的に

自身の体験と

ナチスの罪、そして、

70年以上にわたって訴え続けてきた

ナチスに加担した自国オーストリアの責任を

カメラの前で語ります。


年齢を感じさせない記憶力と信念です。


彼はハンガリーで生まれ、

ウィーンで育ちました。

小学校の教師が

反ユダヤ主義者だったため、

登校を拒否。


1938年、

紳士服のビジネスで滞在していた

イタリアから一時帰国すると

自国では

独墺の合併(アンシュルス)

によって

反ユダヤ主義が

急速に広まっていました。


1939年、ビジネスに成功し、

粋でダンディなファインゴルトも

逮捕され、1945年の終戦まで

アウシュヴィッツ、

ノイエンガンメ、

ダッハウ、

ブーヘンヴァルトという

4つの強制収容所に

収容されました。


若くて健康だったから

6年間もの強制収容所生活を

生き抜くことが

できたのでしょう。


終戦後は

ユダヤ人難民に対する人道支援と

講演活動に取り組んだ

ファインゴルト。


本作における彼の記憶力と

はっきりした証言は

その体験が

大きく寄与しているのでしょう。


彼はオーストリアの

ユダヤ協会代表を務め、

その功績に対して

多くの栄誉ある賞が

与えられています。


2019919日に

106歳の生涯を閉じました。


まるで本作で証言を終えるのを

待っていたかのように

亡くなったのです――


時折、はさまれる

アーカイブ映像の他は

ほぼファインゴルトさんの独白です。


ビジネスに成功した

ダンディな青年が

いきなりゲシュタポに逮捕される――


容疑など何もありません。


容疑というなら

ユダヤ人であるということだけ――


収容所で何が起こったか、

自国オーストリアが

彼らに何をしたか、

彼は淡々と語り続けます。


6年間も絶滅収容所といわれた場所で

暮らし続けてきたのです。


本当に酷いことです。


ユダヤ人の私 -2- Ein judisches Leben_f0165567_04571301.jpg


ユダヤ人たちは

命だけではなく、

生活者としての記憶も、

経済生活も、

絶たれました。


経済面での抹殺は

その人々の死後何十年を経ても

多大な影響を及ぼしました。

そして、それは

直接の加害者だけではなく

当時、見て見ぬ振りをした

人や国や企業にも及びます。


1996年にニューヨークの連邦裁判所に

スイスの商業銀行三社に対し、

複数のユダヤ系米国市民により

200億ドルの損害賠償を求める

集団訴訟が提起されました。


被告の銀行は

ナチズム支配下のヨーロッパで

殺害されたユダヤ人の預託財産を

遺族に返す努力を怠り、

休眠状態になった口座の財産を

投資、再投資することで

不当な利益を上げていたのです。


過去10年のユダヤ人財産の

返還請求訴訟では

本来ユダヤ人迫害に

加担していない国の政府や企業も

ホロコーストによって

間接的な利益を上げた点が問題とされ、

その不当利益を吐き出すことが

求められました。


戦後補償の歴史を

塗り替えた訴訟です。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/gendaishikenkyu/52/0/52_57/_pdf/-char/ja


決して

「昔あんなことがあったね」

で終わらせることのできる

問題ではありません。


そして

あの日々に殺された何百万人の

生活の記憶を

消し去ったままにしていては

いけません。


このシリーズが現代に残る

最後のホロコーストの目撃者の

体験と記憶を忘却させないものと

なることを祈ります。





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☆11月22日に更新しました。

いつも応援ありがとうございます♪


ユダヤ人の私

監督/クリスチャン・クレーネス、フロリアン・ヴァイゲンザマー、クリスチャン・ケルマー、ローランド・シュロットホーファー、製作/ブラックボックスフィルム&メディアプロダクション

出演

マルコ・ファインゴルト

1120()岩波ホールにてロードショー

2021年、オーストリア、ドイツ語、114分、モノクロ、日本語字幕/吉川美奈子、後援/オーストリア文化フォーラム東京、配給/サニーフィルム




# by Mtonosama | 2021-11-22 04:58 | 映画 | Comments(4)

ユダヤ人の私

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Ein judisches Leben


ユダヤ人の私 -1- Ein judisches Leben_f0165567_07263380.jpg

(C)2021BLACKBOX FILM & MEDIENPRODUKTION GMBH



本作は

ホロコーストの生存者だった

マルコ・ファインゴルト氏(106)

証言を記録したドキュメンタリーです。


以前、当試写室で

ナチス宣伝相ゲッベルスの秘書

ブルンヒルデ・ポムゼルの証言を記録した

『ゲッベルスと私』を上映しましたが、

https://mtonosama.exblog.jp/29762439/

https://mtonosama.exblog.jp/29768749/

本作はそれに続く

『ホロコースト証言シリーズ』の

2弾です。


ユダヤ人の私 -1- Ein judisches Leben_f0165567_07324383.jpg



このシリーズは

戦後76年経って、

戦争体験者が減っていく中、

世界史上最悪の犯罪である

ホロコーストの記憶を伝えるという

とても意義深いものです。


被害者だけではなく、

加害者、賛同者、反逆者の視点からも

多角的に、

戦争の真実を記録していきます。


1弾『ゲッベルスと私』、

2弾『ユダヤ人の私』、

3弾も既に撮り終えられています。


3弾はアウシュヴィッツで

人体実験を繰り返した

医師ヨーゼフ・メンゲレに関係し、

その後、”死の行進“も生き抜いた

リトアニアの元ユダヤ人少年の

証言ドキュメントだそうです。


1弾が加害者、賛同者の立場だとしたら、

(――と言い切ることも難しいのですが)

本作は被害者の視点から

ホロコーストを捉えたもの。


大変貴重な取り組みだと思います。


ユダヤ人の私 -1- Ein judisches Leben_f0165567_07364509.jpg


マルコ・ファインゴルト氏は

1913年にハンガリーで生まれ、

オーストリアで育ったユダヤ人。


彼は1939年にゲシュタポに逮捕され、

アウシュヴィッツを含む

4つの強制収容所に収容されました。


1945年、無事解放された彼は

終戦後、10万人以上のユダヤ人難民を

パレスチナへ逃し、

自身の体験とナチスの犯した罪、

そして、

ナチスに加担したオーストリアの責任を

70年以上にわたり

訴え続けてきた人。


本作は

106年にわたる彼の人生を通し、

反ユダヤ主義がどのように広まり、

ホロコーストにつながっていったのかを

世界各国のニュースなどの

アーカイブ映像を交え、

描き出したドキュメンタリー映画です。


監督はクリスチャン・クレーネス、

フロリアン・ヴァイゲンザマー、

クリスチャン・ケルマー、

ローランド・シュロットホーファー。


この歴史的な作業に取り組む

監督たちは語ります。

「平和で豊かな民主主義国家に育った

私たちにとって

マルコ・ファインゴルトの人生を

支配した世界は

信じられない程、遠いものに思えます。


戦争やファシズムの危険性が

永遠になくなり、

私たちがそのような問題と

向き合う必要はないと

考える人も多いでしょう」


だからこそ、監督たちは

この社会がいかに脆弱で、

社会やシステムというものが

いかに、急速に、そして、不意に、

変化するものかを

示したかったのだと言います。


「歴史を過ぎ去った過去として

見るのではなく、

現在のできごとに置き換え、

過去を見直すことが重要です」


ユダヤ人の私 -1- Ein judisches Leben_f0165567_07335502.jpg


撮影当時

ブルンヒルデ・ポムゼルさんは

103歳でした。

マルコ・ファインゴルトさんは106歳。


そして

いま、お二人はもういません。


過去を見直すために

残された時間はあとわずかです。


私たちもこの作品を観て

伝えていかなければなりません。


さあ、ファインゴルトさんは

何を語ってくれるでしょうか。


続きは次回まで

乞うご期待です。




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ユダヤ人の私

監督/クリスチャン・クレーネス、フロリアン・ヴァイゲンザマー、クリスチャン・ケルマー、ローランド・シュロットホーファー、製作/ブラックボックスフィルム&メディアプロダクション

出演

マルコ・ファインゴルト

1120()岩波ホールにてロードショー

2021年、オーストリア、ドイツ語、114分、モノクロ、日本語字幕/吉川美奈子、後援/オーストリア文化フォーラム東京、配給/サニーフィルム




# by Mtonosama | 2021-11-19 07:42 | 映画