シングルマン -2- A SINGLE MAN
A SINGLE MAN
(c)2009 Fade to Black Productions, Inc. All Rights Reserved.
「シングルマン」の舞台は60年代です。
60年代といえば、昭和では35年から44年。懐かしい時代です。
映画から時代を知るのに、必要なのはファッションと音楽ですよね。
さすがはトム・フォード監督。ファッション・デザイナーの本領発揮です。
若干、食傷気味になっている60年代ファッションや音楽ですが、
この映画では古臭さを感じさせません。
主役のコリン・フォースと、この作品で重要な役回りを演じたニコラス・ホルトの衣装は
フォード自身がデザインし、ミラノでつくらせたもの。
ニコラスくんの着ていた薄いピンクのモヘアのセーター、素敵でした。
そして、60年代の音楽といえばオールディズですが、
こればっかりじゃ―――ね。
監督がコンタクトした音楽担当者は誰あろう梅林茂という
日本人です。
ウォン・カーウァイ監督「花様年華」(2001年:日本公開)の
テーマを気に入っていたトム・フォード監督、
その作曲を担当した梅林氏に電話をしました。
東京からLAへ飛んだ梅林氏は、この映画のために
3つのテーマを作曲。
「シングルマン」の持つ静謐さは彼の音楽が影響する部分が
大きいとみました。
http://www.shigeru-umebayashi.com/
「さあさあ、60年代でございますよ」というわざとらしい設定はないのですが、
テレビから流れるキューバ危機のニュースが主人公の不安感とリンクするという
芸の細かさも見せています。
うまいです。
キューバ危機(The Cuban missile crisis)は、アメリカのすぐ南に位置するキューバにおいて、
1962年10月15日から13日間続いた、米ソ間の冷戦が頂点に達して核戦争の危機を招いた
国際緊張の事である。(Wikipediaより)
ストーリー
1962年11月30日、金曜日の朝。
ジョージ(コリン・ファース)にとって、朝の目覚めは愛する者の不在を思い知らされる
もっともつらい時間。
16年間暮らしたジム(マシュー・グード)が交通事故で亡くなって8ヶ月、
悲しみはますます深くなるばかりです。
この日、ジョージはその悲しみを断ち切ることを決意しました。
LAの大学で英文学を教えるジョージと建築家のジム。
2人の出会いはカップルで賑わうバーでした。
客たちはあまりの混雑から店の外にまで溢れていました。
軍服のよく似合う若々しい復員兵のジミーとジョージが初めて出会ったのもそこです。
でも、2人の幸せな日々はもう還ってはきません。
大学のデスクを片付け、銀行の貸金庫をカラにし、新しい銃弾を購入し、
着々と、一日の終わりと、一生の終りに向けて、準備を進めるジョージでした。
ですが、最後の授業ではいつになく熱く講義をするジョージ。
講義に触発された学生のケニー(ニコラス・ホルト)が
教室を出るジョージを追って来ました。
銀行に行けばいつも騒がしい隣家の少女とバッタリ。
ところが、少女の愛らしさを知り、にこやかに会話を交わしさえします。
道を歩けば、ジェイムス・ディーンに心酔しているというゴージャスなスペインの青年と
言葉を交わし、ときめきに似たようなものも感じました。
しかし、帰宅したジョージは、
遺書、保険証書、「ネクタイはウィンザーノットで」のメモを添えた死装束、
すべてをきちんとテーブルの上に整えます。後やるべきことはひとつだけ―――
そこへ、かつての恋人で今は親友のチャーリー(ジュリアン・ムーア)から電話が。
その日、ジョージは彼女の家を訪問する予定だったのです。
彼女を訪ね、楽しい時を過ごすジョージ。
一日の終わり、ジョージを待ち受けていたのはケニーでした。
そして、思いもよらない奔放な行動。
人生はそう捨てたものではない、そう思えるようになったジョージ…
そう、ジョージはゲイです。
ゲイが主人公であること、ファッション・デザイナーが監督をつとめたこと。
まっすぐには観られないというか、偏見で観てしまう部分も多いかもしれませんが、
愛の形がどんなものであれ、愛する者を失う悲しみに違いはありませんし、
人生もまた何がきっかけになって変わるか、わかりません。
この際、偏見や色眼鏡はどこか離れたところへ置いておくことにいたしましょう。
アメリカ映画でありながら予定調和的な結末を迎えないところ。
いいです。
デザイナーとしてのトム・フォードには縁はなかったけれど、
映画監督としての彼には期待大です。
終
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シングルマン
監督・脚本・製作/トム・フォード、原作/クリストファー・イシャーウッド、衣装/アリアンヌ・フィリップス、音楽/アベル・コルゼ二オフスキー、追加音楽/梅林茂
出演
コリン・ファース/ジョージ、ジュリアン・ムーア/チャーリー、マシュー・グード/ジム、ニコラス・ホルト/ケニー、ジョン・コルタジャレナ/カルロス
10月2日(土)新宿バルト9ほか全国順次ロードショー
2009年、アメリカ、101分、提供・配給/ギャガ
http://singleman.gaga.ne.jp/
今回はゲイの役ですか。。
ファッション界やヘアメイクゲイ多いですよね。。
イケメンやクールな男性にゲイ多いって。。。
なんででしょうか。。。
これDVDになったら必ずみます。
そうなんですよね。クールな男性ってゲイ多いです。
とってもすてきなのに、彼らの目には男性しか映ってないなんて
かなり残念(涙)
そういえば、Tsugumiさん、六本木のゲイバーに
HATOバス観光でいらしたんですよね♪
多分。 そうじゃなかったら・・・?
ジョージさんケニー君が気に入って生きる希望を持ったのかな?いづれにしろ自殺は思いとどまったみたい?で良かったです。
こんなにスタイリッシュな映画の音楽が日本人!?
しかも監督の方からじきじき御指名!
嬉しくなりますね。
実は明日、我が家に
”アバター”の3D担当した日本人が
高校同級生で、日本食を食べに来るのです。
ハリウッド映画事情、聞いてみますね。
3D事情しか知らないかも、ですが。
ちなみにLAハリウッドで映画産業が栄えたのは
雨がほとんど降らないから撮影に好都合だったから、
らしいです。
コリン・ファース,好きな俳優さんの一人です.
ゲイものはよく見ますが,レズものはあまり見ませんね.きっとゲイの人口の方が多いのでしょうね.Y染色体ってX染色体の不完全な形だからかな?と個人的に思っています(まったくなんのうらづけもありませんので).
ということはおいといて,結末が気になりますね.予定調和的じゃないの,好きです.
コリン・ファースって何色にも染まる俳優さんという感じです。
いえ、染色体という言葉が出たからではなく(笑)。
レズものって、ぱっと思いつきませんね。
タイトルを忘れてしまいましたが、
女性2人で車で逃げて行く映画がありました。
あれはレズとは謳っていないけど、若干その要素はあるかなと…
(タイトル思い出せ!ですよね。すいません)
ゲイのショーはお客呼べない…!
へえ、そうなんですか!?
もうスペシャルじゃないってところがすごいですね。
ゲイのショーって、きれいどころは妖しいまでに美しいし、
きれいどころじゃなくっても、それはそれで面白いし、
(いえ、まだ見たことはありません)
楽しそうだと思うんですけどねぇ♪
英国王のスピーチ見てこの映画見ましたので最初はなかなかストーリーに入り込めませんでしたがそのうちすっかりストーリに入りこみ・・・しかしラストがあれですか・・・・なんか虚しい。
コメントありがとうございます。
もうDVDになってますか!?
っていうか、そりゃそうですね。
去年の8月に紹介しているんですものね。
ストーリーはともかく、元デザイナーらしい場面構成には
☆3っつ~、っていう映画でしたね♪