シチリア!シチリア! -2- Baarìa
Baarìa
「ニュー・シネマ・パラダイス」もそうでしたが、
トルナトーレ監督の作品といえば、子ども。
いつも子役がいい味を出していますよね。今回もそうです。
幼年時代のペッピーノ、少年時代のペッピーノ。
1930年代のまだ貧しいシチリア。
道路で遊んでいても、車が1台も来ないような時代。
おとなの男たちも家の外にテーブルを出して、賭け事に興じています。
女たちは逞しい腰に両手をあてて、子どもたちや男たちを一喝。
なつかしい光景です。
40年代に入るとイタリアも第2次世界大戦に突入していきます。
少年になったペッピーノは戦火の中を逃げまどいながら、
激動する世界を目の当たりにして成長していきます。
そして、戦争が終わり、恋に目覚め、政治の世界に足を踏み込んでいく青年ペッピーノ。
(そう、青年になったペッピーノも素敵なんです)。
ペッピーノの両親、ペッピーノ夫婦、ペッピーノの子どもたち。
3代にわたるシチリア人たちの牧歌的で、逞しい日々の暮らしを描いた
トルナトーレ監督渾身の一作であります。
ストーリー
1930年代、シチリアの田舎町に牛飼いの息子の次男坊として生まれたペッピーノ。
家族も近所の人たちもみんな貧しかったけれど、陽気に楽しく働いていられる良い時代。
チーズ3個と引き換えで農場へ出稼ぎに行ったり、教科書をヤギに食べられたりで、
学校にはあまり行けなかったけれど、幸せな子ども時代を送りました。
「3つの岩山に一つの石を連続でぶつけることができたら黄金のつまった洞窟の扉が開く」
という古くからの言い伝えを聞いて、仕事の合間に何度も挑戦したり、
おとうさんと映画館に行ったり。
そんなペッピーノたちを襲った世界大戦。
戦争が終わり、シチリアにも平和な日々が戻ってくると、
ペッピーノも正義感にあふれた青年に成長していました。
イタリア共産党に入党し、世の中を良くしたいという理想に燃えるのでした。
ある日、美しいマンニーナと一目で恋に落ちたペッピーノは彼女の両親の大反対を
押し切って、駆け落ち。教会で永遠の愛を誓います。
新しい人生に踏み出したペッピーノ。しかし、次々に襲いかかる世の中の矛盾や、家族の死。世の中はまたも大きく変わり始めます。
そして、ペッピーノはあの3つの岩山の言い伝えを、もう一度試そうとするのでした……
原題のバーリアは18世紀にパレルモの貴族の別荘地として生まれた町バゲリーアのこと。
バゲリーアの語源はアラビア語で「風の扉」を意味する「バブ・アル・ゲリブ」。
地元の人々は方言でバーリアと呼んでいるのだそうです。
映画の冒頭に、バーリアの上空を風が吹き抜けていく象徴的なシーンがあります。
街を貫く幹線道路の上を一陣の風が吹きぬけるときの、
自分が風になって街の上空を飛んでいるような不思議な感覚。
岩山の伝説といい、マフィアといい、
シチリアにはなにか呪術的な不思議な力が支配しているのかもしれません。
シチリアに吹く風はアフリカから地中海を超えてやってくるシロッコと
呼ばれる風のことをいうのだと思うのですが、
その風はきっとアフリカから砂漠の砂と一緒に魔法も運んでくるのでしょう。
1930年代から80年代にいたる親子3代の物語を描いているのに、
知らず知らずの内に「時は過ぎ、また来る」という時空の魔術にからめとられたような
気持になる不思議な映画です。
イタリアの戦後を見るときには避けては通れない共産党のことや
シチリアで問題となった大地主との衝突もきっちり抑えられています。
総勢35,000人のエキストラを動員しての撮影ですから、その壮大なスケールは見ものです。
もちろんシルバーナ・マンガーノ級、
あるいはソフィア・ローレン級のスーパーバディも登場。
マン二ーナを演じたマルガレット・マデ、絶対注目です。
イタリア映画の王道を行く作品といっても言い過ぎではありません。
終
シチリア!シチリア!
監督・脚本/ジュゼッペ・トルナトーレ、撮影/エンリコ・ルチディ、美術監督/マウリツィオ・サバティーニ、音楽/エンニオ・モリコーネ
出演
フランチェスコ・シャンナ/ペッピーノ、マルガレット・マデ/マンニーナ、アンヘラ・モリーナ/サリナ、リナ・サストリ/タナ・物乞いの女、ルイジ・ロ・カーショ/物乞いの息子、ミケーレ・プラチド/共産党代表、ラウル・ボヴァ/ローマの新聞記者、モニカ/ベルッチ/レンガ職人の恋人
12月18日(土)より、シネスイッチ銀座、角川シネマ新宿他にてロードショー
2009年、イタリア映画、イタリア語、151分
http://sicilia-sicilia.jp/
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♪12月9日に更新しました。いつも応援ありがとうございます♪
もちろん一人で。
今日は定休日なのでチャンスがあれば一人で映画でも見に行きたいともくろんでおります。。
映画見れるかなぁ。。。
あと1回コメント投稿、間に合ったぁぁぁぁぁああああああ!
このスチル写真の乾いた太陽が
ああ、いったこともないシチリアを思わせてくれる。
思えば2010年、殿様の試写室により、いったいどれだけの
「行ったことのない土地」へお連れ頂いたことでしょう。
経験したこともない人生を味わわせてもらったことでしょう。
恋したこともない男にいつわりの胸のときめきを
感じてしまったことでしょう。
今年1年ありがとうございました!
来年も楽しみにしておりまする!!
おお、今年最後のすっとこ雄叫びを聴くことができた♡
いつわりの胸のときめき?
私は映画を観る度に恋に落ちて、この身ひとつじゃ足りない一年でした。
良い飛行でありますように。Gute Reise!
非行少女(?)より
はじめまして。コメントありがとうございました♪
映像、きれいでしたね。
あの茶色ッぽい風景と女の人たちの豊かな身体が
まだ頭の中に浮かんできます。
トラックバックができなくて(技術的に)^_^;
送れないのです。ごめんなさい。情けないですぅ。