デザートフラワー -1- Desert Flower
Desert Flower
(C)Desert Flower Filmproductions GmbH
デザートフラワー。砂漠の花。
タイトルを見て、また、原作者であるワリス・ディリーの写真を見て、
ワリスはとってもきれいな女性だし、有名なファッションモデルでもあるので、
この映画はアフリカ出身の女の子のサクセス・ストーリーかな?と思っていました。
製作のピーター・ヘルマンはアカデミー賞外国映画賞を受賞した「名もなきアフリカの地で」(‘01)
の製作者ですから、美しいアフリカの風景を堪能するのも悪くないな、と、
まぁ、あまり一生懸命に観にいったのではなかったのですが、
これが、あなた、ものすごい映画でした。
100年生きてるとのだって、その経験した人生はたかがしれています。
しかし、映画の中には、なんていろいろな人生があることでしょう!
ワリス・ディリー
1965年、アフリカ大陸の東にあるガラカイオの遊牧民の子どもとして生まれ、
5歳のとき、FGM(Female Genital Mutilation:女性性器切除)を施されます。
1978年、13歳で祖父と同い年の老人と結婚させられそうになり、
1人で砂漠を越え、母親の親戚の住む町モガディッシュに辿りつきます。
1979年、駐英ソマリア大使の伯父についてロンドンに行き、
4年間メイドとして働きます。
その後、叔父は任期を終え、
ワリスも共に帰国しなければならなくなりましたが、
彼女は1人ロンドンに残ります。
市内での路上生活を経て、アルバイトをしながら生計を立てます。
1983年、18歳のとき、アルバイト先のマクドナルドで
英国のトップファッションカメラマンであるテレンス・ドノバンに見出され、
ファッションモデルに転身。
ロンドンからニューヨークへ渡り、スーパーモデルに。
アフリカ人のモデルとしては初めてレブロンの専属モデルになる他、
一流ファッション誌の表紙を飾るようになります。
1987年、映画「007リビング・デイライツ」に出演。
1995年、BBCのドキュメンタリー番組「私の人生を変えたシリーズ」で
“ニューヨークの遊牧民”として取り上げられます。
この時、17年ぶりに故郷ソマリアに戻り、母と再会を果たしました。
1997年、雑誌「マリ・クレール」のインタビューで
初めて自身のFGMの事実を明らかにします。
その年、国連アナン事務総長によりFGM廃絶のための特別大使に任命され、
多くの会議に参加、各国の大統領やノーベル賞受賞者、映画スターたちと会い、
国連に莫大な資金を集めました。
同年、自伝“Desert Flower”がニューヨークで出版され、
国際的なベストセラーに。
1998年、2冊目の本“Desert Down”出版。この年、第1子出産。
2002年、ウィーンを拠点とするワリス・ディリー基金を設立。
世界中の人にFGMの存在を知って考えてもらい、廃止していく活動を開始しました。
2005年、3冊目の本“Desert Children”を出版。
ヨーロッパで力を持つ政治家やヨーロッパ連合(EU)に働きかけます。
2006年、ヨーロッパ連合(EU)がFGM廃絶を掲げます。
2007年、ロンドン警視庁、BBCと一緒にFGM反対のキャンペーンを開始。
ワリスの功績に対して、サルコジ大統領よりフランスの最高勲章であるレジオンドヌール勲章が授与。
2008年、映画「デザートフラワー」の撮影開始。
2009年、映画「デザートフラワー」完成。
と、長々とワリス・ディリーのプロフィールを引用してしまいましたが、
彼女のこのような活動を経て、2007年頃からケニア、ガーナ、ブルキナファソ、中央アフリカ共和国、トーゴをはじめとするアフリカの14の国々では法律でFGMを廃止するようになりました。
さて、いきなりワリス・ディリーのプロフィールとFGMが登場し、
それだけで前編が終わってしまいましたが、
いったい、どんなお話?そしてFGMって何?
とにかくただのスーパーモデル物語ではありません。
女性であること、生きるということを強烈に問いかけてくる映画です。
どうぞ、続きをご期待ください。
続
デザートフラワー
監督・脚本/シェリー・ホーマン、製作/ピーター・ヘルマン、原作・監修/ワリス・ディリー、撮影/ケン・ケルシュ、編集/クララ・ファブリ、衣装/ガブリエル・ビンダー
出演
リヤ・ケベデ/ワリス・ディリー、サリー・ホーキンス/マリリン、ティモシー・スポール/ドナルドソン、ジュリエット・スティーブンソン/ルシンダ、アンソニー・マッキー/ハロルド、クレイグ・パーキンソン/ニール
12月25日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
2009年、ドイツ・オーストリア・フランス、127分、配給/エスパース・サロウ+ショウゲート
http://www.espace-sarou.co.jp/desert/
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♪12月12日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます♪
次回のとのさまのレビューが楽しみです。
すごいです。びっくりしました。
ここでバラすわけにはいきませんが、彼女たちが幼い頃に
受けた傷は大変なものだと思います。
ぜひ、木曜日には大きな映画館で観てくださいね(^_-)
信じられないほどのラッキーの連続ですね.
その中には本人の意思や努力によるところもありますが,
大部分はラッキーなわけで,そのラッキーに触れられなかった
その他大勢が今もアフリカに残されているのですね.
ため息しか出ません.
遊牧民の子から、スパーモデル、自伝がベストセラー、それが映画になって・・・。 益々彼女に注目が集まるでしょうね。
「とんでもないこと」 何でしょう。 早く知りたぁ~い!
はじめまして。コメントありがとうございます♪
今回の映画はすごいです!
なんか毎回そんなふうに言ってるような気もしますが。
でも、ホントに毎回あっちの世界へ行っちゃってます(苦笑)
今後ともよろしくお願い申し上げます。