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殿様の試写室

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しあわせの雨傘 -2- Potiche

          しあわせの雨傘 -2-
                         Potiche

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                 (C) Mandarin Cinema 2010

「君は家のことも仕事もなにもしなくていい。
いつまでも僕のきれいな奥さんでいておくれ」
なんて言われたら、ラッキー♪とばかりに、
美容院へ行って、洋服買って、エステして、マッサージしてもらって、
そして、そして―――
と、思ってしまうとのですが、そればっかりというわけにはいきません。

あの皇妃エリザベートだって、あんなにきれいで、ウエストだって50cmだし、
洋服だって好きなだけ作れたし、
夫は皇帝で、その上、彼女にべた惚れ、やさしいことこの上なかったのですが、
あっちこっち旅行して夫のそばになんかいなかったんですものね。

   それが、あなた、
   皇帝でもなく、王様でもなく、金持ちでもない夫が、
   いくら家事も仕事もしなくていいから僕のそばにいておくれ、
   と言ったとしても(ま、言うわけないけど)、
   家事はともかく仕事や趣味はやめません。えー、やめませんとも。

この映画の主人公スザンヌはブルジョワ・マダム。
皇妃エリザベートのように、
そして、暖炉の上の贅沢で豪華な花瓶のように、美しい飾り物のような人妻なのですが…

ストーリー
朝のジョギングが終われば、あとは詩をつくってノートに書きつけるだけ。
スザンヌ・ピュジョルは優雅で退屈な毎日を送るブルジョワ家庭の奥様。
結婚30年目を迎えた夫のロベールは雨傘工場の経営者で、
彼女に「仕事も家事もやるな」と命令し、
「妻はただ美しく着飾って、夫の言うことに黙ってうなずいていればいいのだ」
などと横暴なことを言います。そして、秘書のナデージュと良い仲だったりします。

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娘のジョエルは父親の浮気の原因は「ママがパパの言いなりになってるせいよ」と非難し、
「私はママみたいな“お飾りの妻”にはならない!」
で、「家庭を顧みない夫とは離婚するわ」と鼻息を荒げます。
息子のローランは芸術家志望で、工場を継ぐ気はまったくなし。
そして、異母兄妹かもしれない父親の昔の浮気相手の娘と恋愛中。

時は70年代。雨傘工場はストライキの真っ最中。
組合側の要求に耳を貸さない社長のロベールは社長室に監禁されてしまいました。
「あら、大変」、スザンヌは急進派の市長ババンに夫の救出を頼みにいきます。
実は、ババンとスザンヌは若かりし頃、燃えるような恋に落ちたことのある間柄。
今もスザンヌを愛しているババンの尽力で、夫ロベールは解放されます。
しかし、ロベールはストのストレスとショックから倒れてしまいました。
さあ、どうする?

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なんと“お飾りの妻”だったスザンヌが工場の経営に乗り出すことに。

周囲の予想に反して、スザンヌは従業員たちの心を次第につかんでいきます。
それはもう前社長ロベールよりも確実に。
創業者の娘でもあるスザンヌは組合交渉で、父親の代から勤める従業員に対し、
思いやりをもって接し、ストも無事に終決します。それからはトントン拍子。
スザンヌの経営方針は次々と功を奏し、工場の業績はうなぎのぼりです。
娘のジョエルも母をサポートし、
芸術家志望だった息子のローランは傘のデザインに才能を発揮します。
夫の愛人である秘書のナデージュさえ、スザンヌに心酔するありさま。

しかし、そんなスザンヌたちのもとへ退院した夫が戻ってくると……


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かつての美少女も、今や70歳に手が届こうとするお年頃。
身体こそ当時に比べれば少しばかりふっくらしたけれど、それは世の習いです。

そんなドヌーヴがジャージに身を包み、
あろうことか、頭にはカーラーとネットをつけて、朝もやの中をジョギング。
それも決して軽快とはいいがたいフォームで。

この上流マダムがジャージ着て走るというミスマッチにがっつりつかまります。

なんとなくおかしくて、謎があって、痛快で、上品で、
結局、妻の方が夫より一枚も二枚もうわてなのかな、と思わせてくれるコメディです。
70年代ファッションも懐かしいですよ。

オゾン監督、まじめな映画でも、お笑いの入った映画でも、本当に楽しませてくれます。

ただ、しつこいようですが、邦題「しあわせな雨傘」はなんとかならないものでしょうか。





しあわせの雨傘
監督/フランソワ・オゾン、脚本・脚色/フランソワ・オゾン、原案/ピエール・バリエ&ジャン=ピエール・グレディ、製作/エリック・アルトメイヤー&ニコラス・アルトメイヤー、撮影監督/ヨリック・ル・ソー
出演
カトリーヌ・ドヌーヴ/スザンヌ、ジェラール・ドパルデュー/ババン、ファブリス・ルキーニ/ロベール、カリン・ヴィアール/ナデージュ、ジュディット・ゴドレーシュ/ジョエル、ジェレミー・レニエ/ローラン
2011年1月8日(土)TOHOシネマズシャンテ、新宿ピカデリー他全国順次ロードショー
2010年、フランス、カラー、103分、配給/GAGA
http://amagasa.gaga.ne.jp/


当試写室、今年最後の上映です。
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♪2010年12月27日に更新しました。いつも応援ありがとうございます♪
by mtonosama | 2010-12-28 06:24 | 映画 | Comments(6)
Commented by ライスケーキ at 2010-12-28 21:58 x
「ただ着飾って夫の側にいるだけの妻」なんて全く面白くないわね。
後半は ただの人形から、生き生きした女性になる訳ね。
それにしてもドヌーヴ、ふっくらしたけど綺麗ね。
こんなアラ・セブンティなら まだまだ恋も出来るわね。
Commented by mtonosama at 2010-12-29 05:55
♪ライスケーキさん

アラ・セブンティあるいはアラ古希?
呼び名はどう変わっても、カトリーヌ・ドヌーヴ健在なり♡
Commented by leoleo at 2010-12-29 15:54 x
カトリーヌ・ドヌーブは、もうアラ古希なんですね。
シェルブールの雨傘の時も、可愛かったけれど、
今でも、輝いていて綺麗! 当然、勝負にはならないけど
アラ還で、ショボショボしてられないぞ~
Commented by mtonosama at 2010-12-30 07:23
♪leoleoさん

そうです、そうです。
ショボショボしてられない♪

良いお年をお迎えくださいね(^^)/
Commented by Tsugumi at 2011-01-21 09:08 x
昨日一人で見てきましたよ。
とのさまのところで少し学習してましたから見たかった。

なんとなくおかしくてそして女性よ頑張れとエールを送りたくなる映画でしたね。

Commented by mtonosama at 2011-01-21 09:14
♪Tsugumiさん

おひとりさまでしたか。
フランス語ですものね。
女性、がんばれ、です。たかだか40年前が舞台なのに、
女の人って生きにくかったんですね。
でも、ドヌーブやりたい放題やってくれて素敵です♡

by Mtonosama