ゴーストライター -2- THE GHOST WRITER
THE GHOST WRITER
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まるでハリウッド映画のようにサスペンスフルなエンタテインメント。
でありながら、「ああ、興奮した!」で終わらないのは、
やはり、印象的な映像のもたらすものなのでしょうか。
さすが、映像名人、ロマン・ポランスキーであります。
陰鬱な雲が垂れこめ、絶え間なく打ち寄せる暗青色の波と白い波頭。
どこまでも続く荒涼とした海岸線。
ストーリーはテンポ良く展開しますが、通底するのはこの荒涼感です。
《英国人にとって一番大切なものはユーモア》といわれますが、
こういう薄ら寒さを背景にしていたら、ユーモアがなければやっちゃいられません。
そのあたりをどこか気のいいおにいさんって感じのユアン・マクレガーが好演してます。
さて、ストーリーですが―――
ストーリー
降りしきる雨の中、フェリーが港に接岸。
闇の中にフェリーの船内だけがぽっかりと明るい。係員の指示に従って1台ずつ車が下船していく。
最後まで動かない1台の車。
そして、冷たい風の吹く砂浜では男の死体が波に洗われている。
ある日、代理人のリックが仕事を持ってきた。
元英国首相アダム・ラングの自叙伝をゴーストライティングする仕事だ。
ロンドンの出版社が提示した条件は、アメリカで講演中のアダム・ラングが滞在する島に
今夜中に発ち、1ヶ月以内に原稿を仕上げるというもの。厳しい条件だ。
僕は政治には興味がないし、条件が厳しすぎる。
このきつい仕事の代償は25万ドルという破格なもの。でも、気乗りがしない。
だって、前任者はフェリーから転落死し、僕はその後任だというのだ。
だが、リックに説得され、仕方なく出版社へと面接にでかけた。
そこには出版社NY支社の人間とアダム・ラングの弁護士がいた。
やる気などないから、言いたい放題しゃべってやった。
ところが、それが気に入られたのか、ゴーストライターの仕事を受けることに。
渡米準備のため、急いで家に帰る途中、強盗に襲われた。抑えていた不安がよみがえる。
ヒースロー空港の待合室では、アダム・ラングがテロ容疑者に対する拷問に加担した疑いがあるというニュース速報が流れている―――
飛行機を降り、アダム・ラングが滞在する島に向かうフェリーに乗り継ぐ。
そのフェリーは、僕の前任者マカラが転落死した船だった。
フェリーターミナルからアダム・ラングの邸宅へ。
ラングが戻るまでの時間、前任者マカラの原稿に目を通す。
ひどい代物だ。ため息をついて、目を上げると、ラングの妻ルースが立っていた。
ルースと散歩にでかけ、僕をマカラの後任に推したのは彼女だと知る。
邸宅に戻ると、秘書のアメリアがラングを迎えに出るところだった。
ラングの乗った専用機が到着し、彼は手を振りながらタラップを降りてくる。
僕は、ラングに「あなたのゴーストです」と自己紹介した。
翌日から、早速ラングのインタビューだ。
彼の政界入りのきっかけは、選挙活動を手伝っていたルースに一目惚れしたからだという。
そこへ、ニュースが入った。
元英国外相リチャード・ライカートが、ハーグ国際刑事裁判所に、
ラングが加担したとされる拷問事件の調査を依頼したというのだ。
ラングは声明を出す。書いたのは僕・ゴーストだ。
出版社はこのスキャンダルを最大限利用するため、あと2週間で原稿を仕上げろ、と言ってくる。
翌朝、僕が滞在するホテルは報道陣で溢れかえっていた。
僕はラング邸に移動することに。用意された部屋は前任者マカラの部屋。
そこにはマカラが集めた資料や写真がそのまま遺されていた。
そして、マカラが1枚の写真の裏に書きつけた電話番号に気付いた。
その番号の主はラングの拷問事件への関与を疑う元外相リチャード・ライカートのものだった。
なぜ、マカラがランカートに?
湧きあがる謎と疑問。僕は行動を開始した……
ストーリーは小気味良いテンポで繰り広げられます。
気の良い僕・ゴーストが疑問を解決するにつれて、危険な思いを積み重ね、
どんどん国家のダークサイドに首をつっこまざるを得なくなる状況。
ありそうでありえない、ありえないけどもしかしたら―――
という怖さに、追い詰められつつ迎える真相の究明。そして、暗転のラスト。
う~ん、ポランスキー監督、魅せてくれますねぇ。
終
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ゴーストライター
監督/ロマン・ポランスキー、製作/ロマン・ポランスキー、ロベール・ベンムッサ、アラン・サルド、脚本/ロバート・ハリス、ロマン・ポランスキー、原作/ロバート・ハリス「ゴーストライター」(講談社文庫刊)、撮影監督/パヴェル・エデルマン、音楽/アレクサンドラ・デスプラ
出演
ユアン・マクレガー/ゴースト、ピアース・ブロスナン/アダム・ラング、キム・キャトラル/アメリア・ブライ、オリヴィア・ウィリアムズ/ルース・ラング、トム・ウィルキンソン/ポール・エメット、ティモシー・ハットン/シドニー・クロール、ジョン・バーンサル/リック、ティム・プリース/ロイ、ロバート・パフ/リチャード・ライカート、ジェームス・ベルーシ/ジョン・マドックス、デヴィッド・リントゥール/ストレンジャー、イーライ・ウォラック/老人
8月27日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町&渋谷ほか全国ロードショー
2010年、仏・独・英、128分、配給/日活
http://ghost-writer.jp/
予告編で聞こえる懐かしいクイーンズ・イングリッシュ。
ユアン・マクレガーが字幕では「はい」と返事する場面、
これぞ英国人の「アブソルートリー」って答えてました。
翻ってこちらアメリカではオバマ氏、まさに大統領なるかの選挙の時、
スピーチライターは(確か)弱冠27歳でした。
選挙運動中に彼へスピーチの問題点をメールしてきて起用された、
とのことです。
言葉は重要ですねえ。
殿様試写室での名調子も、ここへ伺う楽しみのひとつです!
堂々一位であらせられますね、ますますのご発展を
アメリカ東海岸より愛を込めて祈っております!!
さっすが~!
”アブソルートリー”、ちゃんと意識して聞いてみよっと。
私は”アイム ユア ゴースト”しか聞き取れませんでした(;O;)
ところで、オバマさん、今や大変ですね。
政治家ってお金もらってもなりたくない仕事のひとつです。
すっとこさんの健康を日本の西海岸より願っております。
ポランスキー監督、いろいろな事件を起こしてはいますが、
映画と事件は別物ですよね。
昔の芸人さんとか、歌舞伎役者さんはいろんな事件を
芸のこやしにしてきたんですもんね。
8月27日公開です。観てくださいね~(^^)/
ユアン・マクレガーもいいし、
英首相の奥さん役のオリヴィア・ウィリアムズも謎めいているし、
Mr.007の首相もいいし、キャスティングも魅力の映画です。
涼しい映画館の大きなスクリーンで楽しみたいですよね♪
でも・・・映画館では難しいかも。