無言歌 -1- 夾辺溝
夾辺溝
The Ditch
ⓒ2010 WIL PRODUCTIONS LES FILMS DE L’ÉTRANGER and ENTRE CHIEN ET LOUP
無言歌。
無言の歌。歌のない楽曲?つまりインストルメンタルってことですかねぇ。
Wikipediaには
「無言歌は、ロマン派音楽の伝統的な抒情的小品または性格的小品の一種。『言葉のない歌』という意味で、
器楽曲、中でも主にピアノ独奏曲に用いられる」
とありますが、どうもこの映画のタイトルとしてはピンときません。
無言の歌・・・・・
この言葉にまつわるうらさびしさの正体はいったいなんなのでしょう。
2010年ベネチア国際映画祭でサプライズ上映され、絶賛を浴びた王兵(ワン・ビン)監督の「無言歌」。
王兵(ワン・ビン)監督、1967年生まれの44歳。世界の注目を集める鬼才です。
今回が初の日本公開になります。
「鉄西区」、「鳳鳴(フォンミン)――中国の記憶」で山形国際ドキュメンタリー映画祭の
2度にわたるグランプリをはじめ、リスボン、マルセイユ、ナントなどの国際映画祭でグランプリを受賞。
「鉄西区」(‘99 ~‘03)3部構成545分
1部 工場 240分
2部 街 175分
3部 鉄路 130分
日本占領中に設立され、大規模な工業地域に変貌していった中国東北部瀋陽にある鉄西区。
廃れゆくこの地域を3部構成の中に描き出した9時間に及ぶ超長編ドキュメンタリー。
地域を限定し、長時間をかけて記録することによって中国社会が抱える現実を浮き彫りにし、
王兵(ワン・ビン)の名前を世界に轟かせた伝説的作品。
「鳳鳴(フォンミン)――中国の記憶」(‘07)183分
1950年代以降の反右派闘争や文化大革命の粛清運動で数々の迫害を受け、
1974年に名誉回復するまでの、約30年にわたる鳳鳴(フォンミン)という女性の物語が
細部にわたる詳細な記憶で語られる。
カメラに向かって語り続ける老女の姿に、中国現代史と映画の可能性が同時に交差する感動的な傑作。
グランプリを受賞したこの2作はドキュメンタリー作品ですが、
今回、日本初公開となる「無言歌」は王兵(ワン・ビン)が初めて取り組む長編劇映画です。
あ、長編といっても109分ですから、ご安心を。
「鉄西区」はかなりそそられます。
かつての隆盛、そして、現在の廃屋、廃工場。
観たいのですが、9時間もの作品となると、ちょっと・・・・・
でも、そういえば、ある家族の歴史を1966年から2003年までのイタリアの歩みに
重ねて描いたマルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督の超大作「輝ける青春」(‘05)も
6時間6分(2部構成)でしたが、その時間は全然気になりませんでした。
機会があれば、9時間の「鉄西区」にも挑戦してみることにします。
いえいえ、とのの決意などはどうでもいいのです。
ただ、王兵(ワン・ビン)監督は、
現在もなお中国ではそれについてふれることが
タブーとされる反右派闘争を描いた監督であること、
「無言歌」という作品は、
ゴビ砂漠の夾辺溝という場所にある収容所で
〈再教育〉される人々の日々を描いた映画であることにご注目いただければと存じます。
反右派闘争
1949年 中華人民共和国成立。
1956年 ソ連でスターリン批判が行われたのをきっかけとし、中国でも〈百花斉放・百家争鳴〉という運動が推進された。中国共産党の独裁に反対するストライキや学生運動が発生。党もまた批判を積極的に奨励した。
百花斉放―― 一斉に花が咲くようにあらゆる意見を自由に発表する
1957年6月 毛沢東は人民日報に「少数の右派分子が共産党の整風を助ける名目で、共産党と労働者、社会主義を転覆させようとしている」という社説を掲載。
党に対して批判的な発言をした人々を「右派分子」として粛清する反右派闘争が始まった。
さあ、どんなお話なのでしょうか。続きは次回までしばしお待ちくださいませ。
続
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無言歌
監督・脚本/ワン・ビン(王兵) ヤン・シェンホイ著(楊顕恵)「告別夾辺溝」と多くの実際の生存者たちの証言に基づく 美術監督/バオ・リーゴォ(宝力格)、シャン・ホンホイ(相紅輝)、撮影/ルー・ション(蘆晟)
出演
ルウ・イエ(蘆野)/リー・ミンハン(李民漢)、リェン・レンジュン(廉任軍)/チェン(陳)班長、シュー・ツェンツー(徐岑子)/ドン(董)の妻、グー(顧)、ヤン・ハオユー(楊皓宇)/ドン・ジェンイー(董建義)、チョン・ジョンウー(程正武)/ウェイ・チャンハイ(魏長海)、ジン・ニェンソン(景年松)/ジー・チェングァン(季辰光)、リー・シャンニェン(李祥年)/草の種を拾う老人
12月17日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー
2010年、香港・フランス・ベルギー合作、109分、http://mugonka.com/
それが「無言歌」。 映画を見るとその「うら寂しさ」が理解できるのかな。
やはり、映画をみなくちゃ作品は語れませんね。
無言歌・・・・・・わからんです。
なんだかスキャットのような気もしますが。
♪る~るる・る~♪
由紀さおりの”夜明けのスキャット”が
思いおこされます。
あれは正確にはスキャットではないらしいですが
ま、いっか。
フランスのユダヤ人への迫害といい
この「溝」といい
殿様試写室で
歴史の暗がりを勉強させていただけます。
無言歌って どんなの?
のギモンとともに
次回更新が待たれる
殿様の試写室です!!
夾辺溝は地名みたいですね。
きっと空からみたら、大きな溝みたいな地形なんでしょうか。
解説によれば、甘粛省夾辺溝労働教育農場の高台県明水分場
とあります。中国西部にあったそうです。
ゴビ砂漠を吹き抜ける風の音がすごい!
映像のものすごさに圧倒されました。
百聞は一見にしかず、ってところでしょうか。
由紀さおりといえば、ルールールルルーが今再びヒットしてるんですって。
あれはルールールルルーの後、♪よーるーは流れる♪(?)
とかなんとか歌詞が続きましたっけ?
だから、無言歌じゃないかも。ま、いっか^_^;
無言歌の疑問はとけないままかもしれないけど、なにやらすごい映画でしたよ。
次回もまた遊びにいらしてくださいね。
完成して9時間だと、編集前はいったい何時間分あったんでしょうね。
それ考えると、夜眠れなくなりそーです(ふるっ^_^;)
2日で9時間睡眠でも、早起きなTsugumiさんを見習わねば♪
「夜明けのスキャット」が当地で話題とか流行ってるとか
ううむ申し訳ないけど、よくわかりません。
すっとこが音楽に暗いせいかも知れません。
一般庶民レベルで目につく日本の流行りものは
「キティちゃん」「MANGA]「SUSHI]
でしょうか。
業界の方なら反応はもっとビビッドでしょうね。
例えば日本酒業界なら「今NYは空前の日本酒ブーム!」
などと言うこともできるでしょうし。
コスプレ業界の方なら「日本コスプレ世界の頂点に!」と
吠えるかも知れません。
音楽業界なら「夜明けのスキャットも・・・」こんな感じかなぁ。
いつかマンハッタン5番街に♪る~る・るる・る~♪の
流れるのを待っています。
「夜明けのスキャット」のお話、割り込ませてくださいね。
ライスケーキさんのおっしゃってるように、
なんかアメリカで由紀さおりが大ヒットしているって、
こっちの新聞には出てました。
きっと日本だけで受けるネタなんでしょうね^_^;