パーフェクト・センス -1- PERFECT SENSE
PERFECT SENSE
©Sigma Films Limited/Zentropa Entertainments5 ApS/Subotica Ltd/BBC 2010
2012年新春にお届けする映画はこれです。
「パーフェクト・センス」。
お正月気分に水をさすようで申し訳ないのですが、本作は終末映画であります。
でも、同時に、珠玉の恋愛映画でもありますから、お許しくださいね。
終末映画といえば、一昨年、当試写室でご紹介した「ザ・ロード」(‘09)
http://mtonosama.exblog.jp/13996145/
http://mtonosama.exblog.jp/14018258/
なんて映画がありました。とても絶望的な内容で、邪悪な存在と化した人間が集団で登場したりしました。
地球の危機を描いたものとしては「ゴジラ」や「妖星ゴラス」などという東宝特撮映画も
既に60年代に作られています。
あ、これは終末映画とはいわないか・・・
「ゴジラ」も一昔前のハリウッド超大作も、作り話めいていましたが、
最近の終末映画といわれるジャンルの作品は、微妙にリアルで「ありえな~い」と
むげに否定しさることのできないものがあります。
このリアルさは私たちの経験したことが既に映画を超えてしまった部分があるからでしょうかね。
”SOS”という原因不明の感染症が世界中に爆発的に拡がった世界。
これに感染した人は臭覚が突然消え去り、さらに、味覚、聴覚、視覚、触覚をも失っていきます・・・
原因不明、治療方法不明。医者も科学者もこの危機を前に手をこまねいて見ているしかありません。
「パーフェクト・センス」も「ザ・ロード」も、あり得る終末映画ではありますが、
「パーフェクト・センス」にはどこか優しい人のつながりを感じます。
恋愛映画だから、ということもあるのでしょうか。
いえ、もっと根源的な人の優しさみたいなものがあります。
おっと、こんな早くからネタをばらしちゃっていいのだろうか。
ま、お正月ということで大目に見てくださいまし。
イギリスなどヨーロッパ4ヶ国の合作プロジェクトとなったこの映画の監督は
イギリス人監督デヴィッド・マッケンジー。
彼がとても印象的なことを語っているので、ご紹介します。
「将来、確実に僕たちは無秩序な街や世界的な災害に直面するだろう。
それでも僕たちは『ザ・ロード』のような世界観に向かっているとは思えない。
互いに助け合って一生懸命働いている人々がいる。
人間の精神は残酷に殺し合うのではなく、どうにかして他人を助けようとする。
それが人間だし、人間は自分の状況に順応するものだ。
僕は人間の精神の中心には潜在的な善良さ、慈悲の心、
破壊するよりも築こうとする願望があると信じている」
なんかこの言葉って、昨年わたしたちがあの震災の後、目にした光景を彷彿させると思いませんか?
ユアン・マクレガーとエヴァ・グリーンが演じる過酷な状況の中で恋に落ち、
愛し合う恋人たちが直面した状況に、
悲惨さを感じるのではなく、むしろ、救いを感じるのは
監督のこの世界観が色濃く反映しているからではないかと思うとのです。
扱いようによってはハリウッドのパニック映画のように、
大がかりな視覚効果と恐ろしげな効果音で見せる映画にもなったかもしれない本作を
ものすごくシンプルに描き出している点も新鮮です。
新年第1作目にこの映画をご紹介できるとは、なんて幸せなんでしょう。
さあ、どんなお話でしょうか。2012年新春、乞うご期待でございます。
続
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パーフェクト・センス
監督/デヴィッド・マッケンジー、脚本/キム・フォッブス・オーカソン、製作/ジリアン・ベリー、マルト・グルナート、撮影/ジャイルズ・ナットジェンズ、編集/ジェイク・ロバーツ、美術/トム・セイヤー、衣装デザイン/トリシャ・ビガー、音楽/マックス・リヒター
出演
ユアン・マクレガー/マイケル、エヴァ・グリーン/スーザン、ユエン・ブレムナー/ジェームス、コニー・ニールセン/ジェニー、スティーヴン・ディレイン/スティーヴン、デニス・ローソン/ボス(レストラン・オーナー)
2012年1月7日(土)新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
2011年、イギリス、92分、日本語字幕/鈴木恵美、提供・配給/プレシディオ、協力/ハピネット、http://gacchi.jp/movies/perfectsense/
<これに感染した人は臭覚が突然消え去り、さら に、味覚、聴覚、視覚、触覚をも失っていきます。
5つのセンスを失ったあとに
やってくる“パーフェクト・センスとは・・・・???
ユアン・マクレガー、“スター・ウォーズ”の時には
なんとなく居心地悪そうに見受けられましたが
この映画なら同じイギリス人監督だしヨーロッパ勢との
共演なので 彼の良さがぐっと引き出されるでしょうね。
新年第一作のご紹介映画が
恋愛映画だなんて
殿様ひゅーひゅー!!
TUNAMI&FUKUSHIMAを経験した
わたし達には深い思いをすることに
なりそうな映画ですね。
次号、わくわくしながら待ってます!
ひゅーひゅーをありがとう<(_ _)>
とのの恋愛なら良かったけど……
でも、これはもうユアン・マクレガーの恋愛ものだから良いんですよね。
エヴァ・グリーンなんて永遠の青春みたいな名前の女優も
なかなか良かったし。
良い映画でした。
殿様やってくれますね~。
「終末映画」ですか。 昔ほど 気楽に見られなくなりました。
「日本沈没」なんて言う映画がありましたが今は見たくないです。
そうです。ユアン・マクレガーで~す。
ライスケーキさんのためですよ~(なんちゃって^m^)
暖かい心持に充たされる終末映画って稀有な存在です。
みんな地球上の仲間なんだなって感じかなぁ。
妖星ゴラスのタイトルを見るとは思わなかったです。南極でしたっけ、ロケット噴射口みたいな設備を並べて地球の軌道をずらすというような途方もない話でしたね。
終末映画となると、こういう壮大だけどちょっと胡散臭いようなのとかを割りと楽しんでみるような形になってるとわたしは思ってました。どんなにシリアスに見えても、基本的に作ってる側も本当はこんなことはまず起きないからと思っている部分がどこかにあって、だからこんな世界が来たら怖いね~って云うような具合に壮大な嘘世界を作る側も見る側も楽しんでるという感じ。
でも最近はそうでもないんですね。
この監督の言葉を読んでみると、真剣に週末世界がやってくると思ってるようで、この辺の立ち位置が思ってる以上にユニークなんじゃないかなと思いました。
妖星ゴラス、ご覧になりましたか!?
そうです、そうです。
南極にジェット噴射機みたいなのをいっぱい建てて、
地球の軌道を変えて、妖星とぶつからないようにするんです。
すっごいなぁ、と思って口を開けて観ていたことを思い出します。
あの頃の映画って、世界中の科学者が一致協力してモニター
みつめてて、成功するとワーって歓声あげてました。
そんなのを観ながら未来に希望を持てていた子ども時代が
懐かしいです。
良い時代だったなぁ。
国連とかインターナショナルな組織に今よりずっと期待を
持てた時代でした。
この映画とは全然関係ありませんが、妖星ゴラスつながりで
マタンゴなんてご覧になりませんでしたか?
これも怖かったです。あ。子どもの感覚でってことですが^_^;
みたいです。
でも「終末映画」なんですよね。。
体力気力いりそう。。
最近そんなに映画見れてませんが・・
ハリウッド映画なんか同じようなストーリーやキャラ多くありすぎじゃないですか?
終末映画ではありますが、恋愛映画です♡
だから、肩いからせるほどではないかもしれません。
ゆる~くとはいかないかもしれませんが。
私、ハリウッド映画はあまり観ないんですけど、
「筋書きもキャラクターもこないだも観たよ~」って感じ
ですね。
もう水戸黄門様化しているんじゃ^_^;
でも、だから安心ってこともあるんでしょうか。
マタンゴ!
観た事あります。怪獣映画もそうなんですけど東宝の特撮映画って結構好きなんですよね。これは、細かいところはほとんど覚えてないですけどショッキングなラストは覚えてます。お話しはよく出来てたんじゃないでしょうか。孤島の閉塞的な雰囲気とか、難破船、そこで繰り広げられる奇怪な物語なんかの雰囲気もよかった記憶があります。これ日本の怪奇映画というかSFホラーというか、そういうののカルト的な映画になってるようですよ。
造型はイメージとしてはなかなか不気味なんだけど今大人の目で見るとかなり着ぐるみ感があるかも。ちょっとまた見たくなってきましたけど、見ると怖かったイメージが崩れるかもしれませんね。
博士、出てきますよね。中村伸郎とか志村喬なんかがよく演じてたんじゃなかったですか?ゴジラだと平田昭彦がかっこいいです。
おお、マタンゴもご存知でしたか!
私はホントに小さいときに観たので、難破船とかの部分は
よく覚えていないんですが、孤島の雰囲気はなんとなく覚えています。
そしてなんといっても怖いのはラストですよね。
横浜ニューグランドホテルのバーみたいな感じのカウンター
で一人語りしていた男が振り向いたとき・・・・・
キャーァァァアア
だけど、確かに大人になったこの目で見たら着ぐるみでしょう。
博士は、おっしゃる通り平田昭彦が一番。
昔の「怪人二十面相」の挿絵に出てくる大きな目を見開いた
若い紳士って、平田昭彦に似ていますものね。
ああ、懐かしいお話ができてうれしいです。ありがとうございました。