セイジ 陸の魚 -2-

©2011 Kino Films/Kinoshita Management Co.,Ltd
学生時代最後の夏休み。就職も決まり、ひとり自転車に乗って旅立った「僕」。
まだまだバブルの余熱が充満し、将来に不安を感じることなく今を生きられる時代でした。
ああ、そんな時代もあったなぁ・・・・・
って、ここで想い出に浸ってしまって、どーする。
ま、そう思っても仕方ないような導入部です。
森山未來くん演じる「僕」が、いまどきの、お行儀の良い、
それでいて身の振り方にまだまだとまどいを感じる年頃の男の子を好演していました。
あ、もうひとり、重要な人物がいます。
そう、セイジです。このとらえどころのない寡黙な人物を演じたのは西島秀俊。
2人の魅力的な人物が演じるドライブインでのひと夏のできごと。
さあ、どんなお話でしょうか。
ストーリー
20年前。
学生最後の夏休み、「僕」は適当に就職を決め、1人であてのない自転車旅行にでかけた。
自転車に荷物をくくりつけ、自由気ままにこぎ続ける「僕」。
ところが、山道で軽トラックと接触事故を起こしてしまった。
運転していた男は「僕」を旧道沿いにあるウラさびれたドライブイン・HOUSE475に連れていく。
加害者の割に態度のデカい男の名はカズオ。ドライブインの定連だった。
そこで、「僕」はHOUSE475の雇われ店主・セイジと出会う。
あまりしゃべらず、どこかワケありな感じの男だが、
夜になると店に集まってくるカズオたち常連客に慕われていた。
そんな彼らに惹かれた「僕」はこの店に住み込んで働くようになった。
時々訪れる店のオーナー・翔子や常連客と触れ合う内に、居心地が良くなってしまう「僕」。
謎の多いセイジだったが、常連客・ゲン爺の孫娘・りつ子をなぜか可愛がっていた。
幼いりつ子と遊ぶ時、ふと見せるセイジの笑顔を見て「僕」はもっとセイジのことを知りたくなった。
ある晩、「僕」はセイジの部屋で古びた8ミリテープを見つける。
そこにはセイジの過去をうかがい知ることのできる映像が残されていた。
夏が過ぎ、秋の気配が漂い始める。
「僕」が現実に戻らなくてはならない日も近いある日。
その事件は起こった。
まったく唐突に、りつ子の両親が幼い彼女の目の前で凶悪犯によって殺され、りつ子も左腕を失う。
それ以来、彼女は心を閉ざしてしまう。
必死に看病をする「僕」たちだったが、あんなにりつ子を可愛がっていたセイジだけはやってこない。
そして、セイジのとった驚くべき行動とは……

裏さびれたラブホテルなどが廃墟寸前の姿で佇んでいるのを見ることがあります。
住み慣れた町でも散歩の途中に崩れかけた民家を目にしてどきりとすることがありますよね。
この映画に登場するHOUSE475はそんな建物です。
どきりとしつつも、そこに住み、働き、お酒を飲んだ人たちが感じられ、妙に懐かしい気分になったりします。
ディズニーランドのホーンテッドマンションに入っていくと、
半透明の幽霊たちがダンスしてますよね。あんな感じでしょうか?
怖いけど、懐かしい。懐かしいけど、寂しい。
一軒のドライブインを舞台に繰り広げられるのはひと夏の「僕」の甘酸っぱい青春物語でも、
ワケあり店主セイジの過去をあばく話でもありません。
青春という不器用な一時期を生きる不器用な人々を半透明の幽霊みたいに踊らせたとでも
いいましょうか。
今は廃墟となった建物も鼓動を打ち、血が流れていった時があった・・・・・
ドライブ中にたまたま目にした崩れかけた店を素通りできなくさせてしまう映画かもしれません。
ますます廃墟好きにさせられそうな映画でした。
あ、そうそう。伊勢谷友介は今回は監督のみ。俳優としては登場しません。
知と情が適度に混ざり合った映画といえましょうか。伊勢谷監督、今後が楽しみです。
終
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セイジ 陸の魚
監督/伊勢谷友介、原作/「セイジ」辻内智貴(筑摩書房/光文社文庫)、脚本/龜石太夏匡、伊勢谷友介、石田基紀、製作総指揮/木下直哉、エグゼクティブプロデューサー/西尾武信、プロデューサー/龜石太夏匡、武部由実子、石田基紀、音楽/渋谷慶一郎、撮影/板倉陽子
出演
西島秀俊/セイジ、森山未來/「僕」、裕木奈江/翔子(ドライブインのオーナー)、新井浩文/カズオ、津川雅彦/ゲン爺
2月18日(土)テアトル新宿他全国順次ロードショー
企画・製作/キノフィルムズ、配給/ギャガ+キノフィルムズ、http://seiji-sakana.com/
「セイジのとった驚くべき行動」って何でしょう。
気になります~。
やはり映画を観るしかないですか。
沢山観たい映画あるのに なかなか行けませ~ん。

くぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!
<怖いけど、懐かしい。
懐かしいけど、寂しい。
殿様の名調子、冴え渡りますね!
ご本人は照れて「イイヤイヤイヤ違うから」と
否定なさるでしょうが
やっぱり・・・・詩人、ですよね!
陸の魚、という題名からして
何かタダモノでない
苦しい悲しい予感のする映画です。
いつか
見られるといいな、
つか
来月のJALさん、機内でやってないかなーーー。
次号UPも楽しみにしています!
イイヤイヤイヤ違うから^_^;
陸の魚、プールに沈んだ金槌。
苦しそうですよね。
でも、若いときの苦しさって、歳をとってからは薬かも。
な~んて思うことの多い今日この頃です。
そして、そんなことを想わせてくれる映画でした。
悲劇もまた時間の経過とともに底の方へ沈澱していってくれます。
な~んちゃって。
う~ん、やっぱり観てみないとね^_^;

結構いろんな人に親切にしてもらった記憶があります。
何も恩返ししてないけど。。。
とのの
青春という不器用な一時期を生きる不器用な人々を半透明の幽霊みたいに踊らせたとでも
いいましょうか。
この言葉名言です。
いつかこの映画見てみます。
旅行、いいですね。
最近全然行けません。
その代わりと言っちゃあなんですが、映画を観てます^_^;
映画なら国内旅行だろうが、海外旅行だろうが、自由自在ですものね。
ああ、でもホントの旅行も行きたいな。
旅行の恩返ししていないとおっしゃいますが、
Tsugumiさんのパブとおいしいメニューは若かりし旅の日々への恩返しじゃないかなぁって思います。