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殿様の試写室

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少年は残酷な弓を射る -1- We Need To Talk About Kevin

少年は残酷な弓を射る -1-
We Need To Talk About Kevin

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(C) UK Film Council / BBC / Independent Film Productions 2010

怖くて、美しくて、悲しい映画です。
女性なら母親になることが怖くなるし、
男性なら父として夫としてどうあるべきなのかと、頭を抱え込んでしまうでしょう。
そして、今、少年期にある人なら―――
うーん、何を想うでしょう。
150歳にもなってしまうと少年の気持はよくわかりません。

ですが、もう一回―――
女性なら、きっとケヴィンのおそろしいまでの美しさに息を呑むでしょう。
「ヴェニスに死す」のビョルン・アンデルセンの再来かと思う人も多いと思います。


少年は残酷な弓を射る -1- We Need To Talk About Kevin_f0165567_6311771.jpg
映画化は困難と言われていた小説「少年は残酷な弓を射る」(”We need to talk about Kevin” ライオネル・シュライバー著)が、リン・ラムジー監督によって映画になりました。
母親を演じるのはティルダ・スウィントン。彼女は製作にも参加しています。



「少年は残酷な弓を射る」
2003年に発表されたライオネル・シュライヴァーによる小説。殺人を犯した少年の母親が彼女の夫に宛てた手紙という一人称視点の形式を採る。
訳者/光野多惠子、堤理華、真喜志順子、発行日/2003年4月14日(アメリカ)、2012年6月15日(日本)、発行元/サーペンツ・テール(アメリカ)、イースト・プレス(日本)
Wikipediaより

「少年は残酷な弓を射る」は英国女性作家文学賞オレンジ賞を受賞したベストセラーです。
女性作家の小説を女性監督が映画化し、主演女優が製作にも関わる――
女性が表に出ることをことさらにあげつらうまでもないのですが、
本作から受けた強い衝撃のため、ついクレジット・タイトルに目が行ってしまいました。

少年は残酷な弓を射る -1- We Need To Talk About Kevin_f0165567_6332586.jpg

撮影日数わずか30日。低予算のプロジェクト。
低予算ゆえセットを組む予算もなく、撮影は全てロケかロケセットで行われたという本作。
しかし、窮すれば通ず、です。
プロダクション・デザイン担当の女性が廃校になった職業訓練校を見つけ出し、
それを病院、小児科、少年鑑別所、学校、そして、
主人公の夫婦が初めての夜を過ごした旅先のうらさびれたトロピカル・ホテルにまで作り変えてしまいました。

なぜ、そんな内輪話を紹介したかというと、
とてもそんな安上がりな映画とは思えなかったからなんですけどね。

映画は3つの時間から構成されています。
主人公エヴァが暮らす現在、
息子ケヴィンが生まれるまでの夫婦の幸せな時代、
そして、成長期のケヴィンとエヴァとの息のつまるようなNY郊外での日々。
フラッシュバックのように挿みこまれるいくつかのシーン。
なんとも不安の嵩ずる構成です。
知らず知らず肩をこわばらせ、ハンカチを握りしめて注視していました。

この映画をジャンル分けすることは難しいです。
家族映画でもあれば、犯罪映画でもあり、絶妙な心理映画で、
ものすごくサスペンスフルな恐怖映画でもあります。

一体どんな映画なのでしょうか。乞うご期待でございますよ。



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☆6月27日に更新しました。いつも応援ありがとうございます☆

少年は残酷な弓を射る
監督/リン・ラムジー、脚本/リン・ラムジー&ローリー・スチュワート・キニア、原作/ライオネル・シュライバー、製作/リュック・ローグ、ジェニファー・フォックス、ロバート/サレルノ、製作総指揮/スティーヴン・ソダーバーグ、クリスティーン・ランガン、ポーラ・アルフォン、クリストファー・フィッグ、ロバート・ホワイトハウス、マイケル・ロビンソン、アンドリュー・オル、ノーマン・メリー、リサ・ランバート、リン・ラムジー、ティルダ・スウィントン、撮影/シーマス・マッガーヴェイ
出演
ティルダ・スウィントン/エヴァ、ジョン・C・ライリー/フランクリン、エズラ・ミラー/ケヴィン
6月30日(土)TOHOシネマズシャンテ他全国順次ロードショー
2011年、イギリス、112分、字幕/佐藤恵子、提供/クロックワークス、東宝、配給/クロックワークス、http://shonen-yumi.com/

by Mtonosama | 2012-06-27 06:49 | 映画 | Comments(8)
Commented by すっとこ at 2012-06-27 08:35 x
うっわぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああ!

なんだか、こういうの弱いんです。ええ、好き、ってことです。
邦題の”少年は残酷な弓を射る”!
意味深な題も好きです。

原題の”ケビンについて話さなくては”よか
ずーーーーーっとそそる題名ですね!

母親役のティルダ・スゥィントンって
性別を越えた感じがありますね。
”オルランド”で美しい人だなぁ、と思った覚えがあります。
最近では”ナルニア国物語”の悪い魔女も
美しかったなぁ。

制作にも携わったとは・・・才女(ってこういう
言い方がすでにふ・る・い?)ですわん。

次号のストーリー紹介をドキドキしながら
待っております。
では・・・おっとっと、帰る前に「ポチッ」と
押してからね!!
Commented by Mtonosama at 2012-06-27 09:36
♪すっとこさん

ね、ね、邦題がなんともそそりますよね♪
タイトルだけで観たくなっちゃう映画だと思いません?

ティルダ・スゥイントンも鬼気迫る様子で怖かったぁ。
これ、機内で観るより、絶対大画面で観た方が良いです。

ポチっとしてくださってありがとうございます。
どうぞ、またお越しやすぅ~<(_ _)>
Commented by poirier_AAA at 2012-06-27 15:53
こちらでは少し前に公開されました。予告編を見て観に行こうかどうしようか迷ったんですよ〜。すごく観てみたい気持ちと、実際子どもを育てている時に観るのってどうなんだろうと思う気持ちと、両方を感じました。結局観ないことにしたんですけど。こちらでも評価は高かったと思います。

親子って、一般的には美しいイメージですけど、まったくの不可抗力で上手く行かないことだってあり得ますよね。親は愛情を注ぎたくても子どもがまったくそれを求めていないとか、もし自分が子どもとそういう関係だったらどうしようと、予告編を観ながらかなり怖くなったのでした。

母親役の不安そうな顔と息子役の整った冷笑的な顔が対照的で、余計に怖さが増します。早く続きが読みたいです〜。
Commented by Mtonosama at 2012-06-27 18:25
♪poirier AAAさん

フランスではもう公開されたんですか。
いやぁ、怖い映画でした。
当試写室でホラーを上映しないのは、私が怖がりなせいもあるの
ですが、この映画の怖さはホラー以上でした。

う~ん、poirier AAAさんの観ない選択、どうだったでしょうか。
この怖ろしさ、体験すべきかどうか・・・・・難しいところです。

でも、ヴィジュアル的にも結構観るべきところはありました。
ケヴィンの美しさだけでなく。
Commented by ライスケーキ at 2012-06-28 16:58 x
この映画、話題になってますね。
「怖いもの見たさ」もありますが、
観たいような、観たくないような・・・。

カーテンの隙間から 片目で見たいような気分です。
Commented by Tsugumi at 2012-06-28 18:30 x
ティルダ・スウィントン、ナルニアも結構印象的だけどフィクサーの彼女が忘れられない。

この映画恐いんですね。。。私もホラーは苦手です。でもDVDが出たら見てみたいです。
Commented by Mtonosama at 2012-06-28 20:40
♪ライスケーキさん

カーテンの隙間から?
ああ、実にそのカーテンもこの映画の冒頭で印象的な使われ方をしています。
Commented by Mtonosama at 2012-06-28 20:42
♪Tsugumiさん

この映画のティルダ・スウィントン。
本当に<鬼気迫る〉という表現がぴったりの演技でした。
彼女自身も相当怖かったです。

by Mtonosama