欲望のバージニア -2- Lawless
Lawless
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酒を造るのが悪いのか、それとも呑むのが悪いのか。
法を破るのが悪いのか、それとも取り締まるのが悪いのか。
そもそも禁酒法が悪かったんでしょうかねぇ。
ことの善悪はさておいて、
敵と味方がはっきりしないことには成り立たないのが映画のお約束かもしれません。
今回、敵と味方に別れるのは密造酒製造グループとそれを取り締まる側。
主人公が密造グループだから、敵役は取締官です。
いかにも敵役らしい風貌のレイクス取締官を一目見れば、
法を破る密造グループに肩入れすることにも納得がいきます。
ピターッと真ん中分けしてポマードでがっちり固めた頭髪。
その分け目の幅が若干広めなところがまた憎々しい。
剃り落した眉といい、蝶ネクタイといい、
あんたはギャングか?
と訊きたくなる取締官であります。
飲酒は禁じられていなかったという禁酒法。
これはもう「破ってください」といってるような法律ではありませんか。
呑みたい人はいる。間に立つ人もいる。
「じゃ、造らなきゃ」ってことに当然なりますよね。
緑に囲まれたバージニア州フランクリンで展開される密造酒グループと悪逆非道な取締官との抗争。
さあ、一体どんなふうに見せてくれるのでしょうか。
ストーリー
1931年、フランクリンに不死身と呼ばれる兄弟がいた。
怪力を誇る長男ハワード・ホンデュラント。
度胸と押しでは兄をもしのぐ次男のフォレスト。
禁酒法時代のアメリカで最も密造が盛んなフランクリンで、彼らは密造酒ビジネスでも他を圧していた。
そして、もう一人、末っ子のジャック。彼は親友のクリケットと新しい蒸留器を開発しており、兄たちのように自分でも商売を始めたかったのだが、まだまだ許してはもらえない。
野望だけはでかいひよっこだ。一目惚れした牧師の娘バーサも相手にしてくれない。
ある日、マギーという女が兄弟の経営する酒場にやってきた。ここで働きたいという。
いかにも都会的な彼女に「なぜ、こんな土地へ?」と思わず訊ねるフォレスト。
「静かに暮らしたくなったのよ」とはぐらかすように応えるマギー。
都会ではギャングの暗躍が激しく、今はフロイド・バナーが仕切っていた。
新しい取締官レイクスがフランクリンに着任したのはそんな時だ。
彼は兄弟に高額な賄賂を要求。
「俺は誰のいいなりにもならない」と言い放したフォレストにレイクスはキレる。
一斉捜査でジャックをボコボコに叩きのめすレイクス。
弱音を吐く弟にフォレストは「本当の強さとは立ち向かう意志だぞ」。
ところが、そんなフォレストもレイクスの手下に咽喉をかき切られてしまう――
病院で息を吹き返したフォレスト。
血の海に倒れていた彼を車で病院まで運んだのはマギーだったが、
本人も兄弟たちもボンデュラント兄弟の不死身をあらためて信じるのだった。
だが、彼の咽喉を切り裂いた犯人に見覚えのあるマギーはこの町を出て行こうとした。
「君を守る」というフォレストの言葉を信じ、この地に留まることにする。
フォレストの入院中、ジャックはギャングの大物バナーと大がかりな取引を成立させた。
ジャックに大金が転がり込む。
父親の形見のスーツから洒落た新品のスーツに着替え、高級車を乗り回し、
牧師の娘バーサにもドレスをプレゼント。
クリケットと開発した巨大な蒸留器を森の奥に隠し、恋もビジネスも絶好調だ。
すっかり有頂天のジャックだったが、レイクスの攻撃も更に激しさを増す。
密造仲間は全員彼に屈し、最後まで抵抗した兄弟の従兄にも残忍な制裁が加えられた。
そして、レイクスの刃がジャックの親友クリケットに向けられた時、三兄弟の怒りが爆発する……
あ、バージニア州は東部だから西部劇ではありませんね。
でも、なんともワイルドで拳銃バンバン、ジャックナイフがギラリ、
こんな馬車みたいな車が砂埃を巻き上げて田舎道を疾駆するのだから、
馬が車に変わっただけでほとんど西部劇です。
昔、とのの小さい頃、一緒にTVで西部劇を観ていた曽祖母が、
「西洋人は乱暴だなぁ」とつぶやきました。
確かに、本作でもいきなりフォレストがレイクスのさしむけた殺し屋に
咽喉を切り裂かれた時はひいおばあちゃんと同じ感想を持ちましたよ。
でもね、「ああ、この人は助かるんだ」と安心できる点が実話の良さですね。
しかし、エンタメの種はつきまじ、です。
あ、そうそう。ミア・ワシコウスカのクールな眼力も満喫できますよ。
田舎町のおかたい牧師の娘という役柄でも、ただの純情可憐な小娘じゃないってところがさすが。
注目株です。
終
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☆6月21日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆
欲望のバージニア
監督/ジョン・ヒルコート、脚本・音楽/ニック・ケイブ、音楽/ウォーレン・エリス、製作/ルーシー・フィッシャー、ダグラス・ウィック、カシアン・エルウィズ、ミーガン・エリソン、ブノワ・ドゥローム
出演
シャイア・ラブーフ/ジャック・ホンデュラント、トム・ハーディ/フォレスト・ホンデュラント、ジェイソン・クラーク/ハワード・ホンデュラント、ジェシカ・チャスティン/マギー・ボーフォード、ミア・ワシコウスカ/バーサ・ミニクス、ガイ・ピアース/チャーリー・レイクス、ゲイリー・オールドマン/フロイド・バナー、デイン・デハーン/クリケット、ノア・テイラー/ガミー・ウォルシュ
6月29日(土)丸の内TOEI、新宿バルト9他全国順次ロードショー
2012年、アメリカ映画、116分、字幕翻訳/松浦美奈、配給/ギャガGAGA★
http://yokubou.gaga.ne.jp/
ホント! 「東部版 西部ギャング映画」って感じね。
私の知っているバージニアとはずいぶん違う。
でも 禁酒法時代は BANG! BANG! ですものね。
昔、TVで西部劇見るの 毎週楽しみだったなぁ。
どう考えても
おっかしーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい法律だったですね!
お酒を飲むのが犯罪ではないけど
売ったり買ったり輸入したりは・・・犯罪とは。
密造酒でドンパチが起こるのは
もう 血を見るより・・・・
あっ間違えた
もう火を見るより明らかですね。
で、あちこちで 血を見る、と。
でもなんだか古い時代のアメリカのファッションって
素敵ですね。
女性はきっちりタイト・スカート、
男性の太いズボンに三つ揃い、というのも
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わたしは西部劇は埃っぽくてちょっと苦手でした。
酒場でテーブルひっくりかえしたり、グラスを壊して暴れま
わるシーンをひいおばあちゃんと一緒に見て、同じように
「西洋人は乱暴だなぁ」と思っていた幼い頃のとのです。
バージニアは緑が多いので埃っぽい感じはしなかったので
良かったかも、です。
ホント、ホント。禁酒法ってハタ迷惑な法律ですよね。
でも、禁酒法時代のファッションはステキ!
「俺たちに明日はない」のフェイ・ダナウェイ。
カッコ良かったわ~♡
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