悪童日記 -1- LE GRAND CAHIER
LE GRAND CAHIER
(C)2013 INTUIT PICTURES - HUNNIA FILMSTUDIO - AMOUR FOU VIENN
『悪童日記』というタイトルから、誰がこんな内容の映画を想像できたでありましょう。
悪戯っ子が登場し、ドタバタ大暴れ。
それでもって観客はワッハッハと大笑いする――
そんな映画を勝手に思い描いていたとのでありますが、
外れました。
いやあ、本当に東欧の映画はすごいです。びっくりしました。ズシンと来ました。
オリジナルタイトルは“Le grand cahier”。
「大きなノート」と訳せばいいのでしょうか?
東欧の映画といいながらフランス語のタイトルです。
どういうこと?
本作『悪童日記』は今からおよそ30年程前、フランスで刊行されベストセラーになり、
約40ヶ国語に翻訳されました。
日本でもブームになったアゴタ・クリストフによる同名の著作を映画化したのが
本作であります。
数々の文学賞に輝いた「悪童日記」は
ポーランドのアグニエシュカ・ホランド監督(『ソハの地下水道』
http://mtonosama.exblog.jp/17961754/ http://mtonosama.exblog.jp/17971415/)、
デンマークのトマス・ヴィンターベア監督(『偽りなき者』)などが、映画化権を獲得しながら
なかなか実現には至らなかった作品です。
アゴタ・クリストフ
著者アゴタ・クリストフは1935年オーストリア国境に近いハンガリーの村に生まれる。
父は教師。アゴタは4歳の時から手にする活字すべてを読破する早熟な子どもだった。やがて父は政治犯として投獄され、母は家族を養うため必死に働く。彼女は14歳で全寮制の学校に入学。最愛の弟とひき離され、詩の創作を始める。卒業後、自身の歴史教師だった男性と結婚。1956年ハンガリー動乱の年、娘を出産。その後、動乱が鎮圧されると一家はスイスへ。フランス語が話せなかった彼女は女工として働きながらハンガリー語の詩を書き続けるが、62年、大学の夏期講習でフランス語を猛勉強する。詩や戯曲を同人誌に発表し続けた。初めはハンガリー語で、その後、フランス語で書くようになり、初めて書いた小説「悪童日記」(‘86)をフランスの出版社から刊行。一躍有名になり「ふたりの証拠」「第三の嘘」の続編も絶賛される。
2011年7月、映画の完成を観ることなく、亡くなった。
つけられている理由には作者の苛酷な人生が反映されていたのであります。
そして、この小説を映画化したのは作者と同じハンガリー出身のヤーノシュ・サース監督。
小説を読んだ監督は映画化権獲得のチャンスを待ち続け、ついにGet!
ヤーノシュ・サース監督
1958年ブダペスト生まれ。演劇映画アカデミーで演出を専攻。
80年代中ごろから映画作家として活躍。
『Woyzec』(‘94/ヨーロッパ映画賞最優秀新人賞、シカゴ国際映画祭撮影賞受賞、アカデミー賞外国語映画賞ハンガリー代表)
『The Witman Boys』(‘97/未/カンヌ国際映画祭「ある視点」部門出品、モスクワ国際映画祭、テッサロニキ国際映画祭優秀作品賞、ハンガリー映画ウィークに演出賞&評論家賞)
『ブロークン・サイレンス』(‘02/スティーブン・スピルバーグ製作)
『Opium – Diary of a Madwoman』(‘07/ポルト国際映画祭優秀作品賞、ハンガリー映画ウィークに演出賞&評論家賞)など。
演劇界でも演出家として活躍。ワシントン、オスロ、モスクワ、ブダペストで活動している。ブダペストの演劇映画アカデミーで俳優上級クラスの講師も勤めている。
この作品でハンガリーにとりつかれてしまったかもしれません。
さあ、いったいどんなお話でしょうか。続きは次回まで乞うご期待でございます。
続
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☆9月21日に更新しました。ヒガンバナが咲きましたね。いつも応援ありがとうございます☆
悪童日記
監督/ヤーノシュ・サース、脚本/アンドラーシュ・セーケル、ヤーノシュ・サース、原作/
アゴタ・クリストフ「悪童日記」ハヤカワepi文庫、撮影監督/クリスティアン・ベルガー、製作総指揮/アルベルト・キッツラー、ジェルジ・ズーフ、ヤーノシュ・サース、製作/サンドル・ソス、パル・サンドル
出演
アンドラーシュ・ジェーマント、ラ―スロー・ジェーマント/双子、ピロシュカ・モルナ―ル/祖母、ウルリク・トムセン/将校、ウルリッヒ・マテス/父、ギョングベール・ボグナル/母、オルソルド・トス/口蓋裂の娘、ザビン・タンブレア/将校のボーイフレンド、ペーター・アンドライ/牧師
10月3日(金)TOHOシネマズシャンテ、新宿シネマカリテ他全国順次ロードショー
2013年、ドイツ・ハンガリー合作、ハンガリー語、111分、字幕翻訳/吉川美奈子、後援/駐日ハンガリー大使館、配給/アルバトロス・フィルム
http://akudou-movie.com/
悪童日記はずっと前にフランス語で読みました。1冊目はフランス語初心者でも楽に読めてしまうくらい簡単な書き方をしているのですが、2冊目、3冊目と続編を読んでいくにつれて抜き差しならない怖さが募って来るのです。ちょっと忘れられない話でした。
これを映画にすると、どんなるんでしょうね。なんとく見たいような見たくないような。。。。
吉衛門の声で日本を思い出されたのでしょうか。
やはり『悪童日記』をお読みになっていらしたのですね。1冊目は著者自身初めてフランス語で発表した小説ということですね。
続編の持つ怖さ・・・
主演の双子兄弟は続編が映画化されるなら是非出演したいと言っているそうです。
この子たちもすごいし、おばあさんもすごいし、
映画終了後、呆然として口を開けたまま歩いたって感じです。
すごい映画でした。