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殿様の試写室

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殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

マミー -1- Mommy


マミー
-1-
Mommy

マミー -1- Mommy_f0165567_5352130.jpg


Photo credit : Shayne Laverdiere
(C)2014 une filiale de Metafilms inc.



グザヴィエ・ドラン。
この人ただものじゃありません。
昨年11月に当試写室でご紹介した『トム・アット・ザ・ファーム』
http://mtonosama.exblog.jp/23216811/ http://mtonosama.exblog.jp/23232949/
で主演・監督を果たした弱冠26歳の超ハンサムな人物です。
今回またまた登場しました。

前回はゲイあり、閉鎖的な田舎社会の不気味さあり、ミステリーあり。
人間の心の奥底に潜む薄暗がりや
若さと表裏一体になった抑えがたい欲情や
北緯の高い国土にはつきもののうら寂しい荒寥感。
これらが一体となったうすら寒い空気感に包まれた作品でした。
「う~ん」と唸らされました。
しかし、どこかに26歳のハンサムな青年が作ったんだもんね――
みたいなバイアスがかかっていました。

ごめんなさい。
若くてきれいな男子が好きなんです。

マミー -1- Mommy_f0165567_5373358.jpg

ところがです。
なんということでしょう。
本作ではそういった150歳の下心も何もかもすっとんで
「いったいどんな巨匠の作品なの?」と感じ入ってしまいました。

テーマは母と子。
ま、永久不滅のテーマではあります。
『トム・アット・ザ・ファーム』に較べても、
しっかりとテーマが絞り込まれていてわかりやすいです。
シンプルに、そして、ダイレクトに感動が伝わってきます。

とはいえ、随所にこの若い天才のこだわりが散りばめられてもいます。
例えば、映像画面の比率が1:1であること。
要するに正方形の画面ですね。
なんか新奇。
でも、映画中半で普通の長方形の画面が出てきたとき、
「あ、これは現実部分じゃないんだな」と構えるので、
映画理解の助けになりました。

正方形の画面に人物が映っていると、
その人物がきっちり描かれているように感じられるという効果もあります。
そう。レコード・ジャケットやCDジャケットと同じ。
そして、その人のポートレートを観ているような気持になれます。

グザヴィエも言っています。
「1:1という比率からは一種独特なエモーションが生まれる。誠実に感じるんだ。
正方形のフレーム内に顔をおさめると、とてもシンプルに映る。
キャラクターが主役になり、観客の視線は否応なしにそこに集まる」

マミー -1- Mommy_f0165567_5393075.jpg

グザヴィエ・ドラン。
1989年3月20日生まれ。26歳になったばかりですね。
日本風に言えば平成元年生まれです。テニスの錦織圭と同い年です。

17歳で自ら書いた脚本を19歳の時監督として完成させた作品
『マイ・マザー』(‘09 I Killed My Mother)が
いきなり第62回カンヌ国際映画祭・監督週間部門に選ばれ、鮮烈なデビューを飾りました。
20歳で「若者の視点賞」を始め、C.I.C.A.E.Award、SACD Prizeを受賞。

翌年、21歳で脚本・監督・主演『胸騒ぎの恋人』(‘10 Heartbeats)が
第63回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」に正式招待され、再び「若者の視点賞」を受賞。
映画祭ディレクターから「非常にエキサイティングな新世代の一人」と称され、
カンヌの常連監督へとスターダムを駆け上りました。

続く『私はロランス』(‘12 Laurence Anyways)では
第65回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門への招待にとどまったものの、
主演女優のスザンヌ・クレマンが「ある視点」部門で最優秀女優賞を受賞。

そして第4作目『トム・アット・ザ・ファーム』(‘13 Tom at the Farm)。
第5作目が本作『Mommy/マミー』。
本作でとうとう第67回カンヌ国際映画祭のメインコンペティション部門に出品され、
初コンペで「審査員特別賞」を受賞。
なんとジャン=リュック・ゴダール監督の『さらば、愛の言葉よ』とのW受賞という
映画史上における大きな転換点を記しました。

前回『トム・アット・ザ・ファーム』を当試写室で上映した時は
まだまだ彼を過小評価していました。ごめんなさい。

さあ、一体どんなお話でしょうか。
続きは次回まで乞うご期待くださいませ。



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☆4月19日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

マミー
監督/グザヴィエ・ドラン
出演
アンヌ・ドルヴァル/ダイアン、スザンヌ・クレマン/カイラ、アントワン=オリヴィエ・ピロン/スティーヴ
4月25日(土)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開
2014年、138分、カナダ、フランス語、配給/ピクチャーズデプト、提供/鈍牛倶楽部、巖本金属、後援/カナダ大使館、特別協力/ケベック州政府在日事務所 
http://mommy-xdolan.jp/

by Mtonosama | 2015-04-19 05:45 | 映画 | Comments(2)
Commented by すっとこ at 2015-04-20 20:35 x
ぐわぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああ!

体調不良によりご無沙汰しておりました。
コメ欄にて“絶叫組”が増えて来たようで頼もしい限りです。
どんどん 絶叫いたしませう!

ところでこの監督、第一作が
”マイ・マザー”とのことですが 原題は"I killed My Mother"
なんですってね。ここはひとつ
”母親殺し”くらいの邦題にして欲しいところですが。
過激過ぎるのでせうか。

いったいどんな母と子のストーリーでしょうか。
期待を込めてポチッ!!
Commented by Mtonosama at 2015-04-21 05:45
♪すっとこさん

もう大丈夫ですか?
わたしたちお年頃故、体調管理には気をつけないといけませんことよ。

わたしも体にちりちりした痛みを感じると
「あ、帯状疱疹だ!」とすっかりナーバスになっております。

それにしても戻ってきてくださってうれしゅうございますわ♪

by Mtonosama