ぼくらの家路 -1- Jack
ぼくらの家路
-1-
Jack
(C)PORT-AU-PRINCE Film & Kultur Produktion GmbH
子ども受難の時代です。
街に出れば、犯罪にまきこまれ、
何よりも安全であるべき家庭や学校でも息もたえだえの子どもたちがいます。
この映画もそんな子どもが主人公。
ある夏の3日間。
10歳と6歳の兄弟が母を探す日々を描いた作品です。
10歳の兄はまだ靴の紐も結べないような小さな弟を守り、
自分だって世話をされていたい年齢なのに、
細い肩を精一杯緊張させて生きています。
このお兄ちゃんが良いんです。
はっきり言ってそんなに可愛い子ではありません(ごめんなさい)。
あまりにも一生懸命に日々を生きているので
あどけなさもありません。
金髪でクルクル巻き毛の天使のような弟が
いつも一緒なので余計にそう感じるのかもしれませんが。
昨年ベルリン国際映画祭コンペティション部門で上映され、熱烈な支持を受けた作品。
その時は残念ながら賞は逃しましたが、
数々の映画祭で観客賞や審査員賞に輝きました。
2015年にはドイツ映画賞で作品賞、監督賞、脚本賞にノミネートされています。
監督はエドワード・ベルガー。
脚本も書き、本作で一躍映画作家としての地歩を確立しました。
エドワード・ベルガー
1970年、ヴォルフスブルク出身。ヴォルフスブルクはドイツ・ニーダーザクセン州に属し、フォルクワーゲンの本社所在地で、同社の企業城下町として発展した町である。
94年、ニューヨーク大学で映画監督法を学び、卒業。その後、アメリカのインディペンデント映画制作会社グッド・マシンで仕事に携わり、アン・リー監督やトッド・ヘインズ監督の映画などで経験を重ね、97年よりベルリンに在住。本作は長編映画3作目でネル・ミューラー=ストフェンと共に書いた脚本に基づいて製作された。
本作で主人公ジャックが預けられる養護施設の教師も演じていますよ。
さて、主人公ジャックを演じ、強烈な印象を残したイヴォ・ピッツカーは
信じられないことですが、今回初めてカメラの前に立った少年です。
ジャックを演じる少年を求めて、
毎日毎日半年にわたり、監督と脚本家はベルリン中を回り、
何百人もの子どもたちに会いました。
慈善団体の施設などを探しまわり、
「もうこの映画は諦めるしかないかもしれない・・・」
という気持になりかかっていたとき
”ジャック“は現れました。
イヴォ・ピッツカーはサッカーの好きなインターナショナル・スクールに通う少年でした。
『誰も知らない』(‘04 是枝裕和監督)
『ある子供』(‘05 ダルデンヌ兄弟監督)
『少年と自転車』(‘11 ダルデンヌ兄弟監督)
http://mtonosama.exblog.jp/17336359/ http://mtonosama.exblog.jp/17346889/
など、子どもが子どもを作ってしまった、というか、
親が大人になりきれず子どもを育てられない、という映画は多く、
ジャックたちの母親もそんな大人になりきれない大人です。
といっても彼女はアルコールや麻薬依存者ではないし、
子どもたちに暴力を振るうこともありません。
優しい良い(?)ママなんですけどね。
さあ、どんなお話でしょうか。
誰も悪い大人は出てこないんですよ。
次回まで乞うご期待くださいませ。
続
今日もポチッとしていただけたらうれしゅうございます♪
↓↓↓↓↓
にほんブログ村
☆9月13日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆
ぼくらの家路
監督/エドワード・ベルガー、脚本/エドワード・ベルガー、ネル・ミューラー=ストフェン、プロデューサー/ヤン・クルーガー、レネ・ローマート、撮影/イェンス・ハーラント
出演
イヴォ・ピッツカー/ジャック、ゲオルグ・アームズ/マヌエル、ルイーズ・ヘイヤー/ザナ、ネル・ミュラー=ストフェン/ベッキ、ヴィセント・レデツキ/ヨナス、ヤコブ・マッチェンツ/フィリップ
9月19日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
2013年、ドイツ、103分、日本語字幕/吉川美奈子、配給/ショーゲート、後援/ドイツ連邦共和国大使館、http://bokuranoieji.com/
優しいママは何処へ行っちゃったの?
パパもいないみたいだし、
3日間も食べ物どうしたの?
子供受難の時代と云うことは、
大人にとっても生きにくい
時代なんでしょうね。
〈誰も悪い大人はいない〉
のに
〈息もたえだえな〉
子供が
〈3日間 ママを 探し回る〉
事態に なってしまったのでしょうか?
プッチーが実家へ帰ってしまったので
紅梅肉球のかわりに すっとこぶっとい
人差し指で 力強くポチッとさせていただき
ます!!
あ、すっとこさん、お久しぶりです。
ずっとプッチー王子がコメントを書いてくださってましたよ。
今回もいろいろあったご帰国でしたね。
お疲れのところ当試写室へお立ち寄りくださり誠にありがとうございます。
美肌人差指での力強いポチッに感謝です。