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殿様の試写室

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殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

太陽の蓋 -2-


太陽の蓋 
-2-

太陽の蓋 -2-_f0165567_4463832.jpg

©「太陽の蓋」プロジェクト/ Tachibana Tamiyoshi


あの日、
日本中が固唾を呑んで情報を求めていました。
日本のニュースなど信用できないから
海外ニュースを検索し、
ショッキングな映像を目にしたりもしました。

本作は数多くの報告書や資料を分析し、
事故対応当事者だった政治家や閣僚や
被災地福島での直接取材を行なって作りあげた作品です。

官邸内で起こっていたことをベースに
官邸外の人々のドラマを対比させています。
ノンフィクション部分は関係者の著書や調書、
事故を報道した現役記者、
当時首相だった菅直人氏はじめ、
当時の政権閣僚に直接インタビューし、脚本を制作。

官邸、東電本社、福島第一原発の混乱や苦悩を描き、
報道の在り方にも疑問の眼を向けています。
菅内閣の政治家は全て実名で登場。

原発事故の経過や対応を事実に沿って追いながら、
情報が錯綜する官邸内のリアルな様子を描き出しました。

菅首相は三田村邦彦、
枝野内閣官房長官は菅原大吉
福山内閣官房副長官は神尾佑が演じています。

ストーリー
2011年3月11日午後2時46分。東日本大震災発生。
福島第1原発では全電源喪失の事態に。
冷却装置を失った原子炉は温度が上がり続けた。
チェルノブイリに匹敵する最悪の事態が目前にあった。
のたうちまわる怪獣のような不気味な変貌を遂げる原発。
情報不足のまま、混乱のさなかにある官邸。
福島では故郷に別れを告げ、住民たちが避難していった――
荒れ狂う原発を前になすすべもなく時は過ぎる。
そして3月12日午後3時36分
1号機の原子炉建屋が水素爆発を起こした。
続き、3号機、2号機でも――
官邸でも、
記者クラブでも、
テレビの前で息をつめる市民も
かつてない事態の前であまりに無力だった……

太陽の蓋 -2-_f0165567_4553384.jpg

まだまだ生々しいです。
放射性廃棄物の詰まった黒いゴミ袋が地面を覆い尽くし、
山中の木々と土壌には放射能が残っています。
除染除染といわれ、終わったような気になっている内に
再稼働が始まり、
40年を経過した古い原子炉も使うというではありませんか。

本作プロデューサーは
震災当時内閣副官房長官だった福山哲郎氏に面会しました。
彼が事故当時からの経過を書き留めていた「福山ノート」という記録が
後に原発事故を検証する際、非常に重要な役割を示したからです。
原発事故解明も未だならず、
現役政治家が実名で登場し、
人々の心の傷も癒えてはいない中、
「映画化は可能だろうか」と当初福山氏は語ったといいます。

実際、事故調をはじめとする公的な報告書、著作物、
メディア関係の資料・・・
膨大な資料との格闘があり、
同時に福島の人々の想いや
東京に暮らす人々から見た震災と事故、
東京電力の上層部と現場で命を賭して原発と格闘した職員、
官邸内のドラマ、メディアの在り方――
困難な作業が待ちうけていたことでしょう。

が、しかし、これは終わったことではありません。
まだまだこれからも向き合い、内省し、
なによりも原発のない社会に向けて
危険がなく、維持しやすいエネルギーを研究開発し、
生活の在り方を変えていく過程のさなかにあるのです。

そう、この映画はあの事故の総括ではありません。
あの事故が起きた以上、
原発のない社会に向かう過渡期にあることを
あらためて思い出すきっかけとする映画なのだと思います。





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太陽の蓋
監督/佐藤太、脚本/長谷川隆、製作/橘民義、プロデューサー/大塚寧、音楽/ミッキー吉野、撮影/小宮由紀夫
出演
北村有起哉/東京中央新聞記者・鍋島、大西信満/毎匡新聞記者・山中、中村ゆり/鍋島の妻・麻奈美、郭智博/修一
7月16日(土)より渋谷ユーロスペースより全国順次公開
130分、カラー作品、配給・宣伝/太秦

by Mtonosama | 2016-07-06 05:05 | 映画 | Comments(8)
Commented by すっとこ at 2016-07-06 07:31 x
こ こ これはーーーーーーーーーーーーー!

よく製作しましたね!この映画!

でも。

でも ふと思うんです。
当時の閣僚が実名登場といっても どんなに
本人にインタビューしたとしても

本当の事の奥の奥は
喋らないんじゃないかな、って。
黙って語られない なおも隠蔽された何かが
一番真実で 一番恐ろしいんじゃないかな、って。

【太陽の蓋】。
【臭い物に蓋】。って言葉が何故かヒョイと。

でもこの映画作った勇気は讃えたく
応援のポチッと!!

Commented by Mtonosama at 2016-07-06 16:37
♪すっとこさん

本当にそうですよね。
臭いものには蓋なのかもしれない・・・

でも、あれから5年経って世に問うた作品。
あの時生まれた赤ちゃんももう5歳。
常に問いかけていかなければならない問題です。

すっとこさんの応援、この映画に携わった人に届くといいな。
ポチッをありがとうございます。
Commented by なえ at 2016-07-06 22:31 x
すっとこさんが言うように「隠蔽された何かが 一番恐ろしいんじゃないかな 」では?東電幹部や現場でがんばっていた吉田室長等の発言も欲しいところですね。

でも今一番怖いのは、改憲派が2/3の議席を取ってしまったら・・・自民党が目指す「憲法改正」をされ、緊急事態宣言が発せられたら、私たちの自由は制限されてしまいます。今憲法で保障されている基本的人権が破棄されてしまいます。↓
http://sharetube.jp/article/3362/

殿様、すみません。思わず書いてしまいました。具合悪かったら消去して下さいね。
Commented by Mtonosama at 2016-07-07 07:01
♪なえさん

とても大人しかった友人がいまビラ配りやポスティングなどの選挙ボランティアに参加しています。止むにやまれぬ気持からです。応援演説のおっかけもしています。
国民怒りの声の小林節。
http://www.huffingtonpost.jp/2015/12/30/kobayashi-setsu_n_8851138.html

このままじゃいけません。
私?私も誘われているのに風邪ひきで行けていないんです。
Commented by なえ at 2016-07-07 20:49 x
150歳代以上の私らは老い先短いからいいけれど、まともに影響を受ける働き盛りや若者の方が関心が薄い。切実な問題なのに!マスコミは都知事選を派手に報道して参院選への関心を逸らそうとしているようで、不快。

友人の人、すごい!私も実際には動けないけど、友達に連絡したり、ツイッターで拡散するとか出来ることでしてるだけですわ。今言っておかないとという気持ちです。
Commented by Mtonosama at 2016-07-08 06:21
♪なえさん

まずは投票ですね。
若い頃は既成の方式に反抗しがちなものでした。
自分がそうだったから、今の人も、と思うけれど、
ここでしっかり意思表示しないとなあ。

私も風邪ひいてる場合じゃないんですけど・・・
Commented by ライスケーキ at 2016-07-08 21:54 x
原発再稼働が恐ろしい。
改憲派の動きが恐ろしい。
テロが恐ろしい。
トランプが大統領になったら恐ろしい。

イギリスみたいに、国民の出した結果が、
後で「シマッタ」なん事にならないよう、
蓋を開けて真実をシッカリ見て
選挙に行こう。
Commented by Mtonosama at 2016-07-09 07:23
♪ライスケーキさん

怖いことばっかりです。

でもパンドラの蓋は開いてしまったのだから、
箱から出てこられないでいる”希望”を迎えにいきましょうかねえ。

by Mtonosama