あなた、その川を渡らないで-1- My Love,Don’t CrossThat River
あなた、その川を渡らないで
-1-
My Love,Don’t CrossThat River
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むかし、むかし、韓国の小さな村に
仲の良いおじいさんとおばあさんが住んでいました・・・
そんなおとぎ話のような映画でありながら
時代は現代であり、ドキュメンタリー映画なのであります。
主人公は98歳の夫と89歳の妻。
夫は98歳とは思えないほど背筋がすっと伸びた凛々しいおじいさん。
妻は豊かな白髪を短髪に刈った可愛いおばあさん。
いつも韓服(民族衣装)を身につけ、手をつないでお出かけするご夫婦です。
老人が主人公であり、
「その川」というのがおそらくは三途の川だろうと推測すると
死を描いた映画か、と思いますよね。
ところが、
心の底からお互いを大事に想う翁と媼の15ヶ月を追った映画なのです。
もちろんお歳もお歳ですからやがて別れのときが訪れはしますが――
なんでもないお年寄りの映画が
あの名作『牛の鈴音』(‘09)
http://mtonosama.exblog.jp/12394849/
の記録を超え、韓国ドキュメンタリー映画史上最高となる
480万人の動員を達成しました。
国内では10人に1人が観たこととなります。
監督はチン・モヨン。
本作で監督デビューを果たしました。
小さな村の川のほとり。
結婚76周年を迎える老夫婦。
毎日二人は韓服を着て
手をつないで歩きます。
街の病院、市場、老人会の遠足にも
ナムルにいれる山菜を採りに山へ行く時でも
おそろいのスタイルで手を握り合って出かけます。
9歳も若いおばあさんが元気におしゃべりするのを
少し耳は遠いけれどしゃんとして男前のおじいさんが
優しくあいづちを打ちながら耳を傾けます。
初雪が降れば雪をかけあって笑い興じ、
落ち葉の季節には枯れ葉を手で掬いふざけ合います。
最初は「えーっ、ありえない」とひいていたとのも
次第に二人の純愛に惹きつけられていきました。
そして、自分の祖父母を思い出していました。
―――
とのの母方の祖父は活動映画の弁士でした。
ある日、友人の借金の保証人になった祖父は
その尻拭いのため、
北海道の劇場と契約を結び、
弁士の拠点だった名古屋の地を離れ、
単身小樽へ向かったのです。
当時、弁士といえば時代の花形。
小樽の劇場で弁舌爽やかに語る祖父を見て
夢中になった少女がいます。
それが祖母でした。
その祖母から
どれだけ祖父がダンディだったか聞かされました。
祖父が亡くなってからも
あんなに素敵な人はいなかったといつも言っていました。
すっかり忘れていたけれど、
この映画を観て思い出しました。
韓国で本作を観た480万人の内、約半数が20代だったといいます。
経済状況も恋愛状況も厳しいといわれる韓国の若者たち。
老夫婦の思いやりに溢れた姿に憧れと救いを求めつつも
とののように自分たちの幼少期を思い出したのかもしれませんね。
チン・ヨモン監督は15ヶ月にわたって主人公達に密着し、
彼らの日常生活と江原道横城郡・古時里村の美しい四季を撮影しました。
さあ、一体どんなお話でしょうか。
続きは次回までお待ちくださいませ。
続
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あなた、その川を渡らないで
監督・撮影/チン・モヨン
出演
チョ・ビョンマン/おじいさん、カン・ゲヨル/おばあさん
7月30日(土)シネスイッチ銀座ロードショー
2014年、韓国、86分、日本語字幕/伊勢田京子、配給/アンプラグド、http://anata-river.com/
んんんんんんんまぁーーーーーーーーーーー!
殿様の祖父母様の純愛は そういうきっかけ
だったのですね!
お爺ちゃまの弁士スピリットを受け継いだ
殿様が 現代のまさに弁士となって 銀幕の
魅力を こうやってブログという形で継承
して下さってる・・・と 思うと なにやら
しみじみしてしまいますのう。
この韓服のお2人、素敵だなぁ!
是非観たい150歳が 力を込めてポチッと!!
お帰りなさい。
仲良しすっとこご夫婦も楽しい旅行だったご様子。
良かったですね。
そうなの。うちのおじいちゃんは活動弁士。
活弁こそ聞いたことはないけれど、弁士をやめた後は劇場の
支配人をしていたので、赤ん坊ながらしょっちゅう映画館に
出入りしていたとのです。
うそをホントのことみたいに話すおじいちゃんの語り口に
どれだけ悲鳴を上げさせられたことか。
あ、いますっとこさんがうちのおじいちゃんみたいなことを
長州でやっているんですよね^m^
久々の力のこもったポチッをありがとうございました。
映画とは直接関係ないですけど、韓服のこの張りとツヤのある感じが好きです。色も鮮やかでよく似合っている。年取ってからこういう綺麗な色を着るっていいですね。
祖父の人生は映画の栄枯盛衰の歴史そのものでした。
話が上手で面白いことや怖いことをよく話してくれました。活弁士でならしていたときのことはまったく知りませんが、物ごころついてからはお話が面白くて会うのが楽しみでした。そうそう、新聞は角と角を合わせてキチンと折って片付ける几帳面な人でもありました。
今、想っても幸せそうな祖父母でした。でも、孫娘も150歳になると彼らの苦労もわかるようになりました。おばあちゃんは一度も小樽には帰らなかったけど、幸せだったんだろうなあ。
あ、自分の祖父母の話ばかりになってしまった!
冒頭の韓服、多分麻と絹の上等のものなんだろうけど、素敵ですね。
お祖父様は「友人の借金の保証人になって その尻拭いのため、
単身小樽へ」なんて、何とも潔くカッコいいし、そのお祖父様に夢中になったお祖母様も情熱的な方ですね。何だか映画になりそうな~。脚本はぜひ殿様で!
五体投地の巡礼て、日本ではお遍路さんがあるけど、比較にならないほど、ハンパでないですね。聖地に行くだけでも大変な距離なのに一回一回スライディングするなんて!衝撃的どした。世界で一番苛酷な巡礼?
殿様の祖父母さまの話し。
ホント映画で観たいですね。
日本の映画の歴史も分かるような、
ステキな映画になりそうです。
韓国のカップルも素敵ですね。
長い間には、山あり、谷あり、川あり、
だったんでしょうが、人生の最後で
こうして二人で過ごせるのは最高。
ましてドキュメンタリーの主人公に
なれるなんて。
次回待っています。
うちの祖父母はほんとうにすごいです。
映画の前に、私は活弁を是非一度聞いてみたい。
鶯谷に無声映画の劇場があるという話を聞いたことがあるんですが。
韓国の老夫婦も素晴らしい!
こんなにお互いを大事に思いあえるなんて本当にできるんだろうか・・・