ブルーム・オブ・イエスタデイ -1- Die Blumen von Gestern
ブルーム・オブ・イエスタデイ
-1-
Die Blumen von Gestern
(C)2016 Dor Film-West Produktionsgesellschaft mbH / FOUR MINUTES Filmproduktion GmbH /
Dor Filmproduktion GmbH
これまで多くのナチス映画が作られてきました。
先の戦争では何百万人ものユダヤ人が理不尽に殺されました。
その何百万人もの人々に
それぞれの名前があり、それぞれの人生がありました。
係累もいました。
彼らには顔を見ることもできなかった
孫や子孫もいる筈です。
戦後72年経ちました。
そして、
その孫たちが主人公になる映画ができました。
一人はナチスの戦犯を祖父に持ち、
その罪と向き合うために
ホロコーストの研究に人生を捧げています。
もう一人はナチスに殺された祖母を持ち、
その無念を晴らそうと
ホロコースト研究に邁進しています。
その二人は
真逆の立場ながら
同じ目標のためにアウシュヴィッツ会議を
企画することになりました。
真面目だけど、頑固でキレやすく、人付き合いが下手なトト。
フランスからやってきた若い女の子ザジ。
ま、どこにでもいる今どきの男女です。
そう、
本作はナチス映画というより
ボーイ・ミーツ・ガールもの。
こんなのあり?
とまあ、観る方もまだまだナチスものには構えがあるので、
本作を観るとかなりビックリしてしまいます。
でも、ヨーロッパには
ホロコーストの犠牲者の子孫は多いし、
加害者側の子孫も多い筈です。
それを敢えて深刻な顔つきをしていない映画に
作り上げたのはかなり珍しいと思います。
そんな映画を作った監督は
自身も主人公トトと同じ過去を持っていました。
自分の祖父とその兄、つまり大伯父が
ホロコーストの加害者でした。
その監督はクリス・クラウス。
脚本も書いています。
自らの家族の暗い過去を知って
大ショックを受けた監督はヨーロッパ各地にある
記念館や施設を訪ね歩き、
ホロコーストの調査を重ねたそうです。
そこで彼が目にしたのは
加害者と被害者の孫世代にあたる人々が
歴史をジョークに談笑する姿。
更には恋まで生まれているという事実。
で、本作を思いついたというのですが。
ふーん、そんなものなのでしょうかねぇ。
クリス・クラウス監督
1963年、ドイツ・ゲッティンゲン生まれ。
フォルカー・シュレンドルフ、ローサ・フォン・ブラウンハイム等
有名な監督たちの脚本を書くことからキャリアをスタート。
2002年『Shatterd Glass』で監督デビュー。
バイエルン映画賞等数々の賞を受け、注目を浴びる。
2006年『4分間のピアニスト』では
年老いたピアノ教師と
天性の才能を持ちながら刑務所に囚われた若い女性の交流と
葛藤を描き、ドイツ映画賞作品賞、60を超える国内外の賞を受賞。
日本でもヒットした。
2010年には3作目『The Poll Diaries』を発表。
ドイツ映画賞4部門、バイエルン映画賞3部門など
ヨーロッパ中の映画賞など多くの賞を受ける。
2014年にはホーフ国際映画祭から生涯功績賞を授与される。
『4分間のピアニスト』
印象的な映画でしたね。
さあ、一体どんなお話でしょうか。
日本にも同じように不幸な歴史がありましたので、
「やれやれ、ドイツ人の考えることといったら・・・」
とは一概にいえないかもしれません。
続
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☆9月26日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆
ブルーム・オブ・イエスタデイ
監督・脚本/クリス・クラウス、プロデューサー/ダニ・クラウス、カトリン・レンメ、クリス・クラウス、ゲルト・フーバー、クルト・シュトッカー
撮影/ソニア・ロム
出演
ラース・アイディンガー/トト・ブルーメン、アデル・エネル/ザジ・ランドー、ヤン・ヨーゼフ・リーファース/バルタザール・”バルティ“・トーマス、ハンナー・
9月30日(土)よりBunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー
2016年、ドイツ・オーストリア、ドイツ語・フランス語・英語、カラー、126分、字幕/吉川美奈子、配給/キノフィルムズ・木下グループ
http://bloom-of-yesterday.com/