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殿様の試写室

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問いかける焦土 Lektionen in Finsternis


問いかける焦土
Lektionen in Finsternis

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湾岸戦争の時、
クェートで発生した
砂漠の油井が黒煙を上げて燃え上がっていた映像を
覚えておいででしょうか。

もう今から26年も前のことです。
真っ黒な煙を真っ赤な炎が
つき上げ、噴き上げるニュース映像に
地獄とはこういうものかと
絶望的な気持ちになったのを
今も覚えています。

鬼才ヴェルナー・ヘルツォーク監督が
1991年の湾岸戦争により発生した
大規模な油田火災の消火活動を中心に
燃え続ける火炎に挑む作業員、
破壊された国土、
虚脱した女性や子供、
戦争が残した傷跡・・・
を撮影しました。

そうした凄まじい状況を
ヘルツォーク自身のわずかなナレーション以上に
ワーグナーやマーラーの重々しい音楽が
描き出しています。

ヴェルナー・ヘルツォーク監督
1942年9月5日ドイツ生まれ。
父親はフリーターで電話も知らずに10代半ばまで過ごす。
1962年“Herakles”で映画の道に入る。
初長編作『生の証明』(’68)で
ベルリン国際映画祭新人監督賞、
『カスパー・ハウザーの謎』(’74)で
カンヌ国際映画祭審査員グランプリ、
『フィッツカラルド』(’82)で
同映画祭監督賞、
『彼方へ』(’91)で
ヴェネチア国際映画祭金のオゼッラ賞、
『グリズリーマン』(’05)で
NY映画批評家協会賞など受賞歴多数。
最新作はニコール・キッドマン主演
『アラビアの女王 愛と宿命の日々』(’15)。
オペラの演出も手掛けるなど、
旺盛な創作活動を続ける巨匠である。

本作は
完成直後の1993年2月ベルリン国際映画祭で
上映された時、
賛否両論が湧き上がったとのことですが、
その後、
同年のトロント国際映画祭を皮切りに
映画祭上映やTV放映などが20年以上も続いています。
日本でも1992年NHKで短縮版が放映されました。
しかし、完全版は2000年に
ドイツ文化センターで開催された
〈ヘルツォーク特集〉のプログラムとして
1回上映されたのみ。
今回が完全版による劇場初公開です。
見逃すわけにはいきませんね。

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92年9月NHK教育テレビ「プライム10」
「湾岸戦争・ある映像作家の記録」で放映された時は
本編の半分の長さの映像に
ヘルツォークのインタビューを入れ、
NHKで付け足した解説テロップを加えた
44分の短縮版でした。

湾岸戦争
1990年8月2日、イラクによるクウェート侵攻をきっかけとした国際紛争。
イラクの指導者、サダム・フセインはクウェートへ侵攻し、占領。
明らかに同国の大規模な埋蔵石油資源を獲得することが目的であった。
8月3日、国連安全保障理事会はイラクにクウェートからの撤退を要求。
さらに6日、イラクに対する世界規模の貿易禁輸措置を課した。
国際連合による撤兵決議に
応じなかったため、
国際連合の決議によって編制された米国を中心とする多国籍軍が、
1991年1月イラクに対して攻撃を開始。
2月末までにクウェート全土を解放した。

映画のジャンルはドキュメンタリーですが、
彼は何を記録しているのでしょう。
多国籍軍が使用したピンポイント爆弾でしょうか。
ハイテクを駆使した爆撃の様子でしょうか。

54分という短尺の映画ながら
いくつもの章が立てられ、
絶望的に燃え盛る紅蓮の炎と空を覆う黒煙
真っ黒になって放水し続ける消化会社の作業員
砂漠に溢れる黒い石油
爆弾の落ちたあとの巨大な穴・・・

戦闘風景などどこにもありません。
観客を無気力にさせる果てしない破壊。
黙示録の世界を破壊しつくされた砂漠に見ました。

ヴェルディのレクイエムが荘重に流れます。





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問いかける焦土
監督・脚本・ナレーション/ヴェルナー・ヘルツォーク、撮影/ポール・べリフ、ライナー・クラウスマン、編集/ライナー・シュタンケ、使用音楽/ワーグナー、グリーク、プロコフィエフ、ヴェルディ、シューベルト、マーラー、製作/ルッキー・シュティペティク、製作総指揮/ポール・べリフ、製作会社/ヴェルナー・ヘルツォーク フィルムプロダクション
10月7日(土)~27日(金)K’s cinemaにて開催のヘルツォーク特集2017〈誕生!ヘルツォーク〉内にて
上映予定作品
『小人の饗宴』『アギーレ/神の怒り』『カスパー・ハウザーの謎』『ヴォイチェック』『シュトロツェクの不思議な旅』『ノスフェラトゥ』『フィツカラルド』『コブラ・ヴェルデ 緑の蛇』『問いかける焦土』『金スキー、我が最愛の敵』
1992年、仏・英・独、カラー、54分、日本版字幕/松岡葉子、配給/パンドラ

by Mtonosama | 2017-10-05 06:14 | 映画 | Comments(2)
Commented by ライスケーキ at 2017-10-05 16:49 x
今日はシネコヤで「シンプルシモン」見て来ました。
優しいお兄ちゃんが良かった。

ヘルツォーク監督作品のコメントじゃなくて、
スイマセン。

でも、最近は戦火の映画より、
優しい ホッコリする映画が観たいです。
秋が深まったからかな…。

日本がー
Commented by Mtonosama at 2017-10-06 06:23
♪ライスケーキさん

あ、いいな。今月はまだシネコヤへ行けてません。

話は変わるけどノーベル文学賞カズオ・イシグロでしたね。
日本に起源を持ち、海外に在住する作家には思わぬ視点があって「いいなあ、すごいなあ」と
思わせてもらうことが多いです♪

あ、私もヘルツォーク監督から外れてしまった。