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殿様の試写室

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ゲッベルスと私 -1- A German Life

ゲッベルスと私

-1-

A German Life


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(C)2016 BLACKBOX FILM &MEDIENPRODUKTION GMBH



ユダヤ人大量虐殺を証言した

ナチス体制下の人間。

彼らを描いた映画は

これまでにいくつも作られてきました。


『ハンナ・アーレント』(’12)では

https://mtonosama.exblog.jp/20634449/

https://mtonosama.exblog.jp/20659388/

ニュルンベルグ裁判での

アイヒマンの表情と証言に驚かされました。


『ヒトラー~最期の12日間~』(’04)

ヒトラーの秘書トラウドゥル・ユンゲの

証言と回想録「私はヒトラーの秘書だった」が

基になっています。


『ハンナ・アーレント』で

「命令されたことを実行しただけ」と

無表情な顔で

証言するアイヒマンに怒りを感じました。


命ぜられるままに行動した……?

哲学者ハンナ・アーレントは

アイヒマンのこの言い草を

「凡庸な悪」と言っています。


本作は

1942年から終戦までの3年間

ナチスの宣伝大臣ゲッベルスの秘書として

働いたブルンヒルデ・ポムゼル103歳が

終戦から69年の沈黙を破って

当時を語ったドキュメンタリー映画。


彼女の30時間に及ぶ独白インタビューと

当時のアーカイブ映像で構成された

113分の作品です。


これらアーカイブ映像は

第二次世界大戦中に製作された

ニュース、教育、プロパガンダ映像で

世界各国の主張や立場を

明確にする貴重な歴史的資料であり、

作品性の高い記録映像でもあります。


それらは

アメリカ合衆国ホロコースト記念博物館に

所蔵される

スティーヴン・スピルバーグ・フィルム&

ビデオ・アーカイブ・コレクションから

入手された未公開でオリジナルな状態の

アーカイブ映像です。


ブルンヒルデ・ポムゼル。

彼女がゲッベルスの秘書に

なったのはその政治的な主張に

よるものではありません。


ポムゼルは政治には無関心な

普通の女子でした。

22歳の時に知人のつてで

国営放送局に入局し、

やがてベルリンの中央官庁

国民啓蒙宣伝省の大臣官房秘書室に

勤務するようになったのは成り行き

といっていいでしょう。


成り行き・・・

便利な言葉ではあります。


本作の前半では

その経緯が103歳になった

本人の回想として語られています。


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ブルンヒルデ・ポムゼル

1911111日ベルリン生まれ。

1942年から45年まで

ゲッベルスの秘書として働く。

1945年第二次世界大戦終戦後

ソ連軍に捕らえられ、

5年間強制収容所を

転々としながら抑留される。

1950年に解放された後は

ARD(ドイツ公共放送連盟)

1971年の定年退職まで働く。

2017127

ミュンヘンの老人ホームで死去。

享年106歳。


ヨーゼフ・ゲッベルス

18971029日生まれ。

国民社会主義ドイツ労働者党(ナチス)

国民啓蒙・宣伝大臣として

プロパガンダを管轄し、

大衆をナチス支持へと煽動。

194551日第二次世界大戦終戦間際

ヒトラーの後を追って

総統地下壕で家族と共に自殺。


深い皴が刻まれた顔を

折々苦悩に歪めながら

明瞭な発声で当時のことを語る

ポムゼルの話に

ついつい

頷きながら聴き入ってしまいました。


さあ、いったい彼女は何を話すのでしょうか。

そして、

終戦から73年経とうとしている今

私たちは何を感じるのでしょうか。


続きは次回まで乞うご期待でございます。



ゲッベルスと私

監督/クリスティアン・クレーネス、フロリアン・ヴァイゲンザマー、オーラフ・S・ミュラー、ローラント・シュロットホーファー
出演
ブルンヒルデ・ポンゼル、ヨーゼフ・ゲッベルス、ウルフ・ブライ、クルト・フローヴァイン、フーゴ・ゴルトベルク博士、ハンス・フリッチェ、白いバラ
616日(土)より岩波ホール他全国順次ロードショー
2016年、オーストリア映画、113分、ドイツ語、日本語字幕/吉川美奈子、ハイビジョン、モノクロ、撮影ロケーション:ドイツ、製作期間:2013-2016、配給/サニーフィルム


by Mtonosama | 2018-05-03 05:43 | 映画 | Comments(2)
Commented by ライスケーキ at 2018-05-05 20:17 x
ゲッペルスの秘書。

ナチスと共に、
ナチスとして行動し、
ナチスを
内側から見ていたのですね。

興味あります。
次回 期待してます。

GW どこもすごい人出。
こうしてGWを楽しめる幸せ。
大切にしなくちや って
思います。
Commented by Mtonosama at 2018-05-06 06:13
♪ライスケーキさん

ヨーロッパも日本もきな臭いような、危険な予兆も感じられるこの頃、
こういう作品は「あの頃はひどかったけど、私たちはちゃんとするからね」という現代人の
傲慢ともいえる無防備さに警鐘を鳴らすものといえます。あの時代に生きた103歳の言葉の重みをじっくり考えないといけないと思います。