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殿様の試写室

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ガザの美容室 -2- Dégradé

ガザの美容室

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Dégradé


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戦争の話は嫌だなってお思いですよね。

管理人もそうです。


そして、

双子の監督もそのようです。


「僕らは戦争よりも暮らしを描くことが

大切だと信じている。

パレスチナの女性は虐げられているかのように

外の世界は何も知らないかのように

思われ、描かれている。

だけど彼女たちは戦争中だって

常に人生を選択している。

僕らはそんな人々の暮らしを

映画にしたかったんだ。

死ではなく人生を描きたい。

ガザ侵攻で人々が殺されている時に

僕らが負った責務は

彼らの人生を語ることだった」


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ストーリー


ガザ。

クリスティンの美容室は満員だ。

彼女はロシアからの移民。

ロシアで会ったパレスティナ人男性との

結婚を機にガザへやってきて美容室を開いた。


美容室のアシスタントのウィダドは

恋人のアハマドとの関係に悩んでいる。

彼はマフィアの一員。

ドラッグや武器を売りさばき、

数日前、動物園のライオンを盗んできたことで

ハマスからマークされている。


夫の浮気が原因で離婚調停中の

エフティカールは弁護士と会うため

身繕い中だ。


今夜、結婚式を迎えるサルマは

実母と義母との関係に悩んでいる。


付き添っているサルマの母は喘息持ちだが、

エルサレムの病院に行くための通行許可を

何度申請してもイスラエルに拒否されたまま。


臨月の妊婦ファティマは

出産前にきれいになろうと

妹と共にやってきた。


戦争で負傷した夫を持つサフィアは

夫に処方された薬物を常用する中毒患者だ。


敬虔なイスラム教徒ゼイナブは

これまで一度も髪を切ったことはなく

女しかいない美容室でも

決してヒジャブを取らない。


離婚経験のあるソーサンは

かつて妻より祈りの方が大事という男と

結婚していたと話す。


皆それぞれに事情を抱えた女たちである。


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突然、美容室が停電。

ガザでは電気の供給が不安定なので

予備の電源は小さな発電機のみ。

それすら国境封鎖のため

ガソリンが届かず、充分に機能しない。

暑い美容室の中は扇風機も回せない。


外には上空を飛ぶドローンの音と

不穏なざわめきが続いている。


苛立ち、不安を隠せない女たち。

陣痛が始まった妊婦のために

タクシーを呼んだその時

銃撃が始まった。

マフィア殲滅のため、

ハマスが攻撃を開始したのだ。



周りの道路は封鎖され、

女たちは美容室から出ることができない。

結婚式に間に合わない花嫁に

せめてドレスだけでも着付けする。


極度の緊張状態の中

美容室の中ではいさかいが起きる。

クリスティンは叫ぶ。

「私たちが争ったら、

外の男たちと同じじゃない!」……


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原題の“Dégradé”はフランス語で「退廃」

また、その名をつけたヘアスタイルを

意味するそうです。


美容室というからどこか

ゆったりした癒しの場を

連想してしまいました。


美容院といえば

ゆったり過ごし、肩まで揉んでもらえる

安らぎの空間でしかなかったのですけど。


銃撃戦が展開される中、

悲鳴を上げるでもなく、興奮するでもなく

嵐が過ぎ去るのを待つかのような

彼女たちの姿に

ガザが置かれた状況を見ました。


どんなに悲惨な状態でも

生活を続けていかなくてはならない・・・


このことは救いなのでしょうか。

それとも諦めなのでしょうか。




ガザの美容室

監督/タルザン&アラブ・ナサール、撮影/エリック・デヴィン、編集/ソフィー・レンヌ、アイアス・サルマン、音楽/バハ―・オトマン、サウンドトラック/ベンジャミン・グロスピロン

出演

ヒアム・アッバス/エフィティカール、マイサ・アブドゥ・エルハディ/ウィダド、マナル・アワド/サフィア、ダイナ・シバー/サルマ、ミルナ・サカラ/ゼイナブ、ヴィクトリア・バリツカ/クリスティン、レーム・タルハミ/ワファ、フダ・イマム/サメーハ、ラネム・アル・ダオウド/マリアム、サミラ・アル・アシーラ/ファティマ、ラヤ・アル・カハテブ/ルバ、ウェダッド・アル・ナサル/ソーサン、ネリー・アボウ・シャラフ/ナタリー、タルザン・ナサール/アハメド

623日(土)新宿シネマカリテ、渋谷アップリンク他全国順次公開

2015年、パレスティナ、フランス、カタール、84分、配給/アップリンク

http://www.uplink.co.jp/gaza/


by Mtonosama | 2018-06-13 06:30 | 映画 | Comments(6)
Commented by hamakorian at 2018-06-13 15:52
うわー、戦闘以外にも、みなさんそれぞれ悩みや課題を
かかえているのですね。
悩みや課題は、どの社会でもある人はあるから、同じ。
そこに戦闘という恐怖が加わるからもう滅茶滅茶大変ですね。

それでも生きていく。。。そこが私たち庶民ですよね。
もし私がそういう社会に生まれ合わせたら。。。
やっぱり、同じように生きてるかも。
救いか諦めかは、考えないと思います。
何があろうと生きていく。
人間ですもの。
Commented by Mtonosama at 2018-06-13 20:28
♪hamakorianさん

なんかね、本作は戦争のことより、生活を描いているといった感じです。戦争のある生活というか戦争のある日常というか・・・

そうなんですよね。何が起ころうとまずは生きていかなくちゃなりませんもの。
でも、やっぱり戦争はないにこしたことはありません。
映画の中で「男が政治をしているから、こういうことになるの。私たちが政治をすればいいのよ」と言っていましたが、そうかもしれませんね。
Commented by ライスケーキ at 2018-06-14 20:29 x
女性が政治を担えば、
「争い」より「平和」を選ぶ
可能性が高いでしょう。

命を育む女性に「争い」は
似合いませんから。

でも、アマゾネスなんて女性も
いらっしゃいましたね。
Commented by Mtonosama at 2018-06-15 08:52
♪ライスケーキさん

ギリシア時代の昔から「女の平和」なんて本も書かれていますものね。
ま、ちょっとエッチな話だそうですが(^-^;

Commented by すっとこ at 2018-06-16 07:57 x
うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!

「戦争の中に 日常がある」
のではなく
「日常の中に 戦争がある」
のですね。

これって
「《2人の愛が終わった》、のではない。
《愛が2人を終わった》のだ」

と同じ感覚? うーーーーーーーーーーむ❣️
Commented by Mtonosama at 2018-06-16 16:37
♪すっとこさん

どんなに悲しくてもお腹はすくし、
泣きながらでもお米を研いで
日常を維持しなくてはでもいけないんですよね。

日常の中に戦争があり、戦争の中に日常がある・・・
生きるってことはホントに大変だよなぁ。