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殿様の試写室

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殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

人間機械 -1- MACHINE

人間機械

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MACHINES


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(C)2016 JANN PICTURES, PALLAS FILM, IV FILMS LTD


先日、朝日新聞に

「捨てられる新品の服『年10億点』」

という見出しが躍っていました。

大手通販業者や若者に人気のブランドの

商品などの新品が売れ残り、

倉庫に山積みになっているのだそうです。

大阪市の在庫処分業者の倉庫には

売れ残った、少しほつれていた、等

理由は様々ながら、

一度も売り場に並ばなかった服さえ

アパレル業者や工場等から

年間500万点が持ち込まれ、

これらは定価の1718%で売られます。


安くても売れていくならまだいいのですが、

銀座に出店する有名ブランドなどは

売れ残りの商品をすべて破砕して焼却するよう

依頼し、1点ずつの証拠写真も

求めるのだそうです。

(朝日新聞7/3付け朝刊より)


エーッ!

あの数万円以上の洋服が

誰も手を通してないのに切り刻まれ、

燃やされてしまうのですか?

エーッ!


というショックも消えない74日に観たのが

本作『人間機械』でした。


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スクリーンに映し出される巨大な工場。

薄暗い工場内を更に薄暗くする

濛々とした蒸気。

そして膨大な量の布。


インド北西部グジャラート州にある

巨大な繊維工場がこの作品の舞台です。


インドは、衣料品用の天然繊維・化学繊維ともに

世界第2位の繊維大国で、

繊維アパレル産業は

10%を占める基幹産業のひとつです。

2016年の統計によると

繊維アパレル産業の雇用者数は

直接雇用で約4500万人

間接雇用で約1億人とのこと。


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綿花の発祥の地であるインドは

植民地時代に綿花の栽培と綿花・綿糸の

製造が産業として定着しました。


独立後のインドでは

手工業や小規模産業を保護するため、

近代的大規模工場が規制されたので、

多くの中小企業が繊維産業を担っています。

ただ、近年、成長著しいアパレル産業では

大企業の進出が認められ、

ポリエステルの糸・繊維製品の製造も盛んで

本作に登場するのもそんな工場です。


そうした工場で働くのは

出稼ぎ労働者。

家族を故郷に置いて働きに来ている人々です。

そして、子ども達。

一日12時間に及ぶ苛酷な労働。

それは子どもの働き手も同様です。


今インドは凄まじい経済成長を遂げています。

英語人口が多いだけ、ビジネス面でも

労働力の面でも中国を凌駕するのではないか、

という話も聞いたことがあります。


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しかし、

映画の舞台である繊維工場に

入ったカメラがとらえるのは

そんなきれいごととは程遠い世界。

古くて不潔で薄暗い工場では

紡績機や製織機の立てる轟音の中で

子どもを含む多くの労働者が働いています。


監督はニューデリー出身の

ラーフル・ジャイン。

本作がデビュー作です。


さあ、一体どんな作品でしょうか。

続きは次回まで乞うご期待でございます。



人間機械

監督・脚本/ラーフル・ジャイン、撮影/ロドリゴ・トレホ・ヴィラヌエバ、製作/ラーフル・ジャイン、タナシス・カラサノス、イッカ・ヴェファカラハティ

7月21日(土)渋谷ユーロスペース他にて全国順次ロードショー

2016年、インド・ドイツ・フィンランド、カラー、71分、日本語字幕/岡崎真紀子、配給/株式会社アイ・ヴィー・シー



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by Mtonosama | 2018-07-07 06:10 | 映画 | Comments(8)
Commented by すっとこ at 2018-07-07 09:54 x
うっわーーーーーーーーーーーーーん!

安い衣料品は 絶対に安い労働力に
よって 成り立っていますよね!

まだまだ成長期の子供が 1日12時間
働いて くたくたになる毎日。

日本にもかつて女工哀史などありま
したね。 過酷な労働環境にあったけど
普通のサラリーマンより遥かに多い収入
を得たり 夜学に行かせて貰えたり、の
子供達も居た、というのを読んだことが
あります。

このインドの工場の子供達には そういう
事はないのだろうなあ、と本篇前から
ちょっと暗い気持ちです❣️
Commented by Mtonosama at 2018-07-07 14:05
♪すっとこさん

機械はブンブン唸っているし、工場の管理者は差別意識丸出し。12時間労働の子どもは眠くてたまらず、作業しながら舟を漕いでました。150歳は「危ないよ、巻き込まれちゃうよ」と声をかけながらスクリーンに見入ってしまいました。
監督が撮影するのに3ヶ月間、機械が唸る工場にいたそうなんだけど、聴力がマヒしたそうです。その後2年間は大きな音の音楽は聴けなかったんだって。

世界には矛盾が満ちておるなあ。
Commented by ライスケーキ at 2018-07-07 17:49 x
私も朝日の記事読みました。
「えーっ! 安くして売れば良いのに。」
と、思いましたが、
そうすると 値崩れしちゃうんでしょうね。
それにしても、もったいない。

その影で、機械のように働いている人がいる…。
どうにか ならないのか、と
思うだけで、辛いです。
Commented by Mtonosama at 2018-07-08 06:30
♪ライスケーキさん

いま、「あれ、まだライスケーキさんで良かったかな?」と思ってしまいました。蒸し暑いですね。

そうですよね。マックス・マー〇とか〇バンシーとか300円で売ってたら、「なんだよ、そんなに儲けてたの?」と思っちゃいますもんね。夢を売る商売とはいえ、もったいなさすぎます。

日本で働くアジアの人たちもめちゃくちゃな低賃金でアパレル産業の下請け業務してますよね。TVで見ました。
インドも「まずは労働組合を」と映画の中でも言っていましたが、それも難しそうでした。

映画が美しいことが救いです。
Commented by びなちゃん at 2018-07-09 15:10 x
先日は暖かいお言葉、皆さんありがとうございました。
亡くなった猫を思い、ガッツリと悲しみながらも、生きている猫達を可愛がるのが供養ですね。

"誰がアパレルを殺すのか"という去年刊行された本があります。
何故、安く販売されるのか、そして製造する人達、国々について、などなど。
近年は、着ないでタンスの肥やしになっているものを断捨離、なるべく寄付しています。その送付先が製造された国へだったりする矛盾を感じます。
みんな何もかもエンドレスな世界ですね。でも、そういう世界を、知らないのと知っているのとは大違いですよね。
少しでも良くなる手だてを考える一端ですね。
Commented by hamakorian at 2018-07-09 16:36
インドではそういうことが起きてるのですか。
産業が急速に発達するとき、どこかで、日の当たらない労働を
する階層ができてしまうのですね。
子供の12時間労働は過酷ですが
日本のサラリーマンは通勤時間も含めれば12時間労働少なくないですよね?
若者も正規雇用でなく身分不安定で低収入。。で働かされている実態がありますよね。
過労死、は日本から出たコトバですし。
社会で動いている大量のお金は、いったいどこへ収まってしまうのでしょう??
インドの現実は他人ごとではないような気がします。

こんな矛盾の多い社会を、どうしたら良くすることができるのでしょう。
映画を見てそうした事柄を、改めて考えてみるもの
大事と思います。
Commented by Mtonosama at 2018-07-09 18:55
♪びなちゃんさん

そうですね。まだお世話している猫さんたちがいますものね。
でも、辛いなあ。

何もかもエンドレスな世界・・・
150歳になると物欲も消え、新しい服はまったく買わなくなりました。でも、世界は買われることを前提にして回っています。だから、現金収入のない人々はとりあえず出稼ぎ労働者として出てくるんですよね。
買え、買えといわれてもそうそう買えないし。
どうすりゃいいんでしょうね。
Commented by Mtonosama at 2018-07-09 18:58
♪hamakorianさん

貧困がいかに残虐かということを身に染みて感じさせられる映画です。インドは貧富の差やカーストや、他方では数学がすごかったり、いろいろな側面を持った国ですよね。