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殿様の試写室

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悲しみに、こんにちは -2- Summer 1993

悲しみに、こんにちは

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Summer 1993


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(C)2015, SUMMER 1993


ストーリー

1993年夏。

フリダはバルセロナの家で

大人たちが荷造りしている様子を

じっと見つめていた。


両親を亡くし、

独りぼっちになった彼女は

カタルーニャの田舎町へ引っ越し、

母の弟夫婦の許へ

ひきとられることになったのだ。

叔父と叔母、幼い従妹のアナは

フリダを家族の一員として

優しく迎え入れる。


だが、彼女は友達もたくさんいた

バルセロナが懐かしくてならない。

時折会いに来てくれる

祖父母たちの顔を見ると

一緒に帰りたくなるし、

母もいつか

迎えにくるような気がする。


叔父叔母が両親になり、

従妹のアナが妹になることは

そんなに簡単にはいかないようだ……


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映画はフリダが段ボールの積みあがる様子を

ぼんやりと眺め、

夜空を花火が彩る夜、

友達や祖父母に手を振る中、

叔父の運転する車に乗せられ

バルセロナを後にする様子から始まります。


フリダ自身も何が自分の身に起こっているか

わからないだろうし、

観客もまたどうしてこんなことに

なっているのかよくわからず

共にうろたえます。


叔父の家は山に囲まれた田舎町。

叔父も叔母も優しいし、

従妹のアナはフリダの後をついて歩く

可愛い子です。


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でも、村の人は

フリダが転んでケガをすると

自分の子を近づかせないようにするし、

叔母は嫌がる彼女を

血液検査に連れていきます。

「バルセロナでもやったのよ」と

フリーダは病院行きを拒みます。

でも、幸いなことに

以後、行く必要はなくなるのですが。


1993

もう四半世紀も昔です。

94年に治療薬が出るまでは

この病気は死の病でした。

キース・へリングもフレディ・マーキュリーも

ロック・ハドソンも

この病気で亡くなりました。


フリダの両親も新薬開発に

間に合わず亡くなりました。


世界中で大勢亡くなりましたが、

90年代初頭、

スペインでは21,000人が亡くなります。

スペインはヨーロッパでエイズ発症率が

一番高い国でした。


当時、スペインは長きにわたった

フランコ独裁政権が終り、

人々が自由を謳歌していた頃。


突然訪れた自由と解放感は

ドラッグを蔓延させることになり、

これがHIV感染の増加を引き起こしたのでした。


日本でもパニックじみた報道が

されていたことを覚えています。


治療薬ができたのは1994年。

フリダの両親は後一歩のところで

間に合いませんでした。


映画の中でも

神経質なまでに

この病気を恐れる人達が描かれています。


監督が生まれた1986年は

母子感染が30%にも上りました。

フリダが何度も血液検査を受けさせられたのは

そのせいだったのですね。


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第二の黒死病のようなものだったのでしょう。


とはいえ、フリダにはそんなことはわかりません。

いやがおうでも

新しい生活に馴染むしかありません。

叔父さんをパパと呼び、

叔母さんをママと呼び、

従妹のアナを妹と呼ぶ生活です。


「叔父さんたちはやっぱり

アナの方が可愛いんだろうな」


「マリアさまにお願いすれば

ママが迎えに来てくれるかな」


幼い頭で一生懸命新しい生活を

生きようとするフリダと

重い責任を負いつつも彼女を娘にしていく

若い叔父夫婦。


穏やかなカタルーニャの自然を背景にした

家族の物語です。



悲しみに、こんにちは

脚本・監督/カルラ・シモン、製作/バレリー・デルピエール、撮影/サンディアゴ・ラカ

出演

ライラ・アルティガス、パウラ・ロブレス、ブルーナ・クッシ、ダビド・ヴェルダグエル、フェルミ・レイザック

721日(土)、渋谷ユーロスペースほか全国順次公開

2017年、スペイン、カタルーニャ語、96分、日本語字幕/手束紀子、配給/太秦

http://kana-shimi.com/


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by Mtonosama | 2018-07-16 06:23 | 映画 | Comments(2)
Commented by すっとこ at 2018-07-16 21:26 x
えええええええええええええええええええ!

AIDS!エイズのお話で これが自叙伝
なのですか!

エイズで亡くなった両親の子。
それが監督自身?

日本でも第1号が神戸で見つかって
センセーショナルに報道され
実はじわじわ罹患数が増えている
らしいのに

それからぱったり忘れ去られたように
報道されなくなり
まるでもう病気が終息してしまったか
のような様相ですが

どうなんでしょう?

ああ それにしても暑い!!ですのう。
Commented by Mtonosama at 2018-07-17 05:51
♪すっとこさん

この病気が日本で紹介された時、大騒動で私も世の中が終ったような気分になりました。エイズの治療薬開発は映画にもなるほどでしたが、今は薬でコントロールできるようになったのでしょうか。待てば海路の日和ありっていうか、どんな重病でも新薬や治療法ができるのだから、病気を抱える人やその家族も希望を持って頑張らねば・・・って。そういう映画じゃないんですけどね(^-^;
フリダを迎える叔父さん夫婦の奮闘がすばらしい!なかでも叔母さんは自分とは血のつながりもないのに、幼い娘と同じように扱い、近所の住人が無意識に示す病気への偏見とも闘い、えらいな、すごいな、と思いましたわ。
フランコ亡き後のスペインの解放感というのも「なるほど!」と膝を打ったのでした。