家(うち)へ帰ろう -1- The Last Suit
家へ帰ろう
-1-
(C)2016 HERNANDEZ y FERNANDEZProducciones cinematograficas S.L., TORNASOL FILMS, S.A RESCATE PRODUCCIONESA.I.E., ZAMPA AUDIOVISUAL, S.L., HADDOCK FILMS, PATAGONIK FILM GROUP S.A.
なんと、なんと
88歳のおじいさんが
アルゼンチンから地球の裏側
ポーランドへ旅をするロードムービーです。
ロードムービーはヤングの専売特許と
思っていた皆さん、
どうぞお考えをお改めくださいね。
あ、そういえば以前
当試写室で100歳のおじいさんが
老人ホームから逃げ出して旅をするなんて
映画を上映しましたっけ。
人生百年時代ですから、
おじいさんもおばあさんも
案外元気なんです。
さあ、こちらの元気じいさんは
アルゼンチンに暮らす88歳の仕立屋さん
アブラハム。
おや、アブラハム?
ユダヤ人の名前ですよね。
ユダヤ人がなぜにアルゼンチンに?
このアブラハムじいさん、
仕立屋さんだけあってなかなかお洒落です。
そして、あることを心に誓っています。
その誓いを果たすため、
彼は自分を施設に入居させようとする
家族から逃げ出し、スペイン、フランスを経て
ポーランドへ向かう旅に出発するのです。
なぜ、ポーランドへ行くかというと
第二次世界大戦中、
収容所から命からがら逃げだしてきた
彼を匿い、命を救ってくれた親友に
自分が仕立てたスーツを渡したかったから。
そう、それが心に誓ったことでした。
とはいえ、戦争が終ってから70数年。
その間、音信不通の
親友が生きているかどうかも
わかりません。
それにアブラハムは
「ポーランド」という言葉も
「ドイツ」という言葉も
一切口に出したくないでのです。
多分あの頃のトラウマなのでしょう。
でも、それで目的地へ行きつくことが
できるのでしょうか。
その上、足だって不自由だというのに。
それなのに付き添いもなく
一人で行くっていうんですから。
監督・脚本はパブロ・ソラルス。
1969年12月9日生まれの49歳。
本作が長編映画監督の2本目です。
この監督さん
初めて「ポーランド」という言葉を
聞いたのは6歳の時でした。
なぜかというと
父方の祖父の家ではその言葉は
禁句だったからです。
誰かがその言葉を口に出すと
家中の空気が凍りついたんですって。
疑問に思って父親に
「ポーランドってどういう意味?」と
訊きました。
何度も何度もしつこく訊ねる内に
ポーランドはアルゼンチンと同じく
国の名前であり、
祖父はポーランドに生まれながら
ユダヤ人であったがために
その国を離れなければならなかったことや
ひどい目にあったことなどが
分かってきました。
そして、戦時中に
ポーランドのユダヤ人が受けた迫害のことも
理解しました。
そうなんですね。
地球の裏側へのロードムービーで
あるだけでなく、
70数年前へのタイムトラベルともいえる
映画だったんです。
そして自身ユダヤ人である監督の
体験談でもありました。
つい、おじいさんの軽妙な会話や
女性あしらいの上手さに
目を奪われてしまいますが、
未だに自分の中に悪夢のような時代を抱える
おじいさんをそれでも楽しく描いた
感動的な映画です。
アブラハムおじいさんも
監督もなかなかやるものです。
さあ、アブラハムおじいさん、
一体どんな冒険をするのでしょう。
続きは次回まで乞うご期待でございますよ。
続
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家へ帰ろう
監督・脚本/パブロ・ソラルス、撮影/ファン・カルロス・ゴメス、音楽/フェデリコ・フシド
出演
ミゲル・アンヘラ・ソラ/ブルスティン・アブラハム、アンヘラ・モリーナ/女主人・ゴンザレス、オルガ・ポラズ/看護師・ゴーシャ、ユリア・ベアホルト/文化人類学者・イングリッド、マルティン・ピロヤンスキー/機内の青年・レオナルド
12月22日(土)シネスイッチ銀座他にて全国順次公開
2017年、アルゼンチン・スペイン、スペイン語、カラー、93分、配給/彩プロ
と 先に感心しちゃったけど
【ポチクリ】は忘れてませんよ!
さて。
アブラハム爺さんは80歳?
改めて
ほおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
爺様大好物の自分は
次回ストーリー紹介が楽しみなり❣️
ウチの父は99歳まで生きましたが、90歳くらいまでは一人であちこち行ってました。勤めていた会社の社会人野球が強くてその試合の応援に東京へ行ったかと思うと次は福岡とか(^^;
まあ、よおやるわ、このジイさん、と呆れておりましたが、このアブラハムじいさんは地球の裏側まで行くとは!
上には上が~(@_@)
単なる旅ではなく、「70数年前へのタイムトラベルともいえる」旅とは!?次回が楽しみ(^O^)
ポチッをおおきに♡
おとうさま、すごいですね!
なえさんも素晴らしいおとうさまの血をひいているから、世の理不尽ともしっかり闘えますわよ。
私の父は入院中奇跡のように体が軽くなる日々が数日訪れました。『レナードの朝』のロバート・デ・ニーロのように浮かれて街までお買い物に行くこともできました。
父はそれから3ヶ月後84歳で亡くなりましたが…
ああ、あの映画の患者さんたちが笑いさざめきながら目を覚ますシーンがめっちゃ感動的でした!
お、話がずれた。
なえさんのお父上もお元気だったんですね。
わたしらも頑張らねば(^^♪