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殿様の試写室

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行き止まりの世界に生まれて MINDING THE GAP -1-

行き止まりの

世界に生まれて

--

MINDINGTHE GAP


行き止まりの世界に生まれて MINDING THE GAP -1-_f0165567_05051688.jpg

(C)2018 Minding the Gap LLC. All Rights Reserved.



ロックフォードという街が舞台です。

スケートボードが大好きな

若者3人のドキュメンタリー映画。


などというと

いかにもアメリカ的な匂いが

プンプンするでしょ?


ロックフォードなんて名前の街は

聞いたこともないし

なんかスティーブン・キングの小説に

出てきそうな名前ですし――


イリノイ州ロックフォードは

前回の大統領選挙の時に

登場したラストベルトにある街

そして、

「アメリカでもっとも惨めな街」

なのだそうです。


かつては華やかだった

鉄鋼や石炭、自動車などの産業が

衰退して以降、

アメリカの繁栄から取り残され

錆びついた工業地帯。


2016年の大統領選では

かつてのアメリカンドリームを失った

このラストベルトの住民が

トランプ大統領誕生に

一役買ってしまいました。


世界は転がる時には

どんどん転がっていってしまうんだなと

思わせられた時代です。



この時代に

貧しく、暴力的な家庭から

逃れようとするかのように

スケートボードにのめりこんでいる

3人の少年がいました。


キアーとザックとビンです。


行きかう車も少ない車道を

ビュンビュンとスケボーを走らせ、

壁面や柵で思わぬ大技を見せる

彼らスケボー少年たち。


そこは彼らの居場所であり、

もう一つの家族でした。


そんなスケボーが全てだった

少年たちも成長し、

働かなければならない年頃になる頃――



ようやく見つけた

皿洗いの仕事をこなすキアー。

父親になったザック。

そして、映画監督になったビン。


ビンが映し出す

キアーとザックと自分の悲惨な過去、

そして、必ずしもうまくいかない現在。


それらの映像をかつてビンが撮りためた

スケボービデオと共に

描き出した12年間の

ドキュメンタリーが本作です。


監督も出演者もみんな幼なじみ。

少年から成人までの記録を

少年ビンと青年になったビンが

撮り続けた作品です。


トランプが大統領になってから

少年たちは成長したけれど

ラストベルトは変わったのでしょうか?


全く変わっていません。

トランプ以前から変わらない

家並みも続いています。


そう、家並み。

昔のハリウッド映画で観た

大きな並木と

玄関前の広い芝生のアプローチ。

ウッドチェアの置かれた広いテラス。



かつての繁栄を思わせる

憧れのアメリカンハウスです。


でも、その背後から荒廃の色が

静かに広がり続けているのですが…


監督・製作・撮影・編集を担当した

ビン・リューは1989年生まれ。


ビン・リュー

ビンは8歳になるまで、

中国、アラバマ、カリフォルニア、

イリノイ州ロックフォードと

母親と共に移動。

10代からスケートビデオを作り、

撮影、編集スキルを磨いた。


19歳の時、シカゴへ移り、

フリーランスの撮影助手として

働きながら

イリノイ大学を優秀な成績で卒業。


23歳の時、

国際映画撮影監督組合に入り、

劇映画やテレビシリーズの

撮影部で働く。


2018年に本作で監督デビュー。

サンダンス映画祭

ブレイクスルー・フィルムメイキング賞

皮切りに、国内外で59の賞を受賞。

また、

アカデミー賞、エミー賞の

ドキュメンタリー部門で

Wノミネートの快挙を成し遂げる。


米ヴァラエティ誌の注目すべき

ドキュメンタリー監督10人に選出。

アメリカの教育制度における

人種間の不平等を検証した

スティーヴ・ジェイムス製作

ミニシリーズAmerica to Me

3話を監督。


スケボーの記録に始まり、

アフリカ系、アジア系、白人貧困層

の若者が送る

アメリカのもうひとつの側面を

描いたドキュメンタリー映画。


これはちょっと興味深い作品ですよ。


さあ、一体どんなお話なのでしょう。

続きは次回まで

乞うご期待でございます。



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☆7月31日に更新しました。梅雨の明けないまま7月も終わりますね。

いつも応援ありがとうございます。


行き止まりの世界に生まれて

監督・撮影/ビン・リュー、製作/ダイアン・クォン、ビン・リュー、編集/ジョシュア・アルトマン、ビン・リュー。エグゼクティブ・プロデューサー/ゴードン・クィン、スティーヴ・ジェイムス、ベッツィ・ステインバーグ、音楽/ネイサン・ハルバルーン、クリス・ルッジェーロ、挿入歌/Video Life"クリス・スぺディング、“This Year”ザ・マウンテン・ゴーツ

94()シネマ・カリテ、ヒューマントラスト渋谷ほか全国順次ロードショー

2018年、アメリカ、93分、配給/ビターズ・エンド



by Mtonosama | 2020-07-31 05:18 | 映画 | Comments(0)

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