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殿様の試写室

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殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

椿の庭 -2-

椿の庭

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椿の庭 -2-_f0165567_05440125.jpg

(C)2020 “The garden of Camellia” FilmPartners



丹精を凝らしたその家の庭は、

四季が移れば

花も、海からの風も

変わります。


季節の変化を

全身で感じることのできる家です。

夏には障子を葦戸に変え、

海からの風を受けます。



椿の庭 -2-_f0165567_05505720.jpg


ストーリー

春のある日、

葉山の海を見下ろす坂の上の一軒家で

絹子の夫の四十九日法要が

行われていた。


法要の後、次女の陶子は

高齢の母が姉の忘れ形見・渚と

二人きりでこの古い家に

暮らすことを心配し、

東京のマンションで

一緒に暮らそうと勧める。


だが、

絹子は長年夫や娘たちと暮らした

この家を離れるつもりはない。


梅雨が来た。


藤棚の花も散り、

雨蛙も紫陽花の葉の上で

喉を膨らませている。


ある日、渚が帰宅すると

玄関に見慣れない男の靴があった。

相続税の問題で訪ねてきた税理士が

絹子にこの家を手放すことを

求めていたのだ。


「もし、私がこの地から

離れてしまったら、

ここでの家族の記憶のようなもの全て

思い出せなくなってしまう・・・」


沈痛な表情の絹子。


お盆に訪ねてきた夫の友人と

若い頃の思い出話に花を咲かせる絹子。

渚は絹子が久しぶりに見せる笑顔に

ほっと胸をなでおろす。


だが、その日、

絹子は過労から倒れ、

病院に運ばれていった・・・


そして、季節は秋から冬に移り、

絹子にも渚にも決断の時が迫っていた……



椿の庭 -2-_f0165567_06104641.jpg


管理人が暮らす街にも

代々この地に住んでいる人の

古い家がありました。


駅を降り、疲れた体で帰ってきて

その家を見るとホッとしたものです。


ところが、ある日、

業者さんが

タオルを持って挨拶に来ました。


家を取り壊すから

埃や騒音でご迷惑をおかけします

という挨拶でした。


その数日後、

いつも安心感を与えてくれていたその家に

重機が入り、庭も植木も灯篭も

なにもかも解体してしまいました。


その後に建ったのは

二階建てのアパートと

地主さんが暮らす

新しくて住みやすそうだけれど

四角くて真っ白な家。


それぞれ事情はおありでしょうし、

近隣の住人がとやかく言うことでは

ありませんが、

かつては季節の訪れを

告げてくれていたお庭も

いまは年中太陽を照り返す

白いだけの一角になってしまいました。


おっと、つまらない繰り言を

言ってしまいました。


椿の庭 -2-_f0165567_06013084.jpg


恐らく皆さんも似たような体験を

なさったことがおありでしょう。


大好きなもの

大切な人

懐かしい土地

休みごとの滞在が楽しみだった

おばあちゃんの家――


それらがずっと

あり続けてくれることって

残念ながら望めないんですね。


そんな誰の心にもある懐かしいもの、

美しいものへの挽歌のような想いを

映像化した作品でした。


ぜひ映画館でお楽しみください。




今日もポチッとお願いします。

↓↓↓↓↓

☆3月29日に更新しました。

いつも応援ありがとうございます。


椿の庭

監督・脚本・撮影・編集/上田義彦

出演

富司純子/絹子、シム・ウンギョン/渚、鈴木京香/陽子、チャン・チェン/黄、田辺誠二/戸倉、清水紘二/章三

49()シネスイッチ銀座ほか全国順次公開

2020年、日本、128分、配給/ビターズ・エンド




by Mtonosama | 2021-03-29 06:14 | 映画 | Comments(8)
Commented by びなちゃん at 2021-03-29 21:38 x
最近は古民家も、カフェよ貸しギャラリーになったりしてます。
残された方々のご苦労もあるとは思いますが、出来たらそうして欲しいなあ。
ご近所さんはご両親の家を貸しギャラリーにしてますが、市からの補助とか、修理の制限、その後の維持費とか中々簡単には進まなくてが悩んでいました。
とりあえずご自分達が生きているうちはこのままにと。

また外猫、捕獲できなかった三毛猫が昨日二匹、猫小屋で出産しました。
子猫は母と同じ三毛猫と雉猫。三毛猫はチェックしなくてもメスですねえ。
可愛いけど、またこの先を考えなければいけません。はあ。
春だ。
Commented by Mtonosama at 2021-03-30 05:00
♪びなちゃん

仔猫誕生、可愛くっていいな。
ま、その先の心配はありますが、まずは可愛い仔猫を毎日見られますね。
お気楽なこと言ってすいません。

古い家の保存は独力ではなかなか難しいですね。
でも、あんな素敵な家をもう建てようたって無理だと思う。
材料面でも技術面でも。
うちの近所の壊された家も、屋根もまっすぐ直線ではなく、
むくりっていうの?屋根の面が優しく膨らんだ素晴らしい家だったのになぁ。

古い家が容赦なく壊されていく光景は150歳にはつろうおます。
Commented by なえ at 2021-03-30 15:15 x
あれえ~!
コメント書いたのにどこかに消えてしもた~\(゜ロ\)(/ロ゜)/
ど、どこに隠れてしもたんやろ?

見つけたら、叱っておいておくれやす!
Commented by との at 2021-03-30 19:19 x
♪なえさん

「あれえ~」のコメ以外にもあったのですか?
どこに行っちゃったんですかねえ😅
スマホやパソコンは時々おへそを曲げるから困っちゃいますよね。もうひとつのなえさんコメ帰っておいで~🙋
Commented by すっとこ at 2021-03-30 22:43 x
あるあるあるあるあるあるあるあるあるある!

すっとこにもあるのです。
殿様のように
或いはこの監督さんのように

いつまでも建っていてほしい家が。

自分の家じゃないのにね!

☆びなちゃんさん
お久です。
仔猫誕生はまさに春の風物詩ですね。
可愛さのその先が、ねぇ。

結婚して最初に住んだアパートの庭に
野良の三毛猫がやって来るようになり
やがて孕み その頃には家に上がるように
なってたので段ボール箱にタオル敷いて
準備してしてたらある日お行儀よく出産。

3匹の仔猫の行先を探すのに普段疎遠な
親戚や古い友人に電話掛けまくって汗かいた。
無事に3匹とも貰われていったあの安堵ったら
無かったです。
その後母猫に手術してやりました。

☆なえさん
大宇宙を飛び回っているらしいコメント、
無事に地球に帰還して欲しいですね❗️

おっと 長くなりました。
ポチクリは済ませましたよん🌸🌸🌸
Commented by Mtonosama at 2021-03-31 04:07
♪すっとこさん

ありますよねぇ。
自分の家じゃないのに、なくなってほしくないってこと。
街の風景を作り出すのは一軒一軒の家だし、
春になると花を咲かせる木々や草花だったりするもんねぇ。
えぐり取られるようにそういうものがなくなってしまうって
つらいです。
そんな風に自分もいなくなっていくのかな。
少しは惜しまれるかなぁ。
Commented by なえ at 2021-03-31 12:46 x
行方不明のなえコメー!戻ってくれえ~🥺 大宇宙を飛び回ってるんやろか?放蕩コメは困る(>_<)

えー、最初のコメはですね、殿様の「誰の心にもある懐かしいもの、
美しいものへの挽歌のような想い」という言葉に同意を示し、で自分の思い出の家のことを書いたのです。大体こんな感じかな?↓
小学校の通学路に古い雰囲気のある洋館があり、庭にはクリスマスツリーにぴったりの大きな樅ノ木があり、子供心に「魔法使いが住んでるような家」としてお気に入りだったんです。それが十数年前に取り壊されることになって、有志の人たちが保存の寄付を募っていたのですが目標額に至らず壊されてしまいました(;_:) 今でも残念でなりません(-_-;)

びなちゃんさん
ご苦労様です!三毛は頭いいので、捕まえるの大変かも(@_@)

すっとこさん
野良親子の為に奮闘して頂き、ありがとうございました<(_ _)>

友達が入院することになり、世話していた野良の子の貰い手ないかと相談を受けて猫友らに問い合わせてたのですが、なし(>_<)。幸いその友達の友達が引き受けてくれて一応(一件、ではなく)落着。やれやれ。
譲渡会でも預かりさん募集してますが、なかなかねえ💦

今度は宇宙ではなく、殿様宅に到着できますよう!
ポチクリ、済ませてまっせ(*^。^*)
Commented by との at 2021-03-31 14:30 x
♪なえさん

届きました~🙋
せっかく長いコメント書いてくれはったのに、どこへいったんでしょうね。お手数をおかけしました。
洋館かぁ。募金活動までなさった方々がいたのに残念ですなぁ。大きなおうちが壊されてその後がキノコみたいにムクムクッと分譲戸建住宅化していくのはなんか寂しいっす。
ポチクリありがとうございました🙏

by Mtonosama