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殿様の試写室

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殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

世界の()ての鼓動

-1-

Submergence


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©2017 BACKUP STUDIO NEUE ROAD MOVIES MORENAFILMS SUBMERGENCE AIE



ノルマンディの海辺のホテルで

出会ったふたりの男女。


5日後、

男は南ソマリアへ

女は前人未踏の深海へ――

それぞれの任務が待つ

それぞれの世界へ発っていきます。


しかし、出会いから5日経ったとき、

仕事以上に大事なものはなかった男女の間に

これまでは知らなかった感情が

生まれていました・・・


どこかハリウッド的な設定であります。

で、もって、ラブストーリーです。


恋愛や冒険とはすっかり縁遠くなった150歳には

ちょっとばかり荷が重いのですが。



が、しかし

なんですとー!?


監督はヴィム・ヴェンダースですとぉ!?


74歳のこの方、

いったいどれだけ変身なさるのでしょう。


ヴィム・ヴェンダース監督

1970年『都市の夏』で

長編監督デビューを果たし、

『都会のアリス』(74)

『まわり道』(75)『さすらい』(76)

がロードムービー三部作として

高い評価を受けた後、

『ことの次第』(82)で

ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞、

『パリ・テキサス』(84)で

カンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞。

『ベルリン・天使の詩』(87)で

カンヌ国際映画祭監督賞を

続編『時の翼にのって/

ファラウェイ・ソー・クローズ』(93)では

カンヌ国際映画祭審査員グランプリを受賞。

さらに、

『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(99

が大絶賛を受け、

Pina/ピナ・バウシュ 躍り続けるいのち』(11

https://mtonosama.exblog.jp/17198768/

https://mtonosama.exblog.jp/17210360/

はアカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞に

ノミネートされる等、

ドキュメンタリー映画部門でも

その手腕を発揮。


また小津安二郎を敬愛し

『東京画』(85)や

ファッションデザイナー山本耀司を追った

『都市とモードのビデオノート』(89)など

日本映画や日本文化への思い入れも深い。

その他

『アメリカの友人』(77

『ハメット』(82)『夢の涯てまでも』(91

『リスボン物語』(94)『愛のめぐりあい』(95

『エンド・オブ・バイオレンス』(97

『ミリオンダラー・ホテル』(00

『アメリカ、家族のいる風景』(05

『それぞれのシネマ』(08

『もしも建築が話せたら』(14

https://mtonosama.exblog.jp/24971561/

https://mtonosama.exblog.jp/24980390/

『誰のせいでもない』(15

https://mtonosama.exblog.jp/26855071/

https://mtonosama.exblog.jp/26907304/

『アランフェスの麗しき日々』(16)等がある。

https://mtonosama.exblog.jp/28866461/

https://mtonosama.exblog.jp/28881741/


すごいですねぇ。


『誰のせいでもない』も

ストーリーや展開が

これまでの作品とは違うなぁと思いました。

でも

彼の好きな3Dの導入とか

実験的な試みなど随所に感じられたのですが。


今回はそういった実験的な要素は

感じられません。


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ただ

片や南ソマリア、

片やアイスランドの沖合数千メートルの深海。


高低差約1万メートルのパラレルワールドに

展開される命をかけた任務と

ふたりの熱い思いは

これぞまさに脳内3Dともいえる

ヴェンダース的世界といえるかもしれません。


「本作は未知の世界や分野を

掘り下げる物語であり、

運命に身を委ねたふたりの情熱的な

ラブストーリーを探求する作品であり、

思考に刺激を与える映画であってほしい」

と監督は望んでいます。


稀有な才能を持った映像作家が

映像化不可能と思われた

JM・レッドガードの小説

Submergence”(潜水)に挑戦したのが本作。


さあ、いったいどんなお話なのでしょう。

続きは次回まで乞うご期待でございます。



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☆7月22日に更新しました。

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世界の涯ての鼓動

監督/ヴィム・ヴェンダース、脚本/エリン・ディグナム、製作/キャメロン・ラム、撮影/ブノワ・デビエ

出演

ジェームズ・マカヴォイ/ジェームズ・モア、アリシア・ヴィキャンデル/ダニー・フ/リンダーズ、アレクサンダー・シディグ/ドクター・シャディッド、ケリン・ジョーンズ/サム、レダ・カテブ/サイーフ、アキームシェイディ・モハメド/アミール・ユスフ・アル=アフガニ

82日(金)TOHOシネマズシャンテ他にて全国順次公開

2017年、イギリス、英語・アラビア語、カラー、字幕翻訳/松浦美奈、配給/キノフィルムズ/木下グループ



# by Mtonosama | 2019-07-22 05:52 | 映画 | Comments(0)
パラダイス・
ネクスト
-2-
Paradise Next

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(c)2019 JOINT PICTURES CO.,LTD.ALL RIGHTS RESERVED


一年前、日本で謎の死を遂げたシンルー。
彼女の死をきっかけに
そのボディガードをしていたヤクザの島は
日本を去り、台湾でひっそりと生きています――

アジアの包み込むような湿気と
フィルムノワールの雰囲気を漂わせた映画です。

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ストーリー
1年前、ある事件をきっかけに
逃げるようにして台湾へやってきた島。
彼は地元の親分ガオの庇護を受け、
身を潜めるように生きている。

ある夜、台北の飲み屋で飲んでいる島の前へ
一人の馴れ馴れしい日本人が現れた。
男は牧野という。
得体の知れない男だが、
「あのパーティ会場にいた・・・」
という彼の一言にひっかかりを覚える島。

「あのパーティ」とは
1年前シンルーという女性が不審な死を
遂げたパーティのことだ。
シンルーのボディガードだった彼にとって
彼女の死は拭いきれない影の部分。
だから、「事件の真相を知っている」
という牧野の存在を
無視することはできないのだった。

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ある日、
島をガオに紹介した加藤が訪ねてきた。
そして、牧野の写真を見せ、
「殺せ!」と指示する。

島は牧野を問い詰めるが
牧野は何も答えない。

そんな牧野を連れて
花蓮へとおんぼろトラックで向かう島。

花蓮へ着いた二人はとあるバーへ立ち寄る。
そこでシャオエンという日本語を話す
台湾人女性と会う。

彼女は死んだシンルーと瓜二つだった・・・

牧野と島は大きな屋敷にたった一人で暮らす
シャオエンのところに滞在することになる。
見渡す限りの田んぼの中に
一軒だけ建つ広壮な家だ。

逃げてきた理由を明かそうとしない牧野。
大切な人を守れなかった島。
母親と向き合うことのできないシャオエン。
三人の奇妙だが、ゆったりとした
共同生活が始まる。

だが、穏やかな暮らしは長くは続かなかった。

台北の街角、路地の片隅に
姿を現すスーツ姿の不気味な男・346。
彼が現れ、去った場所には死体が転がる。
島を助けたガオも殺された。

クールな死神・346の影が
花蓮にも迫ってきていた……

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楽園の果てに待ち受けるものはなに?

盛りを終えた花もやがて朽ち、
若さは老いに変わり、
美しい田園も手をかけなければ
猛々しいジャングルに覆われていきます。

美や調和は
崩壊前のかりそめの姿なのでしょう。

南国・花蓮の濃厚な香りと
まるで金魚鉢の中のような湿気。
美は
いつだって腐敗と崩壊を孕んでいます。

ついさっきまで笑いさざめいていた
シャオエンも冷たい骸となって
海のかなたのパラダイス・ネクストへ
旅立っていきます。

半野マジックの生み出す音と映像によって
観客もまたけだるく湿潤な台湾の魔力に
とりつかれてしまうに違いありません。



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パラダイス・ネクスト
監督・脚本・音楽/半野喜弘、プロデューサー/劉嘉明、小坂史子、企画/黄詩珊、脚本/余為彦、游善鈞、音楽/坂本龍一、撮影/池田直也

出演

妻夫木聡/牧野、豊川悦司/島、ニッキー・シエ/シンルー、シャオエン(二役)、カイザー・チュアン/346、マイケル・ホァン/ガオ、大鷹明良/加藤 

727()より新宿武蔵野館ほか全国順次ロード―ショー

2019年、日本・台湾、日本語・中国語、カラー、100分、配給/ハーク






# by Mtonosama | 2019-07-19 11:50 | 映画 | Comments(4)

パラダイス・

ネクスト

-1-

ParadiseNext

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(C)2019 JOINT PICTURES CO.,LTD. AND SHIMENSOKA CO.,LTD. ALLRIGHTS RESERVED



楽園発地獄行きの船が出ます。


日本を追われた男たちが

身を潜める場所は麗しの島フォルモサ。

台湾です。


まとわりつく暑さと湿気は

木々を茂らせ、路地をぬめらせ、

あらゆるものを黒ずませるかびの色に

染めあげていきます。


数年前、台湾を訪れた時、

大陸・中国とはまた違う雰囲気に

すっかり飲み込まれてしまいました。


以来、台湾が舞台の映画から目が離せません。



本作の監督は半野喜弘。


彼は孝賢(ホウ・シャオシェン)

賈樟柯(ジャ・ジャンクー)の映画で

世界に知られる音楽家として活躍。

『雨にゆれる女』(16)

商業長編映画監督デビューを果たしました。

そんな彼が満を持して送る長編映画第二弾が

『パラダイス・ネクスト』です。


半野喜弘監督

1968年、大阪生まれ。パリ在住。

パリと東京を拠点に映画音楽から

オーケストラ作品、

エレクトロニクスミュージックまで

世界中で幅広く活躍する

音楽家であり、映画監督である。

孝賢(ホウ・シャオシェン)

賈樟柯(ジャ・ジャンクー)

余力為(ユー・リクウァイ)等

現代アジアを代表する監督たちの

映画音楽を作曲し、

カンヌ国際映画祭、ヴェネチア国際映画祭等で

高い評価を得る。


本作では脚本も音楽も担当しています。



1945年まで半世紀にわ

日本に統治されていた台湾。

本作は全編台湾ロケで撮影されました。


台北では圓山大飯店、吉林路、松江市場、

南京西路、白金花園ホテル等でロケを敢行し、

主要な舞台となる花蓮では

鳳林駅、鳳林農協、介壽二街、吉安218店、

緑のトンネル、太魯閣(タロコ)望海亭、

埠頭、崇徳ビーチ等が撮影に使われました。



花蓮は台湾の東海岸に位置した

美しく自然豊かな街です。


もう9年前になりますが、

当試写室で上映した『トロッコ』の

舞台も花蓮でした。

https://mtonosama.exblog.jp/13198783/

https://mtonosama.exblog.jp/13226885/


花蓮、蓮の花、可憐・・・

きれいで可愛い言葉を

連想させる地名ですよね。



さて

『ストーリーを語るだけの

映画は作りたくなかった』

と語る半野監督。


音楽家だけあって、

音を操作することでアジアの熱気や湿気を

感じさせたいということで音響を設計。

台北と花蓮の町の空気や音の違いにも

こだわりました。


現場での同時録音を主体として

音源に活用しつつ、

音楽を登場人物のように扱うことを

意識しています。


さらに坂本龍一によるテーマ曲が

本作をより深い作品に。


音が映画の主要部分を形成すると同時に

台北や花蓮の湿り気を帯びた空気が

出演者にも観客にもまつわりつきます。


豊川悦司と妻夫木聡。

さあ、ふたりはどんな風に

台湾の空気に溶け込んでいるでしょうか。


続きは次回まで乞うご期待でございますよ。



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パラダイス・ネクスト

監督・脚本・音楽/半野喜弘、プロデューサー/劉嘉明、小坂史子、企画/黄詩珊、脚本/余為彦、游善鈞、音楽/坂本龍一、撮影/池田直也

出演

妻夫木聡/牧野、豊川悦司/島、ニッキー・シエ/シンルー、シャオエン(二役)、カイザー・チュアン/346、マイケル・ホァン/ガオ、大鷹明良/加藤 

727()より新宿武蔵野館ほか全国順次ロード―ショー

2019年、日本・台湾、日本語・中国語、カラー、100分、配給/ハーク



# by Mtonosama | 2019-07-16 05:26 | 映画 | Comments(2)

存在のない

子供たち

-2-


CAPHALNAÜM


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(C)2018MoozFilms



わずか12歳(推定年齢)で

ゼインは裁判を起こしました。

彼が訴えたのは自分の両親です。


裁判長から何の罪で両親を訴えるのか

訊かれたゼインは答えました。

「僕を産んだことです」・・・


正確な年齢もわからない幼げな少年が

裁判官の前で両親を告訴する――

驚愕のシーンから本作は始まります。


ん!?

と息を呑む内に、

お話は過去へと遡り、

なぜ少年が法廷に立っているのか

その理由と経緯を描き出していきます。


ラバキー監督が渾身の力をこめたこの一作は

世界を揺るがしました。



ストーリー

「僕を産んだ罪で両親を訴えたい」

告訴理由を訊ねた裁判長に

まっすぐ目を向けて答えた少年の名はゼイン。


両親が出生届けを出していないため

生年も誕生日もわからない。

彼は存在しながら存在していない子供なのだ。

ある男を刺した罪で少年刑務所に収監中だが、

弁護士を代理人にして

自分でこの裁判を起こした――


両親や兄弟姉妹と貧民窟で暮らしていた

ゼインは学校へは行かず、

路上で自家製のジュースを売ったり、

大家のアサードの雑貨店を手伝ったり、

朝から晩まで働いていた。

彼の支えは妹サハルだけ。


ところが、

両親は11歳のサハルを

アサードと結婚させようとしている。


ゼインは妹を連れて家を出ようとするが、

一足遅かった。


妹は無理矢理、

父親のバイクで連れていかれてしまう。

泣きながら見送ったゼインは

そのまま家出してしまう。


行く宛てもないままバスに乗り、

遊園地で降りたゼインは、

遊園地でできる仕事が無いか訊いて回る。

だが、誰も見向きもしない。

お金もなく、お腹を空かせたゼインに

救いの手を差し伸べたのはレストランで働く

エチオピア移民のラヒルだった。


赤ん坊ヨナスと二人で暮らすラヒルは

ゼインを自分のバラックに連れ帰る。

ヨナスの子守をする代わりに

彼を置いてやることにしたのだ。


移民の彼女は

偽造の滞在許可証で働いているが、

それも間もなく期限が切れる。

偽造屋のアスプロは

相場より高い値段をふっかけ、

ヨナスを渡すなら

許可証を無料で作ってやると言う。


ありえない話だ。

髪を売ってなんとか工面するラヒル。


だが、その日、彼女は不法就労で

警察に拘束されてしまう。


残されたゼインは逞しかった。

救護所で嘘をつき、ヨナスのミルクを入手。

薬局で手に入れた薬を海水に溶かし、

怪しげな飲み物を作って売り、

一生懸命ヨナスの面倒をみる。

だが、外出中に大家が来て鍵を換えられ、

稼いだお金を隠していた家から

閉め出されてしまった。


万事休す。

偽造屋のアスプロに言われるままヨナスを渡し

その金で海外へ出る決心をする。

だが、出国のためには

身分証が必要だ。



身分証を探すため、

久しぶりに両親の家へ戻ったゼイン。

しかし、彼を待っていたのは

思いもかけない知らせだった……



ゼインを演じた少年は

とても素人とは思えません。

ゼインが面倒を見たヨナスも

可愛く、小さな名優でした。


彼らの実人生とストーリー中の人生が

ひとつになっているのです。

ドキュメンタリーとは違った迫真性を

持った映画でした。


人身売買のような結婚。

救いのない暮らしの中で

子どもを作るしか能がない両親。


こぶしを振り上げても

そのこぶしをどこに向かって

打ちつければいいのか、

わからなくなりました。


とはいえ、悲しく暗い映画ではありません。

ラストのゼインの笑顔にほっとします。


ラバキー監督、すごい映画でした。


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☆7月13日に更新しました。

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存在の無い子供たち

監督/ナディーン・ラバキー、脚本/ナディーン・ラバキー、ジハード・フジャイリー、ミシェル・カスルワーニー、撮影/リストファー・アウン

出演

ゼイン・アル=ハッジ/ゼイン、ヨルダノス・シフェラウ/ラヒル、ボルワティフ・トレジャー・バンコレ/ヨナス、カウサル・アル=ハッダード、スアード、ファーディ・カーメル・ユーセフ/セリーム、シドラ・イザーム/サハル、アラーア・シュシュニーヤ/アスプロ、ナディーン・ラバキー/ナディーン

720()シネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ渋谷、

新宿武蔵野館他ロードショー

2018年、レバノン、フランス、カラー、アラビア語、125分、字幕翻訳/高部義之、配給/キノフィルムズ/木下グループ



# by Mtonosama | 2019-07-13 06:28 | 映画 | Comments(4)

存在のない


子供たち

-1-


CAPHALNAÜM



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(C)2018MoozFilms



世の中には、知っているつもりでいたのに

実は何も知らなかったことが多いです。


遠い国のできごとだし、

接点もあまりないし――

などと思って

目を背けないまでも、

見えないものとみなしていました。


が、しかし、

その遠い国からも

幽かかもしれませんが、

真摯で美しい

声と映像が発されています。


舞台は中東。

当試写室でも、3月に

『セメントの記憶』

https://mtonosama.exblog.jp/30477775/

https://mtonosama.exblog.jp/30482997/

というレバノン・ベイルートの建築現場で働く

シリア人労働者を描いた

ドキュメンタリー映画を上映しました。

心に沁みる映画でした。



今回は目を疑うような

中東の貧困と移民の問題を

12歳の子供の眼を通して描いた

衝撃的でありながら

愛に溢れた感動的な作品です。


『存在のない子供たち』。


監督はレバノン生まれレバノン育ちの

ナディーン・ラバキー。


監督・脚本・主演を務めた

『キャラメル』(’07)

鮮烈なデビューを飾った女性監督です。

https://mtonosama.exblog.jp/10242253/


監督としても素晴らしいのですが、

その美貌から女優としても

多くの作品に出演しています。


ナディーン・ラバキー監督

74、レバノン生まれ。

97、ベイルートのサン・ジョセフ大学卒業。

‘98、在学中に製作した短編映画

『パステール通り11番地』がパリの

アラブ映画ビエンナーレで1位。

02’03、ミュージックビデオや

コマーシャルフィルムで数々の受賞。

05、カンヌ国際映画祭レジデンス制度により

初の長編映画『キャラメル』の脚本執筆。

05、レバノン映画『BOSTA』で

俳優デビュー。

07、『キャラメル』監督・主演。

この映画の成功でアラビアン・ビジネス誌

「世界で最もパワフルなアラブ人100人」で

女性のトップ5に選ばれた。


他の出演作

14『友よ、さらばと言おう』

15『チャップリンからの贈り物』

16『歌声にのった少年』

https://mtonosama.exblog.jp/25875837/

https://mtonosama.exblog.jp/25925896/


キャラメルは食べるキャラメルではなく

砂糖と水にレモン汁を加えて煮詰めたもの。

レバノンに昔から伝わる

ムダ毛のお手入れに使うものです。

ムダ毛の上にドロドロのそれを塗り、

乾き始めたら一気にベリッと剥がす――


映画の冒頭「ギャッ!」と一声悲鳴が

聞こえるのが印象に残っています。

キャラメルを剥がすシーンです。

まさに、掴みはOK



本作でも『キャラメル』同様

冒頭シーンからしっかり

主人公の少年の世界に引きずり込まれました。


すごい監督です。


本作の撮影にあたっては

監督自身、

貧困地域、拘置所、少年刑務所を訪れ、

3年に及ぶ綿密なリサーチを重ねました。

その間に見たことや経験したことを

作品に盛り込み、

フィクションとして仕上げています。


そして、なにより本作に現実味を与えるのは

出演者のほとんどに映画初出演の素人が

キャスティングされていること。

弁護士を演じたナディーン・ラバキー以外

全員がずぶの素人なのです。


素晴らしい演技で感動させてくれた

主人公のゼイン少年も

彼を助けたエチオピヤ移民のラヒルも

演じる役柄と同じような体験を持つ難民です。


監督の演出は

彼らが感情をありのままに出して

作品の中で彼らが体験するできごとを

自分だったらどうするか、

また、どうしてきたか――

つまり、

自分自身を生きるというもの。


フィクションではありますが、

とても強いリアリティに満ちています。


さあ、一体どんなお話なのでしょう。


続きは次回まで乞うご期待でございます。



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☆7月10日に更新しました。

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存在の無い子供たち

監督/ナディーン・ラバキー、脚本/ナディーン・ラバキー、ジハード・フジャイリー、ミシェル・カスルワーニー、撮影/リストファー・アウン

出演

ゼイン・アル=ハッジ/ゼイン、ヨルダノス・シフェラウ/ラヒル、ボルワティフ・トレジャー・バンコレ/ヨナス、カウサル・アル=ハッダード、スアード、ファーディ・カーメル・ユーセフ/セリーム、シドラ・イザーム/サハル、アラーア・シュシュニーヤ/アスプロ、ナディーン・ラバキー/ナディーン

720()シネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館他ロードショー

2018年、レバノン、フランス、カラー、アラビア語、125分、字幕翻訳/高部義之、配給/キノフィルムズ/木下グループ





# by Mtonosama | 2019-07-10 05:39 | 映画 | Comments(10)