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殿様の試写室

mtonosama.exblog.jp

殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

カテゴリ:映画( 1064 )


2017 BEST 10 of
殿様の試写室


-2-


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さて、年末恒例のBEST10。
熱海・貫一お宮像の
貫一の頭も欠けていますし、
前回は黒枠付きのお話ばかりに
なってしまいました。

過ぎた日々を振り返り、
かつ
来るべき年を見据えながら、
今日は6位から4位まで、
行きます。


6位
網に囚われた男

The Net


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最近、
北朝鮮からの漁船が多数漂着しています。
本作はまさに今の状況を
予言しているような映画でした。

漁船のモーターが故障し、
国境線を超えてしまった
北朝鮮の平凡な漁師の身に
ふりかかった運命。

分断された半島の悲劇を抉り出した
キム・ギドク監督、渾身の一作です。

ほぼ一年前の作品ですが、
未だに震えがきます。

当試写室では1月に上映しました。
http://mtonosama.exblog.jp/27417109/
http://mtonosama.exblog.jp/27425820/



5位
ドリーム

Hidden Figures

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元気の出る映画でした。
1960年代
東西冷戦下、アメリカは有人宇宙計画を推進。
ソ連との間で激しいつばぜり合い。
このアメリカの計画に
多大な貢献を果たした黒人女性数学者達。
知られざるヒロインたちに
スポットライトを当てた感動作です。

人種差別、男女差別に直面しつつも
素晴らしい頭脳と数学力で
突き進んでいった女性たちの
実話を基にした作品です。

当試写室では9月に上映しました。
http://mtonosama.exblog.jp/28158959/
http://mtonosama.exblog.jp/28166776/



4位
マンチェスター・バイ・ザ・シー

Manchester by the Sea


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ボストン近郊のリゾート地
マンチェスター・バイ・ザ・シーを
舞台に繰り広げられる
叔父と甥、兄と弟、父と子、
そして
弟家族の物語。

灰色の空と海に
海鳥の鳴く声が寂しげに響く――

暗く、寒く、寂しい
冬枯れの景色の中で
いろいろな家族の在り方を
考えさせられる秀作でした。

当試写室では5月に上映しました。
http://mtonosama.exblog.jp/27769885/
http://mtonosama.exblog.jp/27777900/



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by Mtonosama | 2017-12-28 07:51 | 映画 | Comments(6)

2017 BEST 10 of
殿様の試写室

-1-

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もう2017年もおしまいです。

なんか歳を重ねるほど
月日の流れが速いと
思いませんか?

当試写室管理人にとって
今年は
大事な人たちを
見送った年でした。

3月には
大学の先輩が
雪山で遭難しました。
当試写室で上映した
『三里塚のイカロス』にも
http://mtonosama.exblog.jp/28050528/
http://mtonosama.exblog.jp/28067697/

出演した先輩です。

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彼は残念ながら
本作を観ることはできず、
遭難現場には
リュックサックが発見されただけでした。

6月には
大学時代からの親友が
厳しい闘病生活を送り
亡くなりました。
彼女が「ラインなら読めるよ」
と言うから、スマホに変えましたが、
それにも次第に返信が来なくなり、
既読だけになり、
既読にもならない日が3日続いた日、
彼女の夫から電話がありました。
遺言でお葬式もなかったので
実はまだ亡くなった気がしません。

11月には
両親亡き後、
故郷に帰ると
いつも泊めてくれていた
伯母が亡くなりました。

心がボキボキ音を立てて
折れていきますが、
それでも前を向いて
歩きますわ。

さあ、そんな2017年の
BEST10
10位から7位まで
いきます!


10位

ノーエスケープ
自由への国境

DESIERTO

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トランプ大統領の壁発言の頃の上映ですが、
政治批判的な映画ではありませんでした。
トラックに乗って
米墨国境を越えようとした
15人の移民たちを
執拗に追跡する襲撃者。

アドレナリンがブシューッと噴出する
手に汗握るサバイバル・エンタテインメントでした。

当試写室では4月に上映しました。
http://mtonosama.exblog.jp/27754578/
http://mtonosama.exblog.jp/27762440/



9位

ラ・ラ・ランド
LA LA LAND

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久々に目も耳も楽しめる
ミュージカル映画でした。

なんたって冒頭のシーンに
がっつり掴まれました。

渋滞のハイウェイ。
イライラ
イライラ
それがリズムを刻み始めたと思ったら、
いきなりの群舞ですからね。

『ウェスト・サイド物語』にしたって
なんたってミュージカルは群舞でしょう。

こればっかりは観ていただくしかありません。

当試写室では2月に上映しました。
http://mtonosama.exblog.jp/27571299/ 
http://mtonosama.exblog.jp/27579989/



8位
ヒトラーに
屈しなかった国王


Kongens nei

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つい先日上映したばかりではありますが、
エリック・ポッペ監督も来日したことですし、
天皇生前退位も話題の昨今でありますので、
ノルウェーの歴史、あるいは
国王の選択というより
一人の老人の決断と人生を描いた作品
として
8位に選びました。

当試写室では12月に上映しました。
http://mtonosama.exblog.jp/28829875/
http://mtonosama.exblog.jp/28847446/



7位

未来に花束を
Suffragette

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良い映画でした。
観終わった後、昂揚感に
包まれたことを記憶しています。

オリジナルタイトルの“Suffragette”は
女性の参政権を求める活動家の
蔑称として生まれた言葉。
今では女性運動を指す言葉として
定着しています。

本作の舞台である約100年前のロンドン。
女性の参政権運動が先鋭化してきた
時代を生きた
貧しい女性労働者を描いた映画。

当試写室では1月に上映しました。
http://mtonosama.exblog.jp/27435188/
http://mtonosama.exblog.jp/27443954/




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by Mtonosama | 2017-12-27 06:06 | 映画 | Comments(4)

三毛猫ひかちゃん
-63-


あたし、ひかちゃん。

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さて、今月のお言葉よ。
「過去と相手は変えられないが、
未来と自分は変えられる」

う~ん、
未来と自分は変えられる・・・

そうね、
信ずるものは救われる、だわ。

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お見苦しいモノを
お見せしてごめんなさい。

あのね、
これ夫の人なんだけどね、
しつっこいのよ。

あたしがお外を見てるとき
いきなりつかまえようとしたのね。

でも、動作が緩慢だから
エイッ!て手をすり抜けたの。

その時、あたしの後ろ脚の爪で
ひっかかれたって大騒ぎなのよ。

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普段はこうやって
飼い主の孫の手でまったりよ。

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(おっかしいわね。なんでこの狛犬さん、逆さまなの?あ、また飼い主ね(怒))

ぶっとい脚をした狛犬さん。
こんな脚で蹴られたら
夫の人も
頬の傷くらいじゃすまないわよね。
この狛犬さんたちは
鶴が丘八幡宮に向かう
段葛の前で大切なお仕事してるんだって。

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そうそう、
なんで狛犬さんがいるかっていうとね、
飼い主の年長のお友達が
鎌倉でお惣菜屋さんを開店したの。

あ、年長のお友達って
いうと怒られるんだって。
そうよ、飼い主が150歳なら、
年長のお友達はいくつになるのよねぇ。

レンコンとゴボウとバラ肉の
お煮つけが本当に
美味しかったって。

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その間、
あたしはいつもの場所でお留守番。

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ん?

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ふにゃにゃ!?

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なんでもなかったわ。
またグルーミングに励まなくっちゃ。

押し詰まってきたわね。
飼い主は
お正月の準備もお掃除も
何もしないって開き直ってるわ。

皆さんも無理しないでね。

ひかり


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by Mtonosama | 2017-12-26 06:04 | 映画 | Comments(4)

わたしは、幸福(フェリシテ)
-2-

Felicite

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(C)ANDOLFI - GRANIT FILMS - CINEKAP - NEED PRODUCTIONS - KATUH STUDIO - SCHORTCUT FILMS / 2017


本作の舞台キンシャサは
コンゴ民主共和国の首都。
人口1000万人を超える
アフリカ有数の大都市です。
コンゴ河下流にあり、
対岸にはコンゴ共和国の首都
ブラザヴィルがあります。

フランス語圏の都市としては
パリに次ぐ世界で2番目の人口。

現在の人口増加が続けば
2020年には
フランス語圏最大の都市になる
と言われています。

映画は
まだまだインフラなどは
整ってはいないものの、
活気ある店舗や
人々の様子を映し出しています。

知らない土地をスクリーン上に
観るのは映画の醍醐味です。

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ストーリー
フェリシテはバーで歌って
生計を立てている。
その店の常連タブーは
彼女に好意を抱いている。

ある朝、
フェリシテの家の冷蔵庫が壊れた。
修理屋としてやってきたのはタブー。
彼が言うには
冷蔵庫のファンが
故障の原因だそうだ。
修理が続くので、
彼女は仕方なく
新品を買うことに決める。
しぶしぶタブーに金を渡し、
新しい冷蔵庫を頼む。

その日、
病院から電話が。

一人息子のサモが交通事故に
遭ったという。
急いで病院に駆けつけると
サモは虚ろな目をして
大部屋のベッドに。

彼は左足を骨折しており、
手術代と治療費で
100万コンゴ・フラン
(約18万5千円)が必要だ。

しかも前金だという。
まずは薬を買うように言われる。
疲れ果てた様子のフェリシテを
見かねて年配の女が
薬を買ってきてあげると
声をかけてくれた。
お金を渡すフェリシテ。
だが、女は金を持ったまま
消えてしまった。

なんとしても金が必要なフェリシテ。

バーでは
タブーが彼女のために
客から金を集める。
バンドメンバーも協力する。

翌朝
フェリシテが目を覚ますと
タブーが冷蔵庫の修理をしていた。
テーブルの上には金。
新しい冷蔵庫を買うため、
彼に渡した金を
手術代の足しになるように
返してくれたのだ。

フェリシテは叔母を訪ねる。
叔母は、
「お前は一度死んだが
棺の中で蘇り、
それで祝福と幸福を意味する
フェリシテという名前に
変えたのだ」
と話し、手術代を少しくれる。

散々な苦労をして集めた金を
病院へ持っていくが、
まだまだ足りない。
フェリシテは別れた夫にも会うが、
自分を捨てた彼女を恨んでいる夫は
無慈悲に追い返す。

フェリシテは見ず知らずの
土地の有力者の家にも行き、
金をもらおうとするが、
追い出される。
しかし、必死にすがるフェリシテの様子に
「二度と来るな」と言いつつ
金を渡してくれた。

金を持って再び病院へ。
だが、
一足遅かった。
サモの容体が悪化し、
足を切断されてしまっていたのだ……

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何があろうと
表情を変えず、
金策に走るフェリシテ。

彼女のいったいどこが
祝福と幸福だというのでしょうか。

キンシャサの街の雑踏を
泣きもせず、喚きもせず、
ただ、
息子の足を切らずにすませたい、
わずかな可能性をも
無駄にはすまい、
と歩き続けるフェリシテ。

その強さに圧倒されます。

と同時に
つい先日家族が入院した管理人は
何はともあれ
必要な手をうってくれる
日本の病院はありがたい、
コンゴに住んでいなくて良かった、
とつくづく思いました。
もちろん
入院費に愕然とはしましたけどね。

あ、すみません。
また私事に走ってしまいました。

コンゴ民主共和国100年の混乱は
インフラの遅れのみならず、
借りた金を返さない、
金は貸さない、
薬代をネコババする、
警官は賄賂をとる――
といった人々を
生み出してしまったんでしょうかねぇ。

そんな人間のいやらしさも
見せるからでしょうか。
お調子者タブーの
思わぬ純情と優しさに
張りつめていた心が緩みます。

魂を揺さぶるような歌と
演奏を背景に
アフリカの変わりつつある部分と
変わらぬ部分を
見ることができたような気がします。





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☆12月23日に更新しました。明日はイブですね。皆さまに良いことがありますように☆

わたしは、幸福(フェリシテ)
監督/アラン・ゴミス、脚本/アラン・ゴミス、脚本協力/オリヴィエ・ルストー、デルフィーヌ・ジング、
撮影/セリーヌ・ボゾン、製作/アルノー・ドメルク、ジャラルディーヌ・スプリモン、
ヴァネッサ・シジェフスキ、ジョルジュ・ショカール
出演
ヴェロ・ツァンダ・ベヤ/フェリシテ、ガエタン・クラウディア/サモ、パピ・ムカパ/タブー、
カサイ・オールスターズ
12月16日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷&有楽町他ロードショー
2017年、フランス、セネガル、ベルギー、ドイツ、レバノン、129分、
リンガラ語&チルバ語&フランス語、字幕/斎藤敦子、字幕監修/奥村恵子、配給/ムヴィオラ
http://www.moviola.jp/felicite/

by Mtonosama | 2017-12-23 06:05 | 映画 | Comments(4)

わたしは、幸福(フェリシテ)
-1-

Felicite

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(C)ANDOLFI - GRANIT FILMS - CINEKAP - NEED PRODUCTIONS - KATUH STUDIO - SCHORTCUT FILMS / 2017

『わたしは、幸福(フェリシテ)』
これ、I’m happy
という意味ではありません。
主人公の名前が幸福(=フェリシテ)
なのです。

日本でいえば幸子でしょうか。
そういえば
『さちこ』という
ばんばひろふみの歌がありましたね。

♪幸せを数えたら片手にさえ余る
不幸せ数えたら両手でも足りない♪

1979年から80年にかけて
ヒットしたこの曲。
これを覚えているってことで
またまた自分の歳を
再確認させられてしまいますわ。

あ、いけない、いけない。
こんなことを言ってしまうと
ずっと『さちこ』に
引っ張られてしまいます。

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幸子、いえ、フェリシテは
コンゴ・キンシャサのバーで
歌を歌って生計を立てている
シングルマザーです。
歌手です。

その歌と音楽がまたすごい。
ワールドミュージック界の雄、
カサイ・オールスターズの
グルーヴ感溢れる音楽で
コンゴの熱い夜が
ダイレクトに伝わってきます。

といっても
音楽の映画ではないのですが。

彼女が幸福=フェリシテ
という名前なのは
幼い頃に一度死にかけ、
葬式の時に生き返ったから。

そのときフェリシテ=幸福という
新しい名前を与えられました。

彼女は誇り高く
自分を折ることのできない人間です。

一人で生きたいと
夫を捨て、
バーで歌いながら
シングルマザーとして
息子を育てるフェリシテ。

なにもかも“お金”のこの街では
タフでなければ
やっていけません。
そして、
彼女の家の冷蔵庫が壊れた日、
一人息子が交通事故に
遭います―――

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これまでに観たことのない
アフリカ映画でした。

猛獣も出てこなければ
槍を持った原住民も出てこないのは
もちろん
コンゴ民主共和国という
植民地から独裁政権、
戦争、混乱と
ヘビーな100年間を経てきた国を
舞台としながら
政治的なテーマの映画でもありません。

そう、
とにかく初めて観るアフリカ。
コンゴに暮らす等身大の女性のお話です。

監督は
アフリカ映画で最も栄誉ある
FESPACO映画祭で
史上初めて
最高賞(エタロン・ドール)を
2度受賞したアラン・ゴミス。

2017年ベルリン国際映画祭では
銀熊賞(審査員大賞)を受賞しました。

アラン・ゴミス監督は
コンゴの超人気バンド
カサイ・オールスターズの音楽と
女性ボーカル・ムアムブイの歌声に
触発され、
脚本を書きました。

歌声がイメージさせてくれたもの。
それは
人生は困難だけど、
音楽だけが人生の別の面を見せてくれる。
そんな日々を生きる女性の闘い―――
でした。

ジャングルもなく
『マンデラの名もなき看守』で
http://mtonosama.exblog.jp/m2008-05-01/
観たような貧民窟もなく、
知らない土地のドキュメンタリー映画のように
映し出されるキンシャサ市内。

でも、彼女の名の由来といい、
カサイ・オールスターズの音楽といい、
どこか原初のアフリカを思わせる部分もあり、
そそられます。

さあ、一体どんなお話なんでしょう。
続きは次回まで乞うご期待でございますよ。



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わたしは、幸福(フェリシテ)
監督/アラン・ゴミス、脚本/アラン・ゴミス、脚本協力/オリヴィエ・ルストー、デルフィーヌ・ジング、
撮影/セリーヌ・ボゾン、製作/アルノー・ドメルク、ジャラルディーヌ・スプリモン、
ヴァネッサ・シジェフスキ、ジョルジュ・ショカール
出演
ヴェロ・ツァンダ・ベヤ/フェリシテ、ガエタン・クラウディア/サモ、パピ・ムカパ/タブー、
カサイ・オールスターズ
12月16日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷&有楽町他ロードショー
2017年、フランス、セネガル、ベルギー、ドイツ、レバノン、129分、リンガラ語&チルバ語&フランス語、字幕/斎藤敦子、字幕監修/奥村恵子、配給/ムヴィオラ
http://www.moviola.jp/felicite/

by Mtonosama | 2017-12-20 06:05 | 映画 | Comments(2)

アランフエスの
麗しき日々

-2-

Les BEAU JOURS d’ARANJUEZ

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(C)2016-Alfama Films Production-Neue Road Movies


鬱蒼と樹々が茂る小高い山の上。
午後を回った少しけだるい陽光と
空気が漂っています。

そこは
フランス・ベルエポックを
象徴する大女優サラ・ベルナール
が住んでいた屋敷。

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サラ・ベルナール ナダール撮影 1864年

庭に置かれた椅子の向こうには
田園地帯のかなたに
パリの街並みが
はるかに望めます。

そこに座った男女。
男は30代後半くらいでしょうか。
女は美しいけれど
男よりはかなり年長のよう。

黄色く霞んだような午後の陽光。
だが、藤棚の下にいる二人は
山の下から吹き上げる風の
中でとりとめもない対話を
交わします。

性的な体験、
子ども時代の思い出、
それぞれの記憶、
男と女の違い・・・

唐突な対話、
見えてこない二人の関係、
この対話はゲームなのか、
真剣なのか、
最終的な合意を
得ようとしているのか、
???
不思議な夏のダイアローグ・・・

庭に向かって
大きく開かれた窓。
その奥の書斎では
作家が一人
タイプライターを前にして
庭をみつめている。

観客が
その作家の目線で
窓外を見ると
藤棚の下に男女はおらず、
遠くに霞むパリの市街地・・・

男女は
作家の創造物?

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場面はベルナール邸の内外のみ。
登場人物は
男女と
作家と
ニック・ケイヴ
の4人だけ。

そして、人ではありませんが
大きなジュークボックス。

どこにもぶっとんだところはないのに、
なんか不思議な映画です。
逆に
ぶっとんだところのないことが
不思議さを生み出して
いるのかもしれません。

ヴィム・ヴェンダースは
『Pina/ピナ・バウシュ踊り続けるいのち』(’11)
http://mtonosama.exblog.jp/17198768/ 
http://mtonosama.exblog.jp/17210360/
『もしも建物が話せたら』(’14)
 http://mtonosama.exblog.jp/24971561/
 http://mtonosama.exblog.jp/24980390/
『誰のせいでもない』
http://mtonosama.exblog.jp/26855071/
http://mtonosama.exblog.jp/26907304/
を3Dで撮影しましたが、
3Dといっても
『アバター』なんかを想像すると
かなり違います。

“ナチュラル・デプス”といって
出来る限り正確に
二つのカメラの動きを目の動きに似せ、
何が
どうやって
目に映るのかを再現する
3Dです。

「数分もすれば
違った形で映画を観たことすら
観客は忘れるだろう」
と監督自身語っています。

このあたりで
魔法にかけられてしまったんでしょうか。

アラン・デロブという人が
発明した撮影法で、
特殊効果などは
使用していないのだそうです。

今回の作品への
ヴェンダース監督の思いは
まるで
本作が最初で最後の作品のよう、
と思ってしまいました。

彼は言います。
「自分が撮った作品を全部見てみると
二つの極端に違うカテゴリー、
もしくは信念が観てとれる。
一方は
ほぼ台本なしで
私と共にキャストとスタッフが
冒険に乗り出し、
映画を撮影する過程でのみ
具現化されたもの。
もう一方は
最初から最後まで細部に至るまで
綿密に計画され
しっかりとした
ストーリーラインに沿う
原作に基づいて作られたものだ」

本作はこのどちらにも
属していない作品だと彼は言います。
これまでの作品に共通するところは
音楽へのこだわりでしょうか。

唐突とも思える
ニック・ケイヴの登場には
驚きました。

ちょっとばかり
これまでのヴェンダース作品とは違います。

男女の会話と音楽と
ナチュラル・デプスに
耳と目を傾けるため
もう一度
映画館に行ってきたいと思います。



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アランフェスの麗しき日々
監督・脚本/ヴィム・ヴェンダース、プロデューサー/パウロ・ブランコ、ギアン=ピエロ・リンゲル、
撮影/ブノワ・デビ
出演
レダ・カテブ、ソフィー・セミン、イェンス・ハルツ、ニック・ケイブ
12月16日(土)EBISU GARDEN CINEMA他全国順次ロードショー
2016年、フランス、ドイツ、ポルトガル、フランス語、ドイツ語、英語、97分

by Mtonosama | 2017-12-17 07:05 | 映画 | Comments(8)

アランフエスの
麗しき日々
-1-

Les BEAU JOURS d’ARANJUEZ

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(C)2016-Alfama Films Production-Neue Road Movies


当試写室では本日
ヴィム・ヴェンダースの最新作
『ベルリン・天使の詩』(‘88 日本公開)
以来30年ぶりとなるペーター・ハントケとの
コラボレーションである
『アランフェスの麗しき日々』を
上映します。

ペーター・ハントケ
1942年オーストリア生まれ。
グラーツ大学で法律学を専攻するが、
1966年小説「雀蜂」で
作家デビューした直後に中退。
同年、戯曲処女作「観客罵倒」を
フランクフルトで上演、
出演者4人が最初から最後まで
観客を罵倒し続けるという
前代未聞の演出構成で
センセーションを巻き起こした。
その時、ハントケは
当時のビートルズの
マッシュルームカットを
真似していたため
「文学界のポップスター」
と言われた。
小説、戯曲、詩、放送劇、
フランス文学翻訳と
様々な分野で活動。
ちなみに本作
『アランフェスの麗しき日々 夏のダイアローグ』も
フランス語で書かれた戯曲である。

『3枚のアメリカのLP』(‘69)の
脚本執筆を皮切りに
『ゴールキーパーの不安』(‘72原作/台詞)
『まわり道』(‘75原作/脚本)
『ベルリン・天使の詩』(‘87脚本)、
そして
『アランフェスの麗しき日々』
(‘16原作戯曲)と
5度にわたり
ヴィム・ヴェンダース監督と
コラボを組んでいる。

78年にはヴェンダース監督の
プロデュースのもと
76年発表の小説
「左ききの女」を
自らの脚本・監督で映画化。
また、
母親の自殺を扱った
「幸せではないが、もういい」(‘72)や
「ゆるやかな帰郷」(‘79)、
母方の祖父の故郷
スロヴェニアを旅する
「反復」(’86)など
自伝的な小説も少なくない。

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1996年の紀行文
「ドナウ、サーヴェ、モラヴィア、ドリナ河畔への冬の旅」
ではユーゴスラヴィア紛争に関して
ヨーロッパのメディアは
偏った報道をしていると批判。
それが親セルビア的で
あることから物議を醸した。
現在はフランス在住。

あ、そうそう、
本作に出演している
ソフィー・セミンは
ハントケ夫人です。

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長々とご紹介してしまいましたが、
オーストリア出身のこの作家、
実は同国グラーツに在住していた
大学時代の友人に教えてもらいました。
本はなかなか手をつけられず
本棚の中で変色し、
友人は45歳の若さで
亡くなってしまいました。
ゆみちゃん、ごめんなさい。
ちゃんと読むからね。

すいません。
また私事に走ってしまいました。

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監督自身
「100%思いのままに撮った
生涯で初めての映画だ」
という本作。

その理由は
戯曲が題材だからであり、
映画がフランス語で展開されるからであり、
”ナチュラル・デプス“3Dで
撮影されたからであり、
映画の舞台が
女優サラ・ベルナールの邸宅だけ
だったからであり、
たった10日間で制作されたから。

でも、
一番大きな理由は
自分の意図がそのまま
最終型に至った
初の作品だからです。

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やるべきことを
やってきた巨匠だからこそ
できたのでしょうね。

映像作家として
これ以上の幸せはないでしょう。

正直なところ
観客はかなり当惑しますが・・・

さあ、一体どんな映画なのでしょう。
続きは次回まで
乞うご期待でございます。



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アランフェスの麗しき日々
監督・脚本/ヴィム・ヴェンダース、プロデューサー/パウロ・ブランコ、ギアン=ピエロ・リンゲル、
撮影/ブノワ・デビ
出演
レダ・カテブ、ソフィー・セミン、イェンス・ハルツ、ニック・ケイブ
12月16日(土)EBISU GARDEN CINEMA他全国順次ロードショー
2016年、フランス、ドイツ、ポルトガル、フランス語、ドイツ語、英語、97分

by Mtonosama | 2017-12-14 05:31 | 映画 | Comments(2)

ヒトラーに屈しなかった国王
-2-

Kongens nei

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(C)2016 Paradox/Nordisk Film Production/Film Väst/Zentropa Sweden/Copenhagen Film Fund/Newgrange Pictures


オスロ郊外の王族居住区の
雪の積もった庭園で
小さな孫息子と遊ぶ
優しそうなおじいちゃん。

可愛くて、可愛くて
もう食べちゃいたい位
メロメロな様子。

え、この好々爺が王様?

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ストーリー

1940年4月8日
息子オラフ皇太子が
孫と戯れる国王に告げる。
「ドイツ軍が
ノルウェーへの侵攻を開始した」と。

オスロ南方のオスカースボルグ要塞では
いまだ政府からの命令が届かない中、
エリクセン司令官はドイツの攻撃に備え
準備を整えつつあった。

4月9日
午前0時
オスロ王室で
兄のデンマーク王・クリスチャン10世に
電話をする国王へ
ドイツ軍がフィヨルドまで迫って
きていることが告げられる。

午前4時20分
オスロ外務省では
ドイツ公使ブロイアーが
ドイツ軍のノルウェー侵攻には
疑問を持ちながら、
ヒトラーの命により
ノルウェー政府に対し、
降伏協定へのサインを求めるため
外務省を訪れる。
その内容は、無抵抗での降伏――
コート外相は突っぱねる。

オスカースボルグ要塞では
エリクセン司令官が
政府の命令を待たず、
沖合のドイツ巡洋艦に向けて砲撃。
命中し、沈んでいく巡洋艦。

午前6時20分
本格的なドイツ軍の侵攻。
王たちはやむなくオスロから退避。
気持ちの整理がつかないまま
駅に到着する国王。
そこには多くの市民たちが
国王を見送っていた。
「自分は国民によって
選ばれた王なのだ・・・」
国王一家と閣僚たちは北へ移動する。

午前11時10分
駅に到着。
兄のデンマーク国王が
降伏したことを告げられる。

平和的な解決を望む
ドイツ公使ブロイアーは
オスロから更に侵攻を続ける
ドイツ軍を引き留めようとする。
だが、交渉での解決を望むのなら
今日中に政府の合意を得るため、
国王を探し出すしかなかった。
一方、議会に参加した国王は
閣僚たちに
「国民のために国を率いる責務がある」
と進言。
主権国家として
あくまで交渉を続けていくという
政府の意志を尊重する。

ミッツコーゲン農場では
国王に迫るドイツ軍を止めるため
少年兵が集結している。
一人の少年兵の前に停まる国王の車。
国王の言葉がけに
「すべては国王のために」と
敬礼する少年。
国王は
「祖国のためだ」と言い直した――

4月10日
午後12時30分
国王とドイツ公使ブロイアーとの謁見。
公使はノルウェーの状況を伝え、
降伏協定を結ぶように要請。

国王はノルウェー国家としての
決断を伝えるのだった……

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「この国の行く末は
密談によって決まるのではない。
国民の総意で決まるのだ」

閣僚たちを集めて
国王としての意志を語ったホーコン7世。

「自分は国民によって選ばれた国王」

追い詰められ、
逃亡のさなかにありながらも
常にそのことが意識と心に沁み込んでいる
国王の姿勢に感動。

「国王のために」と
敬礼した少年兵に対して
「祖国のためだよ」と
言い直す場面には
思わず背筋を伸ばしました。

1940年6月には
イギリスへ亡命した国王と政府でしたが、
7月、ロンドンからラジオ放送で
退位要求を拒否し、
国内に残るレジスタンスを
鼓舞したのでした。

ホーコン7世を演じた
イエスパー・クリステンセンの演技には
瞠目。

私達が生きる今も
何やら不安材料に満ち満ちているからでしょうか。

孫と遊ぶ優しいおじいちゃんが
迎えた苦難と苦悩の日々が身に沁みます。

しかし、その芯に確固としてある
「国民に選ばれた国王である」
との意識には感銘しました。







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ヒトラーに屈しなかった国王
監督/エリック・ポッペ、脚本/ヤン・トリグヴェ・レイネランド、ハラール・ローセンローヴ=エーグ、
原案/アルフ・R・ヤコブセン、製作/フィン・イェンドルム、スタイン・B・クワエ、
撮影/ヨン・クリスティアン・ローセンルン
出演
イェスパー・クリステンセン/ホーコン7世(ノルウェー国王)、アンドレス・バースモ・クリスティアンセン/オラフ(ノルウェー皇太子)、カール・マルコヴィクス/ドイツ公使、カタリーナ・シュットラー/ドイツ公使夫人、ユリアーネ・ケーラー/ドイツ公使館秘書、アルトゥール・ハカラーティ/少年兵、スヴェイン・ティンドベルグ/大臣、ケティル・ホーグ/外相、ゲラルド・ペッテルセン/首相、ヤン・フロスタッド/議長、エリック・ヒヴュ/大佐
12月16日(土)シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
2016年、ノルウェー、ノルウェー・独・デンマーク・スウェーデン語、136分、配給/アット・エンタテインメント、http://kings-choice-jp.com/


by Mtonosama | 2017-12-11 06:27 | 映画 | Comments(4)

ヒトラーに屈しなかった国王
-1-

Kongens nei

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(C)2016 Paradox/Nordisk Film Production/Film Väst/Zentropa Sweden/Copenhagen Film Fund/Newgrange Pictures


前回に続き、またもや
第二次世界大戦時の実話を
上映する当試写室であります。

今回はノルウェーが舞台。

ナチスに降伏を迫られた
ノルウェー国王ホーコン7世が
決断を下すまでの
運命の3日間を描いた映画です。

ホーコン7世(1872~1957)
デンマーク国王フレデリク8世と
ルイーセの次男。
兄はデンマーク国王クリスチャン10世。
1905年、ノルウェーが
スウェーデンとの同君連合を解消、
独立。
大叔父である
スウェーデン=ノルウェー国王
オスカル2世に代わって
国民投票により即位した
国王である。
息子はオラフ5世で
孫のハーラル5世は現国王。
ちなみにオラフ5世は
アムステルダム・オリンピック(‘28)
の金メダリストとしても知られる。

ホーコン7世は
八甲田山で起きた遭難死亡事故の
お見舞いとして
1909年明治天皇に
スキー板を贈呈。
日本とノルウェーの
スキー交流が始まるなど、
日本とのゆかりも深い国王である。

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さて、
1940年4月9日、
この温厚な国王にも
穏やかな国民にも苦難が訪れます。
ナチス・ドイツ軍が
ノルウェーの首都オスロに
侵攻したのです。
ドイツ軍と交戦するノルウェー軍。
しかし、
ナチス・ドイツ軍の
圧倒的な軍事力には抗しがたく
相次いで主要都市が占領されてしまいました。
降伏を求めるドイツ軍に対し
断固拒否の姿勢を貫く政府。
ホーコン7世は政府閣僚と共に
オスロを離れます。

その一方で、
ヒトラーの命を受けたドイツ公使は
国王との謁見の場を設けよという
最後通告を突きつけてきます―――

そんな時代背景の中で生き、
決断を下した国王を描いた作品。

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ナチス・ドイツが席捲した時代の
北欧を描いた映画には
『ヒトラーの忘れもの』
http://mtonosama.exblog.jp/27212109/
http://mtonosama.exblog.jp/27255579/

というデンマーク映画もありました。

これはドイツ軍に置き去りにされ
地雷撤去の任についた
ドイツの少年兵たちのお話でしたが、
戦時中にデンマークの置かれた状況や
国民の怒りもよくわかる佳作でした。

『ヒトラーに屈しなかった国王』は
ノルウェーでは3週連続1位を記録後、
ロングランを続け、
2016年の国内映画興行成績
第1位を獲得。
国民の7人に1人が鑑賞した
社会現象的な大ヒットを記録したそうです。

ノルウェーの人たちの
その気持ちはよくわかります。

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以前、
ノルウェーに行ったことがあります。
オスロ市内を散策した折、
海辺のホテルに人だかりがしていました。
「国王だ!」
という声が聞こえ、見に行きましたが、
警備もそんなにいません。

今、思えば、
あれがホーコン7世のお孫さんである
ハーラル5世だったのでしょう。

本作を観て、
「ノルウェーって自然は壮大だけど、
オスロ市はあまりパッとしないな」
などと思ってしまったことを
深く反省しました。

さあ、一体どんなお話でしょうか。
続きは次回まで乞うご期待でございます。



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ヒトラーに屈しなかった国王
監督/エリック・ポッペ、脚本/ヤン・トリグヴェ・レイネランド、ハラール・ローセンローヴ=エーグ、原案/アルフ・R・ヤコブセン、製作/フィン・イェンドルム、スタイン・B・クワエ、
撮影/ヨン・クリスティアン・ローセンルン
出演
イェスパー・クリステンセン/ホーコン7世(ノルウェー国王)、アンドレス・バースモ・クリスティアンセン/オラフ(ノルウェー皇太子)、カール・マルコヴィクス/ドイツ公使、カタリーナ・シュットラー/ドイツ公使夫人、ユリアーネ・ケーラー/ドイツ公使館秘書、アルトゥール・ハカラーティ/少年兵、スヴェイン・ティンドベルグ/大臣、ケティル・ホーグ/外相、ゲラルド・ペッテルセン/首相、ヤン・フロスタッド/議長、
エリック・ヒヴュ/大佐
12月16日(土)シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
2016年、ノルウェー、ノルウェー・独・デンマーク・スウェーデン語、136分、
配給/アット・エンタテインメント、http://kings-choice-jp.com/

by Mtonosama | 2017-12-08 07:04 | 映画 | Comments(4)

ユダヤ人を救った動物園

~アントニーナが愛した命~
-2-

The Zookeeper’s Wife

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©2017 ZOOKEEPER’S WIFE LP. ALL RIGHTS RESERVED.


ヤンとアントニーナ夫妻は
1939年当時ヨーロッパ最大規模を誇る
ワルシャワ動物園を営んでいました。

アントニーナは広い園内を自転車で移動しながら
動物たちに声をかけ、
放し飼いにされている
1頭のワラビーなどはピョンピョンと
ジャンプしながら彼女の後をついてきます。

大人も子どもも大好きな
動物園でした。

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ストーリー
1939年秋
ドイツがポーランドに侵攻、
第二次世界大戦が勃発した。

動物園の存続も危うくなる。
そんな中、アントニーナは
ヒトラー直属の動物学者ヘックから
「あなたの動物を一緒に救おう」と
声を掛けられ、
希少動物を預かりたいという
申し出を受ける。

ヘックの親切な言葉に
心を許したアントニーナだったが、
ヤンはその提案に
不信感を抱くのだった。

そんなヤンの予感は的中。
数日後
ヘックは「上官の命令だ」と言い放ち、
園内の動物たちを撃ち殺し始めた。

一方、ワルシャワ市内のユダヤ人たちは
次々とゲットーへ連行されていく。
その状況を見て
ヤンは「この動物園を隠れ家にする」と
アントニーナに提案するのだった。

ヤンの作戦は
動物園を、ドイツ兵の食糧である
ブタを飼育する養豚場とし、
その餌である生ゴミをゲットーから
トラックで運搬する際、
ユダヤ人たちを紛れ込ます――
というもの。
アントニーナは
その作戦をすぐさま承諾。

そして、ゲットーから連れ出された
ユダヤ人たちは
動物園の地下の檻に匿われ、
身を隠し、
アントニーナは
彼らに温かい食事を供するのだった。

しかし、
ドイツ兵は園内に常駐している。

アントニーナの奏でるピアノが
ユダヤ人に対する
「隠れて」「静かに」の合図だった。

気を抜くことなど許されない
緊張の日々。

さらに
ヤンが地下活動で家を空けることが
多くなり、
アントニーナの不安は募るばかり。
彼女に関心を抱くヘックも
何かと言い寄ってくる中、
彼女はひとり「隠れ家」を守り抜き、
その責務を果たし続けるのだった……

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試写室管理人は
平和な時代の動物園の
ワラビーや子ライオンなどの姿が
可愛くて、可愛くて・・・

その後の展開に
絶対に戦争は許されないと
思いを新たにしたのでした。

ついつい動物の方に目が行ってしまいますが、
ユダヤ人をゲットーから救出する場面や
自身が経営する孤児院の子どもたちと共に
収容所へと送られた
コルチャック先生など
映画としても
歴史としても
見逃せないシーンもタップリ。

ドキドキしたり、
涙したり――
127分スクリーンにくぎ付けにされます。

コルチャック先生
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アンジェイ・ワイダ監督の
『コルチャック先生』(‘90)でも
ご存知でしょうが、
ヤヌシュ・コルチャック(1878~1942)は
ユダヤ系の小児科医師、作家、教育者。
ワルシャワでユダヤ人孤児のための
孤児院を経営していましたが、
ワルシャワがドイツ軍に占領されると
彼の孤児院もゲットーに。
苛酷なゲットーでの暮らしの中
子どもたちに少しでも良い環境を与えたいと
奔走する彼を見かねた友人たちが
彼だけでもゲットーから脱出することを
勧めましたが、
彼はそれを断固拒否。
1942年8月5日
トレブリンカの絶滅収容所へ移送されました。
200人近い孤児たちは
大好きなコルチャック先生と一緒に
一人も取り乱すことなく
列車に乗り込んでいきました。
ヤヌシュ・コルチャック。
享年64歳でした。

不都合な真実から目を逸らそうという
風潮がありますが、
歴史を伝えようとする人、
表現しようという人がいる限り、
まだまだ世界は捨てたものではありません。






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ユダヤ人を救った動物園
監督/ニキ・カーロ、脚本/アンジェラ・ワークマン、撮影/アンドリー・パレーク、
原作/ダイアン・アッカーマン
出演
ジェシカ・チャスティン/アントニーナ、マイケル・マケルハットン/ヤン、ダニエル・ブリュール/ヘック
12月15日(金)TOHOシネマズみゆき座他全国公開
アメリカ、127分、字幕翻訳/松浦美奈、配給/ファントム・フィルム
http://zookeepers-wife.jp/

by Mtonosama | 2017-12-05 06:32 | 映画 | Comments(8)