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殿様の試写室

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プリピャチ -1-
PRIPYAT 

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©NIKOLAUS GEYRHALTER FILMPRODUKTION GMBH

プリピャチというのは地名です。
あのチェルノブイリ原子力発電所から4キロの地点にある町で、
事故の前は原発職員たちがこの町にたくさん住んでいました。

1986年の事故後は原発周辺30kmが立入禁止区域「ゾーン」と呼ばれ、
許可なく立ち入ることができない管理された町になっています。

30km圏「ゾーン」は有刺鉄線で囲まれ、
チェルノブイリを中心点にしてコンパスで引かれた円形の区域。
ゾーンへのチェックポイントでは兵士が区域内に入る全ての人や車をチェックし、
いかなるものも外へ持ち出すことは禁止されています。

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ですが、このゾーンにも、プリピャチにも人は住んでいます。
原発や関連施設で働く人々、許可を得て帰還した人々、他地域への移住を順番待ちする人々などです。

「いのちの食べ方」(‘05)のニコラウス・ゲイハルター監督が
チェルノブイリの事故から13年経った1999年、本作「プリピャチ」を制作しました。
映画制作には2年を費やし、ゾーンの中では3回に分けて撮影し、3ヶ月滞在。
その間に15人の住人にインタビューしました。

撮影の前後にはウィーンの放射能研究所でホール・ボディ・カウンターにも入りました。
その結果、3ヶ月のプリピャチ滞在中に受けた線量は、
オーストリアで決められている1年間に受けていい線量を超えていたということです。

本作に登場しているのは、
チェルノブイリ市に住む老夫婦、
プリピャチ市の環境研究所に勤務し、以前は市内に住んでもいた女性職員、
立入制限区域との境界地域に住み、10年以上も移住の順番待ちをしている女性、
チェルノブイリ原発の技術者などです。

彼らはカメラを向けられ、自分たちの心境や、もう戻ってこないかつての生活、
そして、それでもこの地で生きている日常について淡々と語ります。

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実はこの映画を観て、とても驚いたことがあります。
チェルノブイリ原子力発電所4号機が事故を起こした後、あの巨大な石棺で覆われました。
その後、もちろん問題は解決したわけではなく、問題があるからこそ、本作も撮られた訳ですが、
その石棺で覆われた4号機の隣で原発が再稼働されていたのです。
驚きました。まったく知りませんでした。

知らない方がよかったのでしょうか。
いえ、その反対だと思いました。
だって、チェルノブイリのその後を見ながら、私たちのその後も考えていかなければならないのですから。

1986年のチェルノブイリ事故の後、
原発周辺地域には30km圏の立入制限区域ゾーンが設けられ、11,600人が避難しました。
発電所から4km地点にあるプリピャチの住民は事故直後50,000人が避難、
ソ連(当時)全地域へ移住しました。
それ以降、家々は荒廃し、街へ立ち入るには特別許可証が必要になりました。

ゾーンに暮らす比較的高齢な約700人の人々。
彼らはこの地に暮らす危険性を知らないわけではありません。
ある人は故郷を忘れ難く、また、ある人は若い人をここに来させるわけにはいかないと、
あるいは、出たくても出られないなどさまざまな事情からゾーンで仕事をし、暮らしています。

当局は情報も伝えず、10年も移住を待ち続ける人々の家やライフラインも整備しません。
そして、彼らはこの地の畑で栽培した作物を食べ、森のきのこを食べ、
原発の横を流れるプリピャチ川の魚を採り、水を飲んでいます。

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ワンシーン、ワンカットのモノクロの静謐な画面からはこの地で続いている放射能汚染を見ることはできません。
そう、放射能は見ることも匂いをかぐことも聞くこともできないものですものね。

この映画で、インタビューされたゾーンの人々は自分たちの状況を淡々と語っています。
ゾーンでも、福島でも、これから直面し、対応していかなければならない事態を考えれば、
静かな怒りと、絶望しない気力と、少しでもいいから希望こそが必要なのだと思います。

私の映画は後の世代にとってのある種の年鑑のようなものだと思っている

という監督の想いを真正面から受け止め、この映画を鑑賞しました。



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プリピャチ
監督・撮影/ニコラウス・ゲイハルター
3月3日(土)渋谷アップリンク他にて全国順次ロードショー
1999年、オーストリア、モノクロ、100分、配給/アップリンク

by Mtonosama | 2012-02-27 06:54 | 映画 | Comments(8)
恋人たちのパレード -2-
WATER for ELEPHANTS

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(C) 2011 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved. (C) A.M.P.A.S. R

この映画の一番のみものはなんといっても
オリジナルタイトルwater for elephantsにも出てくるくらいですから、象の演技です。
彼女、本作ではロージーという名前で名演を見せてくれますが、本名はタイ。
42歳の女ざかりです。
この象さん、これまでにも数々の映画に出演してきたベテラン女優でして、
邦題のまずさ(まだ言うか)も吹っ飛ぶ素晴らしい演技を見せてくれました。
象ってこんなに可愛い生きものなんだ、とあらためて再認識。

しかし、
本作は恋愛映画。
1931年大学の卒業試験の直前、すべてを失い、サーカスの列車に飛び乗った青年。
彼はそこに自分の生きる場所をみつけ、一座の花形スターに恋をする・・・・・
という映画なのです。
象に心ひかれるなどあってはいけないことでした。

が、しかし、
恋愛映画に象がどのように絡んでくるか、そこがまた一興でございますよ。
さてさて、いかなるストーリーでありましょうか。


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ストーリー
降りしきる雨にネオンサインも滲んでみえる夜。
サーカスで働くチャーリーはテントの前に立っていた老人を事務所に招き入れる。
老人は、事務所の壁に飾られた古い写真を見ながら、
昔働いていたサーカス一座で起きた事件について語り始めた。


ポーランド移民の両親の愛に支えられて、コーネル大学で獣医学を学ぶジェイコブ。
彼には将来が保証され、すてきなガールフレンドもいた。
しかし、卒業を目前にして両親が交通事故死。
1人残された彼は、両親が彼の学費のために家を抵当に入れていたことを知る。
金もなく、家も失った追いジェイコブは仕事を探すため、都会を目指す。
とはいえ、あてなどない。力なく線路を歩くジェイコブ。

彼はやってきた列車に飛び乗った。
それはベンジーニ・ブラザーズ・サーカスの列車だった。
サーカスの団長オーガストはジェイコブを追い出そうとする。
だが、彼が獣医学を学んだと知って態度が一変。サーカス団に迎え入れるのだった。

動物の世話係として働くことになったジェイコブは、
一座の花形でオーガストの妻であるマーリーナに心を奪われてしまう。
だが、それは許されない恋。
彼はただ遠くから彼女をみつめるだけだった。
ところが、一座の一番人気であるホースショーの馬が不死の病に。
それに代わる演し物として連れて来られたのが象のロージー。
マーリーナは象使いをすることになる。
言うことをきかないロージーを激しく折檻するオーガストをとどめるジェイコブとマーリーナ。
2人はロージーの訓練を通じて次第に親しくなっていった。
ロージーとマーリーナのショーはサーカスの呼び物になり、一座は行く先々で大人気となる。

しかし、嫉妬深いオーガストがジェイコブとマーリーナの仲を疑うようになって……

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ベテラン女優タイはジェイコブとマーリーナの恋のキューピッドだったわけですね。
随分大きなキューピッドですが。

大恐慌の時代、サーカス団もまたその大きな影響を受けていました。
団員たちは、経営不振に陥ったサーカス団から安い賃金でオーガストのサーカスにひきとられ、
専制君主のようなオーガストに怯えながらも、お客さまを楽しませます。
彼らにできることはただそれだけ。人々を喜ばせ、笑わせることが彼らの仕事でしたから。
サーカス小屋は経済不況の波をもろにかぶった社会の縮図でもあったんですね。

あ、そうそう。ジェイコブを演じたロバート・パティンソン。
目力の強い良い男で、「トワイライト~初恋~」(‘08)で美形のヴァンパイアを演じた俳優。
人の顔を覚えられないという社会人としては大成できない困った欠点を持っているとのですが、
彼の顔だけは印象に残っていました。
ハンサムすぎる彼、象のロージーとアカデミー賞女優リーゼ・ウィザースプーンを相手に
純朴な青年をきちんと演じてなかなか良かったです。

象やライオンのコミカルな演技(?)にも大いに笑わせてもらいました。
いやぁ、しかし、象ってホントに頭が良い動物です。





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恋人たちのパレード
監督/フランシス・ローレンス、脚本/リチャード・ラグラヴェネーズ、原作/「サーカス象に水を」(サラ・グルーエン著 ランダムハウス講談社)、撮影/ロドリゴ・プリエト、美術/ジャック・フィスク、製作総指揮/ケヴィン・ハロラン、製作/ギル・ネッター、アーウィン・ストッフ、アンドリュー・テネンバウム
出演
リーズ・ウィーザースプーン/マーリーナ、ロバート・パティンソン/ジェイコブ、クルストフ・ヴァルツ/オーガスト、ハル・ホルブルック/ジェイコブ、ポール・シュナイダー/チャーリー、ジム・ノートン/キャメル、マーク・ポヴィネリ/キンコー、リチャード・ブレイク/グレイディ、スティーブン・モンロー・テイラー/ウェイド、ケン・フォリー/アール
2月25日(土)シネマート新宿他全国順次ロードショー
2011年、アメリカ、121分、配給/エスピーオー、http://video.foxjapan.com/koipare/

by Mtonosama | 2012-02-24 07:12 | 映画 | Comments(8)
恋人たちのパレード -1-
WATER for ELEPHANTS

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(C) 2011 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved. (C) A.M.P.A.S. R


まあ、これはなんという邦題でありましょう!
オリジナルタイトルの“WATER for ELEPHANTS”もわからないといえば、わかりませんが、
それは原作のタイトルでもありますから、文句をつける筋合いのものではございません。
それに、elephantsというのがなんとなく気になりますしね。

しかし、「恋人たちのパレード」・・・・・
これはあんまりです。

舞台や、時代背景や、ストーリーにはそそるものがある映画ですから、
もう少し良いタイトルが欲しかったです。
惜しいなぁ。

原作は「サーカス象に水を」(サラ・グルーエン著 ランダムハウス講談社)。
2006年に出版されたベストセラー小説です。12週にわたり「ニューヨーク・タイムズ」のベストセラー・リストに掲載された作品。それを「フィッシャー・キング」(‘91)などで知られる脚本家リチャード・ラグラヴェネーズが原作を大胆に変えて脚色しました。


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原作では、ヒロインの夫オーガストと、暴力的で専制的なサーカスのオーナー、アンクル・アルは別人でした。
それが映画では夫とサーカスのオーナーが同一人物。
また、年老いた主人公が自らの経験を回想するという形にしたのも原作とは違うところです。

この回想形式、案外よく使われますよね。
とのも本作の冒頭シーンにどこか既視感を覚えました。
そして、思い出したのが「わが心のボルチモア」(‘90)。
「わが心のボルチモア」も主人公の回想から始まる映画でした。

「わが心のボルチモア」
ボルチモアに住む東欧移民の一家の3世代にわたる時の流れを通してアメリカン・ドリームの変遷を描いた映画でした。1914年、主人公が東欧からアメリカに降り立った日は独立記念日。まばゆい灯りと花火に照らされた主人公の驚きと希望に満ちた顔が印象に残る作品です。

本作「恋人たちのパレード」の時代は1930年代。大恐慌の真っ最中ということで、
人々の生活苦が東欧移民の貧しさとリンクしたゆえの既視感だったのかもしれません。

大恐慌のさなかであっても、人々は華やいだ気分でサーカスのテントに集まってきます。
貧しいからこそ、大人も子供も一夜の享楽をサーカスに求めるのでしょうか?
そう、本作は大恐慌の時代のサーカスを舞台にした物語です。

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虎やライオン、馬や象。テントの中で繰り広げられる空中ブランコや猛獣使いの芸。
こびとのピエロ。馬と美女との華やかなショー。
そして、サーカスは一夜のショーを終えるとまた次の土地へ列車で移動します。

さあ、そんな旅から旅への日々の中で繰り広げられるお話とは?

しかし、それにしてもなんで「恋人たちのパレード」なのでしょうかねぇ。ブツブツ。
ま、この際、タイトルは忘れて映画を楽しんでいただきましょうか。



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恋人たちのパレード
監督/フランシス・ローレンス、脚本/リチャード・ラグラヴェネーズ、原作/「サーカス象に水を」(サラ・グルーエン著 ランダムハウス講談社)、撮影/ロドリゴ・プリエト、美術/ジャック・フィスク、製作総指揮/ケヴィン・ハロラン、製作/ギル・ネッター、アーウィン・ストッフ、アンドリュー・テネンバウム
出演
リーズ・ウィーザースプーン/マーリーナ、ロバート・パティンソン/ジェイコブ、クルストフ・ヴァルツ/オーガスト、ハル・ホルブルック/ジェイコブ、ポール・シュナイダー/チャーリー、ジム・ノートン/キャメル、マーク・ポヴィネリ/キンコー、リチャード・ブレイク/グレイディ、スティーブン・モンロー・テイラー/ウェイド、ケン・フォリー/アール
2月25日(土)シネマート新宿他全国順次ロードショー
2011年、アメリカ、121分、配給/エスピーオー、http://video.foxjapan.com/koipare/

by Mtonosama | 2012-02-21 06:33 | 映画 | Comments(6)
Pina
ピナ・バウシュ踊り続けるいのち -2-
Pina

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©2010 NEUE ROAD MOVIES GMBH,EUROWIDE FILM PRODUKTION

先日ローザンヌ国際バレエ2012で高校2年生の菅井円加さんが優勝しました。
クラシック部門でも、コンテンポラリー部門でも圧倒的な1位だったといいますから、
なんとも誇らしいことです。

ピナ・バウシュのダンス、そして、その振付は
ローザンヌ国際バレエ風に言えばコンテンポラリーなものです。
すいません。ザツで。

次の動きが予測できないダンス、
あ、危ない!と息を呑むダンス、
泥にまみれ、
水を浴び、
一列縦隊になって、鉱山の廃墟を歩く。

肉体が躍動し、感情が動きになり、心が踊りになる。
身体と頭と心がひとつになって表現されるダンス。
なんとも圧倒されます。

でも、ダンスとの一体感を味わうためには
やっぱりダンサーの呼吸や汗や筋肉の動きが
間近に見られることが必須だと思うんです。

実は、「リトルダンサー」(‘01日本公開)に刺激されて、
アダム・クーパーが出演する「白鳥の湖」を
オーチャード・ホールへ観にいったとの。
もちろん舞い上がる気分でしたが、
やはり座席からステージまでって遠いんですね。

ああ、近くで観たい!

そんな欲張りでわがままな気分を満たしてくれたのが、本作。
おお、筋肉が見える!うわ、挑発するようなダンサーの表情が迫ってくる。
ステージ前列から後までの奥行感がスゴ過ぎる。
これぞ3Dの威力であります。

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舞台よりも激しい臨場感。まるで私たちがステージに立っているようです。
それを可能にしたのが3Dクレーンカメラ。
伸縮自在のクレーンの上に大型スタジオカメラを装着し、
そのクレーンを客席に設置するという手法です。

ヴィム・ヴェンダース監督は何度もテスト撮影を重ね、
さらには「アバター」(‘09 ジェームズ・キャメロン監督)を観て研究。

2009年10月に撮影を開始し、ピナ自身が映画化のために選んでいた作品
「カフェ・ミュラー」「春の祭典」「フルムーン」の3作が
ヴッパタールのオペラハウスに観客を入れたライブとして、
ノーカットで収録されました。

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3Dの進化は日進月歩です。
翌年4月に撮影された「コンタクトホーフ」の時には
小型軽量カメラを取り付けたステディカムを使用することが可能になっており、
ダンサーは空間全てを使って踊ることができ、
3D効果で観客が知覚的に感じられる空間もさらに広くなりました。

ステージ上でのライブはもちろん、
森の中で、海辺で、モノレールや車が行き交うヴッパタールの市街地で
繰り広げられるダンス。
なかでも、圧倒されたのは鉱山の跡地にできた山の稜線を盛装したダンサーたちが
Fruehling,Sommer,Herbst,Winter(春、夏、秋、冬)と
口ずさみながら歩いていくシーンです。

映像としての美しさと
ヴッパタールが位置するルール工業地帯の廃墟とダンサー集団が
なんともいえない不思議な感覚をよびさましてくれます。
まさにピナとヴェンダースのコラボレーション、
ここに極まれりというところです。

もう、こればっかりは観ていただかないと始まりません。
ダンスばかりはステージ直近でないと満喫できないとお考えの皆さま、
是非3Dの真価を実感なさってください。





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Pina  ピナ・バウシュ踊り続けるいのち
監督・脚本・製作/ヴィム・ヴェンダース、振付/ピナ・バウシュ、プロデューサー/ジャン=ピエロ・リンゲル、アート・ディレクター/ペーター・パブスト、芸術コンサルタント/ドミニク・メルシー、ロベルト・シュトルム、衣装/マリオン・スィトー、舞台・衣裳デザイナー/ロルフ・ボルツィク、撮影/エレーヌ・ルヴァール、編集/トニ・フロッシュハマー、音楽/トム・ハンレイシュ
出演
ピナ・バウシュ、ヴッパタール舞踊団のダンサーたち
2月25日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿バルト9、横浜ブルク13など全国順次3D公開
2010年、104分、ドイツ・フランス・イギリス映画、字幕翻訳/吉川美奈子、提供・配給/ギャガ、後援/ドイツ連邦共和国大使館
http://pina.gaga.ne.jp/

by Mtonosama | 2012-02-18 07:26 | 映画 | Comments(8)
Pina
ピナ・バウシュ踊り続けるいのち -1-
Pina

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©2010 NEUE ROAD MOVIES GMBH,EUROWIDE FILM PRODUKTION

来ました!
ダンスです。
ピナ・バウシュです。
そして、ヴィム・ヴェンダースです。
「ブエナ・ヴィスタ・ソシアルクラブ」(‘98)で最高の音楽ドキュメンタリー映画
を見せてくれたヴィム・ヴェンダース。
彼の今回の監督作品は2009年6月30日68歳で急死したピナ・バウシュとそのダンスを描いたもの。
それもなんとアート系作品としては世界初の最新3D映像で描いた映画です。

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3D映像は苦手なとのですが、この映画ばかりはそんなこと言ってはいられません。
ヴィム・ヴェンダースが3Dでなければ
ピナの世界を映像化できないと言っているのです。
そんなときに、メガネの上に3Dメガネをかけるのはイヤだ、なんてわがままは通りませんもの。

巨匠ヴィム・ヴェンダースをして、3Dという新しい分野に足を踏み入れさせた
ピナ・バウシュとはいかなる人物なのでしょう。
と、またまたウィキってみますと・・・


f0165567_557250.jpgピナ・バウシュ(Pina Bausch 本名Philippine Bausch,1940年7月27日 - 2009年6月30日)はドイツのバレエダンサー、バレエとコンテンポラリー・ダンスの振付家。1940年ドイツのゾーリンゲン生まれ。実家はカフェレストラン。
14歳からエッセンのフォルクヴァンク芸術大学でクルト・ヨースに師事。18歳で首席卒業後、国費交換留学生としてニューヨーク、ジュリアード音楽院舞踊科に入学。アントニー・チューダーの勧めによりメトロポリタン・オペラ・パレエ団やニュー・アメリカン・パレエ団などで活動。
1962年に帰国し、フォルクヴァンク舞踊団でソリストとして活躍。振付を開始し、1969年には芸術監督に就任。この年フォルクヴァンク芸術大学の教授にもなっている。同年の作品 『時の風の中で』 がケルンの国際振付家コンクールで1位を獲得した。
1973年、ヴッパタール舞踊団の芸術監督に就任する。
ドイツ表現主義舞踊の権威であるヨースの影響を色濃く受け継ぎながら演劇的手法を取り入れたピナ独自の舞踊芸術は演劇とダンスの融合とも言われ、彼女自身は「タンツ・テアター」と呼ぶ。
1983年フェデリコ・フェリーニ監督の映画 『そして船は行く』 に出演。 1999年坂本龍一オペラ 『LIFE』 に出演。 2002年にはペドロ・アルモドバル監督作品 『トーク・トゥ・ハー』 の冒頭で代表作である「カフェ・ミュラー」を彼女自身が踊っている。
2009年6月30日、ガンの告知を受けた5日後に68歳で死去した。日本では前年(2008年)4月2日の滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホールで、『フルムーン』を踊ったのが最後の公演であった。
作品
春の祭典』(1975年)
七つの大罪』(1976年)
カフェ・ミュラー』(1978年)
カーネーション』(1982年)
ヴィクトール』(1986年)
パレルモ パレルモ』(1989年)
(Wikipediaより)

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すいません。引用が長くなってしまいました。
ヴィム・ヴェンダースが初めてピナと出会ったのは1985年のこと。
ちょうど「東京画」を制作した頃です。
ピナの作品を見て強い感銘を受けた監督はその後20年以上にわたる親交を深め、
共同で映画を作ろうという計画が持ち上がりました。

しかし、2009年6月30日。
半年に及ぶ準備を終え、3Dのリハーサル撮影を2日後に控えた日、ピナは突然この世を去ってしまったのです。悲嘆にくれた監督、一時は撮影中止を決意。
ところが、ピナと踊り続けてきたヴッパタールのダンサーや世界中から届く映画化を望む声に後押しされて、
「Pina  ピナ・バウシュ踊り続けるいのち」は完成したのでした。

さて、一体どんな映画なのでしょう。
とはいえ、この躍動感を言葉で伝えるのは非常に難しいと思うのですが。



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Pina  ピナ・バウシュ踊り続けるいのち
監督・脚本・製作/ヴィム・ヴェンダース、振付/ピナ・バウシュ、プロデューサー/ジャン=ピエロ・リンゲル、アート・ディレクター/ペーター・パブスト、芸術コンサルタント/ドミニク・メルシー、ロベルト・シュトルム、衣装/マリオン・スィトー、舞台・衣裳デザイナー/ロルフ・ボルツィク、撮影/エレーヌ・ルヴァール、編集/トニ・フロッシュハマー、音楽/トム・ハンレイシュ
出演
ピナ・バウシュ、ヴッパタール舞踊団のダンサーたち
2月25日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿バルト9、横浜ブルク13など全国順次3D公開
2010年、104分、ドイツ・フランス・イギリス映画、字幕翻訳/吉川美奈子、提供・配給/ギャガ、後援/ドイツ連邦共和国大使館
http://pina.gaga.ne.jp/

by Mtonosama | 2012-02-15 06:09 | 映画 | Comments(8)
セイジ 陸の魚 -2-

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©2011 Kino Films/Kinoshita Management Co.,Ltd

学生時代最後の夏休み。就職も決まり、ひとり自転車に乗って旅立った「僕」。
まだまだバブルの余熱が充満し、将来に不安を感じることなく今を生きられる時代でした。

ああ、そんな時代もあったなぁ・・・・・

って、ここで想い出に浸ってしまって、どーする。

ま、そう思っても仕方ないような導入部です。
森山未來くん演じる「僕」が、いまどきの、お行儀の良い、
それでいて身の振り方にまだまだとまどいを感じる年頃の男の子を好演していました。

あ、もうひとり、重要な人物がいます。
そう、セイジです。このとらえどころのない寡黙な人物を演じたのは西島秀俊。
2人の魅力的な人物が演じるドライブインでのひと夏のできごと。
さあ、どんなお話でしょうか。


ストーリー
20年前。
学生最後の夏休み、「僕」は適当に就職を決め、1人であてのない自転車旅行にでかけた。
自転車に荷物をくくりつけ、自由気ままにこぎ続ける「僕」。
ところが、山道で軽トラックと接触事故を起こしてしまった。
運転していた男は「僕」を旧道沿いにあるウラさびれたドライブイン・HOUSE475に連れていく。
加害者の割に態度のデカい男の名はカズオ。ドライブインの定連だった。

そこで、「僕」はHOUSE475の雇われ店主・セイジと出会う。
あまりしゃべらず、どこかワケありな感じの男だが、
夜になると店に集まってくるカズオたち常連客に慕われていた。
そんな彼らに惹かれた「僕」はこの店に住み込んで働くようになった。
時々訪れる店のオーナー・翔子や常連客と触れ合う内に、居心地が良くなってしまう「僕」。

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謎の多いセイジだったが、常連客・ゲン爺の孫娘・りつ子をなぜか可愛がっていた。
幼いりつ子と遊ぶ時、ふと見せるセイジの笑顔を見て「僕」はもっとセイジのことを知りたくなった。
ある晩、「僕」はセイジの部屋で古びた8ミリテープを見つける。
そこにはセイジの過去をうかがい知ることのできる映像が残されていた。

夏が過ぎ、秋の気配が漂い始める。

「僕」が現実に戻らなくてはならない日も近いある日。
その事件は起こった。
まったく唐突に、りつ子の両親が幼い彼女の目の前で凶悪犯によって殺され、りつ子も左腕を失う。
それ以来、彼女は心を閉ざしてしまう。
必死に看病をする「僕」たちだったが、あんなにりつ子を可愛がっていたセイジだけはやってこない。
そして、セイジのとった驚くべき行動とは……


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都会に近い山間部をドライブするとき、打ち捨てられたようなドライブインや
裏さびれたラブホテルなどが廃墟寸前の姿で佇んでいるのを見ることがあります。
住み慣れた町でも散歩の途中に崩れかけた民家を目にしてどきりとすることがありますよね。
この映画に登場するHOUSE475はそんな建物です。

どきりとしつつも、そこに住み、働き、お酒を飲んだ人たちが感じられ、妙に懐かしい気分になったりします。
ディズニーランドのホーンテッドマンションに入っていくと、
半透明の幽霊たちがダンスしてますよね。あんな感じでしょうか?

怖いけど、懐かしい。懐かしいけど、寂しい。

一軒のドライブインを舞台に繰り広げられるのはひと夏の「僕」の甘酸っぱい青春物語でも、
ワケあり店主セイジの過去をあばく話でもありません。
青春という不器用な一時期を生きる不器用な人々を半透明の幽霊みたいに踊らせたとでも
いいましょうか。

今は廃墟となった建物も鼓動を打ち、血が流れていった時があった・・・・・

ドライブ中にたまたま目にした崩れかけた店を素通りできなくさせてしまう映画かもしれません。
ますます廃墟好きにさせられそうな映画でした。

あ、そうそう。伊勢谷友介は今回は監督のみ。俳優としては登場しません。
知と情が適度に混ざり合った映画といえましょうか。伊勢谷監督、今後が楽しみです。





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セイジ 陸の魚
監督/伊勢谷友介、原作/「セイジ」辻内智貴(筑摩書房/光文社文庫)、脚本/龜石太夏匡、伊勢谷友介、石田基紀、製作総指揮/木下直哉、エグゼクティブプロデューサー/西尾武信、プロデューサー/龜石太夏匡、武部由実子、石田基紀、音楽/渋谷慶一郎、撮影/板倉陽子
出演
西島秀俊/セイジ、森山未來/「僕」、裕木奈江/翔子(ドライブインのオーナー)、新井浩文/カズオ、津川雅彦/ゲン爺
2月18日(土)テアトル新宿他全国順次ロードショー
企画・製作/キノフィルムズ、配給/ギャガ+キノフィルムズ、http://seiji-sakana.com/

by Mtonosama | 2012-02-12 07:01 | 映画 | Comments(6)
セイジ 陸の魚 -1-
 

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©2011 Kino Films/Kinoshita Management Co.,Ltd

皆さまは伊勢谷友介というと、どんな役を演じた時が印象的でしたか?
とのは「龍馬伝」の高杉晋作。
「おもしろきこともなき世をおもしろく」の辞世を詠んだあの高杉晋作です。
写真に残る実物の高杉と伊勢谷演じる高杉はちょっと違い過ぎるという気はしましたけどね。

あとはNHKドラマスペシャルでやった白洲次郎役ですか。
どちらも彼が演じるとカッコ良すぎます。
ま、白洲次郎は実物もほんとにカッコ良いんですが、
ちょっとヤンチャでワイルドな感じもあって、伊勢谷の白洲は少しノーブル過ぎたかも。

と、役者としての伊勢谷友介はこの際、脇へ置いておきましょう。

今回は、俳優・伊勢谷友介ではなく、伊勢谷友介監督作品のご紹介です。


伊勢谷友介
f0165567_791394.jpg1976年5月29日生まれ。東京都出身。東京藝術大学美術学部修士課程修了。
98年在学中に映画「ワンダフルライフ」(‘98、是枝裕和監督)で俳優デビュー。
「雪に願うこと」(‘06、根岸吉太郎)、「ブラインドネス」(‘08、フェルナンド・メイレレス監督)、「十三人の刺客」(‘10、三池崇史監督)、「あしたのジョー」(‘11、曾利文彦監督)などに出演。
大学在学中にニューヨーク大学映画コースに留学。映像制作を学び、03年に映画「カクト」で初監督を務める。

「カクト」
伊勢谷友介が念願の長編監督デビューを果たした青春映画。ストリートに生きる若者たちが、ドラッグを巡って騒動に巻き込まれていく姿を瑞々しいタッチで描く。伊勢谷の出演作「ワンダフルライフ」「DISTANCE」監督の是枝裕和が、プロデューサーとしてバックアップ。カクトとは“覚人”または“覚都”。“目覚める人、都市”を意味する伊勢谷自身の造語である。http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD2756/story.html

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というわけで、本作「セイジ-陸の魚-」は伊勢谷友介8年ぶりの監督作品です。
両作品ともちょっと奇妙なタイトルですが、「セイジ-陸の魚-」は辻内智孝原作の小説「セイジ」。
「編集者が選ぶ泣ける本」としてオールタイムベスト10にも選ばれた小説です。

“人はよ、多かれ少なかれ、カナシイ思いをする為に生きてるんじゃねえのか”
ま、そんなせりふがぐさりときたりする小説だったりするわけです。

伊勢谷監督がその小説を監督第2作として選び、構想から5年の歳月をかけて映画化した「セイジ 陸の魚」。
そもそも自分で立てた企画ではなく、一旦はとん挫したこともあったのだとか。
それでも、こうして映画になったのは、本作でプロデューサーを務めた龜石太夏匡が
「この原作に描かれている題材は必ず友介の糧になるので絶対に手放すな」と言い続けたからだといいます。

“リバース・プロジェクト”という会社の代表も務める伊勢谷友介。http://www.rebirth-project.jp/
“70億人の人類が地球で生き残るためのプロジェクト”として社会をリデザインする会社だそうです。
本作で脚本とプロデューサーを担当した龜石太夏匡とはこの会社の代表、副代表という関係。
なにやら壮大な理念を持った会社です。
伊勢谷友介=ただのいけメンという認識を改めなくてはなりませんね。

はたしてどんなお話なのでしょうか。
続きは次回までお待ちくださいませ。



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セイジ 陸の魚
監督/伊勢谷友介、原作/「セイジ」辻内智貴(筑摩書房/光文社文庫)、脚本/龜石太夏匡、伊勢谷友介、石田基紀、製作総指揮/木下直哉、エグゼクティブプロデューサー/西尾武信、プロデューサー/龜石太夏匡、武部由実子、石田基紀、音楽/渋谷慶一郎、撮影/板倉陽子
出演
西島秀俊/セイジ、森山未來/「僕」、裕木奈江/翔子(ドライブインのオーナー)、新井浩文/カズオ、津川雅彦/ゲン爺
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企画・製作/キノフィルムズ、配給/ギャガ+キノフィルムズ、http://seiji-sakana.com/

by Mtonosama | 2012-02-09 07:25 | 映画 | Comments(10)
ポエトリー アグネスの詩 -2-
Shi(詩)
Poetry

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(C)2010 UniKorea Culture & Art Investment Co. Ltd. and PINEHOUSE FILM. Allrights reserved.

イ・チャンドン監督は本作「ポエトリー アグネスの詩」についてこう語っています。

詩が死に行く時代。
その喪失を嘆く者。死んで当然だというものがいる。
それでも人々は詩を書き、読み続ける。

では、暗澹たる未来が前にあるとき、
詩を書くことにどういう意味があるのか。
私はそれを観客に問いかけたい。


そして、詩についてはこう語っています。

人生の中に潜んでいる美を追求しようとする態度そのものを“詩”と呼んでいいと私は思っています。

さあ、いったいどんなストーリーなのでしょうか。


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ストーリー
川遊びをする子どもたち。陽射しに煌めく川面をゆっくりと何かが流れてきます。
中学の制服を身につけた少女の物言わぬ身体でした。

釜山で働く娘の代わりに中学3年のジョンウクを育てている66歳のミジャは、
腕の痛みで受診した病院で、物忘れの方が心配だから精密検査を受けることを勧められます。
ミジャが携帯電話で娘と楽しげに話しながら病院から出た時、
救急車の前で1人の女性が放心したように立っていました。
川を流れてきた女子中学生の母親でした。

   ミジャが詩作教室の広告に目をとめたのはその帰り道のこと。

帰宅後、孫のジョンウクに自殺した少女のことを尋ねますが、「知らない」と素っ気ない返事。

   子どもの頃、「将来は詩人になる」と言われたことを思い出したミジャ。
   彼女は詩作教室を受講しようと決心します。

f0165567_63489.jpg教室で、講師は語ります。
「詩は見て書くものです。人生で一番大事なのは見ること。世界を見ることが大事です」
この言葉に従って、リンゴを眺め、公園の樹木をみつめ、心に浮かぶことを手帳に書き留めるミジャ。

そんなとき、孫の友人の父親がミジャに連絡してきました。
そして、彼女は孫たち仲良し6人グループの保護者の集まりに連れていかれます。
そこで知らされた衝撃の事実。
自殺した少女は数ヶ月前から彼らから性的な暴行を受けていたというのです。
慰謝料を支払い、穏便にことを収めようとする父親たち。
しかし、ミジャにはそんなお金はありません。

自殺した少女はアグネスと言う洗礼名を持つクリスチャンでした。
彼女の慰霊ミサに出席したミジャは教会の入口に置かれていたアグネスの写真を持ち去ります。

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孫をしかることも、泣きわめくこともせず、沈黙を保っていたミジャですが、
以前と変わらず自堕落な生活を続ける孫に詰問します。孫は相変わらず無反応なまま。
いつしかアグネスの足跡を辿るようになるミジャは…

娘に代わって中学生の孫息子を育てるミジャ。
最近物忘れが激しく、医者からアルツハイマーの検査を受けるように言われたミジャ。
介護ヘルパーをする老人のたっての願いを聞き入れ、身体を交えるミジャ。
詩の集まりを通じて出会った1人の刑事との友情にも似た心の通い合い。
思いもかけない出会いやできごとを通じて、静かにどこかへ向かうミジャの日常。

66歳の主人公ミジャの人生と詩の創作。
アルツハイマーのためゆっくりと言葉を失いつつあるのに、詩など書けるのか。
詩を描いた映画?いったい何が面白いのか。

と、憎々しくつっこみながら観始めたのですが、なぜかストンと胸におさまっていきました。
そして、ミジャの決断に感動までしていました。

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つらい現実に真正面からぶつかっても痛いだけ。
いずれにせよ生きていかねばならないのなら、ことさらに声を荒げず、
現実の人生を静かにみつめ、川が流れるように、木の葉が風に揺らされるように、
するりと穏やかに生きていけばいいのでしょう。

それでも筋を通したミジャにまたまたただならぬものを感じてしまいました。
この映画そのものが新しい文体を獲得した詩なのかもしれません。





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ポエトリー アグネスの詩
脚本・監督/イ・チャンドン、プロデューサー/イ・ジュンドン、エグゼクティヴ・プロデューサー/ヨム・テスン、チョイ・ソンミン、撮影/キム・ヒョンソク
出演
ユン・ジョンヒ/ミジャ、イ・デビッド/ジョンウク、キム・ヒラ/カン老人、アン・ネサン/ギボムの父、パク・ミョンシン/ヒジンの母、キム・ヨンテク/詩作教室講師キム・ヨンタク
2月11日(土)銀座テアトルシネマ、新宿武蔵野館他全国順次ロードショー
2010年、139分、韓国、韓国語、カラー、日本語版字幕/根本理恵、提供・配給/シグロ、キノアイ・ジャパン、配給協力/クレストインターナショナル、http://poetry-shi.jp/

by Mtonosama | 2012-02-06 06:30 | 映画 | Comments(10)
ポエトリー  アグネスの詩 -1-
Shi(詩)
Poetry

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(C)2010 UniKorea Culture & Art Investment Co. Ltd. and PINEHOUSE FILM. Allrights reserved.

この韓国映画の原題はShi(詩)、英題はPoetryです。
詩ですか・・・・・
皆さんは詩という言葉から何を連想しますか?
とのは何か気恥ずかしさを感じます。「わたし、詩を書いてるの」とは公言しにくいです。
書くのなら、こっそりと深夜にノートに書きつけるし。

主人公は少女チックなファッションの60代後半の女性、
彼女が若づくりをして「詩を創りたい」などと呟くと、いよいよ気恥ずかしさが募ります。
詩って、若気の至りというか、溢れ来る情念を逃す溜め池というか、
ま、その辺の特質は散文と同じでしょうが、なんかちょっと違う文学ジャンルという気がしますよね。

本作のようにタイトルが「Shi」(詩)
(韓国語と日本語は同じ発音なんだそうです。韓国語を勉強しているleoleoさん、ありがとうございました)、
そして、主人公は町のカルチャーセンターで詩の講座を受ける60代女性というと
さらにまた引いてしまいました。

イ・チャンドン監督、なにを言いたいのですか?

が、しかし、
大きな偏見でした。反省しています。

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まず、この女優さんがただものじゃありませんでした。

そりゃ、見たところ、化粧では隠しきれないシワはありますし、ほうれい線も目立っていますよ。
66歳ですから、そんなことは仕方ないです。ええ、シワもほうれい線もいいんです。

介護ヘルパーをしながら中学生の孫息子と暮らし、息子を預けて働きに出ている娘からは
時々連絡が来るだけの静かな毎日を送る主人公ミジャ。
貧しい暮らしの中で、多少、乙女チックながら、おしゃれにも気を配っています。
少し夢見がちな部分もありますし、ちょっと周囲から浮いているかもしれません。
ま、ほんの少し変わっているけれど、普通にお友達になれる女性です。

そんな彼女が何かを表現してみたくなったと思ってください。
そして、その過程で意外なできごとに遭遇し、
その何かがきりきりと詩へと絞り込まれていくあたりがこの映画のただならぬところなんです。

主人公ミジャはあくが強すぎてもいけないし、凡庸であってもいけない。
結構難しい役どころだと思うんです。
それを演じたのがユン・ジョンヒ。
60年代後半から70年代半ばにかけて韓国映画界で絶大な人気を誇った女優。
それも、45年間で330本の映画に出演し、内325本で主演を果たした大女優です。
現在はフランスに在住し、本作は16年ぶりの映画出演。
なるほど。ただものじゃない存在感でした。

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監督は小説家でもあったイ・チャンドン。1954年大邱出身で81年から87年までは教師をしていました。83年に小説家デビューし、93年には映画界に進出。97年に「グリーンフィシュ」で監督デビュー。2009年には名子役キム・セロンを世に出した「冬の小鳥」(ウニー・ルコント監督)をプロデュースしています。http://mtonosama.exblog.jp/14398672/、http://mtonosama.exblog.jp/14418151/
本作「ポエトリー アグネスの詩」では第63回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞しています。

主人公は60代後半の女性、テーマは詩。
そして・・・・・

えーい、言ってしまいましょう。
韓国で数年前に起きた10代の少年のたちの集団暴行事件。
1人の女子中学生に対して少年たちが数カ月にわたって性的暴力を加えていた事件が
この映画の下敷きになっているのです。

この事件がミジャの詩とどう関わっていくのでしょうか。
続きは次回までお待ちくださいませ。



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ポエトリー アグネスの詩
脚本・監督/イ・チャンドン、プロデューサー/イ・ジュンドン、エグゼクティヴ・プロデューサー/ヨム・テスン、チョイ・ソンミン、撮影/キム・ヒョンソク
出演
ユン・ジョンヒ/ミジャ、イ・デビッド/ジョンウク、キム・ヒラ/カン老人、アン・ネサン/ギボムの父、パク・ミョンシン/ヒジンの母、キム・ヨンテク/詩作教室講師キム・ヨンタク
2月11日(土)銀座テアトルシネマ、新宿武蔵野館他全国順次ロードショー
2010年、139分、韓国、韓国語、カラー、日本語版字幕/根本理恵、提供・配給/シグロ、キノアイ・ジャパン、配給協力/クレストインターナショナル、http://poetry-shi.jp/

by Mtonosama | 2012-02-03 07:30 | 映画 | Comments(9)