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殿様の試写室

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<   2018年 08月 ( 10 )   > この月の画像一覧

寝ても覚めても

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©2018映画「寝ても覚めても」製作委員会/COMME DES CINÉMAS



「寝ても覚めても」というと

寝ても覚めても肉が食べたいとか

水茄子の糠漬けが食べたいとか

どうも食い気方面に心がさまよいがちな

当試写室管理人であります。


しかし、本作は

芥川賞作家・柴崎友香の原作から

生まれた大人の恋愛映画であって

食べ物は関係ありません。


ま、

「寝ても覚めてもあなたのことを想う」

とくるのが普通ですわね。


まったく恋愛と縁遠い150歳は

しょうもないものです。


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柴崎友香(しばざきともか)

1973年大阪生まれ。

99年、短編「レッド、イエロー、

オレンジ、オレンジ、ブルー」でデビュー。

00年初の単行本「きょうのできごと」刊行、

03年に行定勲監督により映画化。

07年「その街の今は」で

57回芸術選奨文部科学大臣新人賞、

23回織田作之助賞大賞、

24回咲くやこの花賞を受賞。

10年「寝ても覚めても」で

32回野間文芸新人賞を受賞。

14年「春の庭」で

151回芥川賞を受賞。


さて、人生の盛りを迎え、

おそらくは恋愛現役時代でもある作家の原作

(もちろん誰でもいくつになっても

本来、生涯現役が望ましいのでしょうが)

を映画化した監督は濱口竜介。

本作が商業映画デビューです。


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濱口竜介監督

1978年神奈川県出身。

2008年、東京藝術大学大学院映像研究科の

修了制作『PASSION』が

サン・セバスチャン国際映画祭や

東京フィルメックスに出品され

高い評価を得る。

その後も日韓共同制作『THE DEPTHS

を東京フィルメックスに出品、

東日本大震災被害者へのインタビューから成る

『なみのおと』『なみのこえ』

東北地方の民話の記録『うたうひと』

(共同監督/酒井耕)

4時間を超える長編『親密さ』

染谷将太主演『不気味なものの肌に触れる』

を監督。

15年、映像ワークショップに参加した

演技経験のない4人の女性を主演に起用した

5時間17分の長編『ハッピーアワー』を発表。

ロカルノ、ナント、シンガポール他

国際映画祭で主要賞を受賞。

自らが希望した小説「寝ても覚めても」を

映画化した本作で商業デビュー。

71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門

選ばれ、注目を集める監督。


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同じ顔をした二人の男を愛した一人の女。

中身は変わらず、

顔だけ変えた男を描いた小説は

読んだことはありますが、

本作の場合、顔は同じで中身はまるで違う。

最初の男とは出会いの瞬間、直観で恋に落ち、

二人目の男とは用心深く恋に落ちる女。


男を演じるのは東出昌大。

一人目の男・鳥居麦は優しいけれど

正体不明の自由人。

二人目の男・丸子亮平は

真面目なサラリーマン。

顔は同じでもまったく違う二人を

一人二役で演じています。


性格は違ってもイケメンで優しい男に

愛されるおいしい役を演じる女は

本作で初めてヒロインを演じ、

本格的デビューを果たす唐田えりか。


4年前バイト先のマザー牧場でスカウトされ

芸能界入りしたそうです。

ちょっと変わり種?


恋愛には縁遠いため

若干薄情なご紹介になってしまいました。


さあ、

一体どんな展開を見せてくれるのでしょう。

続きは次回まで乞うご期待でございます。



寝ても覚めても

監督/濱口竜介、原作/柴崎友香(「寝ても覚めても」河出文庫刊)、脚本/田中幸子、濱口竜介、撮影/佐々木靖之、音楽/tofubeats

出演

東出昌大/丸子亮平、鳥居麦、唐田えりか/泉谷朝子、瀬戸康史/串橋耕介、山下リオ/鈴木マヤ、伊藤沙莉/島春代、渡辺大知/岡崎信行、仲本工事/平川、田中美佐子/岡崎栄子

91()テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネクイント他ロードショー

2018年、119分、カラー、日本=フランス、日本語、配給/ビターズ・エンド、エレファントハウス


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by Mtonosama | 2018-08-31 06:02 | 映画 | Comments(6)

三毛猫ひかちゃん

-75-



あたし、ひかちゃん


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あら、ごめんなさい。

夏はお腹が痒くなるのよ。



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え~っと・・・

なんのお山だったかしら。

平湯というところからロープウェーに

乗っていったのよ。

飼い主も中学生の時以来

140年ぶりに再訪したから忘れちゃったんだって。



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中学生の時は自分の脚で登り、

150歳の今はロープウェイ。

ふ、飼い主も歳をとったのね。

あたしまで遠い目になっちゃうわよ。



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麓にはノウゼンカズラのお花も咲いてるのね。




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あら!これはなに?



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な、なに?

めっちゃ輝いているじゃない!!

まあ、ティアラっていうの?

猫に小判とはいうけど、

あたしの場合、光り物も好きよ。

だって綺麗じゃないの。

なんといっても

あたしはヒカリーヌ王女なのよ。


三菱一号美術館で917日まで開かれている

「ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界

――1780年パリに始まるエスプリ――」

に展示されてたんだって。


夫の人も一緒だったんだけど

「そんな買えないもの見てどうする」

と憎々しいことを言ったので

美術館の中庭に待たせておいて

飼い主一人で鑑賞したらしいわ。



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ま、ホントのこと言えば

あたしはこれさえあればいいんだけど。



まだまだ残暑は続くのかしら。


皆さん、お外に出かける時には

日傘か帽子をお忘れなくね。


ひかり



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by Mtonosama | 2018-08-28 05:48 | 映画 | Comments(11)

きみの鳥はうたえる

--


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©HAKODATE CINEMA IRIS



佐藤泰志が死後再び世に出る

きっかけを作ったのは死後17年経って

クレインという出版社の出した

「佐藤泰志作品集」でした。


そして

それを読んだ函館の映画館経営者

菅原和博さんが

函館を舞台にした「海炭市叙景」を映画化。

映画『海炭市叙景』は内外で高い評価を受け、

興行的にも成功を収めました。


佐藤泰志の小説は

全て文庫として復刊されます。


2016年、開館20周年を迎えた

菅原さんの映画館

函館アイリスは記念事業として再び

佐藤泰志の作品を映画化しました。

それが本作『きみの鳥はうたえる』です。


映画の舞台は

小説の舞台だった70年代の国立・国分寺から

現代の函館へ移りましたが、

さあ、一体どんなお話なのでしょう。


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ストーリー

函館郊外の書店で働く「僕」と失業中の静雄は

小さなアパートで共同生活を送っている。


ある日「僕」は

同じ書店で働く佐知子と関係を持った。


彼女は店長の島田とも関係があるようだが、

その夜から毎晩のように

二人のアパートへ遊びに来るようになった。


一抹の不確かさの予兆をはらみながらも

三人は夜通し酒を飲み、クラブへ行き、

ビリヤードをして夏の夜を遊び明かす。


「僕」は佐知子と恋人同士のように

ふるまいながら、お互いを束縛せず、

佐知子と静雄に二人で出かけることを勧める。


夏の終わり、

静雄は3人でキャンプに行こうと提案する。

だが、「僕」は誘いを断り、

静雄と佐知子の二人だけで

キャンプに行くことに。


二人きりのキャンプで

次第に気持ちが近づく佐知子と静雄。

函館でけだるく過ごす「僕」。

三人の幸せな時間も夏も

終わりの時が近づいていた……


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不器用で意地っ張りな青春。

友情も愛情もコントロール不能な青春。

青春という言葉は気恥ずかしくて

嫌いですが、

先走りする気持ちと身体、

このなんとも不器用なところが

青春なんですね。


青春の良さというのは

一晩中、飲み明かしても

踊り明かしても

疲れが残らないということくらいでしょうか。


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函館

坂道や異人館、港町というお洒落な

キーワードに飾られていながら

どこかうら寂しい雰囲気もまとう町です。


そんな函館と

未消化な愛や人生を抱え、

どこか薄暗い青春時代には

(キャッ、この言葉も恥ずかしい!)

相通ずるところがあるのでしょう。


歳を重ねたからといって

達観することもできず、

人生には裏切られ続けるばかりの150歳も

若い獣のような3人と夜明けの街を

肩を並べて歩きたいような気分になりました。


とはいえ、

一緒になって夜通し飲んだり踊ったりしたら

翌日は確実に死にますけどね。


思い通りにならない人生の方が多いし、

わかったふりをして

かっこよくしたつもりでも空振り。


いちいちへたっていたら

生きてはいけないけれど

やっぱり凹みます。


ああ、こんな日もあったな。

でも、よく考えたら今もそうか・・・


本作は

やはり青春映画と呼ばなくちゃいけない

映画なのでしょうね。



きみの鳥はうたえる

監督・脚本/三宅唱、原作/佐藤泰志(「きみの鳥はうたえる」河出書房新社/クレイン刊、企画・製作・プロデュース/菅原和博、プロデューサー/松井宏、撮影/四宮英俊

出演

柄本佑/僕、石橋静河/佐知子、染谷将太/静雄、足立智充/森口、山本亜依/みずき、渡辺真起子/直子、萩原聖人/島田

825()函館シネマアイリス先行公開、91()新宿武蔵野館、渋谷ユーロスペースほか全国順次公開

2018年、106分、カラー、配給営業/コピアポア・フィルム


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by Mtonosama | 2018-08-25 06:14 | 映画 | Comments(6)

きみの鳥はうたえる

-1-


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             ©HAKODATECINEMA IRIS

 


しかし――
 私はしかしと思ふ。

誰かゞ偶然私の作品集を見つけ出して、

その中の短い一篇を、

或は其一篇の中の何行かを

読むと云ふ事がないであらうか。


更に虫の好い望みを云へば、

その一篇なり何行かなりが、

私の知らない未来の読者に、

多少にもせよ美しい夢を見せる

といふ事がないであらうか。



 私は知己を百代の後に

待たうとしてゐるものではない。

だから私はかう云ふ私の想像が、

如何に私の信ずる所と

矛盾してゐるかも承知してゐる。
 けれども私は猶想像する。

落莫たる百代の後に当つて、

私の作品集を

手にすべき一人の読者のある事を。

さうしてその読者の心の前へ、

朧げなりとも浮び上る私の蜃気楼のある事を。


芥川龍之介「後世」


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今回、

当試写室で上映する『きみの鳥はうたえる』は

佐藤泰志の作品です。


冒頭に引用した

芥川龍之介と佐藤泰志との関係は

これといってありません。


芥川は生前から人気作家であり、

昭和2年に亡くなってから

91年も経っていますが、

未だに熱狂的なファンがいます。

試写室管理人も

彼の作品集を手にし、

彼の蜃気楼どころか彼の姿を

未だ夢見る乙女(!)であります。

しかし、佐藤泰志は

生前、売れっ子作家になるということは

ありませんでした。


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佐藤泰志は5回芥川賞の候補にあがりながら

一度も受賞しませんでした。

共通項といえば

二人とも自死を選んだということ

そして、

真摯な作家であったということです。


以前、当試写室で

『書くことの重さ~作家 佐藤泰志』という

https://mtonosama.exblog.jp/20448241/

https://mtonosama.exblog.jp/20467571/

彼のドキュメンタリー映画を上映しました。


1949年函館に生まれた佐藤は

高校時代から小説を書き始め、

有島少年文学賞を2年連続で受賞。

大学卒業後、文芸誌等で小説を発表し続け、

77年に「移動動物園」が

新潮新人賞候補となり、

81年に発表した「きみの鳥はうたえる」で

86回芥川賞候補となりました。

以降5回、同賞候補になりますが、

いずれも受賞には至りませんでした。


89年「そこのみにて光輝く」で三島賞候補に。

その後「海炭市叙景」を

文芸誌「すばる」に断続的に掲載。

90年自死。享年41歳。


死後、全作品は絶版になりましたが、

2007年「佐藤泰志作品集」が

クレインより刊行され、

10年には『海炭市叙景』が映画化。

熊切和嘉監督。

これに合わせて過去の小説作品が

次々に文庫化され、再評価されていきました。

13年『そこのみにて光輝く』

呉美穂監督

16年『オーバーフェンス』

(原作は「黄金の服」)

山下敦弘監督

18年『きみの鳥はうたえる』

三宅唱監督

と映画化されています。

13年には先に紹介したドキュメンタリー映画

『書くことの重さ~作家 佐藤泰志』

稲塚秀孝監督

も製作されました。

 

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高校時代に才能が開花したものの

その後、人生の巡り合わせがうまくいかず

41歳で命を絶ってしまった佐藤泰志。


そんな佐藤泰志の人生からふと

100年後の読者という言葉を思い出し、

芥川龍之介「後世」を

長々と引用してしまいました。


佐藤泰志は自身

死後20年でこれほど多くの読者が

現れることを予測したでしょうか。


あ、いけない!

芥川龍之介と佐藤泰志に想いを馳せていたら

映画まで辿り着けなくなってしまいました。

という訳で

続きは次回まで乞うご期待でございますよ。



きみの鳥はうたえる

監督・脚本/三宅唱、原作/佐藤泰志(「きみの鳥はうたえる」河出書房新社/クレイン刊、企画・製作・プロデュース/菅原和博、プロデューサー/松井宏、撮影/四宮英俊

出演

柄本佑/僕、石橋静河/佐知子、染谷将太/静雄、足立智充/森口、山本亜依/みずき、渡辺真起子/直子、萩原聖人/島田

825()函館シネマアイリス先行公開、91()新宿武蔵野館、渋谷ユーロスペースほか全国順次公開

2018年、106分、カラー、配給営業/コピアポア・フィルム


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by Mtonosama | 2018-08-22 05:45 | 映画 | Comments(7)


チャーチル

ノルマンジーの決断

-2-


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(C)SALON CHURCHILL LIMITED2016



今年3月に公開された

『ウィンストン・チャーチル/

ヒトラーから世界を救った男』。

舞台はダンケルクでした。


それから4年後の19446月。

本作『チャーチル/ノルマンジーの決断』の

舞台はノルマンジーです。


連合国側が推し進める

ノルマンジー上陸作戦を

なんとか阻もうとするチャーチル。


物語は

作戦決行に至る96時間に

設定されています。


さあ、チャーチルの心の奥に迫ってみましょう、



ストーリー

2次世界大戦も終りに近づいた1944年6月。

英国首相チャーチルは

ノルマンジー上陸作戦を阻止しようと

連合国軍最高司令官アイゼンハワーを

説得する言葉の推敲をしていた。


ノルマンジー上陸作戦とは

ナチスドイツが占領している北西ヨーロッパへ

米英連合国軍が侵攻する作戦だ。


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作戦遂行の中心人物である

アイゼンハワーと真っ向から対立する

チャーチルの心の底にあるのは

1次世界大戦の時

彼が計画・遂行した「ガリポリの戦い」で

50万人もの戦死者を出した深い後悔。


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チャーチルは英国王ジョージ6世も

同席する会議で反対意見を述べるが、

アイゼンハワー最高司令官に即刻却下される。


周囲はすべて反対者。

秘書に当たり散らし、

酒量も増えるチャーチル。


弱音を吐く彼を励まし、

真のリーダーとして国民の前に立たせようと

叱咤する愛妻クレメンティーン。


心を許しあえる友でもある

国王ジョージ6世にも反対され、

彼を支え続けてきた

妻クレメンティーンとも心がすれ違う。


194466日午前6

チャーチルの決断は……



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『プライベート・ライアン』(’98)はじめ

数多くの映画に描かれてきた

ノルマンジー上陸作戦。

その激しい戦闘は青い海と砂浜を

真っ赤な血で染めました。


しかし、本作で描かれたのは

抱えきれない大きな責任から酒に逃げ、

妻や秘書に当たり散らし、

1次世界大戦のガリポリの戦いで

下した決断に後悔し、

懊悩する人間チャーチル。


アイゼンハワーら連合国軍司令部との対立。

政治家として軍人として

盛りを過ぎたことを知りながら

それでも歴史に直面しなければならない老人――


良きにつけ悪しきにつけ有名で、

偉人ともいわれるチャーチルの

これまで見たことのない顔が

描き出されました。


ジョナサン・テプリツキー監督は

「歴史に残る最も偉大なイギリス人

ウィンストン・チャーチルの生涯における

最も精神的に不安定な瞬間を

名優ブライアン・コックスの演技に

支えられて完成することができた」

と言っています。


周囲に八つ当たりし、

駄々をこねているとしか言いようのない

チャーチル。


愛妻にして賢婦人でもある

クレメンティーンをも怒らせ

ビンタを張られ、はっとしたような顔。


常識として知っていたノルマンジーと

チャーチルのノルマンジー上陸作戦への思い。


74年も前のできごととなると

歴史というカーテンの裏に

隠されてしまいがち。

しかし、

チャーチルの未知の側面を

描き出すことによって

19446月の96時間を

血が通った人間ドラマとして

再構築した映画です。



チャーチル/ノルマンジーの決断

監督/ジョナサン・デブリツキー、脚本/アレックス・フォン・チュンゼルマン

出演

ブライアン・コックス/ウィンストン・チャーチル、ミランダ・リチャードソン/クレメンティーン・チャーチル、ジョン・スラッテリー/ドワイト・アイゼンハワー、エラ・パーネル/ミス・ギャレット、ジェームス・ピュアフォイ/ジョージ6

818()より有楽町スバル座、新宿武蔵野館他にて全国順次公開

2017年、イギリス、英語、カラー、105

配給/彩プロ、後援/ブリティッシュ・カウンシル、http://churchillnormandy.ayapro.ne.jp/


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by Mtonosama | 2018-08-19 06:00 | 映画 | Comments(8)

チャーチル

ノルマンジーの決断

-1-


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(C)SALON CHURCHILL LIMITED2016



”築き上げることは、

多年の長く骨の折れる仕事である。

破壊することは、

たった一日の思慮なき行為で足る”


”あまりにも先を読み過ぎるのは誤りである。

運命の鎖の輪は一つずつ扱われねばならない”



ウィンストン・チャーチルの言葉です。


サー・ウィンストン・レナード・

スペンサー=チャーチル

18741965


チャーチルの正式の名前ですって。

長いですねぇ。


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植民地戦争の従軍記者から政治家に転身。

第1次世界大戦で海軍大臣、

第2次世界大戦で海軍大臣・首相を務める等

戦時の政治家としての活動が目につく。

第1次世界大戦時、現代の戦車に通じる車両の

アイデアを提案したのもチャーチル。

この世界大戦は、現代戦と近代戦との転換点

且つ、

全欧州を焦土にしてしまった戦争である。

この大戦でチャーチルは

対オスマン帝国のガリポリ上陸作戦失敗の

責任を取り海軍大臣を辞任。

敗北の原因はオスマン帝国側の

ムスタファ・ケマル、

後にはトルコ共和国を建国し初代大統領となる

ケマル・アタテュルクが大活躍したためだ。



第2次 世界大戦では対独戦を強力に推進。

ソ連の動きも警戒。

勢力確保のための裏取引を

モスクワで行いつつ、

一方でポーランドとの戦後処理について

スターリンと真っ向から対立。

戦後の1946年、

「バルト海からアドリア海まで

鉄のカーテンが下ろされた」と演説。

冷戦構造の開始を示す歴史的な一幕となった。


一方、文筆家としても

53年「第二次世界大戦回顧録」で

ノーベル文学賞を受賞。


http://dic.nicovideo.jp/a/ウィンストン・チャーチル)


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また画家としての才能も持ち合わせていて

日本には

チャーチル会という日曜画家の会もある程。


その多才さと

Vサイン、

そして

チャーチルサイズというサイズまである

トレードマークの大きな葉巻の

せいなのか印象の強いお人です。


亡くなってから既に半世紀以上

経ているにもかかわらず

3月には

『ウィンストン・チャーチル

 ヒトラーから世界を救った男』

そして、

本作『チャーチル ノルマンジーの決断』

と続けざまに映画公開される人物。

チャーチル。


そういえば当試写室で

つい先日上映した

『英国総督 最後の家』でも

「チャーチルはガンジーが嫌いだからな」

などという台詞も出てきました。


監督はジョナサン・テプリツキー。

チャーチルを演じるのは

ブライアン・コックス。

2007年”ハリウッドで活躍する

最もパワフルなイギリス人映画スターの

トップ10に選ばれたこともある俳優です。



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イギリスと言えばチャーチル

チャーチルと言えばイギリス

という位、英国を代表する人物

ウィンストン・チャーチル。


権謀術数、尊大、傲慢・・・

必ずしも良いイメージばかりではない

この政治家をブライアン・コックスは

どのように演じるのでしょうか。


今回もおさらいが長くなってしまいましたが、

一体どんなチャーチルが描かれるのか

続きは次回まで乞うご期待でございます。



チャーチル ノルマンジーの決断

監督/ジョナサン・デブリツキー、脚本/アレックス・フォン・チュンゼルマン

出演

ブライアン・コックス/ウィンストン・チャーチル、ミランダ・リチャードソン/クレメンティーン・チャーチル、ジョン・スラッテリー/ドワイト・アイゼンハワー、エラ・パーネル/ミス・ギャレット、ジェームス・ピュアフォイ/ジョージ6

818()より有楽町スバル座、新宿武蔵野館他にて全国順次公開

2017年、イギリス、英語、カラー、105

配給/彩プロ、後援/ブリティッシュ・カウンシル、http://churchillnormandy.ayapro.ne.jp/


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by Mtonosama | 2018-08-16 06:18 | 映画 | Comments(4)

ポップ・アイ

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POP AYE


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(C)2017 Giraffe Pictures Pte Ltd, E&W Films, andA Girl And A Gun. All rights reserved.



『ポップ・アイ』というタイトルから

ポップな目ってなんだろう。

ちょっとアートな映画かなと思ってしまいました。


でも、

ポップ・アイではなく

ポパイだったんです。


主人公のくたびれた中年男が

♪ポッパイ ザ セイラ―マン♪

と歌うと

パオ~ッと返事をする象の名前が

ポパイだったんです。


タイでもポパイを放送していたのか、と

そのくたびれた中年男に親近感を抱きました。

そう、試写室管理人もくたびれた150歳ですから。


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ストーリー

以前は一流建築家としてならしたタナーも、

会社で若手に適当にあしらわれ居心地が悪い。

家に帰れば妻からの冷たい視線。

そんな人生に疲れた彼がバンコクの路地で

子供の頃、飼っていた象に似た象をみつける。

彼に向かって昔歌っていた

アニメ「ポパイ」の主題歌を歌うと

パオ~ッ!

高々と鼻をあげて応えるではないか。


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思わず象の飼い主に声をかけ、

ポパイを買い取ったタナーは家に連れ帰る。

当然ブチ切れる妻。

何もかもいやになったタナーは

ポパイと一緒に家を出た。

子供時代、共に過ごした故郷を

目指そうというのだ。

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大きな象と中年男の奇妙な道中。

勝手に散歩にでかけたポパイが

警官に撃たれそうになったり、

人生を悟りきったホームレスに出会ったり、

盛りを過ぎたニューハーフに

助けてもらったり――



個性的な人々との出会いを経験しながら

大きな象と中年男の珍道中は続く……


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いいですよねえ。

子ども時代のペットが象なら、

大人になっても会うことができますものね。

アジアゾウの寿命は80年だそうですよ。


人生に疲れて子ども時代に飼った犬や猫に

会いたくなっても絶対にかないません。

チョコやエリ、クロに会いたくても

みんな遠いお空で

お星さまになってしまっています。


ま、しかし、

象をうちに連れ帰ることは

そうそうできないことでしょうが。


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だからこそ、

タイで見かけた水浴びする象から

こんな素敵なお話を紡ぎ出した

カーステン・タン監督の

発想力は素晴らしいです。


ゆったりした象の歩みと

汗と埃にまみれて象と旅をする小男。


ああ、いいなあと心の底から羨ましくなります。

こんな奇妙なロードムービーは

観たことがありませんが

確かにロードムービーであり、

おとぎ話でもあります。


だって昔飼っていた動物たちと会えるのは

普通、夢の中か、空想の世界ですものね。


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監督はシンガポール、バンコク、NY

移り住んだ旅人であり、

アウトサイダーでもある37歳。


「人生の黄昏時を生きる男と

象というアウトサイダーのコンビが

自分が生きている場所と時間の属性と

その意味を求める旅の物語である」

彼女は言います。


シンガポール映画ってすごい、

と思いましたが、

シンガポールの映画業界は

まだまだ黎明期なのだそうです。

でも、夜明けだとしたら

これからどんな素晴らしい一日が

始まるのでしょう。


期待できます。


良い映画を見せてもらいました。



ポップ・アイ

監督・脚本/カーステン・タン、撮影/チャナーナン・チョートルンロート、エグゼクティブ・プロデューサー/アンソニー・チェン、プロデューサー/ライ・ウェイジー

出演

ボン/ポパイ、タネート・ワラークンヌクロ/タナー、ペンパック・シリクン、チャイワット・カムディ、ユコントーン・スックキッジャー、ナロン・ポンパープ

818日ユーロスペースほか全国順次ロードショー

2017年、シンガポール、タイ、カラー、タイ語、102分、字幕/内海千広、後援/シンガポール大使館、タイ王国大使館、タイ国政府観光庁、http://www.trenova.jp/popaye/


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by Mtonosama | 2018-08-13 05:44 | 映画 | Comments(12)

ポップ・アイ

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POP AYE


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(C)2017 Giraffe Pictures Pte Ltd, E&W Films, andA Girl And A Gun.

All rights reserved.



ポップ・アイってなに?


♪ポッパイ ザ セイラ―マン ポ、ポー♪

覚えていますか?

毎週日曜夜7:30

良い子はみんなテレビの前に集まりました。

提供は不二家でしたねえ。


家族でお出かけしても

ポパイが気になり「早く帰ろうよ~」

とぐずり、親をイライラさせたものです。

だって録画なんてできない時代。

見逃したらおしまいですからね。


そう

ポップ・アイPOP AYEというのはポパイのこと。

本当のスペルはPopeyeですけど、

このポパイは象の名前だから、

POPAYEでもOK!

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象が主役はってる映画です。


なんと

象と一緒にくたびれた中年男がタイ500Km

縦断する画期的なロードムービーなんです。


監督はシンガポール出身の

カーステン・タン監督。

1981年生まれです。

彼女が出品した短編は各国の国際映画祭で

注目され、CNNの「注目の人物」にも

取り上げられました。


2本の短編映画を作った後、

韓国、タイでの生活を経て渡米。

ニューヨーク大学で

映画制作の修士号を取得しました。


長編第1作の本作はサンダンス映画祭、

ロッテルダム国際映画祭、

チューリッヒ国際映画祭で受賞。


現在は

ニューヨークを拠点に活躍する監督です。


彼女は2年間

タイに住んでいたことがあるのですが、

そこで見た野良猫ならぬ野良象が

本作を作るきっかけでした。

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野良象は確かにびっくり仰天な存在ですが、

野良象一頭でこんなに素敵なロードムービーを

作り上げたタン監督にもびっくり!


荒唐無稽でありながら

時にホロリとさせられ、

「タイのお姉キャラは

もっと美形が多いと思っていたけどなぁ」的な

お姉キャラとの出会いや

お笑いやら

生きにくい会社生活やら

人生の哀歓や喜びが

象のゆったりした歩みの合間から

見えてきます。


くたびれた中年男も

なかなかな存在感を出していますが、

なんといってもすごいのはポパイを演じた

象のボンくん。


アユタヤ、シャンメイ、スリン等

タイ中のゾウ村を訪ね、100頭以上の象の中から

選びだされた天才象ボン。

1995年生まれの23歳です。

外形も可愛いのですが、

それだけではなく優しく賢かったことが

起用のポイントだそうです。


彼は何代も続いた象使いの家族に飼われ、

お寺の開眼式やお店の開店セレモニーなどで

働く象でしたから、

「待て」などの芸は習得していました。

映画出演に際して学んだ芸は

ある地点から歩いてある地点に止まる動作や

俳優と一緒に歩くといったこと位。


本作での名演技が認められたボンくんは

次作ではインド映画にも出演するそうですよ。


そして、くたびれた中年男を演じた

タネート・ワラークンヌクロ。

本当はとても素敵な人なのに

映画のために10キロも太り、

撮影2週間前からボンと一緒に過ごし、

朝と晩には長い散歩をし、

いつも横にいるようにしたそうです。


二人がどんな様子だったかは

映画を観れば一目瞭然なのですけどね。


続きは次回までのお楽しみ。

乞うご期待でございますよ。



ポップ・アイ

監督・脚本/カーステン・タン、撮影/チャナーナン・チョートルンロート、エグゼクティブ・プロデューサー/アンソニー・チェン、プロデューサー/ライ・ウェイジー

出演

ボン/ポパイ、タネート・ワラークンヌクロ/タナー、ペンパック・シリクン、チャイワット・カムディ、ユコントーン・スックキッジャー、ナロン・ポンパープ

818日ユーロスペースほか全国順次ロードショー

2017年、シンガポール、タイ、カラー、タイ語、102分、字幕/内海千広、後援/シンガポール大使館、タイ王国大使館、タイ国政府観光庁、http://www.trenova.jp/popaye/


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by Mtonosama | 2018-08-10 07:04 | 映画 | Comments(6)

ゲンボとタシの夢見るブータン

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The Next Guardian



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©ÉCLIPSEFILM/SOUND PICTURES/KRO-NCRV



主人公のゲンボとタシとその家族の

ご紹介をしましょう。


ゲンボ

2000年生まれ、撮影当時は15歳。

サッカーが好きで、ギターを弾いたり、

フェイスブックで友達とつながり、

ゲームを楽しむ普通の男の子です。

妹に優しく、親にも従順。

穏やかで落ち着いた男子ですが、

将来の進路について悩んでいます。


タシ

2001年生まれ、撮影当時14歳。長女。

男の子の心を持って生まれてきたと言われ、

自分でも本当は男の子ではないかと

思っています。

女の子の衣装を着るのが大嫌いで

料理の手伝いも苦手。

身体も大きく、自己主張もできる子。

兄には僧院に入ってほしくないと

願っています。


テンジン

1960年生まれ、撮影当時は55歳。

父テンジンは長男のゲンボに

寺院を継いでもらいたいと願い、

日々のお勤めや寺院の掃除をさせながら

仏教の教えを守ることの大切さを

説き続けています。

後継者のいない寺院は没収され、

一家の資産を全て失うことになると

心配しています。

ゲンボには僧院学院に入学し

立派な僧侶になってほしいと願っています。


ププ・ラモ

1967年生まれ、撮影当時48歳。

父とは違い、国際化の波に乗っていくため

ゲンボには世俗の学校で英語教育を受けさせ

観光客に対して英語で寺の説明を

できるようになってほしいと思っています。

冷静でどっしりとしていて

実は家族の中で一番偉い母。


トブデン

2012年生まれ、撮影当時3歳。

まだよちよち歩きの末っ子。

タシにからかわれ泣かされるが

反撃する根性もあります。

おかあさんの言うことをきかなかったり

境内でいたずらしたり、

タシを自分と同程度に思っている

なかなかのヤンチャ坊主。


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               彼らが暮らすのは

ブータン中部の古都ブムタンの古刹

チャカル・ラカン。

そのルーツは8世紀の初頭にまで

遡ることができます。


チャカル・ラカンは

高僧の生まれ変わりが継いだり、

中央僧団から派遣される僧侶が管理する

他の寺院とは異なり、

ゲンボとタシの一族から選ばれた者が

相続する形をとっています。


テンジンさんが真剣になる訳です。


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息子にはこの由緒ある寺院の

後継者になってほしいし、

娘には家事をこなし、

女の子らしく生きてほしいと願う父――


ブータンを愛する人にとっては

その伝統や鄙びた雰囲気をずっと守ってほしい

という気持ちがあるし、

親の気持ちになれば

長男は寺を継承し、

娘には女の子らしく育ってほしい

という気持ちがわからないではありません。


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でも、現代に生きるゲンボとタシには

好きなことをやりたいという気持ちがあり、

それもよくわかります。


加えて

女の子として生き難いタシにとっては

父の願いを叶えることは無理かもしれません。


しかし、

これはブータンに限ったことではありません。

愛する土地の伝統や風景や雰囲気は

そのままであってほしいし、

親の気持ちや子どもたちの気持ちは

どこの国であっても同じことでしょう。


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                   優しいゲンボはきっと悩みながらも

寺を継ぐでしょうし、

タシは・・・

タシはもう少ししたら

自分の性と現実の食い違いに

悩むこともあるでしょう。


この映画の背景は

近代国家として歩き始めたばかりの

ブータンではありますが、

親として子として人として直面する問題は

どの国も同じことでありましょう。


それにしても

自分の性を受け入れられないタシのことを

「男の子の魂を持って生まれてきたんだね」

と表現する両親の優しい言葉に

心が温かくなりました。



ゲンボとタシの夢見るブータン

監督/アルム・バッタライ、ドロッチャ・ズルボー、編集/カーロン・サライ(『心と体と』イリディコー・エニェデイ監督)、撮影/アルム・バッタライ

出演

ゲンボ、タシ、トブデン、ププ・ラモ

818()ポレポレ東中野ほか全国劇場ロードショー

2017年、ブータン、ハンガリー映画、ドキュメンタリー、ゾンカ語、74分、後援/ブータン王国名誉総領事館、ブータン州政府観光局、駐日ハンガリー大使館、協力/Tokyo Docs、日本ブータン友好協会、日本ブータン研究所、京都大学ブータン友好プログラム、字幕/吉川美奈子、字幕協力/磯真理子、字幕監修/熊谷誠慈、配給/サニーフィルム


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by Mtonosama | 2018-08-07 05:43 | 映画 | Comments(7)

ゲンボとタシの夢見るブータン

-1-


The Next Guardian


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©ÉCLIPSEFILM/SOUNDPICTURES/KRO-NCRV



ブータンと聞いて先ず思い浮かべるのは

来日したこともある若い国王夫妻です。

オールバックで決めた国王と美しい王妃。


男性がまとう日本の着物のような

民族衣装(ゴ)も印象的でした。

そして「幸せの国」ブータン。

国民の95%が自分達を幸せと感じている

幸福指数の高い国です。


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そんなブータンの小さな村に暮らす

ゲンボとタシの兄妹。

16歳のゲンボは家族が代々受け継いできた

由緒ある寺院を引き継ぐために

学校をやめ、僧侶の学校に行くかどうかを

思い悩んでいます。


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15歳のタシは自分を男の子としか思えず

ブータン初のサッカー代表チームに入ることを

夢見ています。

そんなタシは兄に僧侶の学校になど

行かないでほしいと願っているし、

父は父で子どもたちが将来苦労することなく

暮らしてほしいと願っています。


ま、親の願いと子どもの望みが

すれ違うのは世界共通。


ヒマラヤに残る最後の仏教王国で

密教の伝統や風習を色濃く残し、

1971年まで鎖国政策をとっていたブータン。

テレビが紹介されたのも1999年と

世界で一番遅い国なのだとか。


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とはいえ、

現代のブータンの子どもたちは

フェイスブックに夢中だし、

普段着はトレーナーやジーンズと

日本の中高生と同じ。

ゴ(男性の衣装)やキラ(女性の衣装)

は着ていません。


ブータンに行ったことはありませんが、

近代化の流れはこの秘境と呼ばれる地にも

押し寄せていることでしょう。


11年前にチベットを訪れました。

その時

マニ車を回しながらスマホに夢中になっている

若い人を見かけてヘエーッと思いましたが、

それと同じようなことがこの幸せの国でも

起こっているのだと思います。


マニ車には手に持って回せるものや

寺院に設置された数メートルのものまで

いろいろな大きさのものがありますが、

マントラ(真言)が刻印された円筒部分を

回転させると内部に納められたお経を

唱えるのと同じ功徳が積めるとされています。


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監督はブータン出身のアルム・バッタライと

ハンガリー出身のドロッチャ・ズルボー。


この2人は

ドック・ノマッズという

ポルトガル、ハンガリー、ベルギー

3大学から成るコンソーシアム

(大学間連合)によって運営される

国際修士コースで出会いました。

3つの国にまたがって、

ドキュメンタリー制作、映画理論について

2年間のプログラムで学びます。


旅をする様に映画を学ぶことから、

NOMAD(ノマド/遊牧民)と名付けられています。

このプログラムには

バックグラウンドの違う個性派が

世界中から集まり、

世界中の異端児が多様性と越境をテーマに

様々な事を仕掛け

注目が集まっています。


さあ、一体どんなお話なのでしょう。

そして、ブータンとはどんな所なのでしょう。

ドック・ノマッズが旅をするように

映画を学ぶところなら

当試写室は旅をするように

映画を楽しむところです。

(なんちゃって)


さあ、

続きは次回まで乞うご期待でございますよ。



ゲンボとタシの夢見るブータン

監督/アルム・バッタライ、ドロッチャ・ズルボー、編集/カーロン・サライ(『心と体と』イリディコー・エニェデイ監督)、撮影/アルム・バッタライ

出演

ゲンボ、タシ、トブデン、ププ・ラモ

818()ポレポレ東中野ほか全国劇場ロードショー

2017年、ブータン、ハンガリー映画、ドキュメンタリー、ゾンカ語、74分、後援/ブータン王国名誉総領事館、ブータン州政府観光局、駐日ハンガリー大使館、協力/Tokyo Docs、日本ブータン友好協会、日本ブータン研究所、京都大学ブータン友好プログラム、字幕/吉川美奈子、字幕協力/磯真理子、字幕監修/熊谷誠慈、配給/サニーフィルム



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by Mtonosama | 2018-08-04 04:58 | 映画 | Comments(4)