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殿様の試写室

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殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

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ビブリア古書堂の

事件手帖

--



(C)2018「ビブリア古書堂の事件手帖」製作委員会



鎌倉に行きたしと思えども

あまりにも人が多し・・・


観光シーズンともなれば

江ノ電など乗車率300%になろうか

という混雑。

藤沢発の江ノ電前には駅舎からはみだし

十重二十重の人の列です。


そんな人の波に乗るより

鎌倉は本や映画で楽しみましょうかねぇ。


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ストーリー


観光客も足を運ばない鎌倉の片隅に

ひっそりと店を開く古書店・ビブリア古書堂。


五浦大輔がその店を訪れたのには

ある理由があった。

亡くなった祖母・絹子の遺品の中から

みつかった夏目漱石の「それから」に

記された漱石の署名の真贋を確かめるためだ。


店主の篠川栞子は大変な人見知りだったが、

ひとたび本を手にすれば、顔つきも変わり、

とめどなく含蓄に満ちた言葉と知識が

溢れだす女性だ。

そして、署名の謎を解き、

この本には絹子が死ぬまで守った

秘密が隠されていると指摘する。



秘密の始まりは昭和39年のこと。

若き日の祖母・絹子が夫と営むそば屋に

作家志望の嘉雄が食事に訪れる。

とあるきっかけから

絹子と言葉を交わした嘉雄は

明るく愛らしい絹子に夢中になった――


まるで

見ていたかのように絹子と嘉雄の

許されぬ恋を分析してみせた

栞子に驚いた大輔は、

古書堂で働くことにする。


ある日、古書交換会で

栞子はネット販売を専門にしている

稲垣という男から声を掛けられる。


本の話題で意気投合する二人を見て

嫉妬を覚えた大輔は

栞子に想いを寄せていることに

気づくのだった。



53年前、

絹子と嘉雄が親しくなったのは

本を介してだった。

小説など読んだこともなかった絹子に

嘉雄が本を貸し、

感想を語り合うようになった――


さて、

栞子たちの上には事件が起きていた。

栞子が祖父から受け継いだ太宰治「晩年」の

希少本を狙う人物が現れたのだ。


その人物は「人間失格」の主人公

大庭葉蔵を名乗り、

気味の悪いメールを送り付けてきた。

その正体を探り始めた二人は

「それから」に秘められた絹子の恋の行方と

栞子の「晩年」に隠された秘密が

つながっていることに気づく……


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現代と半世紀前の男女が

ストーリーを動かすキーパーソン。

別々のお話のようでありながら

時の糸でつながっています。


人生もそんなものですよね。

思わぬところで人はつながっており、

なにげない日常にドラマが生まれます。


本作の場合、ジャンル分けすれば

ミステリーでもあるので

ドキドキハラハラの部分も楽しめます。

更に抒情味たっぷりの半世紀前の恋に

現代の青年の友情以上恋愛未満の恋心。

プラス

少々の埃臭さを伴った

ノスタルジックな古書店のたたずまい。


ふむふむ

原作の空気感をなかなか

イイ感じで伝えています。


東出昌大演ずる半世紀前の作家志望の

文学かぶれ青年の臭みは若干気になるものの

サザンオールスターズのエンディング

「北鎌倉の思い出」も良かったです。


ま、鎌倉が混む間は本作を観て

観光気分も満喫してください。




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ビブリア古書堂の事件手帖

監督/三島有紀子、原作/三上延、企画プロデュース/小川真司、脚本/渡部亮平、松井香奈、撮影/阿部一孝

出演

黒木華/篠川栞子、野村周平/五浦大輔、成田凌/稲垣、夏帆/五浦絹子、東出昌大/田中嘉雄

111()ロードショー

2018年、121分、日本、配給/20世紀フォックス、KADOKAWA



by Mtonosama | 2018-10-30 06:17 | 映画 | Comments(6)

ビブリア古書堂の

事件手帖

-1-


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(C)2018「ビブリア古書堂の事件手帖」製作委員会



地元を描いた小説を読むと

つい、あそこのことかな?

などと思って訪ねていったりします。


で、目的のものがなかったりすると

ああ、自分はなんてミーハーなんだ…

と恥ずかしくなります。


「ビブリア古書堂の事件手帖」を

読んだときもそうでした。

北鎌倉や大船が出てくるので

「あそこだな」等と

勝手に見当をつけていましたが、

違っていました。


っていうか、小説ですから、

虚構でした。



鎌倉の片隅にひっそりと建つビブリア古書堂。

その若く美しい店主・篠川栞子が

古書にまつわる謎を解き明かしていく

「ビブリア古書堂の事件手帖」(三上延著)

(メディアワークス文庫/KADOKAWA刊)

は大変な人気になりました。


管理人がその人気を実感したのは

古本屋(あ、リアル古本屋です)の

ガラス戸に

「『ビブリア古書堂の事件手帖』

450円で買います」

と張り紙がしてあるのを目にした時です。

文庫本で450円は結構良い買取り値段です。

はい、早速売りました。


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とにかく人気で

日本中の文芸ファンとミステリー愛好家の

熱い支持を受け、

全国の書店員の間で話題になり、

2012年本屋大賞に文庫で初ノミネート。

「本の雑誌」が選ぶ

2011年度文庫ベストテン第1位。

40年間の書籍ベスト第1位に

選ばれるなど、数々の賞を受賞し、

累計640万部以上を誇る

大ヒットとなりました。


主人公の篠川栞子の魅力をはじめ、

北鎌倉の片隅にひっそりと建っている

古びた古本屋。

そして、

鎌倉を愛した昭和の作家たちの匂い。


実像と虚像が交錯しながら

ミステリーの面白さを

味合わせてくれたところが

大ヒットの理由でしょうか。


さあ、これがどのように映画に

なるのでしょうか。


配役も気になりますしね。


極度の人見知りながら

本のこととなると人一倍の情熱と知識を持ち、

いかなる謎も解決する

ビブリア古書堂店主・篠川栞子を

演ずるのは黒木華。


そこで働き、栞子の助手であり、

また彼女を守る五浦大輔を

演ずるのは野村周平。



監督は三島有紀子。

18歳からインディーズ映画を撮り始め、

NHKに入局。

NHKスペシャル」「トップランナー」など

数多くの人間ドキュメンタリーを企画・監督。

03年に独立し、フリーの助監督として活動後、

『しあわせのパン』(12)

『ぶどうのなみだ』(14)

オリジナル脚本・監督で作品を発表。

撮影後、同名小説を上梓。

その後、『少女』(16)を発表。

最新作『幼な子われらに生まれ』(17)

41回モントリオール世界映画祭

コンペティション部門審査員特別賞を受賞。

さらに第41回山路ふみ子賞作品賞、

42回報知映画賞では監督賞を受賞。

ドラマでは

桜木紫乃原作『硝子の葦』

(WOWOW)を監督。


三島有紀子

なんか名前からして作家的です。

自身も本好きである人間ドラマの名手が

古い本に込められた人々の想いを

浮かび上がらせていきます。


北鎌倉の谷戸に漂う湿り気を帯びた気配

古本が山積みになったビブリア古書堂

その中で50万円の値札がつけられた

芥川龍之介の「地獄変」

老婦人が大事そうに購入していく

室生犀星の「愛の詩集」

そして

栞子が祖父から引き継ぎ

謎の人物につけ狙われることになる

太宰治の処女作品集


本好きにはたまらない映画のようです。

さあ、一体どんなお話でしょうか。

続きは次回まで乞うご期待でございますよ。



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ビブリア古書堂の事件手帖

監督/三島有紀子、原作/三上延、企画プロデュース/小川真司、脚本/渡部亮平、松井香奈、撮影/阿部一孝

出演

黒木華/篠川栞子、野村周平/五浦大輔、成田凌/稲垣、夏帆/五浦絹子、東出昌大/田中嘉雄

111()ロードショー

2018年、121分、日本、配給/20世紀フォックス、KADOKAWA



by Mtonosama | 2018-10-27 06:33 | 映画 | Comments(8)

ガンジスに還る

--


HOTEL SALVATION


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(C)Red Carpet Moving Pictures



夢を見て、自分の死期を悟った父は

ガンジス河畔の聖地バラナシへ行くと宣言。

家族は反対しますが、父ダヤの決意は固く、

仕事人間の息子ラジーヴが付き添います。


そっか、インド人の皆が皆

バラナシを目指す訳ではないのですね。

しかし、働き盛りの息子が父に付き添い、

バラナシへ行くのか?・・・


と、まあ、

日本の感覚とは違うのだなあと

とまどいながらの99分。


さあ

どんなお話なのでしょう。



ストーリー

ダヤは昨夜見た不思議な夢について語る。

息子ラジーヴ、その妻ラタ、孫娘のスニタら

家族はぽかんとするが、

そのまま、仕事に出かけようとしたラジーヴに

「わしは死期の訪れを感じている。

明日は牝牛を寄進し、明後日バラナシへ行く」

と告げるダヤ、その決意は固い。


仕事一筋のラジーヴだが、

父一人でバラナシに行かせることはできない。


出発当日

乗り合いタクシーに乗って

バラナシへ向かう二人。

不機嫌そうなラジーヴ。


ダヤの目指すバラナシ「解脱の家」に到着。

目の前のガンジス河に祈りを捧げるダヤ。


「解脱の家」の施設長が問う。

「死はひとつの過程です。

そこを通過する覚悟がありますか?」

ダヤは「わしは既にその過程を踏み出した」

と答え、帳簿にサインをする。


「解脱の家」にはいくつか決まり事があるが、

その中に滞在は最大15日まで、とある。

それを過ぎたら、

あの世へ行くのも帰宅するのも自由だという。


「解脱の家」での暮らしに慣れてきたある日

ダヤは発熱する。

「いよいよだ。支度を頼む」


ラジーヴはガンジスの水をダヤに飲ませ、

家族を呼び、施設長に葬儀の相談をする。


火葬場に立ち寄るラジーヴ。

人が群がり、煙が立ち込める中、

遺体がガンジス川に流されていく。


その夜、

ラジーヴは苦しそうなダヤを介抱する。


翌朝、恐る恐るダヤの息を確かめるラジーヴ。

と、その時、ダヤが目を覚ます――


ラタと孫のスニタが会いに来る。

解脱の家へ来てもう12日目だ。

ラタがラジーヴに言う。

「いつまでいるの?おとうさんは元気なのに」


久しぶりの家族団欒。

街に出てスニタの挙式用のサリーを選び、

ガンジス河で舟遊びをし、

日が暮れてからは

幻想的な祭礼を見物する3人。


翌日、施設長に部屋代を払い、

15日目なので出ていくと告げるラジーヴ。

施設長は

「その必要はない。時が来れば父上は去る――」


ラジーヴは仕事で悩んでいた。

大事な客を逃してしまったし、

会社もいつまで経っても戻ってこない彼に

しびれを切らしていた。


仕事と介護の間で苦悩するラジーヴ。

そんな彼に施設長は言う。

「今帰れば、自分を一生許せなくなる」……



インドと日本との違いはあるにしても

親子の情はいずこも同じ。

管理人も、父がガンで入院中は

元気で、憎まれ口さえ叩く父に

「こんなに元気なら帰ろうかな」

と思ったものでした。


「時が来れば父上は去る」という

施設長はいませんでしたが、

見送るものの葛藤は同じです。


とはいえ、

深刻そうに眉根を寄せる映画ではありません。

美しくて汚い、汚くて美しいガンジスの流れに

知らず知らず

ゆったりとした気持ちになり、

生きるということ、死ぬということを

考えさせられた作品でした。



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ガンジスに還る

監督・脚本/シュバシシュ・ブティアニ、撮影/マイケル・マクスウィーニー

出演

アディル・フセイン/ラジーヴ、ラリット・ベヘル/ダヤ、ギータンジャリ・クルカルニ/ラタ、パロミ・ゴーシュ/スニタ、ナヴニンドラ・ベヘル/ヴィムラ、アニル・ラストーギー/ミシュラ

1027()より岩波ホール他全国順次公開

2016年、インド、99分、配給/ビターズ・エンド、日本語字幕/藤井美佳



by Mtonosama | 2018-10-24 06:12 | 映画 | Comments(10)

ガンジスに還る

--


HOTEL SALVATION


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                     (C)Red CarpetMoving Pictures



バラナシが舞台の映画です。

バラナシ。

以前はベナレスと言っていました。


カルカッタがコルカタになり、

ボンベイがムンバイに。

この歳になって新しく覚えるのは大変です。


あ、バラナシでしたね。

この地はヒンドゥー教及び仏教の聖地。

ヒンドゥー教では輪廻転生の度に

人々は大きな苦しみを味わい、

それに耐えねばならないとされていますが、

バラナシで死んだものだけは

その苦しみから解放される

という考えがあるのだそうです。


そのため、バラナシには

毎日インド各地から

遺体が運ばれ火葬されますし、

死期が近づいた人はこの地で

その時を待つという習慣があります。


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本作も、自らの死期を悟った父親が

「聖地バラナシへ行く」と宣言して

家族の大反対を受けながらも

息子が付き添っていくというお話です。


管理人はバラナシを

「死」と「火葬場」の街ということで

深刻っぽく捉えていました。


その背景には

いろいろありましょうが、

藤原新也のあの写真とか

沢木耕太郎の「深夜特急」などで

死にいく者たちの街という印象が

強く摺り込まれているということも

あるのかもしれません。


あの写真というのは

野良犬が人の片足を咥えている写真です。

火葬した遺体はガンジス川に流されますから、

燃え残って打ち上げられた足を

犬がゲットしたのでしょう。

「人間は犬に食われるほど自由だ!」

というキャッチフレーズがついていました。


しかし、この地では

死は深刻に考えるまでもなく

あくまで日常なのです。


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「インドの中のインド」と呼ばれ

インドのエッセンスが詰まった街。


「火葬場が街のために存在するのではなく、

街が火葬場のために存在する」

という街。


紀元前6世紀から栄えてきたバラナシは

遠藤周作の「深い河」

三島由紀夫「豊饒の海」等の舞台にも

なっています。


朝日に照らされるガンジス河、

迷路のような細くて狭い路地裏、

荼毘の煙に包まれた火葬場、

幻想的な夜の祭り。


美しいけれど汚い、汚いけれど美しい。

生と死が混沌と混ざり合うバラナシ。


本作は

2016年ヴェネチア国際映画祭

ビエンナーレ・カレッジ・シネマ部門で

ワールドプレミアムが行われ、

上映後はスタンディングオベーションが起こり

10分間拍手が鳴りやまなかったそうです。


忌むべきものとして描かれることの多い死を

深刻にならず、かといって、軽くもなく

描き出した本作。

死さえ管理されているような

現代社会にとっては

とても新鮮な視線の映画です。


さあ、どんなお話なのでしょうか。

続きは次回まで、乞うご期待でございます。



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ガンジスに還る

監督・脚本/シュバシシュ・ブティアニ、撮影/マイケル・マクスウィーニー

出演

アディル・フセイン/ラジーヴ、ラリット・ベヘル/ダヤ、ギータンジャリ・クルカルニ/ラタ、パロミ・ゴーシュ/スニタ、ナヴニンドラ・ベヘル/ヴィムラ、アニル・ラストーギー/ミシュラ

1027()より岩波ホール他全国順次公開

2016年、インド、99分、配給/ビターズ・エンド、日本語字幕/藤井美佳




by Mtonosama | 2018-10-21 06:40 | 映画 | Comments(2)

ハナレイ・ベイ

-2-


HanaleiBay

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(C)2018「ハナレイ・ベイ」製作委員会



青山か六本木あたりに店を構え、

そこそこ上質な客が酒とジャズを楽しみに

訪れるジャズバーのオーナー・サチ。


彼女は気が向けば、客のリクエストに応じて

ピアノを弾いたりもします。

まあ、繁盛している店でしょう。


住まいはシンプルで無機質なマンション。

家族はサーフィンに明け暮れる

19歳の一人息子タカシ。


夫はタカシが赤ん坊の時

コカインをやりながら他の女とHをし、

その最中に死亡しました。


以後、シングルマザーとして

息子と共に生きてきたサチ。



ストーリー

自宅に突然電話がかかってきた。

英語だ。

それは、

タカシがハナレイ・ベイでサーフィン中、

サメに襲われて死んだという知らせだった。


サチはカウアイ島のモルグで

息子と対面を果たす。

「その日、湾にたくさんのカメがいて、

それを追ってきたサメが息子さんの右脚を

食いちぎりました」


係員の説明を冷静に聞き、

遺体の処置も指示するサチ。


息子の遺骨を抱き、

日本へ帰ろうとした彼女だったが、

ふと

タカシが命を落とした場所

ハナレイ・ベイへ向かう気になった。


サチはホテルをとると

ビーチチェアを持って浜へ行き、

本を読み、時を過ごした。

時折、海に目をやりながら――



毎年、タカシの命日が近づくと

サチはハナレイ・ベイでの

この儀式のような行為を続けていた。


この湾で毎年同じ場所にチェアを置き、

ミネラルウォーターを携え、本を読み、

数週間滞在する。

肌を焼いたり、泳いだりはしない。


何年か経って、

サチは2人の日本人サーファーに出会う。

タカシ位の年頃で世間知らずな2人。

軽口をたたきながら彼らの世話を焼くサチ。

息子の姿がだぶるのだろう。


そんな時、サチは2人から「ある噂」を聞く。

「サーフボードを持った

右脚のない日本人サーファーがいる」……



タカシにサーフボードを買い与え、

ハワイ行きの費用もサチが出した。

生活にゆとりもあった。


「あの子のことを好きじゃなかった」

と言うサチ。

洗濯の仕方に文句をつけるタカシ。


思春期の息子、

クールで有能だが、

どこか心を開ききれない母。


会話の無い家庭、

お互いに心を見せない母子。


ま、よくあることです。


息子の突然の死――

これはよくあっては困りますが、

それでもクールな母。


でも、母はまるで法事のように

毎年その湾を訪れます。


原作は淡々と進みます。

原作ももちろん良いです。

ですが、映画の『ハナレイ・ベイ』は

物語に魔法をかけました。

いえ、もしかしたら、

ハワイの海が魔法をかけたのかもしれません。


「読んでから見るか、見てから読むか」

さあ、皆さまならどうしますか?




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ハナレイ・ベイ

監督・脚本・編集/松永大司、原作/「ハナレイ・ベイ」(村上春樹・新潮文庫刊「東京奇譚集」)、プロデューサー/小川真司、音楽/半野喜弘

出演

吉田羊/サチ、佐野玲於/タカシ、村上虹郎/高橋、栗原類/尾崎亮

1019()全国ロードショー

2018年、日本、97分、配給/HIGH BLOW CINEMA



by Mtonosama | 2018-10-18 05:17 | 映画 | Comments(4)

ハナレイ・ベイ

-1-


HanaleiBay



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(C)2018「ハナレイ・ベイ」製作委員会



偶然なのですが、原作を読んだ数日後に

本作『ハナレイ・ベイ』を観ました。

「ハナレイ・ベイ」

村上春樹作品です。


村上春樹の短編は好きです。


『ハナレイ・ベイ』は

短編でありながら、読んでいなかったので、

この偶然は嬉しい好機でありました。


「読んでから見るか、見てから読むか」

という角川映画のキャッチフレーズが

ありましたが、

管理人はどちらでもいいです。


例外は、

江戸川乱歩の作品と

「泥の河」(宮本輝原作)

前者は自分の頭の中で捏ね上げたイメージと

映画が違い過ぎるので、

読むだけの方が良かったし、

後者は映画『泥の河』(小栗康平監督)

素晴らしく良かっので、

その印象をひきずりながら

原作も読めてラッキーでした。


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村上春樹の場合はどうでしょう。

実は管理人は映画版を観るのは

本作が二作目なので

村上春樹に関しては

必然的に「読んでから見る」派に

なってしまうのですが。



『風の歌を聴け』(81)

大森一樹監督、小林薫主演


『森の向こう側』(88)

(「土の中の彼女の小さな犬」)

野村恵一監督、きたやまおさむ主演


『トニー滝谷』'05

市川準監督、イッセイ尾形主演


『神の子どもたちは皆踊る』(’10)

ロバート・ログバル監督、

ジョアン・チェン主演

https://mtonosama.exblog.jp/14631515/

https://mtonosama.exblog.jp/14651121/


『ノルウェーの森』(10)

トラン・アン・ユン監督、松山ケンイチ主演

『ノルウェーの森 エクステンデッド版』(11)

トラン・アン・ユン監督、松山ケンイチ主演


『ハナレイ・ベイ』(18)

松永大司監督、吉田羊主演


もう6本も映画化されているのですね。

『ノルウェーの森 エクステンデッド版』を

加えれば7作目ですか。


どの作品も、その時代を代表する

俳優が出ていますよね。


ま、管理人は『神の子はみな踊る』と

本作『ハナレイ・ベイ』しか観ていませんが。


前者に関しては、

ちょっととまどいましたけどね。


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村上春樹氏については

今さらプロフィール紹介もないと思いますが、

ま、お約束ということで。


村上春樹

1949年生まれ。

早稲田大学在学中にジャズ喫茶を開業。

1979年「風の歌を聴け」でデビュー。

群像新人文学賞受賞。

1987年発表の「ノルウェーの森」が

大ベストセラーになり、

村上春樹ブームが起きる。


「羊をめぐる冒険」

「世界の終りと

ハードボイルド・ワンダーランド」

「ねじまき鳥クロニクル」

「海辺のカフカ」「IQ84

「騎士団長殺し」など


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ハナレイ・ベイ

2005年に新潮社より

刊行された短編集「東京奇譚集」に所収。

単行本、文庫本合わせて

70万部を超えるロングセラー。


舞台はハワイ・カウアイ島の美しい湾

ハナレイ・ベイ。

この舞台設定からしてもう映画にピッタリです。


登場人物は東京でジャズバーを経営するサチと

19歳のサーファーで一人息子のタカシ。

ジャズバー経営ってところが

いかにもですね。


監督と脚本は松永大司。


松永大司監督

74東京出身。

『ウォーターボーイズ』(矢口史靖監督)等に

俳優として出演。

2011

性同一性障害のアーティスト・ピュ~ぴる

8年間追ったドキュメンタリー映画

『ピュ~ぴる』を完成。

2015年には初の長編劇映画『トイレのピエタ』が

全国公開されスマッシュヒットを記録。

20回新藤兼人賞銀賞、

ヨコハマ国際映画祭森田芳光

メモリアル新人監督賞などを受賞。

16回全州映画祭インターナショナル・

コンペティション部門、

28回東京国際映画祭

Japan Now部門、

45回ロッテルダム国際映画祭

Voices部門に正式出品された。


2016年には

THE YELLOW MONKEY

15年ぶりに再結成を果たしたツアーに同行、

その復活の一年を追ったドキュメンタリー映画

『オトトキ』が公開された。


さあ、松永監督、

村上ワールドをどのように

見せてくれるのでしょうか。


続きは次回まで乞うご期待でございます。





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ハナレイ・ベイ

監督・脚本・編集/松永大司、原作/「ハナレイ・ベイ」(村上春樹・新潮文庫刊「東京奇譚集」)、プロデューサー/小川真司、音楽/半野喜弘

出演

吉田羊/サチ、佐野玲於/タカシ、村上虹郎/高橋、栗原類/尾崎亮

1019()全国ロードショー

2018年、日本、97分、配給/HIGH BLOW CINEMA





by Mtonosama | 2018-10-15 05:30 | 映画 | Comments(7)

ニューヨーク、

ジャクソンハイツへ

ようこそ

--


IN JACKSON HEIGHTS


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(C)2015 Moulins Films LLC All RightsReserved



1930年生まれのフレデリック・ワイズマン監督は

今年88歳。米寿ですね。


ユダヤ系移民である弁護士の父と

社会活動家である母の間に

ボストンで生まれたワイズマン監督。


父は、ヨーロッパからの移民、特に

人種差別や戦争から逃れて

アメリカに亡命してきたユダヤ人の亡命に

尽力していました。


彼の生まれた30年代のボストンでは

ユダヤ人の多くが、

ゲットーで暮らし、

ニューイングランド支配層からは

二等市民扱いを受けていました。

ワイズマン家では人種間の対立や嫌悪感が

しばしば話題に上っていたそうです。


子どもの頃からそんな環境に育ち、

人間やその行動、

その結果から生まれる施設や地域に

魅かれてきた監督にとって

ドキュメンタリー映画を撮ることは

まさに天職だったことでしょう。


今回、彼が選んだのは

NYクイーンズ区の一部ジャクソンハイツ。


中南米各国やパキスタン、バングラデシュ、

タイ、インド、ネパール、チベットの

人々から成るコミュニティがあり、

彼らは初期の移民の子孫である

イタリア人、ユダヤ人、アイルランド人と

暮らしています。

つまり、この地域は人種のるつぼなんですね。


映画は、ジャクソンハイツの通りの出来事や

衣料品店やコインランドリー、パン屋さん、

レストラン、スーパーマーケット、

モスクや寺院や教会等を映し出しています。




通りでは、虹色の旗を掲げて

ゲイのパレードが繰り広げられています。


「フォレストヒルズ、キューガーデンズ等には

今、大勢のゲイが住んでいるが、

様々なことが始まったのは

ここジャクソンハイツだった」


また、狭い敷地で昔ながらの商売を営む小さなお店。

それが再開発で家賃が上がり、

GAPなど大規模店舗が進出すれば

どうやったって太刀打ちできません。


「こうして少しずつジャクソンハイツの

古い住民が追い出される。

僕らが作ったジャクソンハイツを

彼らが壊し、よそ者を住まわせる」


そんな悩める商店主の訴えに耳を傾ける

ボランティアたちは言う。

「この辺の小さな商店主全員で団結して

反対を唱え、状況を変えられるよう

協力したいんだ」


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「メイク・ザ・ロード・ニューヨーク」では

各国からやってきた移民たちが

タクシー運転手になるための講習を

受けています。


ここは永住権のあるなしにかかわらず

あらゆる移民、人種、

あらゆるジェンダーの人々に

安心とサポート、連携を提供するNPOです。


「メイク・ザ・ロード・ニューヨーク」は

虐待や差別にあった人の経験と声を集め、

個別の問題を解決するだけではなく

社会システムの変革につながるための

活動を行っています。


疑似質問でボランティアは問いかけます。

「もしあなたが、

試験官になぜアメリカ人になりたいかと

訊かれたら、なんて答える?」


あるいは講習会でこう説明します。

IDがいかに大事か忘れないで。

生活改善の助けになる。

なければ貧困から抜け出せない。

貧困は奴隷と同じ。

だけど、宿命じゃない。

努力すれば変えられる」


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今さら言うまでもなく

アメリカ合衆国は移民によって

形成された国家だったのですよね。


移民や高齢者、弱者に寄り添う

市民ボランティアの姿に心打たれます。


アメリカっていろんな問題もあるけれど

良いところもたくさんあります。


189分という長い映画ですが、

NYに行くほどの時間ではありません。

先ずは映画館でお楽しみください。



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ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ

監督・録音・編集・製作/フレデリック・ワイズマン、撮影/ジョン・デイヴィー、サウンドミックス/エマニュエル・クロゼ、カラーグレーディング/ジル・グラニエ、編集助手/ナタリー・ヴィニェー、音響編集助手/クリスティーナ・ハント、製作総指揮/カレン・コニーチェク、製作/ムーラン・フィルムズLLC、製作出資/フォード・ファウンデーション、PBSITVS、サンダンス・インスティチュート・ドキュメンタリー・フィルム・プログラム、パーシング・スクエア・ファウンデーション

10月20日(土)シアター・イメージフォーラムにてロードショー

2015年、アメリカ・フランス合作、189分、カラー、字幕翻訳/齋藤敦子、配給/チャイルド・フィルム、ムヴィオラ




by Mtonosama | 2018-10-12 06:16 | 映画 | Comments(6)

ニューヨーク、

ジャクソンハイツへ

ようこそ

--


IN JACKSON HEIGHTS


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(C)2015 Moulins Films LLC All RightsReserved



「ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ!」

と言っていただいても、ニューヨークへは

行ったことのない管理人です。


アメリカとはとんとご縁がなく

いつも映画で観るばかりでございます。

セントラルパークの紅葉も

高速道路の下のバスケットゴールも

全部映画でしか観たことがありません。


NYの風景で印象的なのは

『ウェストサイド物語』のトニーとマリアが

行き来したアパート裏の鉄階段です。


そうそう、

ウェストサイド物語といえば

スピルバーグ監督がリメークするんですって?!

う~ん、

チャキリスやリタ・モレノ世代としては

ちょっとなぁ・・・


あ、横道に逸れました。

本作はドキュメンタリー映画の巨匠

フレデリック・ワイズマン監督

40作目となるドキュメンタリー映画です。


当試写室でも

彼の『パリ・オペラ座のすべて』

https://mtonosama.exblog.jp/11865047/

『クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち』

https://mtonosama.exblog.jp/17678146/

https://mtonosama.exblog.jp/17688737/

を上映しておりますので

よろしければ、ご観覧ください。



フレデリック・ワイズマン監督は

1967年のデビュー作

『チチカット・フォーリーズ』以来、

50年以上にわたるキャリアを持つ

アメリカを代表する

ドキュメンタリー作家です。


これまで、その劇場公開作は

『パリ・オペラ座のすべて』

『クレイジーホース・パリ』

『ナショナル・ギャラリー英国の至宝』

など舞台やアートに関する作品のみで

本作のようなニューヨークを舞台に

アメリカ社会をとらえたドキュメンタリーが

劇場公開されるのは初めてのことです。


上映の前にジャクソンハイツとは

どんなところか、ちょっと予習しますね。


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ジャクソンハイツ

ニューヨーク市クイーンズ区の北西に位置し、

人口は13万2千人。

100年程前、マンハッタンへ通勤する

中産階級向けに宅地開発されたが、

60年代後半から

各国の移民が住むようになった。


現在は住民の約半数が海外で生まれ

アメリカにやってきた移民で

ニューヨークで最も多様性に富んだ街。


通りを歩けば

英語以外の言語がたくさん聞こえる。

167もの言語が話され、マイノリティが集まる街。


しかし、近年ブルックリン、マンハッタンの

地価高騰により、

中心部まで地下鉄で30分という便利さから

人気を呼び、再開発が進んでいる。


ヒスパニック系が57%を占めるというこの街。

南米、中南米からの移民が

たくさん住んでいますし、

ゲイ・コミュニティもある

バラエティ溢れる街です。


T大統領は中南米移民に冷たく当たりますし、

古くからこの地で商売をしている人たちは

再開発の波に翻弄されてはいますけれど――



さあ、そんな街にワイズマンが目を向ければ

いかなるドラマをとらえてくれるのでしょう。

続きは次回まで乞うご期待でございますよ。



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ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ

監督・録音・編集・製作/フレデリック・ワイズマン、撮影/ジョン・デイヴィー、サウンドミックス/エマニュエル・クロゼ、カラーグレーディング/ジル・グラニエ、編集助手/ナタリー・ヴィニェー、音響編集助手/クリスティーナ・ハント、製作総指揮/カレン・コニーチェク、製作/ムーラン・フィルムズLLC、製作出資/フォード・ファウンデーション、PBSITVS、サンダンス・インスティチュート・ドキュメンタリー・フィルム・プログラム、パーシング・スクエア・ファウンデーション

10月20日(土)シアター・イメージ・フォーラムにてロードショー

2015年、アメリカ・フランス合作、189分、カラー、字幕翻訳/齋藤敦子、配給/チャイルド・フィルム、ムヴィオラ




by Mtonosama | 2018-10-09 05:43 | 映画 | Comments(9)

止められるか、

俺たちを


--


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©2018若松プロダクション



あの時代、若い女子が一人で映画を観に行くと

必ず怪しげなおっさんが隣に座り

怪しげなふるまいに及んだものです。


文芸映画や抒情的な映画を観ている時でも

出物、腫物はともかく、

痴漢はところ選ばずでした。

ですから、若松孝二監督の映画は

観たことがありません。


映画館内での痴漢行為はいけませんねえ。

集中して映画を観ているのに

隣でモゾモゾされると

不愉快です。興が冷めます。気持ち悪いです。

嫌なので場所を移ると一緒に動いて

また再開するしつこい痴漢もいたりしました。


150歳になった今は

そういうことはないので助かります。

歳をとるのも悪いことばかりではありません。


あ、つい痴漢の話が長くなってしまいました。


痴漢はともかく

60年代末期から70年代にかけては

熱い時代でした。



若松孝二、足立正生、沖島勲、大和屋竺(やまとやあつし)

秋山道男、荒井晴彦、赤塚不二夫、大島渚――


足立正生は後に日本赤軍に合流して

人々をアッと驚かせた人物ですし、

沖島勲は「日本昔ばなし」の脚本を書いた

脚本家であり、監督です。

大和屋竺は若松作品以外にも

鈴木清順監督作品も手掛けた脚本家。

秋山道夫は若松プロ脱退後、

無印良品やチェッカーズ、小泉今日子の

プロデュースを手掛けるなど

多岐にわたる才能を発揮しました。

荒井晴彦は雑誌「映画芸術」編集長にして

脚本家、監督です。

赤塚不二夫、大島渚は

今さらご説明するまでもなく、

皆、あの時代を熱く生きた才能たちです。



ストーリー

21歳になった吉積めぐみは

1969年春、

新宿のフーテン仲間・秋山道男に誘われて

若松プロを訪れた。

そこは若者たちを熱狂させ、

時代の最先端をいく映画プロダクション。

当時33歳の若松孝二を中心とした

新進気鋭の若者たちの梁山泊だった。


理屈屋の映画監督・足立正生、

助監督で脚本家の沖島勲、

カメラマン志望の高間賢治、

インテリ評論家気取りの助監督・荒井晴彦――

撮影がある時も無い時も事務所にたむろし、

酒を飲み、ネタを探し、街で女優をスカウトし、

撮影が始まれば、助監督は現場で走り回り、

時には役者にもなった。


めぐみは初めての映画作りに

てんてこ舞いしながらも

若松孝二という存在

そして、映画作りにひきつけられていく。

だが、めぐみを若松プロに連れてきて、

助監督の全てを教えてくれた万引きの天才

秋山は若松プロを去っていった。

めぐみ自身も自分は何を表現したいのか

わからない自分への不安と焦りに

とまどっていた。


19715月カンヌ国際映画祭に

招待された若松と足立は帰国せず、

そのままレバノンへ。

そこで日本赤軍の重信房子らに合流し、

撮影を敢行した。


帰国後、

映画『PFLP世界戦争宣言』の上映運動の為、

若松プロには政治活動に熱心な若者が

出入りするようになっていく。


上映バスを見送るめぐみ。


違和感を感じながら一人、映画館で

若松の映画を観る。


そして、知らない内に涙が頬を伝い、

心で思う。

「やがては若松に刃を突きつけないと」……



ああ、思い出しますねぇ。あの頃を。

何かをしたい、成し遂げたいと思いつつ、

自分と周囲との間には見えない壁が

できあがっていて、一人でもがくのですねぇ。


おばさんもおじさんももがきながら

歳をとってしまいましたが、

確かにあの時代には

狂熱と呼んでいいものがありました。


あ、失礼しました。

150歳にとっては懐かしい時代ですが、

クールなお若い方々には

どうでもいいことかもしれません。

また「こんなもんじゃなかったよ」という

もっとハードな体験をなさった方も

おいででしょう。


が、しかし

吉積めぐみさんを演じた門脇麦さんの

戸惑うような様子が新鮮でしたし、

若松さんという方は

ある種「人たらし」の才があった

異能の人なんだなあと感じました。


やっぱりあの熱い時代が

懐かしくなる映画です。





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止められるか、俺たちを

監督/白石和彌、脚本/井上淳一、製作/尾崎宗子、撮影/辻智彦

出演

門脇麦/吉積めぐみ、井浦新/若松孝二、タモト清嵐/秋山道男、毎熊克哉/小水一男、山本浩司/足立正生、高岡蒼佑/大島渚、寺島しのぶ/前田のママ、奥田瑛二/葛井欣士郎、吉澤健/カプリコンマスター

1013()よりテアトル新宿ほか全国順次公開

2018年、日本、119分、配給/スコーレ




by Mtonosama | 2018-10-06 05:58 | 映画 | Comments(4)

止められるか、

俺たちを


-1-


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©2018若松プロダクション



若松孝二監督をご存知でしょうか。


2008年『連合赤軍 あさま山荘への道程』で

58回ベルリン国際映画祭で

最優秀アジア映画賞と

国際芸術映画評論連盟賞をW受賞


10『キャタピラー』では主演の寺島しのぶが

60回ベルリン国際映画祭で

最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞


‘12『海燕ホテル・ブルー』

1125自決の日 三島由紀夫と若者たち』が

公開された監督です。


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残念なことに20121017日に

交通事故で亡くなってしまいましたが、

まだまだ意気軒昂な監督でした。


亡くなった後も

13『千年の愉楽』(中上健次原作)公開。

1125自決の日 三島由紀夫と若者たち』は

65回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」に、

『千年の愉楽』は

69回ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門に、

招待されています。


さて、1936年生まれのこの監督。

農業高校を2年で中退し、家出。

上京して、職人見習いや新聞配達など

職を転々とした後はヤクザさんになり、

21歳の時には

チンピラ同士の喧嘩で逮捕されています。


出所後は実写版『鉄腕アトム』『鉄人28号』等

TV映画の助監督をしました。



1963年『甘い罠』で監督デビューし、

ピンク映画としては異例の大ヒットを放ち、

「ピンク映画の黒澤明」と呼ばれました。


1965年には若松プロダクションを設立し、

若松映画に集まった脚本家、助監督を

次々に監督デビューさせた人物です。


プロデューサー作品としても

『毛の生えた拳銃』(‘68 大和屋竺(やまとやあつし)監督)

『愛のコリーダ』(‘76 大島渚監督)

『戒厳令の夜』(80 山下耕作監督)

多数あります。


大勢の助監督や脚本家たちが

若松プロダクションを

まるで梁山泊のようにして集まっていた

60年代の最後の年に

同じく助監督として入り込んだ吉積めぐみ。

本作は、彼女の眼を通して描いた

熱かった時代と映画人と青春の

記憶と記録の映画です。


つまり150歳管理人の時代の映画です。


あ、すいません。


いえね、この時代を描いた映画を観ると

必ず知人がその役として出ているのですわ。


以前、『マイ・バック・ページ』という映画にも

https://mtonosama.exblog.jp/15918406/

https://mtonosama.exblog.jp/15934983/

15歳の頃の知人が出ていましたが、

今回も大学時代の知人が出ていて

ビックリしました。


いえ、俳優としてではないですよ。

その役として、です。


今回も

「そっか、彼はこんなこともしていたのか」

と映画に教えてもらいました。


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それはさておき

本作は、若松プロダクションが

若松監督の死から6年ぶりに

再始動して作った作品。


若松監督を演じるのは井浦新。

そうなんですね。

『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』

1125自決の日 三島由紀夫と若者たち』など

若松監督作に出演してきた井浦が

若き日の若松孝二役を演じるのも

ポイントのひとつです。


その他、山本浩司が演じる足立正生

岡部尚が演じる沖島勲等

若松プロのメンバーが多数登場しますよ。

本作の監督・白石和彌も若松プロ出身です。


あ、そうそう。

本作では大切な役として登場する

吉積めぐみさんについても一言説明しないと。

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1948年生まれの彼女は高校時代

横浜の劇団蟹座に参加。

退団後、新宿でフーテンをしていた693月に

秋山道男と知り合い若松プロへ。

『女学生ゲリラ』(69 足立正生)

『処女ゲバゲバ』(’69)から助監督につき、

『日本暴行暗黒史 怨獣』(70)でチーフ助監督に。

715月ラブホテルで流す映画『うらしまたろう』

で監督デビューするがお蔵入りに。

71912日、新宿区中落合の借家で死去。

関係者の間では未だに

自殺と事故死の両説があります。


さあ、一体どんなお話でしょうか。

続きは次回まで乞うご期待でございます。




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止められるか、俺たちを

監督/白石和、脚本/井上淳一、製作/尾崎宗子、撮影/辻智彦

出演

門脇麦/吉積めぐみ、井浦新/若松孝二、タモト清嵐/秋山道男、毎熊克哉/小水一男、山本浩司/足立正生、高岡蒼佑/大島渚、寺島しのぶ/前田のママ、奥田瑛二/葛井欣士郎、吉澤健/カプリコンマスター

1013()よりテアトル新宿ほか全国順次公開

2018年、日本、119分、配給/スコーレ




by Mtonosama | 2018-10-03 06:17 | 映画 | Comments(2)