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殿様の試写室

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殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

グッバイ・ゴダール!

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Le Redoutable


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(C)LES COMPAGNONS DU CINEMA - LA CLASSE AMERICAINE - STUDIOCANAL- FRANCE 3.



アンヌもゴダールも昔から知っているので

(といっても友達って訳じゃありませんけどね)

どういう俳優さんが

どんな風に演じるかというのは

かなり気になります。


アンヌを演じるのはステイシー・マーティン、

『ニンフォマニアック』でデビューした女優です。

ニンフォマニアーーー

色情狂!?


タイトルも凄いけど、

監督は『ダンサー・イン・ザ・ダーク』の

あのラース・フォン・トリアーです。

彼もまたゴダールと同じくらい変わってます。


本作で

彼女は変人ゴダールとの恋愛を通じて

ブルジョア娘から

次第に自我に目覚める女性へと

変わっていく様子を

愛らしく上品に演じています。


そして、ゴダールを演じるのは

本物のアンヌ・ヴィアゼムスキーとも

仕事をしたことがある

フィリップ・ガレル監督を

父に持つ俳優、ルイ・ガレル。


彼の演じるゴダールがまた

おかしなヤツでありました。


しかし、ルイ・ガレルは

ゴダールの崇拝者。

崇拝者としては変人のゴダールを演じることに

かなり逡巡があったようですよ。


「これは伝記映画ではなく

人生の転換期と歴史の転換期を同時に迎えた

映画製作者についての物語で、

ゴダールとアンヌのラブストーリーなんだ」

との監督の説得に渋々納得させられたルイ。


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さあ、ルイ・ガレル、

どんなゴダールを見せてくれるのでしょう。


ストーリー

1966年パリ。

19歳のアンヌは刺激的な日々を送っていた。

世界中から注目される映画監督

ジャン=リュック・ゴダールと出会い、

恋に落ち、彼の新作『中国女』の

主演女優に抜擢されたのだ。


新しい仲間たちと映画をつくる日々。

そしてゴダールからのプロポーズ。

二人の結婚は注目され、

メディアに追い回される。


パリのアパルトマンで新生活を

スタートする二人。

人に会うのも、どこへ行くかも

決めるのはすべてゴダールだったが、

アンヌにとっては何もかも新鮮だった。


1968

街には学生や労働者が溢れ、

機動隊が通りを固めていた。

五月革命だ。


ゴダールも映画制作そっちのけで

石を剥がし、機動隊に投石。

学生たちの討論会に参加していた。


そんな中、

アンヌは映画プロデューサーの

友人ミシェルから

カンヌ国際映画祭へ行こうと誘われる。

共通の友人が監督する作品が

選ばれたので皆で応援しようというのだ。


だが、ゴダールはストライキに連帯し、

警察の弾圧、政府、映画業界への

抗議表明としてカンヌ国際映画祭中止を

主張している。

アンヌは初めて夫に反抗し

ミシェルと共にカンヌへ。

優雅なバカンスを満喫するのだった。


ゴダールは

フランソワ・トリュフォー、

クロード・ルルーシュらと共に

カンヌに乗り込み、映画祭を粉砕。


パリへ戻ったゴダールは

ゴダールの名を捨て

シガ・ヴェルトフ集団を結成し

全く新しい映画を撮影したり

ベルナルド・ベルトルッチに

誘われたローマの映画会議で

ベルトルッチと激論を交わし、

絶交してしまったりと、わが道を進み続ける。


そんな時

とまどうアンヌの許に

イタリアの奇才マルコ・フェレ―リ監督から

映画出演の依頼が届く。

彼女は女優としてのステップアップを

決意する……


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いやいやゴダールったらすごい!

神様と信じていた彼の素顔にびっくり。

はっきり言って嫌なヤツです。


ルイ・ガレルが出演を渋ったのも

よくわかります。


敬愛するゴダールをこんな人間として

演じたくはなかったんでしょう。


わがまま、教条主義、猛烈な自信、

映画愛、アンヌへの愛情――

この愛、重たすぎます。

でも、笑えちゃいます。


でも、150歳になった今、

遠い目で往時を思い返してみると

いたんだよなあ、

ゴダールみたいなゴリゴリの教条主義者・・・


激しくて、変化を求めた時代でした。

パリも日本も。


天才ゴダールを踏み台にして

成長を遂げたアンヌ・ヴィアゼムスキー。


彼女も「楽しい体験をしたわ」と思いながら

一足先にあちらの世界へ

旅立ったことでしょう。


ゴダールファンのみならず

必見の映画です。



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☆6月19日に更新しました。

久しぶりにバナーを張りつけることができました☆


本作の字幕を翻訳なさった寺尾次郎さんが

今月亡くなりました。

いつも素敵な映画をありがとうございました。

ありがとうございました。

合掌


グッバイ・ゴダール!

監督・脚本/ミシェル・アザナヴィシウス、原作/アンヌ・ヴィアゼムスキー「それからの彼女」、撮影/ギヨーム・シフマン

出演

ルイ・ガレル/ジャン=リュック・ゴダール、ステイシー・マーティン/アンヌ・ヴィアゼムスキー、ベレニス・ベジョ/ミシェル・ロジエ、ミシャ・レスコー/ジャン=ピエール・バンベルジェ、グレゴリー・ガドゥボワ/ミシェル・クルノー、フェリックス・キシル/ジャン=ピエール・ゴラン

713()公開

2017年、フランス、カラー、108分、字幕翻訳/寺尾次郎、配給GAGA

http://gaga.ne.jp/goodby-g



# by Mtonosama | 2018-06-19 07:03 | 映画 | Comments(4)

グッバイ・ゴダール!

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Le Redoutable


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(C)LES COMPAGNONS DU CINEMA - LA CLASSE AMERICAINE - STUDIOCANAL- FRANCE 3.



ゴダールといったら

管理人にとっては

かつては神様のような存在でした。

『勝手にしやがれ』に出たジーン・セバーグの

ファッションに影響され、

『気狂いピエロ』にはいたく感動しました。


今でもあのラストシーンが

頭にこびりついて離れません。

映画の常識が

ちゃぶ台返しにあったような気持でした。


『アルファヴィル』『ウィークエンド』

『中国女』『東風』・・・

「よくわかんないなあ」と思いながらも

一生懸命観たものです。

よくわかんないから

神様だったのかもしれません。


そして、

ジーン・セバーグはじめ、

女優たちが素敵で憧れました。

『気狂いピエロ』に出た

アンナ・カリーナは大好きです。

彼女はゴダールの最初の奥さんでした。

4年で離婚してしまいましたけど。


アンナ・カリーナの次に登場し、

彼のミューズとなり、妻にもなったのが

アンヌ・ヴィアゼムスキー。


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19歳のアンヌはパリに住む哲学科の学生。

そんな彼女が世界中から注目される映画監督

ジャン=リュック・ゴダールと恋に落ち、

『中国女』に主演することになりました。

時あたかもパリ五月革命の1968年。


ゴダールと恋をし、

女優としての人生にめざめ、

1968年のパリに燃える

アンヌ・ヴィアゼムスキーの

自伝的小説「それからの彼女」を

映画化したのが

本作『グッバイ・ゴダール!』です。


父はロシア貴族、

母方の祖父は作家フランソワ・モーリアック、

ノーベル文学賞受賞作家であります。

伯父のクロード・モーリアックは

伝説的シネクラブ「オブジェクティフ49

設立メンバーの作家という家系で、

彼女自身、作家でもありました。


アンヌ・ヴィアゼムスキー

1947514日、ベルリンで生まれる。

母はクレール・モーリアック、

弟はピエール・ヴィアゼムスキー。

父はロシア革命直前サンクトペテルブルクに

生まれた貴族。

その後、フランスに亡命。

アンヌとピエールの幼少期は

ローマ、モンテネグロ、ジュネーブ、カラカス

を転々とする生活。


196416歳で『バルタザールどこへ行く』

(ロベール・ブレッソン監督)で女優デビュー。

1969年『中国女』に主演。

同年結婚し、

1979年離婚。


小説家、脚本家として数本の作品を出す。

日本では「愛の讃歌」(日之出出版)

「少女」(白水社)が邦訳されている。

フランスでは著書を原作に

しばしば映画化される人気作家。

2017105日、70歳で亡くなる。

Wikipediaより)


去年、亡くなっていたんですね。

しみじみ時の流れを感じます。

10年という年月をゴダールと共に

過ごした彼女。

(といっても72年には既に

他の女性と公私共にパートナーと言われる仲に

なっていたゴダールではありますが)


その彼女が書いた自伝ですから、

本作でもゴダールはかなり変なヤツとして

描かれてはいます。

天才と変人はもしかしたら

同義語かもしれませんけどね。


監督はミシェル・アザナヴィシウス。

『アーティスト』でアカデミー賞に

輝いた監督です。


これまで映像化のオファーを断り続けてきた

彼女がようやく首を縦に振った本作。


さあ、いったいどんな作品なのでしょうか。

続きは次回まで乞うご期待でございます。



グッバイ・ゴダール!

監督・脚本/ミシェル・アザナヴィシウス、原作/アンヌ・ヴィアゼムスキー「それからの彼女」、撮影/ギヨーム・シフマン

出演

ルイ・ガレル/ジャン=リュック・ゴダール、ステイシー・マーティン/アンヌ・ヴィアゼムスキー、ベレニス・ベジョ/ミシェル・ロジエ、ミシャ・レスコー/ジャン=ピエール・バンベルジェ、グレゴリー・ガドゥボワ/ミシェル・クルノー、フェリックス・キシル/ジャン=ピエール・ゴラン

713()公開

2017年、フランス、カラー、108分、字幕翻訳/寺尾次郎、配給GAGA

http://gaga.ne.jp/goodby-g/


# by Mtonosama | 2018-06-16 06:54 | 映画 | Comments(2)

ガザの美容室

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Dégradé


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戦争の話は嫌だなってお思いですよね。

管理人もそうです。


そして、

双子の監督もそのようです。


「僕らは戦争よりも暮らしを描くことが

大切だと信じている。

パレスチナの女性は虐げられているかのように

外の世界は何も知らないかのように

思われ、描かれている。

だけど彼女たちは戦争中だって

常に人生を選択している。

僕らはそんな人々の暮らしを

映画にしたかったんだ。

死ではなく人生を描きたい。

ガザ侵攻で人々が殺されている時に

僕らが負った責務は

彼らの人生を語ることだった」


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ストーリー


ガザ。

クリスティンの美容室は満員だ。

彼女はロシアからの移民。

ロシアで会ったパレスティナ人男性との

結婚を機にガザへやってきて美容室を開いた。


美容室のアシスタントのウィダドは

恋人のアハマドとの関係に悩んでいる。

彼はマフィアの一員。

ドラッグや武器を売りさばき、

数日前、動物園のライオンを盗んできたことで

ハマスからマークされている。


夫の浮気が原因で離婚調停中の

エフティカールは弁護士と会うため

身繕い中だ。


今夜、結婚式を迎えるサルマは

実母と義母との関係に悩んでいる。


付き添っているサルマの母は喘息持ちだが、

エルサレムの病院に行くための通行許可を

何度申請してもイスラエルに拒否されたまま。


臨月の妊婦ファティマは

出産前にきれいになろうと

妹と共にやってきた。


戦争で負傷した夫を持つサフィアは

夫に処方された薬物を常用する中毒患者だ。


敬虔なイスラム教徒ゼイナブは

これまで一度も髪を切ったことはなく

女しかいない美容室でも

決してヒジャブを取らない。


離婚経験のあるソーサンは

かつて妻より祈りの方が大事という男と

結婚していたと話す。


皆それぞれに事情を抱えた女たちである。


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突然、美容室が停電。

ガザでは電気の供給が不安定なので

予備の電源は小さな発電機のみ。

それすら国境封鎖のため

ガソリンが届かず、充分に機能しない。

暑い美容室の中は扇風機も回せない。


外には上空を飛ぶドローンの音と

不穏なざわめきが続いている。


苛立ち、不安を隠せない女たち。

陣痛が始まった妊婦のために

タクシーを呼んだその時

銃撃が始まった。

マフィア殲滅のため、

ハマスが攻撃を開始したのだ。



周りの道路は封鎖され、

女たちは美容室から出ることができない。

結婚式に間に合わない花嫁に

せめてドレスだけでも着付けする。


極度の緊張状態の中

美容室の中ではいさかいが起きる。

クリスティンは叫ぶ。

「私たちが争ったら、

外の男たちと同じじゃない!」……


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原題の“Dégradé”はフランス語で「退廃」

また、その名をつけたヘアスタイルを

意味するそうです。


美容室というからどこか

ゆったりした癒しの場を

連想してしまいました。


美容院といえば

ゆったり過ごし、肩まで揉んでもらえる

安らぎの空間でしかなかったのですけど。


銃撃戦が展開される中、

悲鳴を上げるでもなく、興奮するでもなく

嵐が過ぎ去るのを待つかのような

彼女たちの姿に

ガザが置かれた状況を見ました。


どんなに悲惨な状態でも

生活を続けていかなくてはならない・・・


このことは救いなのでしょうか。

それとも諦めなのでしょうか。




ガザの美容室

監督/タルザン&アラブ・ナサール、撮影/エリック・デヴィン、編集/ソフィー・レンヌ、アイアス・サルマン、音楽/バハ―・オトマン、サウンドトラック/ベンジャミン・グロスピロン

出演

ヒアム・アッバス/エフィティカール、マイサ・アブドゥ・エルハディ/ウィダド、マナル・アワド/サフィア、ダイナ・シバー/サルマ、ミルナ・サカラ/ゼイナブ、ヴィクトリア・バリツカ/クリスティン、レーム・タルハミ/ワファ、フダ・イマム/サメーハ、ラネム・アル・ダオウド/マリアム、サミラ・アル・アシーラ/ファティマ、ラヤ・アル・カハテブ/ルバ、ウェダッド・アル・ナサル/ソーサン、ネリー・アボウ・シャラフ/ナタリー、タルザン・ナサール/アハメド

623日(土)新宿シネマカリテ、渋谷アップリンク他全国順次公開

2015年、パレスティナ、フランス、カタール、84分、配給/アップリンク

http://www.uplink.co.jp/gaza/


# by Mtonosama | 2018-06-13 06:30 | 映画 | Comments(6)

ガザの美容室

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Dégradé


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ガザと聞いて連想するのは

イスラエルによって建造された高い壁に囲まれ、

天井のない監獄と言われる街です。


若者たちは塀に囲まれた中で

うつろな目をして過ごします。

その失業率は6割以上で麻薬も蔓延しているとか。


51年前からイスラエルの占領下に置かれ、

24年前にはパレスチナ自治が始まりましたが、

11年前にイスラム組織ハマスが

支配するところとなると

イスラエルの経済封鎖が始まりました。


このハマスとパレスチナ自治政府も

対立しているといいます。


二重の対立構造なのですね。


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この10年間で3

イスラエルによる大規模空爆や侵攻も

繰り返されました。



そんなガザの街にも美容院はあります。

壁に囲まれているとはいえ、

人が暮らしている以上、

冠婚葬祭はあります。


髪をセットしたり、脱毛したり、

身だしなみも整えねばなりません。

それになんといっても

美容院は女たちが本音で語れる空間です。


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美容院といえば、以前、当試写室でも

『キャラメル』というレバノンの美容室を

舞台にした作品を上映しました。


あちらでは脱毛をするのに

砂糖と水とレモンを入れた溶液を煮詰め

キャラメル状にしたものをムダ毛に塗り、

乾きかけたところで

ベリッと剥ぎ取るのだそうです。

https://mtonosama.exblog.jp/10242253/


本作でも同じようなことをやっていました。

美への探求こそ女を強くするのであります。


パレスチナ自治区、ガザ。

女性客でにぎわう美容院。

そこには

離婚調停中の主婦

ヒジャブを被った信心深い女性

結婚式を控えた娘

出産間近の妊婦

皆それぞれが順番を待ちながら

午後の時間を過ごしています。


そんな時、表の通りに銃声が響き、

彼女たちは

突然起こった戦乱の中に取り残されます。


68回カンヌ国際映画祭批評家週間に

出品された本作は

ガザで生まれ育った双子の兄弟監督

タルザン&アラブ・ナサールによる

初の長編映画です。


タルザン&アラブ・ナサール監督

1988年ガザ生まれ。

アルアクサ大学で

芸術の学士号(絵画専攻)を取得し、卒業。

その後、映画製作を開始。

2013年初監督短編『Condom Lead』は

カンヌ国際映画祭で上映。

本作は2015年カンヌ国際映画祭批評家週間

でワールドプレミアム上映された。


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さて、戦闘状態の中に

置き去りにされた女性たちですが、

一体どこが攻撃してきたと思いますか?


普通、イスラエルと思いますよね。

実際、ガザでの戦闘はほとんどが

イスラエルによって

繰り返される空爆や侵攻です。

これまでに2千人以上のパレスチナ人が

亡くなっています。


しかし、美容院の外で行われている銃撃戦は

イスラエルの攻撃ではなく

ハマスとマフィア間の戦闘なのです。


ここのところがややこしいのですが、

1994年ガザではパレスチナ解放機構の

主流派「ファタハ」の主導で

パレスチナ自治が始まりました。


が、しかし、

2006年のパレスチナ自治評議会選挙で

イスラム組織「ハマス」が

ファタハを破り、勝利したことから

2007年夏ハマスが支配するようになりました。


選挙に負けたファタハが腐敗して

地元の有力家族と結びついたことから

マフィアがはびこっているという訳です。


イスラエルに攻撃されるだけではなく

ガザ内部も混乱しているのですね。

たまりません。


さあ、いったいどんなお話なのでしょう。

続きは次回まで乞うご期待でございます。


ガザの美容室

監督/タルザン&アラブ・ナサール、撮影/エリック・デヴィン、編集/ソフィー・レンヌ、アイアス・サルマン、音楽/バハ―・オトマン、サウンドトラック/ベンジャミン・グロスピロン

出演

ヒアム・アッバス/エフィティカール、マイサ・アブドゥ・エルハディ/ウィダド、マナル・アワド/サフィア、ダイナ・シバー/サルマ、ミルナ・サカラ/ゼイナブ、ヴィクトリア・バリツカ/クリスティン、レーム・タルハミ/ワファ、フダ・イマム/サメーハ、ラネム・アル・ダオウド/マリアム、サミラ・アル・アシーラ/ファティマ、ラヤ・アル・カハテブ/ルバ、ウェダッド・アル・ナサル/ソーサン、ネリー・アボウ・シャラフ/ナタリー、タルザン・ナサール/アハメド

623日(土)新宿シネマカリテ、渋谷アップリンク他全国順次公開

2015年、パレスティナ、フランス、カタール、84分、配給/アップリンク、http://www.uplink.co.jp/gaza/


# by Mtonosama | 2018-06-10 06:26 | 映画 | Comments(6)


バトル・オブ・

ザ・セクシーズ


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BATTLE OF THE SEXES


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(C)2017Twentieth Century Fox



1973年という年は

男女同権に向けてアメリカが

変わり始めた年でした。

雑誌ミズが創刊され、

議会は男女平等憲法修正条項を承認します。


でも、

女性は自分の名前で

クレジットカードを持つことさえ

まだ難しかった時代。


そんなとき行われたのが

本作の舞台となるテニスの試合でした。

現女性テニスチャンピオンの

ビリー・ジーン・キング

vs

元世界王者のボビー・リッグス。


その試合がそのまま

男女同権論争の公開討論場と

化したかのようでありました。


まあ、本当に映画のようなお話ですが、

さて・・・


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ストーリー

全米女子テニスチャンピオンの

ビリー・ジーン・キングは怒っていた。

全米テニス協会が発表した

次期大会の女子優勝賞金が

男子の1/8だったからだ。


責任者のジャック・クレーマーに

抗議したが、

「観客を呼べるのは男子の試合だ」

との返答。

「ボイコットよ!」と言い返すキング。


ジャーナリストで友人のグラディス・ヘルドマンの

協力も得て”女子テニス協会“を

立ち上げるキング。

資金もなく、全米テニス協会からは

追い出され、不安だらけの船出だった。


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だが、グラディスはすぐに

スポンサーを見つけてきた。

バージニアスリム選手権だ。

選手たちが全米でタバコを

吸うことを条件にフィリップモーリス社が

1年間の資金を負担し、

優勝資金は7000ドル。

全米テニス協会の1500ドルより多い!


1973年、アメリカでは男女平等を

訴える運動が各地で展開されていた。

女子テニス協会もその流れに乗り

宣伝活動に励む。

女子テニス史上初めての

カラフルなウェアをまとい

トーナメントが始まった。


サンディエゴでの試合に勝った日、

一人の女性がキングを訪ねてきた。

記者会見前に髪を切ってくれた美容師

マリリン・バーネットだ。

夫を愛している彼女は

マリリンに心惹かれることに戸惑いながらも

次第に心を奪われていくのだった。


その夜遅く、キングの部屋の電話が鳴る。

電話の主はボビー・リッグス。

かつての世界王者は

「男性至上主義者のブタ対フェミニスト

の対決だ!」とまくしたてる。

55歳になって表舞台から

遠ざかっていたボビーは

隠れて賭け事をしていたことが妻にばれ

離婚の危機を迎えていた。

もう一度脚光を浴び、

妻の愛も取り戻したい――

対戦はそんなボビーが

考えついた窮余の一策だった……


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一線を退いた男が追い詰められた末、

思いついた対戦が全米のみならず世界をも

沸かせた決戦になったのであります。


時代の潮流というものは大したものです。

スポーツ、恋愛、社会、政治を巻き込んで

世の中が音を立てて変わっていくんですから。


アメリカ的なスポーツショーかと思いきや、

同性愛あり、男性優位主義への批判あり、

男女同権への真摯な希求あり、の

時代のミルフィーユみたいな映画でした。


それもとびっきり美味しいミルフィーユでしたよ。



バトル・オブ・セクシーズ

監督/ヴァレリー・ファリス&ジョナサン・デイトン、脚本/サイモン・ボーフォイ、製作/クリスチャン・コルソン,p.g.a.、ダニー・ボイル,p.g.a.、ロバート・グラフ,p.g.a.、撮影/リヌス・サンドグレン,F.S.F.

出演

エマ・ストーン/ビリー・ジーン・キング、スティーブ・カレル/ボビー・リッグス、アンドレア・ライズブロー/マリリン・バーネット、サラ・シルヴァーマン/グラディス・ヘルドマン、ビル・ブルマン/ジャック・クレイマー、アラン・カミング/カスパート“テッド”・ティンリング、エリザベス・シュー/プリシラ・リッグス、オースティン・ストウェル/ラリー・キング、ナタリー・モラリス/ロージー・カザルス

76日(金)TOHOシネマズシャンテにてロードショー

アメリカ映画、2時間2分、字幕翻訳/岩辺いずみ


# by Mtonosama | 2018-06-07 06:05 | 映画 | Comments(5)