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殿様の試写室

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ヒトラーを欺いた黄色い星

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Die Unsichtbaren

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(C)2016 LOOK! Filmproduktion / CINE PLUS Filmproduktion (C)PeterHartwig



ストーリー


19432月、

強制労働のためベルリンに残された

すべてのユダヤ人が逮捕され、

ナチス宣伝相ゲッベルスは首都ベルリンから

ユダヤ人は一掃されたと宣言する。


だが、実際には7000人に及ぶユダヤ人が潜伏し、

最終的には約1500人が

あの悲惨な戦争と迫害を生き延びたのだ。

これはその内の4人の物語である。


ツィオマ・シェーンハウス

戦争当時20歳だったツィオマは移送命令を受け

両親と共に集合場所へ向かう。

その移送担当官に対し

「工場へ戻るように言われている」と

咄嗟に嘘をつき、収容所行きを回避できた。

だが、両親とは永遠の別れとなり、

たったひとりになった彼は

出征間際のドイツ兵士になりすまし、

ベルリン市内の空き部屋を転々とすることに。


20軒の空き家を移動した後、

親切な家主に出会い、

落ち着くことができたツィオマは

ユダヤ人を支援するドイツ人カウフマンから

依頼を受け、

ユダヤ人向け身分証の偽造を行うように。


友人から人目につかない作業場を紹介され、

多くのユダヤ人を救うこの仕事に専念。

しかし、

不注意によるトラブルから指名手配され、

新たな潜伏先に向かうのだった――


ルート・アルント

1942年に潜伏を始めた時は20歳。

ユダヤ人はダンスホールへの出入りが

禁じられていたので、

友人宅でダンスを楽しんでいた彼女も

ユダヤ人弾圧の激化から潜伏を模索。

彼女とその家族を最初に匿ったのは

医師であるルートの父親を

娘の恩人として敬うゲール夫人だった。


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いつ逮捕されるかわからない不安の中、

彼女は友人のエレンと戦争未亡人を装って

外出するようになる。

だが、隠れ家を失った彼女たちは

凍てつく街を彷徨い歩くことに。

立ち止まることは逮捕を意味した。

やがて、ナチ国防軍のヴェーレン大佐の

邸宅でメイドの職を得る。

連日、贅沢なパーティを開く大佐は

彼女たちがユダヤ人だと気づきながらも

なぜか彼女たちに仕事を与え、

守ってくれるのだった――


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オイゲン・フリーデ

1943年に潜伏を開始した時は16歳。

母親の再婚相手がドイツ人だったため

彼は家族の中でただ一人、ユダヤの黄色い星を

身につけなくてはならなかった。


両親と別れて潜伏することになった彼は

共産主義者の一家に匿われ、

その家の娘に恋をする。

だが、そんな日々は長くは続かなかった。

ベルリン郊外に住む活動家ヴィンクラ―の家に

引き取られた彼は

周囲に怪しまれないようにと

ヒットラー・ユーゲントの制服を与えられた。


ある日、

テレージエンシュタットの収容所から

脱出してきたヴェルナーが

ヴィンクラ―宅に身を寄せ、

ユダヤ人虐殺の怖ろしい実態を語る。

それを聞いたオイゲンは

ヴィンクラーやヴェルナーによる反ナチ活動を

手伝うのだが、ヴィンクラ―達は逮捕され、

オイゲンの許にも

ゲシュタポの手が伸びてくる――


ハン二・レヴィ

1943年に潜伏開始。当時17歳。

両親を亡くし、知り合いのユダヤ人一家と

暮らしていたみなしごのハン二。

彼女は一人収容所行を免れ、身一つで家を出た。

母の友人を頼り、偽名を使い、

美容院で髪を金色に染め、別人になる。


ある日、

ハン二に好意を寄せるその男性は

間もなく戦地に向かうことになっており、

映画館の窓口係をしている母親の

話し相手になってほしいという。


男性の母親に

「私はユダヤ人で逃げ場がありません」

と伝えるハン二。

するとその母親は自宅に匿ってくれた。

やがて、戦争が終わりに近づく中、

ベルリンに侵攻したソ連兵が

二人の前に現れて……


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映画撮影時は90歳になろうという4人が

インタビューに答えます。

そして

彼らの直面した日々は映画で再現されます。


彼らに残虐な仕打ちをする体制があり、

傷つけ、密告するドイツ人がいた一方で

命を賭して、あるいは豊かな愛情で

彼らを受け入れるドイツ人がいたことに

安堵感を覚えます。


イスラエルの国立ホロコースト記念施設

ヤド・ヴァシェムはユダヤ人を助けた人々を

「諸国民の中の正義の人々」として

顕彰していますが、約600人のドイツ人が

正義の人として認定を受けています。

彼らが知られるようになったのも

生き残ったユダヤ人が救済者に対する

認定を求めたからだということです。


 


ヒトラーを欺いた黄色の星

監督/クラウス・レーフレ、脚本/クラウス・レーフレ、アレハンドラ・ロペス、プロデューサー/クラウス・レーフレ、フランク・エヴァース、撮影/イェルク・ヴィトマ―

出演

マックス・マウフ/ツィオマ・シェーンハウス、アリス・ドワイヤー/ハン二・レヴィ、ルビー・O・フィー/ルート・アルント、アーロン・アルタラス/オイゲン・フリーデ、ヴィクトリア・シュルツ/エレン・レヴィンスキー

728()よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館他全国順次ロードショー

2017年、ドイツ、ドイツ語、111分、日本語字幕/吉川美奈子、配給/アルバトロス・フィルム、http://hittler-kiiroihoshi.com/


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by Mtonosama | 2018-07-04 05:28 | 映画 | Comments(2)

ヒトラーを欺いた黄色い星


-1-


Die Unsichtbaren

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(C)2016 LOOK! Filmproduktion / CINE PLUS Filmproduktion (C)PeterHartwig


映画は多くの知らなかったことを教えてくれます。

本作『ヒトラーを欺いた黄色い星』も

そんな映画です。


第二次世界大戦下

600万人ものユダヤ人が

1941年から45年にかけて

ナチスによって虐殺されました。


1943619日ナチス宣伝相ゲッベルスは

ベルリンからユダヤ人一掃と正式に宣言――


ところが

その時点でも約7000人ものユダヤ人が

ベルリン各地に潜伏し、

最終的には約1500人が

戦争終結まで生き延びたのです。



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ナチスによる凄まじい迫害と監視体制の中

彼らはどのような思いで

また

どのようにして

住処や食料を確保し

ゲシュタポの手や密告者の目から

身を隠してきたのでしょう。


これまでにも

地下水道などに身を潜めるユダヤ人を

描いた映画を観たことはあります。


本作では

4人の生存者に焦点を当てて

彼らへのインタビューと

俳優の演じる映画を組み合わせ、

真に迫るサバイバルストーリーを

描き出しました。


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監督はTV向けの長編ドキュメンタリーを

数多く発表しているクラウス・レーフレ。

この映画も

ナチスの諜報活動に使われた娼館について

テレビドキュメンタリーを製作した時に

ユダヤ人女性が偽の身分証明書でそこに隠れていたことを

知ったのがきっかけとなって生まれました。


そこで共同製作者と調べ始めたところ

194310月から454月までの間に

7000人ものユダヤ人が潜伏しようとし、

1500人もの人が生き残っていたことが判明したのです。


そして

彼らが生き残るには

彼らの運はもちろん

危機に際しての知恵の働かせ方や

ベルリン市民の善意も大きく働いていました。


ここに登場する生存者は

ツィオマ・シェーンハウス

男性/1942年潜伏開始、当時20

ルート・アルント

女性/1942年潜伏開始、当時20

オイゲン・フリーデ

男性/1943年に潜伏開始、当時16

ハン二・レヴィ

女性/1943年に潜伏開始、当時17


194110月、

ドイツ国内からユダヤ人の海外移住が

禁止されると同時に

絶滅収容所への移送が始まりました。

その先にどんな運命が待っているかは

まだ知らなかったにしても

既に全財産を没収され、

胸にはあの黄色い星をつけられ、

警察の監視下にあった彼らにとっては

最も恐れることが

現実になりつつあることは

ひしひしと感じられていたことでしょう。


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そんな中、7000人もの人が

死を覚悟で潜伏する道を選びました。



とどまることも死、

潜伏も死と隣り合わせの危険――


なんと厳しい現実でしょう。


7000人の人が厳しい決断をし、

そして1500人の人が生き残りました。


本作に登場する4人は

どんな日々を送ったのでしょうか。


続きは次回までお待ちください。

乞うご期待でございます。



ヒトラーを欺いた黄色の星

監督/クラウス・レーフレ、脚本/クラウス・レーフレ、アレハンドラ・ロペス、プロデューサー/クラウス・レーフレ、フランク・エヴァース、撮影/イェルク・ヴィトマ―

出演

マックス・マウフ/ツィオマ・シェーンハウス、アリス・ドワイヤー/ハン二・レヴィ、ルビー・O・フィー/ルート・アルント、アーロン・アルタラス/オイゲン・フリーデ、ヴィクトリア・シュルツ/エレン・レヴィンスキー

728()よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館他全国順次ロードショー

2017年、ドイツ、ドイツ語、111分、日本語字幕/吉川美奈子、配給/アルバトロス・フィルム、http://hittler-kiiroihoshi.com/



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by Mtonosama | 2018-07-01 05:56 | 映画 | Comments(12)

ぼくらの家路
-2-
Jack

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(C)PORT-AU-PRINCE Film & Kultur Produktion GmbH


日本の子どもたちも、ドイツの子どもたちも、
みんな必死に生きています。

前回、誰も悪い大人は出てこない、と書きました。
そうなんです。
20歳になるかならずかで子どもを持ったシングルマザーのザナ。
彼女は自分が遊びたい盛り。
息子たちを家に残し、夜な夜な遊びにでかけます。
子どもたちを連れて公園へ遊びにいっても
彼女は友人たちと避妊の話で盛り上がり、挙句、そのまま飲みに出かけ、
子どもたちだけを家に帰らせます。

え、母親が悪いだろうって?

そうなんですよね。

自分の遊びや恋人作りに一生懸命で
口答えもせず、ママを助けて家のことをするジャックに
小さな弟の世話もおしつけているんですから、
彼女のやっていることは立派な育児放棄です。

でもね、彼女、子どもたちを怒鳴りつけたり、叩いたりは決してしないし、
福祉局の役人の冷たい対応には息子をかばって断固言い返したりもします。

だから、ジャックはママが大好きで、家事だって喜んでやっています。

だから、この映画を観る前には決して母や大人が悪いと決めつけないで
ただ、ジャックの働きと行動と決断を注視してほしいのです。
10歳にして大人の階段を上るジャックの目で。

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ストーリー
ベルリン。朝。
10歳のジャックは今朝も6歳の弟マヌエルに朝食を作って食べさせ、
物干しロープからTシャツを外し、身につけるやもう学校に行く時間。
シングルマザーのザナは子育てより恋人や夜遊びを優先しているので
ジャックが代わりに家事と弟の世話を引き受けていた。

だが、ある日、事件が起こった。
ジャックはお湯の温度を調節し忘れてしまい、
マヌエルが火傷を負ってしまったのだ。
その結果、ジャックは養護施設に預けられることになってしまう。

そこでは乱暴な上級生に目をつけられ、何かと苛められるジャック。
友だちもできないまま、待ち望むのはママが迎えに来てくれる夏休み。
ところが、ママは「仕事が入ったので迎えは3日遅れるわ」と電話してきた。

がっかりしたジャックは同室のマークの双眼鏡を持って
施設の裏にある森へ出かける。
ジャックと同じく居残り組のいじめっ子の上級生が
その双眼鏡を川に投げ込んだ時、思わず太い枝で彼を殴り倒してしまった。

その場を逃げ出したジャック。
彼は施設へは戻らず、家へ帰ることにした。

ひたすら歩き続けるジャック。
なけなしの金でケバブを食べ、その店から母の留守電メッセージに
「今から帰るよ」と吹きこんだ。
長い間歩き続け、ようやく辿りついたアパートの階段を勇んで駆け上がる。
だが、ママはいない。
いつもの鍵の隠し場所を探しても鍵はみつからない。

ジャックはママに伝言メモを残し、マヌエルの預け先に向う。
「ママを探そう」と決めた兄弟はママのバイト先や妖しいナイトクラブ、
ベルリン中、ママのいそうな場所を探しまわる。

でも、ママはどこにもいない。
疲れ果てた2人は地下駐車場の廃車の中で夜を明かすのだった……

ジャックが心細い思いを封印し、小さなマヌエルの手をひき、
靴ひもを結んであげながらベルリン中を歩き回ります。
大人たちは彼らを邪険に扱ったりはしないけれど、
だからといって何かをしてくれるわけではありません。

すべて10歳のジャックが自ら決断し、
どうすべきかを決定します。

心の成長痛という言葉があります。
本作は確かに痛みを感じさせる映画です。
でも、それはジャックが一足早く、そして、確実にママより大人になっていく――
その時に感じる心の成長痛なのかもしれません。





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ぼくらの家路
監督/エドワード・ベルガー、脚本/エドワード・ベルガー、ネル・ミューラー=ストフェン、プロデューサー/ヤン・クルーガー、レネ・ローマート、撮影/イェンス・ハーラント
出演
イヴォ・ピッツカー/ジャック、ゲオルグ・アームズ/マヌエル、ルイーズ・ヘイヤー/ザナ、ネル・ミュラー=ストフェン/ベッキ、ヴィセント・レデツキ/ヨナス、ヤコブ・マッチェンツ/フィリップ
9月19日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
2013年、ドイツ、103分、日本語字幕/吉川美奈子、配給/ショーゲート、後援/ドイツ連邦共和国大使館、http://bokuranoieji.com/

by Mtonosama | 2015-09-16 05:41 | 映画 | Comments(4)