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殿様の試写室

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タグ:ラーフル・ジャイン監督 ( 2 ) タグの人気記事

人間機械

-2-


MACHINES


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(C)2016 JANN PICTURES, PALLAS FILM, IV FILMS LTD


江戸川乱歩に

「人間椅子」という作品がありますが、

これは人間機械です。


人間が機械になってしまったような

おぞましい感じがあります。

もしかしたら

「人間椅子」よりも怖いかもしれません。


ラーフル・ジャイン監督は5歳の頃、

スーラトという町に祖父が所有していた

繊維工場を遊び場にしていました。

そうなんですね。

彼は本作に登場する労働者たちとは

違って富裕層に所属する人間です。


監督は撮影のため、多くの工場を訪ねる内に

自分の階級を意識するようになったそうです。

労働者たちは口を閉ざし、

自分について語ろうとはしませんでした。

彼が経営者側に属する人間だったからです。


映画の中にもそんなシーンがあり、

小心者の管理人は

「わ、こりゃ監督は辛かろう」と思いました。


それでも何人かの労働者は

自分が工場で働くことになった

いきさつを話しています。


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ストーリー

多くの機械が唸る暗くて複雑な迷路のような

工場の奥へとカメラは進む。

グジャラート州にある巨大な繊維工場。

カメラはそこに働く人々の姿をとらえ、

苛酷な労働、容赦ない貧富の差を映し出す。

1960年代からインド西部グジャラート州の

サチン地域では規制のないまま

工業化が進められた。

本作に描かれる前近代的な労働条件は

その証左である。


多くの子どもが労働に従事し、

組合もなく、残業時間は週7080時間を超える。

その殆どが無賃金あるいは低賃金である。


工場の幹部は言う。

「彼らにまともな賃金を与えても

酒とタバコに消え、

田舎の家族は路頭に迷うだけだ」


工場労働者は言う。

「組合は必要だ。だけど、誰が指導する?

代表者は殺される。

あんたがやってくれると言うなら良いさ」……


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国際労働機関によれば

世界中で2100万人が

強制労働の被害者とされています。

「世界奴隷指数」は

(オーストラリアの人権団体が発表)

3600万人にも達すると言われ、

その内半分がインドにいるとされています。


最近フェアトレードということが

良く言われますが、

フェアトレードとは

需要や市場価格の変動によって

生産者が不当に安い価格で買い叩かれたり、

恒常的な低賃金労働者が発生することを防ぎ、

また児童労働や貧困による乱開発という形での

環境破壊を防ぐことを目的としている。

最終的には

生産者・労働者の権利や知識、

技術の向上による自立を目指す。

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1115767411


ああ、わかってはいるものの――


怖いのに、

理不尽なのに、

目を背けたいのに

腹が立つのに

天女が舞い降りてくるように

美しい布が生まれ、

褐色の筋肉が盛り上がって

材料を運搬する労働者の様子、

紗のような布を透して見る薄暗い明り

それらのなんと美しいことでしょう。


「実物を見るのは憚られても

それを描いた絵を見ることは喜びをもたらす」

アリストテレスの言葉です。


それにしても

1年に10億点もの新品の洋服が捨てられる日本…



人間機械

監督・脚本/ラーフル・ジャイン、撮影/ロドリゴ・トレホ・ヴィラヌエバ、製作/ラーフル・ジャイン、タナシス・カラサノス、イッカ・ヴェファカラハティ

7月21日(土)渋谷ユーロスペース他にて全国順次ロードショー

2016年、インド・ドイツ・フィンランド、カラー、71分、日本語字幕/岡崎真紀子、配給/株式会社アイ・ヴィー・シー



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by Mtonosama | 2018-07-10 08:53 | 映画 | Comments(4)

人間機械

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MACHINES


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(C)2016 JANN PICTURES, PALLAS FILM, IV FILMS LTD


先日、朝日新聞に

「捨てられる新品の服『年10億点』」

という見出しが躍っていました。

大手通販業者や若者に人気のブランドの

商品などの新品が売れ残り、

倉庫に山積みになっているのだそうです。

大阪市の在庫処分業者の倉庫には

売れ残った、少しほつれていた、等

理由は様々ながら、

一度も売り場に並ばなかった服さえ

アパレル業者や工場等から

年間500万点が持ち込まれ、

これらは定価の1718%で売られます。


安くても売れていくならまだいいのですが、

銀座に出店する有名ブランドなどは

売れ残りの商品をすべて破砕して焼却するよう

依頼し、1点ずつの証拠写真も

求めるのだそうです。

(朝日新聞7/3付け朝刊より)


エーッ!

あの数万円以上の洋服が

誰も手を通してないのに切り刻まれ、

燃やされてしまうのですか?

エーッ!


というショックも消えない74日に観たのが

本作『人間機械』でした。


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スクリーンに映し出される巨大な工場。

薄暗い工場内を更に薄暗くする

濛々とした蒸気。

そして膨大な量の布。


インド北西部グジャラート州にある

巨大な繊維工場がこの作品の舞台です。


インドは、衣料品用の天然繊維・化学繊維ともに

世界第2位の繊維大国で、

繊維アパレル産業は

10%を占める基幹産業のひとつです。

2016年の統計によると

繊維アパレル産業の雇用者数は

直接雇用で約4500万人

間接雇用で約1億人とのこと。


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綿花の発祥の地であるインドは

植民地時代に綿花の栽培と綿花・綿糸の

製造が産業として定着しました。


独立後のインドでは

手工業や小規模産業を保護するため、

近代的大規模工場が規制されたので、

多くの中小企業が繊維産業を担っています。

ただ、近年、成長著しいアパレル産業では

大企業の進出が認められ、

ポリエステルの糸・繊維製品の製造も盛んで

本作に登場するのもそんな工場です。


そうした工場で働くのは

出稼ぎ労働者。

家族を故郷に置いて働きに来ている人々です。

そして、子ども達。

一日12時間に及ぶ苛酷な労働。

それは子どもの働き手も同様です。


今インドは凄まじい経済成長を遂げています。

英語人口が多いだけ、ビジネス面でも

労働力の面でも中国を凌駕するのではないか、

という話も聞いたことがあります。


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しかし、

映画の舞台である繊維工場に

入ったカメラがとらえるのは

そんなきれいごととは程遠い世界。

古くて不潔で薄暗い工場では

紡績機や製織機の立てる轟音の中で

子どもを含む多くの労働者が働いています。


監督はニューデリー出身の

ラーフル・ジャイン。

本作がデビュー作です。


さあ、一体どんな作品でしょうか。

続きは次回まで乞うご期待でございます。



人間機械

監督・脚本/ラーフル・ジャイン、撮影/ロドリゴ・トレホ・ヴィラヌエバ、製作/ラーフル・ジャイン、タナシス・カラサノス、イッカ・ヴェファカラハティ

7月21日(土)渋谷ユーロスペース他にて全国順次ロードショー

2016年、インド・ドイツ・フィンランド、カラー、71分、日本語字幕/岡崎真紀子、配給/株式会社アイ・ヴィー・シー



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by Mtonosama | 2018-07-07 06:10 | 映画 | Comments(8)