ブログトップ | ログイン

殿様の試写室

mtonosama.exblog.jp

殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

タグ:多様性に富んだ街 ( 1 ) タグの人気記事

ニューヨーク、

ジャクソンハイツへ

ようこそ

--


IN JACKSON HEIGHTS


f0165567_06002932.jpg

(C)2015 Moulins Films LLC All RightsReserved



1930年生まれのフレデリック・ワイズマン監督は

今年88歳。米寿ですね。


ユダヤ系移民である弁護士の父と

社会活動家である母の間に

ボストンで生まれたワイズマン監督。


父は、ヨーロッパからの移民、特に

人種差別や戦争から逃れて

アメリカに亡命してきたユダヤ人の亡命に

尽力していました。


彼の生まれた30年代のボストンでは

ユダヤ人の多くが、

ゲットーで暮らし、

ニューイングランド支配層からは

二等市民扱いを受けていました。

ワイズマン家では人種間の対立や嫌悪感が

しばしば話題に上っていたそうです。


子どもの頃からそんな環境に育ち、

人間やその行動、

その結果から生まれる施設や地域に

魅かれてきた監督にとって

ドキュメンタリー映画を撮ることは

まさに天職だったことでしょう。


今回、彼が選んだのは

NYクイーンズ区の一部ジャクソンハイツ。


中南米各国やパキスタン、バングラデシュ、

タイ、インド、ネパール、チベットの

人々から成るコミュニティがあり、

彼らは初期の移民の子孫である

イタリア人、ユダヤ人、アイルランド人と

暮らしています。

つまり、この地域は人種のるつぼなんですね。


映画は、ジャクソンハイツの通りの出来事や

衣料品店やコインランドリー、パン屋さん、

レストラン、スーパーマーケット、

モスクや寺院や教会等を映し出しています。




通りでは、虹色の旗を掲げて

ゲイのパレードが繰り広げられています。


「フォレストヒルズ、キューガーデンズ等には

今、大勢のゲイが住んでいるが、

様々なことが始まったのは

ここジャクソンハイツだった」


また、狭い敷地で昔ながらの商売を営む小さなお店。

それが再開発で家賃が上がり、

GAPなど大規模店舗が進出すれば

どうやったって太刀打ちできません。


「こうして少しずつジャクソンハイツの

古い住民が追い出される。

僕らが作ったジャクソンハイツを

彼らが壊し、よそ者を住まわせる」


そんな悩める商店主の訴えに耳を傾ける

ボランティアたちは言う。

「この辺の小さな商店主全員で団結して

反対を唱え、状況を変えられるよう

協力したいんだ」


f0165567_06123747.jpg

「メイク・ザ・ロード・ニューヨーク」では

各国からやってきた移民たちが

タクシー運転手になるための講習を

受けています。


ここは永住権のあるなしにかかわらず

あらゆる移民、人種、

あらゆるジェンダーの人々に

安心とサポート、連携を提供するNPOです。


「メイク・ザ・ロード・ニューヨーク」は

虐待や差別にあった人の経験と声を集め、

個別の問題を解決するだけではなく

社会システムの変革につながるための

活動を行っています。


疑似質問でボランティアは問いかけます。

「もしあなたが、

試験官になぜアメリカ人になりたいかと

訊かれたら、なんて答える?」


あるいは講習会でこう説明します。

IDがいかに大事か忘れないで。

生活改善の助けになる。

なければ貧困から抜け出せない。

貧困は奴隷と同じ。

だけど、宿命じゃない。

努力すれば変えられる」


f0165567_06142635.jpg


今さら言うまでもなく

アメリカ合衆国は移民によって

形成された国家だったのですよね。


移民や高齢者、弱者に寄り添う

市民ボランティアの姿に心打たれます。


アメリカっていろんな問題もあるけれど

良いところもたくさんあります。


189分という長い映画ですが、

NYに行くほどの時間ではありません。

先ずは映画館でお楽しみください。



今日もポチッとお願いできれば嬉しいです♪

↓↓↓↓↓
☆10月12日に更新しました。いつも応援してくださって本当にありがとうございます☆


ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ

監督・録音・編集・製作/フレデリック・ワイズマン、撮影/ジョン・デイヴィー、サウンドミックス/エマニュエル・クロゼ、カラーグレーディング/ジル・グラニエ、編集助手/ナタリー・ヴィニェー、音響編集助手/クリスティーナ・ハント、製作総指揮/カレン・コニーチェク、製作/ムーラン・フィルムズLLC、製作出資/フォード・ファウンデーション、PBSITVS、サンダンス・インスティチュート・ドキュメンタリー・フィルム・プログラム、パーシング・スクエア・ファウンデーション

10月20日(土)シアター・イメージフォーラムにてロードショー

2015年、アメリカ・フランス合作、189分、カラー、字幕翻訳/齋藤敦子、配給/チャイルド・フィルム、ムヴィオラ




by Mtonosama | 2018-10-12 06:16 | 映画 | Comments(6)